おにぎりの海苔、味噌汁のわかめ、だしの昆布。海藻は食卓にいつもあるので、「ちょっとあげても大丈夫?」と気になりますよね。結論から言うと、味付けのない海苔・わかめ・昆布を、細かくして少量、たまに与える程度なら問題になりにくい(△)とされています。ただし、海藻のミネラルについては出典によって意見が分かれていて、尿路結石や腎臓、甲状腺に心配がある犬は避けたほうが安心です。
この記事は獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省のガイドライン、獣医師が執筆・監修している複数のメディアを読み比べてまとめたものです。診断や個別の指示の代わりにはなりません。
海苔・わかめ・昆布の可否と早見
| 食べ物 | 可否 | ポイント |
|---|---|---|
| 焼き海苔(味付けなし) | △ | 細かくちぎって少量。のどに張り付きやすい |
| 味付け海苔・韓国海苔 | × | 塩分・油・調味料が多い |
| わかめ・めかぶ(無塩・無味) | △ | よく煮て細かく切る。乾燥は戻してから |
| 昆布(無添加) | △ | 消化しにくい。細かく切る、または柔らかく煮る。ヨウ素が非常に多い |
| 塩昆布・おしゃぶり昆布・佃煮 | × | 塩分・砂糖・しょうゆが多い |
ほかの食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も見てください。
なぜ「少量・たまに」なのか:ミネラルと結石の話
海藻の特徴は、食物繊維やミネラルが多いことです。獣医師が執筆するPETOKOTOの記事は、海苔、わかめ、昆布のいずれも、味付けがなければ少量は与えてよいとしています。獣医師監修の「わんちゃんホンポ」の海苔の記事も、味付けや油を使っていない焼き海苔を少量なら、大きな問題が起こりにくいとしています。
一方で、見解が分かれる点もあります。環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」は、「注意が必要なもの、与えすぎないほうが良いもの」の一覧に海苔(とにぼし)を入れ、マグネシウムの過剰が尿路疾患の要因になることがあると説明しています。アニコム損保の獣医師監修記事も、のりはミネラルが豊富で尿石症の原因になるとして、泌尿器の病気がある犬には与えないよう勧めています。PETOKOTOの記事でも、マグネシウムなどのミネラルを多く含む食品を摂りすぎると結晶化して結石ができる可能性があり、藻類にはマグネシウムが多いと説明されています。
つまり、「少量なら健康な犬には大きな問題になりにくいが、積極的に与えるメリットは小さく、結石になりやすい犬では避けたい」というのが、複数の出典から読み取れる落としどころです。結石やその既往については犬の尿路結石完全ガイドも参考になります。
昆布とわかめのヨウ素にも注意
海藻類にはヨウ素が多く含まれます。PETOKOTOの記事が引用している日本食品標準成分表の数値では、わかめ100gあたり1,600μg、刻み昆布100gあたり230,000μgのヨウ素が含まれ、昆布は食塩も10.9g含まれるとされています(いずれも乾燥した状態や乾物の値で、実際に食べる量は何分の一にもなります)。わんちゃんホンポの記事は、ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になるものの、必要な量はわずかで、与えすぎが続くと甲状腺への影響が懸念されるため、健康のために増やす使い方は避けるよう勧めています。
与え方:種類ごとの扱いと量の考え方
海苔
味付けのない焼き海苔を、キッチンバサミなどで細かく刻みます。大きいまま乾燥した状態で与えると、口やのどに貼り付く原因になります。わんちゃんホンポの記事は、ドライフードにはぬるま湯で軽く湿らせてから混ぜると貼り付きにくい、と紹介しています。同記事の量の目安は、1回あたり体重5kgまでの小型犬で0.2〜0.3g(3〜5cm角を1枚ほど)、数日に1回程度です。これは一つの出典の例で、体格や持病で変わります。
わかめ・めかぶ
生のものはよく煮て、細かく切ります。乾燥わかめは、水で戻さずに与えると胃の中で膨らむおそれがあるため、必ず戻してからにします。味付きのわかめや、塩蔵のもの、サラダ用のドレッシング付きは与えません。
