「うどんを食べていたらじっと見つめられた」「そうめんの残りをあげてもいい?」と迷う場面は意外と多いものです。結論から言うと、うどん・そうめん・パスタは、ゆでただけの味付けなしの麺を、おやつ程度に少量なら与えても大きな問題にはなりにくいとされています。ただし、麺そのものに塩が使われていること、つゆ・ソース・薬味・具材に危険なものが多いことから、条件付きの「△」と考えておくのが安全です。
この記事は獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省のガイドライン、獣医師が執筆しているメディア、海外の獣医系情報などを読み比べてまとめたものです。持病のある子は、与える前にかかりつけの獣医師に相談してください。
うどん・そうめん・パスタの可否と早見表
| 食べ物 | 可否 | ポイント |
|---|---|---|
| ゆでうどん(つゆなし) | △ | 短く切って少量。麺にも少し塩分がある |
| そうめん(つゆなし) | △ | 短く切って少量。詰まらせないよう注意 |
| パスタ(ソースなし) | △ | 塩を入れずにゆでる。海外の獣医系情報では「積極的にはすすめない」との声も |
| かけうどん・めんつゆ・ソース付き | × | 塩分・油・ねぎ・にんにくなどのリスク |
| 乾麺・生麺のまま | × | のどや腸に詰まる、消化不良の原因になる |
ほかの食べ物の可否は、犬が食べていいもの・ダメなもの早見表でも確認できます。
なぜ「少量・味なし」なら大丈夫なのか
うどんの材料は小麦粉・水・塩だけ、そうめんも小麦粉・水・塩(手延べでは植物油も使用)が基本で、犬にとって毒になる成分は含まれていません。獣医師が執筆するPETOKOTOの記事も、味付けをせず、おやつ程度にとどめるなら与えてよいという立場です。パスタについても、獣医師が監修した海外のペット情報サイトPetMDは「プレーンにゆでたパスタに毒性のあるものは入っていない」と説明しています。
一方で、栄養面で期待できることはほとんどありません。PETOKOTOの記事に載っている日本食品標準成分表の数値では、ゆでうどん100gあたりのエネルギーは105kcal、たんぱく質は2.6gで、中身の大半は炭水化物です。PetMDは、麺類で犬に必要な栄養を意味のある量だけ摂ろうとすると、先に体重が増えてしまうとして、パスタ類はそもそもすすめないという立場をとっています。「栄養のために与える」のではなく、「ひと口あげて楽しむ」程度の食べ物です。
気をつけたい「塩分」
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、犬が1日に摂る食塩の量は人間の3分の1程度でよいといわれており、人の食事をそのまま与えると知らないうちに塩分が過剰になり、心臓や腎臓に負担をかけることがあると説明されています。ゆでうどん100gにはナトリウムが120mg(食塩に換算すると約0.3g)含まれると、PETOKOTOの記事が引用する成分表に載っています。麺だけならわずかですが、つゆや味付けが加わると一気に増えます。塩分については犬の塩分の摂りすぎの記事も参考にしてください。
与え方:ゆで方・切り方・量の考え方とNGの付け合わせ
- 塩を入れずにゆでる:パスタをゆでるときに塩を入れるのは人の味付けのためで、犬には必要ありません。PETOKOTOの記事もお湯だけでゆでるよう勧めています。
- やわらかくゆでて、水で洗う:のど越しがよくなり、表面の塩分や油分も落とせます。
- 2cm前後に短く切る:長い麺を丸のみすると、のどに詰まったり、消化不良を起こしたりします。そうめんは細いぶん絡まりやすいので、特に短く。
- 少量を、ドッグフードにのせる程度:主食にはしません。
量はグラム数で言い切れません。PETOKOTOなどは、おやつは1日に必要なカロリーの10%以内を目安にするとしていますし、環境省のガイドラインは間食を20%以内に抑えるよう述べています。どちらも上限の考え方で、体格や食事内容で変わります。食べさせたぶん、ドッグフードを少し減らして調整しましょう。初めて与える日は、ほんの数本から。
海外のメディアでは「小型犬なら麺1本程度」といった具体例を挙げるところもありますが、これらは目安の一例にすぎません。
これは絶対にNG:つゆ・薬味・ソース・具材
