


寒い夜の鍋は、足元でじーっと見られちゃうよね。あげていい具と、あげない汁・薬味を、ここで整理しておこう🐾
鍋のとき、犬が食卓のそばで待っていることは多いはずです。結論から言うと、鍋の汁・残り汁・ねぎ類・ポン酢などのたれは与えず、具は味付け前に取り分けて、加熱し、少量だけにするのが安全な考え方です。春菊・白菜・大根・しいたけ・豆腐・鶏肉・鱈は、下ごしらえをすれば少量なら与えられるとされていますが、体質や持病によって個体差があります。
この記事は獣医師ではない運営者が、環境省の資料と、獣医師が監修・執筆した記事を読み比べてまとめたものです。確認日は2026年11月8日。食べてしまった後の判断は、動物病院に任せてください。
- 鍋の汁・残り汁は与えない。塩分が多く、ねぎ類のエキスが溶け出していることがあるためです
- ねぎ・玉ねぎ・ニラ・にんにくは加熱しても危険。つくねや餃子など、中に刻んで入っている場合もあります
- 具は、調味料や薬味を入れる前に取り分け、水やお湯だけで加熱し、冷ましてから小さく切って少量にします
- 春菊・白菜・大根・しいたけ・豆腐・鶏肉・鱈は、味付けなし・加熱・少量が基本です。しらたき・こんにゃく、もちは、鍋では与えない方が安心です
- ねぎ類を食べた可能性がある、量が分からない、様子がおかしいときは、症状が出る前でも動物病院へ相談してください
鍋の具材、犬にあげていいのはどれ?【早見表】
鍋の具材は、犬に与えられるものと、避けるものがはっきり分かれます。下の表は、環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」と、獣医師が監修・執筆した記事の内容をもとにまとめたものです。○は「下ごしらえをして少量なら与えられるとされるもの」、△は「条件つき・控えめ」、×は「与えないもの」という意味で使っています。
| 鍋の具材・薬味 | 目安 | ひとことポイント |
|---|---|---|
| 春菊 | △〜○(加熱・葉中心・ごく少量) | キク科の野菜で、与えすぎると嘔吐や下痢になることがあるとされます。茎は取り除きます |
| 白菜 | ○(加熱・少量) | 消化がよいとされる野菜です。芯は細かく刻みます |
| 大根 | ○(加熱・小さく切る) | 辛味が強い先の方は控え、葉に近い甘い部分を。大根おろしは、おろしたてを少量に |
| しいたけなどのきのこ | ○(加熱・少量) | 食物繊維が多く、お腹が弱い犬は控えます。野生のきのこは別の話です |
| 豆腐 | △(少量) | にがりのマグネシウムが、尿石症の原因になることがあるとされます |
| 鶏肉(皮・骨を除く) | ○(加熱) | 骨付きは与えません。団子状のものはねぎ類入りに注意します |
| 鱈 | ○(加熱・小骨と皮を除く) | 塩鱈・チーズ鱈・銀鱈は避けます |
| しらたき・こんにゃく | ×(基本は与えない) | 消化しにくく、喉に詰まることがあるため、獣医師執筆の記事は勧めていません |
| もち | △(鍋では与えない) | 喉に張り付く危険があります。鍋の中では汁を吸ってのびるため、取り分けには向きません |
| ねぎ・玉ねぎ・ニラ・にんにく | ×(危険) | 加熱しても成分は分解されないと、環境省は説明しています |
| ポン酢などのたれ | × | 塩分や糖分が多く、調味が完成したタイプは避けるべきとされます |
| 七味・唐辛子・ラー油・キムチ鍋のつゆ | × | 香辛料は、肝臓障害の症状を引き起こすことがあると、環境省は説明しています |
| 鍋の汁・残り汁・雑炊 | × | 塩分と、ねぎ類などのエキスが心配です(くわしくは、あとの章で) |
出典:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」、アニコム損保「犬との暮らし大百科」、PETOKOTO、わんちゃんホンポ、オールアバウト(詳しくは、記事の最後の「出典・確認日」)。2026年11月8日確認。
ほかの食べ物も含めた全体の早見表は、犬が食べていいもの・ダメなもの早見表にあります。
具材ごとの下ごしらえと、量の考え方は?
