鍋やおでん、焼き魚の添えなど、大根は食卓に出る機会の多い野菜です。愛犬が欲しがったとき、「大根おろしは辛くないか」「葉っぱはどうか」「煮物の大根は?」と迷う方は多いと思います。結論は、大根は犬に食べさせても大丈夫です。生でも加熱でも与えられますが、辛みの強い部分は避け、味付けしたものは与えないのが基本です。
この記事は、獣医師監修の日本語記事(オールアバウト、ワンクォール)、動物看護の専門家が監修した記事、米国の犬の団体(AKC)の情報を読み比べて、犬好きの運営者がまとめたものです。運営者は獣医師ではありません。持病のある犬や薬を飲んでいる犬は、与える前に動物病院へ相談してください。
犬は大根を食べていい?結論早見
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 可否 | ◯(少量なら) |
| 生・加熱 | どちらも可。皮はよく洗うか、むいてから細かく |
| 大根おろし | 辛みの弱い部分を、食べる直前にすりおろして少量 |
| 葉 | 国内の獣医師監修記事では可(葉は加熱)、AKCは注意する書き方。迷うなら少量から |
| 避けたいもの | 漬物・おでん・煮物など人用の味付け、市販の大根おろし |
大根は「体にいい」とよく言われますが、犬に必要な食べ物ではなく、総合栄養食のフードが基本という点は変わりません。変化をつけたいときのトッピング、水分を補いたいときの一品、くらいに考えてください。
大根の特徴|水分が多く、部位で味が変わる
Honda Dogの記事(動物看護の専門家・秋山蘭さん監修)によると、大根は90%以上が水分で、水分補給に向く一方、消化酵素も多いので食べすぎには注意が必要とされています。オールアバウトに掲載されている獣医師(丸田香緒里さん)監修の記事でも、大根の約90%は水分であり、水をあまり飲まない犬の水分補給に役立つと紹介されています。ただし、同記事は「犬が大根を食べたときの効果について、明確な研究結果はない」とも書いています。
もうひとつの特徴が、辛みです。辛み成分は根の先に近い部分ほど強くなります。辛みは粘膜や胃を刺激し、犬が嫌がることもあるため、葉に近い甘みのある部分を選ぶのがよいと説明されています。Honda Dogの記事は、辛みの強い大根もあるため、飼い主が先に少し食べて確かめるよう勧めています。
生・加熱・大根おろし・葉の与え方
生の大根
皮をむくか、よく洗ってから、すりおろす・細かく刻むのが基本です。AKCも、洗って皮をむき、小さく切って与えるようにし、大きな塊や丸ごとは窒息の危険があると注意しています。
加熱した大根
茹でる・蒸すなどして柔らかくします。消化が心配なシニア犬や子犬には、加熱のほうが安心です。味付けをしない、というのが最重要のルールです。塩、しょうゆ、だし、みりん、味噌は使いません。
大根おろし
オールアバウトの記事によると、大根の消化酵素や辛み成分の働きは、すりおろして時間が経つと弱まるとされています。与えるなら、食べる直前にすりおろします。量は小さじ1杯にも満たないくらいから。辛みが強いと犬が嫌がることもあるため、無理にあげないでください。市販のチューブ入りの大根おろしや、パック入りは、調味料や品質保持剤が含まれていることが多く、与えないほうが安心とされています。
葉
ここは出典で少し温度差があります。オールアバウトの記事は、犬が好むなら大根の葉も与えられ、βカロテンやビタミンKが含まれると紹介しています。Honda Dogの記事は、葉は茹でて細かく刻むよう勧めています。ワンクォールの記事(獣医師・川村康浩さん監修)でも、皮も葉も与えてよいが、葉は必ず加熱してから、とされています。一方、AKCのラディッシュ(二十日大根)の記事には、葉が胃腸炎の原因になりうると書かれています。種類が違う可能性があり、同じとは言えませんが、「葉は食べさせなければいけないものではない」ので、迷う場合は与えない、与えるなら柔らかく茹でてごく少量から、が無難でしょう。
切り干し大根・漬物・おでん
- 切り干し大根:食物繊維が凝縮されて消化しにくいため、洗って水で戻し、細かく刻めば与えられるとされています。戻し汁や、人用の煮物(醤油・砂糖入り)は避けます。
