結論から言うと、子犬にいちごを与え始める月齢について、公的機関や獣医系の資料で「生後○か月から」と決めた数字は、この記事を書いた時点では確認できませんでした。目安にしやすいのは月齢ではなく、離乳が終わって子犬用フードを安定して食べ、うんちも整っているかどうかです。そのうえで、体調のよい日に小指の先ほどの一片から始め、おやつ全体の量を小さく保つのがひとつの考え方です。いちごは栄養のために必要な食べ物ではないので、あげなくても困りません。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
- 月齢の公的基準は確認できず、離乳後の食事の安定が目安
- 最初はヘタを取った小指の先ほどの一片から
- 丸のみ・加工品・凍ったままの丸ごとは避ける
この記事は、獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省や獣医系の資料を確認しながら「子犬ならではの事情」を中心にまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。
大人の犬向けの解説は犬はいちごを食べても大丈夫?ヘタの扱いと量にまとめているので、ここでは子犬の体と食事に絞ります。持病や食事の指示がある子、体調が気になる子は、かかりつけの獣医師に確認してください。
🍖 子犬のいちごはいつから?月齢の数字より「食事が安定したか」で決める
要点|離乳後に子犬用フードが安定し、うんちが整っていれば検討。迎え直後や体調不良の日は見送る
環境省のペットフードのガイドラインでは、離乳期を生後約20日から60日くらいまでとし、生後約50〜60日ごろから普通食(子犬用フード)への切り替えを進めると案内しています。
ドライフードをふやかしている場合も、歯が生えそろうにつれてふやかす時間を少しずつ短くしていく流れです。つまり、迎えたばかりの生後2か月前後の子犬は、まだ「主食を固めている最中」と考えるのが自然です。
ここから先の「何か月からいちごOK」という線引きは、公的な資料には見当たりませんでした。
ネットでは「生後3か月ごろから」と書くページもありますが、根拠がはっきりしないものも多く、成長の速さや体格、体質には個体差があります。そこで月齢の代わりに、次の表のように食事の状況で判断する方法をおすすめします。
| 子犬の状況 | いちごの扱い | 理由・考え方 |
|---|---|---|
| 離乳の途中、ふやかしフードやミルクが中心 | 与えない | 主食の切り替えが最優先。新しい食材を足すと、合わなかったときに原因が分かりにくくなります |
| 子犬用フードを完食し、うんちが形になっている | 始めてもよいか検討 | ごく少量から。獣医師にワクチンや健診のついでに聞いておくと安心です |
| お迎え直後・環境が変わった直後・体調が気になる日 | 見送る | 緊張や環境の変化だけでもお腹が緩むことがあり、いちごのせいか判断しにくくなります |
| 下痢・嘔吐・食欲ムラがある | 与えない | まず体調を優先。続くようなら動物病院へ |
なお、りんごなど他の果物の月齢の考え方は子犬のりんごはいつから?で整理しています。果物ごとに「必要な条件」は大きくは変わらず、離乳後に主食が安定していることが共通の土台です。
🍖 いちごより先に確認したい子犬の食事の基本
要点|成長期は主食の子犬用フードが先。おやつの枠は資料で5〜20%と幅があり、使い切らなくてよい
子犬は、体重あたりに必要なエネルギーが大人の犬より多いとされています。環境省のガイドラインでも、成長期の子犬に成犬用フードを与えると栄養が足りなくなる可能性があると述べています。
MSDマニュアルも、成長のスピードはゆるやかなほうが好ましいと述べています。主食の子犬用フードでしっかり栄養をとることが先で、いちごはあくまで「ちょっとしたおまけ」です。
食事の回数も、おやつの量を考える手がかりになります。MSDマニュアルでは、離乳から生後6か月ごろまでの子犬は1日3回、6〜12か月は2回が一般的な目安とされています(小型犬は3回より多く必要な場合もあります)。
環境省は「子犬は1回に食べられる量が少ないので4回程度に分ける」としています。資料によって回数に幅はありますが、少しずつ何回かに分けて食べさせる点は共通しています。
おやつ・いちごの「枠」は資料によって違う
おやつ(ごほうび)の量の目安は、実は資料によって幅があります。
- ASPCAの「安全に分けられる食べ物」の案内では、スナックは1日のカロリーの5%以内とされています。
- MSDマニュアルでは、おやつ全体で1日の総カロリーの10%未満が目安です。
- 環境省のガイドラインでは、間食は1日に必要なカロリーの20%以内に抑えるとされています。
