夏の定番の麦茶、食後の緑茶、ペットボトルのお茶。人と同じ飲み物を愛犬にも少し分けたくなることがありますよね。結論から言うと、緑茶・紅茶・ほうじ茶・烏龍茶などカフェインを含むお茶は犬に与えない(×)、麦茶はカフェインを含まないため少量で条件付きなら飲ませてもよい(△)とされています。ただし、犬の水分補給は基本的に新鮮な水で十分で、お茶を飲ませる必要はありません。



ひとつずつ、やさしく整理していくね。


この記事は獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省のガイドライン、アニコム損保、Pet Poison Helpline、獣医師が監修しているメディアなどを読み比べてまとめたものです。診断や個別の指示の代わりにはなりません。
お茶の種類別の可否と早見表
| お茶の種類 | 可否 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 緑茶・煎茶・玉露・抹茶 | × | カフェイン。抹茶は粉末なので特に注意 |
| 紅茶・烏龍茶・ほうじ茶・玄米茶 | × | カフェインを含む |
| 麦茶(無糖・無添加) | △ | カフェインなし。常温で少量。尿石症の経験がある犬は避ける |
| ジャスミン茶・プーアール茶 | × | カフェインを含む |
| そば茶・黒豆茶・ハトムギ茶など | △〜× | アレルギーや体質に注意。基本は与えない |
| カフェインレス(デカフェ) | △〜× | 完全にゼロとは限らない |
ほかの食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も見てください。
💡 なぜカフェイン入りのお茶はダメなのか


環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」は、コーヒーや緑茶、紅茶などのカフェインを含む飲み物を与えると、犬や猫が下痢、嘔吐、体温の不調、多尿、尿失禁、てんかんの発作などを起こすことがあると説明しています。アニコム損保の獣医師監修記事も、緑茶を「絶対にNG」の食べ物に分類し、中毒による興奮などの神経症状や、心臓の異常を起こすおそれがあるとしています。
Pet Poison Helplineによると、犬は人より一般にカフェインに敏感で、コーヒーや紅茶、清涼飲料のごく少量をなめた程度では多くの場合、中毒になりにくいものの、使っていないコーヒーの粉や豆、ティーバッグ、サプリメントなどは重い中毒の原因になりうるとされています。症状としては、落ち着きのなさ、胃腸の不調、心拍や血圧の変化、震えやけいれんなどが挙げられています。
お茶の種類による違い
獣医師監修の「わんちゃんホンポ」の記事は、カフェインを含むお茶として、緑茶、玉露、抹茶、ほうじ茶、玄米茶、ジャスミン茶、ウーロン茶、紅茶、プーアール茶を挙げています。
同記事の100mLあたりのカフェイン量の目安は、玉露が120〜200mg、紅茶が約30mg、煎茶・ウーロン茶・ほうじ茶が約20mg、玄米茶が約10mgです(抽出の条件で変わります)。
抹茶は茶葉を粉末のまま摂るため、抽出した液よりも成分を取り込みやすく、茶葉やティーバッグを飲み込んだ場合も、抽出液より多くのカフェインを取り込むおそれがあるとされています。
犬には「この量までなら安全」といえる目安はなく、少量でも体調を崩す可能性があるとされています。カフェイン中毒の症状と対処は犬のカフェイン中毒の記事で詳しく説明しています。
玄米茶は、ご飯の玄米とは違い、茶葉が入っているため与えられません(玄米そのものは犬にご飯は食べていい?で説明しています)。
麦茶は飲ませてもいい?条件と量の考え方
麦茶は大麦を煎って煮出したもので、カフェインを含みません。わんちゃんホンポの麦茶の記事(獣医師監修)は、基本的に問題ないとしながら、栄養補給の目的で与える必要はなく、水分補給の補助や嗜好品として位置づけています。与える条件は次のとおりです。
- 無糖・無添加:原材料が大麦(またははだか麦)のみのシンプルなもの。砂糖、人工甘味料、香料入りは避ける
- 常温で:冷やしすぎない。人が「ぬるい」と感じる程度。冷たいものは胃腸への負担になりうる
- ごく少量から:初めては小さじ1杯(約5mL)程度から。同記事は体重1kgあたり5〜10mL、1日1回までを目安の例に挙げていますが、体質や食事内容で変わります
- パックを食べさせない:煮出したあとのパックや麦かすの誤飲は腸閉塞のおそれがあります
飲みすぎると軟便や食欲低下になることがあるため、水を飲む習慣を崩さないようにしてください。
麦茶とミネラル・尿石症の話
アニコム損保の記事は、麦茶を「△:与え方には注意」とし、大麦に含まれるミネラルが尿石症の原因になるため、尿石症になったことがある犬には与えないよう案内しています。
一方、麦茶の記事(わんちゃんホンポ)は、麦茶に含まれるカリウムとナトリウムはごくわずかで、ミネラル補給の効果は期待できないとし、カリウム制限が必要な腎臓病・心臓病の犬や、利尿薬・心臓薬を使っている犬は獣医師に相談するよう述べています。
出典で意見が少し違うため、結石の経験がある犬、腎臓・心臓に持病がある犬は、麦茶を与える前に必ず獣医師に確認してください(犬の尿路結石完全ガイド)。
⚠️ 注意が必要な犬・ケース