- 大根の漬物(たくあんなど):塩分、香辛料、ネギ類などが含まれることがあり、与えないよう勧められています。
- おでん・ふろふき大根・煮物:だしと調味料が染みているので、取り分けは避けます。
- カイワレ大根:与えても問題ない成分とされますが、辛みや苦みで犬が嫌がることがあります。
量の考え方
グラム数は体格と食事内容で変わるため、この記事では断定しません。AKCは、おやつやトッピングを含めて「1日のカロリーの約10%まで」という目安を紹介しています。大根は水分が多く低カロリーですが、与えすぎるとお腹がゆるくなることがあるため、あくまで少量にとどめます。フードの量そのものの見方は犬のフードの量はどれくらい?パッケージ表示の見方と調整のコツで整理しています。
大根で注意したい犬・ケース
- 甲状腺ホルモンの病気がある犬:大根はキャベツと同じアブラナ科です。オールアバウトの記事では、アブラナ科の野菜に含まれる成分が体内で変化し、甲状腺ホルモンの合成を抑える可能性があるとされています。ただし、健康な犬が通常の量を食べる程度なら影響は小さいとのことです。甲状腺ホルモンが少なめの犬や、治療中の犬は、与えすぎないよう、事前に獣医師へ相談してください(キャベツの記事でも同じ仕組みを紹介しています)。
- お腹が弱い犬・シニア犬:生の大根や辛みのある大根おろしは、胃腸を刺激することがあります。加熱して柔らかくしたものを、ごく少量にします。
- 子犬:消化が未熟なので、与えるなら加熱してすりおろし、ほんの少量にします。
- 腎臓が弱い犬・結石ができやすい犬:ワンクォールの記事では、腎機能が低下している犬はカリウムの摂りすぎに注意が必要で、大根の葉に含まれるシュウ酸も、過剰に摂ると結石の原因になることがあるとされています(シュウ酸は水に溶けるため、たっぷりの湯で茹でると減らせる)。
- 食事制限のある犬(心臓・消化器など):自己判断で野菜を足さず、主治医に確認します。
- 食物アレルギーが心配な犬:食物アレルギーはどの食材でも起こりえます。初めての食材は少量から、様子を見ます。
食べすぎたとき・様子がおかしいとき
大根を食べすぎると、下痢や軟便、お腹のごろごろ、嘔吐が出ることがあります。まずは与えるのをやめ、水を飲めるか、元気や食欲があるかを見てください。次の場合は、動物病院に連絡しましょう。
- 嘔吐や下痢が何度も続く、血が混じる
- ぐったりして元気や食欲がない、お腹が張って苦しそう
- 塊のまま丸飲みして、咳き込む・よだれが出る・えずくなど、喉に詰まったような様子がある
- 漬物や煮物など、塩分や味付けの濃いもの、ネギ類が入ったものを多く食べた
他の食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表にまとめています。
よくある質問
Q. 大根の皮は食べさせてもいい?
オールアバウトの記事では、皮ごと与える場合はよく洗って土を落とし、刻むようにとされています。皮が硬いため、小型犬、子犬、シニア犬は、むいたほうが安心です。
Q. 大根おろしで胃腸の調子は整う?
消化酵素を含むことから「消化の助けになる」という説明はありますが、効果を確かめた研究は見当たらないとされています。調子が悪いときは、大根に頼らず、食欲や便の状態が続けて悪い場合は動物病院へ相談してください。
Q. 大根を毎日あげてもいい?
毎日必要な食べ物ではなく、水分が多いためフードの量を減らしてしまうと栄養が不足する心配もあります。あげるとしても、トッピング程度の少量にとどめましょう。
まとめ
- 大根は犬に与えてよい野菜(◯)。生でも加熱でも可
- 辛みが強い部分は避け、大根おろしは食べる直前に少量
- 葉は出典で扱いが分かれるため、迷ったら無理に与えない
- 漬物・おでん・煮物・市販の大根おろしなど、味付けのあるものは与えない
- 甲状腺の病気や食事制限がある犬は、獣医師に相談してから
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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