鍋の具を与えるときは、調味料・だし・薬味を入れる前の材料を取り分けて、水やお湯だけで加熱するのが基本です。鍋に入ったあとの具は、汁を吸っているため、そのままでは与えません。
- 鍋に調味料やだし、薬味を入れる前に、犬用の具を別の小鍋に分けておきます
- 水かお湯だけで、茹でるか蒸して、中までしっかり火を通します(生肉や生の魚は与えません。環境省は、生肉には寄生虫や細菌がいる可能性があるため加熱するよう説明しています)
- 人が触れるくらいに冷まします。熱いまま与えると、口の中をやけどするおそれがあります
- 骨・皮・硬い茎を取り除き、細かく刻むかほぐします
- 量は、食べているフードのぶんを減らして調整します。おやつとして与える場合は、1日に必要なカロリーの10%以内を目安にする、とPETOKOTOの獣医師は説明しています
春菊・白菜・大根の野菜
春菊は、獣医師が執筆した記事で、犬が食べても大丈夫だが、積極的に与える必要はないとされています。茹でて冷まし、硬い茎を除いて、葉を細かく刻みます。わんちゃんホンポの記事は、体重5kg前後の犬で1回2〜3g程度を目安として示しており、初めてなら少なめから、毎日ではなく時々にするよう勧めています。春菊のアクやシュウ酸については、今回確認した2つの記事に記載がなく、公式の資料では確認できませんでした。尿路結石や腎臓病がある犬、療法食を食べている犬は、与える前に獣医師へ確認してください。
白菜は消化がよいとされる野菜で、加熱して刻めば少量を与えられます(白菜の芯や量の目安)。大根は、辛味が強い先の方を避け、葉に近い甘い部分を選ぶとよいとされます。大根おろしは、すりおろしてから時間がたつと成分が変わるため、与える直前におろして少量にします。なお、ここで参照した大根の獣医師監修記事は2018年のもので、新しい資料での再確認は取れていません(大根の与え方)。
しいたけなどのきのこ
しいたけは食物繊維が豊富で、加熱して少量なら与えられるとされます。ただし食物繊維が多いぶん、お腹が弱い犬には控えます。えのき・しめじなどの扱いと、野生のきのこの危険は、犬のきのこの記事にまとめています。
豆腐・鶏肉・鱈
豆腐は、つくるときに使うにがりのマグネシウムが、尿石症の原因になることがあるため、アニコム損保の記事は「△」としています。湯豆腐のあとのものは、汁を切って少量にします(豆腐の与え方)。
鶏肉は、皮や骨を除いてよく加熱します。環境省は、鶏の骨は縦に裂けやすく、噛んで割れると尖った形になり、喉や消化管を傷つけることがあるため、与えてはいけないとしています。水炊きの骨付き肉は、骨を残さないよう気をつけてください(鶏ささみ・むね肉の与え方)。つくねや肉団子は、ねぎや生姜などの薬味が入っていることがあるため、取り分けの対象にしません。
鱈は、味付けなしで中までしっかり加熱し、小骨と皮を取って、細かくほぐします。わんちゃんホンポの記事は、加熱後の量の目安を、体重4〜6kgで10〜20g、7〜10kgで20〜30gなどと示していますが、初めてなら少なめから、毎日ではなく間をあけて与えるよう書いています。塩鱈・チーズ鱈・干物は塩分や添加物が心配で、銀鱈は脂が多く、下痢や嘔吐の原因になることがあるため避けます。
しらたき・こんにゃく、もちは、なぜ控える?