昆布
PETOKOTOの記事では、昆布は食物繊維が多く消化しにくいため、乾燥したまま与えるとのどを傷つけるおそれがあり、細かく切るか柔らかく煮て与えるとされています。とろろ昆布は無添加で少量なら問題にならないが、商品によって砂糖やはちみつが使われていることがあるため、原材料の確認が必要です。だし昆布は、無塩のだし汁であれば与えられますが、いかやたこなど犬に危険な食材と一緒に煮ていないか確認が必要です。
量の全体的な考え方
PETOKOTOは、おやつとして与えるなら1日に必要なカロリーの10%以内を目安に挙げています。環境省は間食全体で20%以内を挙げます。ただし、海藻はカロリーよりもミネラルの量が問題になる食べ物なので、カロリー換算の10%まで食べさせるのは多すぎます。「ひとつまみ」が上限の感覚で、毎日は与えません。
注意が必要な犬・ケース
- 尿路結石の経験がある犬、結石予防の療法食を食べている犬:ミネラル量が管理されています。海藻は与えず、必ず獣医師に確認してください。
- 腎臓に持病がある犬:PETOKOTOは、腎臓疾患のある犬には海苔を与えないほうが安全としています。腎臓の症状は犬の腎臓病の初期症状の記事も参考に。
- 甲状腺の病気がある犬、治療中の犬:ヨウ素の量が関わるため、自己判断は避けてください。
- 食べるのが早い犬・丸のみする犬・シニア犬:海苔がのどに貼り付く心配があります。
- 子犬:消化機能が安定していない時期です。与えないのが無難です。
- アレルギーが心配な犬:初めては少量から。下痢、嘔吐、皮膚のかゆみ、元気がない、目の充血が出たら、獣医師に相談してください。
食べすぎた・味付きを食べたとき
焼き海苔を数枚食べた程度であれば、軟便や下痢にならないか様子を見ることが多いと考えられます。食物繊維が多く消化しにくいため、便がゆるくなったり、黒っぽい海藻のかけらが便に混じったりすることがあります。次のような場合は、動物病院に連絡して指示を仰いでください。
- 下痢や嘔吐が続く、ぐったりして元気がない
- 水を飲む量やおしっこの回数が普段と違う、血尿、トイレ以外での粗相、おしっこの出が悪い様子
- 味付け海苔、塩昆布、おにぎりなど、塩分が多いものを大量に食べた(犬の塩分の摂りすぎの記事も参照)
- 海苔の袋に入っていた乾燥剤や脱酸素剤を飲み込んだ可能性がある
よくある質問
Q. おにぎりの海苔や、お寿司の海苔はあげてもいいですか?
おにぎりやお寿司で使った海苔には、ご飯粒、塩分、しょうゆや酢などの調味料が付いています。わんちゃんホンポの記事も、取り分けた海苔は塩分や調味料が付着していることがあると指摘しています。これは避けて、味付けのない焼き海苔だけにしてください。
Q. 味噌汁やスープに入っているわかめはどうですか?
汁に含まれる塩分や、具のねぎ類などのほうが問題になります。環境省のガイドラインでは、味噌汁も塩分を多く含む食品の例として挙がっています。わかめだけを取り出して汁気を切っても塩分は残るため、人の汁物の具として入っているわかめは避け、無塩で煮たものを少量にとどめてください。
Q. 海藻サプリや「海藻パウダー」は犬に与えていいですか?
濃縮されたものは、ヨウ素やミネラルの量が食材よりもずっと多くなるおそれがあります。サプリは効果を期待して与えるものではなく、与える前に獣医師へ相談することが大切です。
まとめ
- 無添加の海苔・わかめ・昆布を、細かくして少量たまに与える程度なら大きな問題になりにくい(△)。
- 環境省・アニコム損保は海苔のミネラル(マグネシウム)が尿路疾患の要因になりうると注意、獣医師執筆メディアは少量ならOKとして、見解が分かれている。
- 味付け海苔、韓国海苔、塩昆布、佃煮、おしゃぶり昆布は与えない。
- 昆布・わかめはヨウ素も多い。健康目的でたくさん与えない。
- 尿路結石、腎臓、甲状腺の持病がある犬、子犬は避け、与える前に獣医師へ相談する。
- 海苔はのどに貼り付きやすいので、必ず細かくする。乾燥剤の誤飲にも注意。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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