どれが正解というより、「おやつは小さな枠の中で」という考え方は共通です。子犬は主食で栄養を満たす必要があるので、この枠を使い切る必要はありません。いちごを含むおやつ全体を、ごく少なめから始めるのが無理のない進め方です。
ごほうびに使った分は、その回のフードを少し減らして調整する、という考え方も環境省のガイドラインに載っています。
始め方|量・切り方・ヘタの扱いと最初の一口
要点|ヘタを取り小指の先ほどに切る(つぶしてもよい)。1回目は1片だけで翌日まで観察
いちごは、洗ってヘタと葉を取り除き、完熟したやわらかいものを選びます。ASPCAは果物や野菜について、種や芯、ヘタ、皮などを取り除き、かたいものは一口大に切るよう案内しています。
いちごのヘタは毒性が示されているわけではありませんが、食べやすい部分ではないので、取ってから与えましょう。
最初の一口の目安
- 体調のよい日の昼間に始めます。夜や外出前は避けると、様子を見やすくなります。
- ヘタを取り、小指の先ほどの小さな一片に切ります。難しければフォークでつぶしてから、フードに少し混ぜるのもひとつの方法です。
- 最初の1回は1片だけ。うんちの様子は翌日まで観察します。
- 問題がなければ、数日あけてから、少しずつ量や形を増やします。新しい食材は一度に1種類ずつ試すのが基本です。
ここで示した大きさは当ブログの目安で、出典のある基準ではありません。小型犬の子犬と大型犬の子犬では体の大きさがまるで違うため、量はかかりつけの獣医師に確認してください。
与え方のNG
- 丸ごと1粒をそのまま渡す。のどに詰まったり、丸飲みしたりしやすくなります。
- 凍らせたまま丸ごと与える。かたすぎて口や歯への負担になることがあります。冷たいおやつにしたい場合も、小さく切ってから冷やす程度にしておきましょう。
- ジャム・練乳・シロップ漬け・いちご味のお菓子を与える。糖分が多く、後述のとおり人用の加工品には注意が必要な成分が入っていることがあります。
- 食べるのを嫌がったのに、混ぜ込んで無理に食べさせる。
⚠️ 子犬ならではの注意|丸のみ・甘さ・加工品
要点|丸のみとのどのつまり、甘さを覚えてのねだり、キシリトールなど人用加工品に注意
大人の犬にも共通する注意に加えて、子犬には次のような点があります。
丸のみとのどのつまり
子犬は食べ物に勢いよく飛びつきがちです。環境省のガイドラインも、食事を1日1回にまとめると慌てて飲み込んでのどに詰まらせることがあるとして、回数を分けるよう案内しています。
いちごはやわらかいとはいえ、小さな子犬には一粒がそのまま口に入る大きさです。小さく切る・つぶす、食べている間は目を離さない、を基本にしてください。
甘さを覚えると「ねだり」が増える
環境省のガイドラインは、犬は甘みのある食べ物が好きで、与えすぎると肥満の原因になると述べています。
子犬のころに「人の食べ物をもらえる」と覚えると、ねだりが習慣になりやすく、フードを食べなくなる原因にもなりえると同ガイドラインでも触れています。
人の食事のいちごを分けるのではなく、犬用に取り分けた小さなひとかけらを、犬の食事の時間に与えるほうがルールを保ちやすくなります。
加工品に入っている成分
ASPCAは、キシリトールがガムやキャンディー、焼き菓子、歯みがき粉など多くの製品に使われているとして注意を呼びかけています。
いちご味のお菓子やケーキ、ジャム、ヨーグルトなどの人用の加工品は、犬の食べ物としては想定されておらず、砂糖や乳製品、添加物が含まれることがあります。生のいちごと加工品は分けて考えるのが安全です。
甘いお菓子についてはいちごの記事でもジャムやチョコとあわせて触れています。
子犬の「拾い食い」にも注意
いちご狩りの帰りや家庭菜園、ケーキのパックなど、床やテーブルの上のいちごを子犬が見つけてしまうことがあります。パックの容器やヘタを一緒に飲み込む可能性もあるため、収穫したいちごやお菓子の置き場所には気をつけましょう。
誤飲・誤食のときの考え方は、犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も参考にしてください。
🍖 食べすぎ・合わないサインと、与えるのを見送る日
要点|ゆるいうんち・嘔吐・かゆみは中止して観察。再開は体調が安定してから
初めてのいちごのあと、次のような様子がないか、半日から1日ほど観察します。
| 見られる様子 | 考えられること(可能性) | 対応の目安 |
|---|---|---|
| うんちがやわらかい、回数が増える | 量が多かった、体質に合わなかった可能性 | 以後は与えず、元気や食欲を見ながら経過を観察 |
| 1回だけ吐いた、あとは元気 | 食べ方が急だった、量が多かった可能性 | 次の食事を少なめにして様子を見る |
| 口のまわりや体をかゆがる、赤くなる | 食べ物が合わない可能性 | 与えるのをやめ、続く場合は病院へ相談 |