しらたき(こんにゃく)は、獣医師が執筆したPETOKOTOの記事で「おすすめできない」とされています。食物繊維が多くて消化が得意ではないこと、弾力が強く噛まずに飲み込みやすいこと、原料のこんにゃくいもでアレルギーが起こることがあることが理由です。ひとかけら食べた程度なら、すぐに受診する必要はないとされていますが、量が多い、様子が観察できない、嘔吐や下痢がある、というときは相談します。
もちは、アニコム損保の記事が「△」とし、焼くか茹でて米粒程度に小さくする方法を挙げています。ただ、鍋のもちは汁を吸ってのびやすいため、取り分けて与える食材には向きません。食べてしまったときの考え方は、犬にお餅は食べていい?を見てください。
鍋の汁・残り汁・ポン酢は、なぜ与えないの?
鍋の汁が避けられる理由は、塩分と、ねぎ類などのエキスの2つです。
理由1:人が味付けをした汁は、塩分が多すぎる
環境省のガイドラインは、人が味付けをした食事、総菜、ハムなどを犬や猫に与えると、塩分の摂取量が過剰になることがあり、塩分のとりすぎは心臓や腎臓に負担をかけると説明しています。同じ資料には、体重5kgの犬(避妊去勢済み)の1日の塩分摂取量の目安として、0.18gが示されています。
たとえば、あるつゆの1杯に食塩相当量が2g含まれていたと仮定すると、0.18gの約11倍です。実際の鍋つゆの塩分は商品ごとに違い、パッケージの栄養成分表示で確認できます(この記事では、特定の商品の数値は確認していません)。
全体の塩分の考え方は、犬の塩分の摂りすぎの記事にまとめています。
理由2:ねぎ類のエキスは、加熱しても、汁に溶けても残る
環境省のガイドラインは、タマネギ・ネギ・ニラ・ニンニクに含まれる成分が赤血球を壊し、犬が大量に食べると、血尿・下痢・嘔吐・発熱などを引き起こすおそれがあるとしています。そして、加熱してもこの成分は分解されず、ネギそのものでなくても、エキスがしみ出た味噌汁やすきやきの煮汁は与えてはいけないと書いています。ねぎを取り除いた鍋の汁でも、同じ心配があると考えるのが安全です。くわしくは犬に長ねぎ・にんにく・ニラはNGと、ラーメン・味噌汁はNG?スープの塩分とねぎ類の危険に書いています。
ポン酢・薬味・〆の雑炊も同じです
ポン酢は、調味が完成しているタイプ(ぽん酢、すし酢、三杯酢、ドレッシングなど)は避けるべきとされ、調理済みのぽん酢は塩分・糖分が多く危険という趣旨の説明が、獣医師監修のわんちゃんホンポにあります。もみじおろしや七味などの香辛料は、環境省が、犬や猫は香辛料への耐性が低く、肝臓障害の症状を引き起こすことがあると説明しています。
鍋の〆の雑炊やうどんは、汁を吸っているため、汁と同じ理由で与えません。キムチ鍋やカレー鍋は、香辛料と塩分が重なります(犬にカレーはNG)。



汁は薄めても、飲む量が増えれば塩分も増えるよ。ねぎ類のエキスも心配だから、「汁は与えない」にしておくのがいちばん分かりやすいね。
鍋の具や汁を食べてしまったら?直後の5分と受診の目安
鍋のそばで、取り分け前の具や汁を口にしてしまうことはあります。あわてず、次の順に進めてください。
- 残りの鍋・皿を犬の届かないところへ移し、これ以上食べないようにします
- 何を・どれくらい・いつ食べたかと、犬の体重をメモします(ねぎ・ニラ・にんにく・玉ねぎが入っていたか、つくねなどに刻んで入っていたかも)
- 自己判断で吐かせようとはしません。吐かせる処置は、獣医師の判断で行うものです
- 動物病院に電話で相談し、鍋つゆの商品名や具材を伝えます(パッケージや写真を手元に)
| 状況 | 受診・相談の目安 |
|---|---|
| ねぎ・玉ねぎ・ニラ・にんにくを食べた、または食べた可能性がある(量が不明を含む) | 症状がなくても、動物病院へ相談します |