- めんつゆ・かけ汁:塩分が多いため、麺にかけたり、汁ごと飲ませたりしないでください。
- ねぎ・玉ねぎ・にんにくなど(ネギ類):赤血球を壊して貧血を起こす中毒の原因になります。うどんの薬味のねぎ、パスタソースに使われる玉ねぎやにんにくが典型例です。詳しくは犬の玉ねぎ中毒の記事を見てください。
- わさび・唐辛子などの香辛料:胃腸を刺激し、胃炎や下痢の原因になります。
- パスタソース(トマト・クリーム・ミートなど):PetMDは「パスタソースは決して与えてはいけない」とし、にんにく、玉ねぎ、砂糖、塩、バターを理由に挙げています。チーズをのせるのも、乳糖が合わない犬や、脂肪で膵臓に負担がかかる可能性があるためすすめていません。
- 天ぷら・かき揚げ・油揚げ:油が多く、消化器に負担がかかります。
- かまぼこ・ハム・ベーコンなど:塩分が多い加工食品です。環境省のガイドラインも、ハムやソーセージなどは塩分が多い食品の例に挙げています。
注意が必要な犬・ケース
- 小麦アレルギーの犬:うどん・そうめん・パスタはどれも小麦が原料です。湿疹、かゆみ、嘔吐、下痢、口周りの腫れなどが出ることがあり、重い場合は命に関わるアレルギー反応を起こすおそれもあるとPETOKOTOは説明しています。初めて与えるときは必ず少量から。症状が心配なときは犬の食物アレルギー検査方法も参考にしてください。
- 腎臓・心臓に持病がある犬:塩分やカリウムの管理が必要なことがあります。PETOKOTOのそうめんの記事は、腎臓に問題がある犬では塩に含まれるカリウムが排出されにくくなるおそれがあると述べています。与える前に獣医師へ。
- 肥満気味の犬、糖尿病の犬:麺類は炭水化物が中心です。足せば足しただけ体重に響きます。
- 膵炎を起こしたことがある犬:ソースや油を使った麺料理は避けてください。
- 食べるのが早い犬・丸のみする犬:長い麺はのどに詰まる心配があるため、必ず短く切ります。
つゆごと食べた・ソース付きを食べたとき
ゆでただけの麺を数本多く食べた程度なら、軟便や一時的なお腹の張りがないか様子を見る程度で済むことが多いと考えられます。次のような場合は、動物病院に連絡して指示を仰いでください。
- ねぎ・玉ねぎ・にんにくが入ったつゆやソースを食べた(少量でも相談を)
- 嘔吐や下痢が続く、ぐったりしている、水を異常にたくさん飲む
- 顔や口の周りが腫れる、全身をかゆがる
- 乾麺や長い麺を飲み込んで、のどに引っかかっている様子がある
連絡の際は、食べたもの・おおよその量・時間を伝えると判断がスムーズです。自己判断で吐かせようとするのは避けてください。
よくある質問
Q. 冷やしそうめんや、ざるうどんのつゆなしの麺はOKですか?
つゆにつけていない麺を短く切って少量であれば、問題になりにくいとされています。ただし冷たいままだとお腹が冷えやすい子もいるので、水洗いしたあとの冷たい麺は常温に近づけてから与えましょう。
Q. 全粒粉パスタやグルテンフリーの麺なら安心ですか?
全粒粉パスタは食物繊維が増える一方、PetMDは「栄養が増える量を食べさせれば太る」と指摘しています。グルテンフリーの麺は原料が米や豆などに変わるだけで、塩分やカロリーの考え方は同じです。どちらも「特別に安全」ではありません。
Q. 焼きそばやカップ麺の麺は?
焼きそばは油とソース、カップ麺は塩分とスープ・調味料が加わるため、どちらも与えないでください。中華麺はかん水を使うなど、うどんやそうめんとは作り方も違います。
まとめ
- ゆでただけの味なしの麺を、短く切って少量だけなら与えられる(△)。
- 塩を入れずにゆで、水で洗い、2cm前後に切る。乾麺や長い麺はNG。
- めんつゆ・ソース・ねぎ・にんにく・玉ねぎ・わさび・揚げ物・加工食品は与えない。
- 量の目安は「1日に必要なカロリーの一部」。環境省は間食を20%以内、獣医師執筆メディアは10%以内を例に挙げ、食べたぶんフードを減らす。
- 小麦アレルギー、腎臓・心臓の持病、肥満、糖尿病、膵炎の経験がある犬は、与える前に獣医師へ相談する。
- 麺類に栄養上のメリットはほとんどない。「ひと口の楽しみ」と考える。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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