| ごはんを食べたがらなくなる | おやつでお腹がいっぱい、体調の変化など | おやつをやめて、主食の食べ具合を確認 |
うんちがゆるくなったときは、いちごだけが原因とは限りません。環境や食事の変化、ストレスなど、子犬のお腹が揺れる理由はたくさんあります。いちごを再開する場合は、体調が安定してからにしましょう。
🏥 動物病院へ行く目安
要点|繰り返す嘔吐下痢、ぐったり、顔の腫れ、むせ込みは早めに連絡。迷えば電話相談
様子見でよいことが多いケース
- いちごをほんの少し食べたあと、1回だけやわらかいうんちが出たが、元気・食欲があり、水も飲んでいる。
- 食べ慣れず、少し口の周りをなめたり、変な顔をしたりしたが、そのあとはいつも通り。
この場合も、翌日までは他の新しい食べ物は足さず、様子を見てください。
早めに動物病院へ連絡したいサイン
- 嘔吐や下痢が何度も続く、水のような下痢、血が混じる。
- ぐったりして元気がない、呼びかけへの反応が鈍い、ふるえがある。
- 顔やまぶた、口まわりが腫れる、全身をかゆがる、息が荒い。
- むせて苦しそう、せきが止まらない、のどに何かが詰まったような様子がある。
- キシリトールを含む可能性のある人用のお菓子やガムを食べてしまった。
子犬は体が小さく、体調が変わりやすいといわれます。迷う場合は、様子を見すぎず、かかりつけの動物病院に電話で相談するほうが安心です。夜間や休日は、救急対応の動物病院を探しておくと慌てずにすみます。その他の症状の見分け方は犬の症状から探すも役立ちます。
よくある質問
- 離乳食としていちごをあげてもいいですか?
-
離乳食(離乳期のフード)としては、子犬用のフードを使うのが基本です。環境省のガイドラインも、離乳期用のフードがない場合は子犬用(成長期用)フードをふやかして使う方法を挙げています。いちごは離乳食の材料ではなく、主食が整ってからの「おまけ」と考えてください。
- 乳歯のむずがゆさにいちごは使えますか?
-
歯の生え変わりの時期は口の中が気になり、かじりたがります。ただ、いちごが歯ぐきのケアに向くという根拠は、確認できた資料にはありません。かじりたい気持ちには、安全なおもちゃで対応するほうが確実です。歯の生え変わりについては、子犬の乳歯の生え変わり時期もあわせてご覧ください。
- 毎日あげてもいいですか?
-
毎日の習慣にする必要はありません。おやつの量は、5%・10%・20%と資料によって幅がありますが、いずれも少量が前提です。子犬は主食で栄養を満たすことが優先なので、いちごは「たまの楽しみ」くらいがちょうどよい距離感です。
- 大人の犬と比べて、何が違いますか?
-
食材そのものの安全性の考え方は大人の犬とほぼ同じですが、子犬は消化がまだ整っている途中で、体が小さく、一口の大きさや量の影響が大きくなります。また、成長のための栄養は主食から確保する必要があるため、おやつの枠をより慎重に使うのが違いです。
まとめ
- 「生後○か月から」と示した公的な基準は確認できず、離乳後に子犬用フードが安定し、うんちが整っているかを目安にします。
- 最初は、ヘタを取った小指の先ほどの一片を、体調のよい日に。数日あけて少しずつ進めます。
- おやつの枠は資料により5〜20%と幅があり、子犬は枠を使い切らず、ごく少なめで十分です。
- 丸のみ・凍ったまま丸ごと・ジャムや人用のお菓子は避けます。
- 下痢や嘔吐の繰り返し、ぐったり、顔の腫れなどがあれば、早めに動物病院へ相談を。
📚 参考にした情報
- 環境省|飼い主のためのペットフード・ガイドライン(全体版PDF)
離乳期は生後約20〜60日、約50〜60日から普通食へ切り替え。子犬は1日4回程度に分ける。間食は1日必要カロリーの20%以内。犬は甘みを好み与えすぎは肥満の原因になることを確認した。 - MSDマニュアル(獣医学)|Feeding Practices in Small Animals
おやつは1日の総カロリーの10%未満、離乳から6か月までは1日3回、6〜12か月は2回が一般的な目安という記載を確認した。 - ASPCA|Sharing is Caring: Foods You Can Safely Share with Your Pet
いちごは与えてよい果物に挙げられ、種・芯・ヘタ・皮を取り除くこと、かたいものは一口大に切ること、スナックは1日カロリーの5%以内とする記載を確認した。 - ASPCA|People Foods to Avoid Feeding Your Pets
キシリトールがガム・キャンディー・焼き菓子・歯みがき粉など多くの製品に使われ、犬に注意が必要な成分であることを確認した。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。獣医師ではありません。くわしくは編集方針をご覧ください。


コメント