| 汁を多く飲んだ、または、いつもより水をがぶ飲みする | 嘔吐や下痢、ぐったりする様子があれば受診します。腎臓・心臓の病気がある犬は、少量でも相談します |
| 鶏の骨を飲み込んだ | 嘔吐、元気がない、お腹を痛がる様子があれば受診します。量や骨の大きさに関わらず、相談を勧めます |
| しらたき・もちを食べた | えづく、息が苦しそう、嘔吐がある場合はすぐに受診します。ひとかけら程度で元気なら、様子を見られることもありますが、量が多い・観察できないときは相談します |
| 尿が赤っぽい・茶色っぽい、ぐったりして動かない、けいれんがある | 夜間・休日でもすぐに、診てもらえる動物病院へ連絡します |
症状がなくても、量が分からない・持病がある・子犬や高齢の犬のときは、様子を見るだけにせず、動物病院に相談してください。夜間・休日に診てもらえる病院は、電話で事前に確認しておくと安心です。
よくある質問
- 鍋の具を、そのまま犬にあげてもいい?
-
鍋に入った具は、汁を吸い、薬味や調味料がついているため、そのままは与えません。調味料を入れる前に取り分けて、水やお湯だけで加熱し、冷まして少量にします。体重や体質で個体差があるため、初めてのものはごく少量から、様子を見てください。
- 鍋の残り汁を水で薄めたら、あげてもいい?
-
薄めても、飲む量が増えれば塩分も増えるおそれがあります。また環境省は、エキスがしみ出た味噌汁やすきやきの煮汁も与えてはいけないとしているため、薄めた場合でも、ねぎ類のエキスの心配は残ります。与えないのが安心です。
- 春菊の茎や、生の春菊は与えてもいい?
-
獣医師監修の記事では、硬い茎は取り除いて葉を中心に、茹でるなど加熱して細かく刻み、味付けをせずに少量とされています。生は消化不良を起こしやすいとされます。春菊にはキク科特有の注意点もあるため、様子を見ながら少量から始めてください。
- 腎臓病・尿路結石などの持病がある犬は、鍋の具をあげてもいい?
-
春菊のカリウム、豆腐のにがり(マグネシウム)、鶏肉のリンなど、持病によっては注意したい成分があるとされます。療法食を食べている犬は特に、与える前にかかりつけの獣医師に確認してください。
出典・確認日
確認日:2026年11月8日。内容は、公開後に変わることがあります。
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」(配布ページ)(全体版PDF:full.pdf)。1-2「塩分・糖分について」と1-4「与えてはいけないもの、注意が必要なもの」を確認(2018年改訂版)
- アニコム損保「犬との暮らし大百科」人間の食べ物の与え方まとめ(獣医師を含む犬百科編集部の監修・2024年11月28日更新)
- PETOKOTO「犬と春菊」(獣医師執筆、2026年10月16日更新)
- PETOKOTO「犬とこんにゃく」(獣医師執筆、2026年3月5日更新)
- わんちゃんホンポ「犬と春菊」(獣医師監修、2026年1月28日更新)
- わんちゃんホンポ「犬と鱈(タラ)」(獣医師監修、2026年2月2日更新)
- わんちゃんホンポ「犬と酢」(獣医師監修、2026年2月17日更新)
- オールアバウト「犬と大根」(獣医師監修、2018年1月20日更新)
公式の資料や、確認した記事で分からなかった点:春菊のアク・シュウ酸、市販の鍋つゆの食塩相当量、こんにゃく・しらたきの与え方(獣医師の見解は資料によって異なります)。分からない部分は、断定せず記載を控えています。大根の記事は2018年のもので、新しい資料での再確認は取れていません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。


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