- 尿石症の経験がある犬、腎臓・心臓に持病がある犬:麦茶を含め、お茶は与えません。
- 小型犬・子犬:少量でも体重あたりの量が多くなります。お茶ではなく水を。
- 食物アレルギーが心配な犬:大麦はイネ科植物で、まれにかゆみ、赤み、下痢、嘔吐が出ることがあります。そば茶は、アレルギーが重くなるおそれがあるため、アレルギーの有無が不明な場合は与えないのが最も安全とされています。
- ハーブティー・健康茶:種類によっては、犬に向かない成分が入っていることがあります。ブレンド内容を確認できないものは与えません。
飲んでしまったとき
カフェイン入りのお茶をなめた程度であれば、様子を見ることもありますが、種類・量・濃さがわからない場合や、茶葉・ティーバッグ・抹茶を食べた場合は、動物病院へ早めに連絡してください。
わんちゃんホンポの記事によると、カフェイン入りのお茶を口にして、30分〜2時間程度で変化が出ることがあるとされています。次のような様子があるときは、至急動物病院へ連絡しましょう。
- 落ち着きがない、過度に興奮する、震える
- よだれが増える、嘔吐、下痢
- 呼吸が荒い、心拍が速い
- ふらつく、けいれん、意識がもうろうとする
- 舌や歯ぐきが紫色っぽい
相談の際は、お茶の種類、量、濃さ、飲んだ時刻、犬の体重・年齢・現在の様子を伝えます。家庭にある塩水や薬剤などで自己判断で吐かせるのは危険です。吐かせるかどうかは獣医師の判断に従ってください。
よくある質問


- 水を飲まない夏は、麦茶で水分をとらせてもいいですか?
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水を飲まない様子が続くときは、お茶で補うより、水の置き場所や器を見直す、フードに水分を足すなどを考えます。ぐったりしている、食欲もないなど、ほかの様子があれば受診を。環境省のガイドラインも、水を飲む量が異常に多い・少ないことを体調変化のチェック項目に挙げています。
- ペットボトルの無糖のお茶なら大丈夫ですか?
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緑茶、ほうじ茶、烏龍茶、紅茶などの「無糖」は、糖分がないだけで、カフェインは含まれます。麦茶でも、ブレンド茶(そば、黒豆、ハトムギ入りなど)は成分が違うため、原材料を確認してください。
- 人が飲んだ残りのお茶を、ふいになめてしまいました。
-
ひとなめ程度で、茶葉やティーバッグを含んでいない液体であれば、すぐに重い症状が出る可能性は高くないと考えられますが、様子を見て、上のような症状があれば動物病院へ連絡してください。習慣にしないことが大切です。
まとめ
- 緑茶・紅茶・ほうじ茶・烏龍茶・玄米茶・抹茶などカフェイン入りのお茶は与えない(×)。茶葉やティーバッグは特に危険。
- 麦茶は無糖・無添加・常温で、ごく少量なら(△)。尿石症の経験がある犬、腎臓・心臓の持病がある犬は避ける。
- デカフェでもカフェインがゼロとは限らない。健康茶・ブレンド茶は成分を確認できなければ与えない。
- 犬の水分補給は新鮮な水が基本。お茶を飲ませる必要はない。
- 飲んだ・食べたときは、種類・量・時間・症状を整理して動物病院へ相談する。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。


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