子犬に犬用ガムをあげてよい月齢について、公的機関が「生後◯か月から」と決めた数字は、調べた範囲では見つかりませんでした。ただ、歯の生え変わりは生後3〜4か月ごろから6か月前後まで続くとされていて、この時期に硬いガムを与えると歯を傷めるおそれがあります。ガムは必須のものではないので、始める前に、製品の対象月齢の表示、硬さ、大きさをよく確認し、与えるときは必ず目の届くところで見守りましょう。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
- 月齢の公的基準は未確認。歯の生え変わり期を目安に慎重に
- 噛んでも曲がらない硬いものは避け、体格に合うものを見守って
- ガムの塊を飲み込んだ、歯が折れた、乳歯が抜けないときは受診
この記事は、獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省・ASPCA・動物病院グループ・MSDマニュアルなどの情報を確認しながらまとめたものです。診断や治療を示すものではなく、愛犬の歯並びや噛み方で判断は変わります。
迷ったときは、かかりつけの動物病院に確認してください。特定の商品はおすすめしていません。
成犬も含めたガム・噛むおもちゃの選び方は犬のデンタルガム・噛むおもちゃの選び方|硬さと誤飲の注意点で整理しているので、ここでは子犬の歯の生え変わり期に絞って書きます。
🐶 子犬にガムはいつから?公的な月齢基準はなく、歯の時期で考える
要点|月齢の公的基準はなく、乳歯が抜けて永久歯に変わる生後3〜4か月から6か月前後を意識します。
「ガム」と一口にいっても、動物の皮を固めたもの、デンタルケアをうたうやわらかい噛むおやつ、硬い骨型のものなど、種類はさまざまです。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」は、ローハイドガムや骨型・歯ブラシ形のスナックなどを「間食(おやつ)」に分類しています。
そのため、ガムは栄養を満たすものではなく、ごほうびや楽しみのための追加のおやつという位置づけになります。
ガイドラインには、ガムを何か月から与えてよいかという記述はありません。そこで、歯の発達を目安に考えます。
VCA Animal Hospitalsによると、乳歯は生後6週ごろまでにそろい、12週ごろから抜け始めて永久歯が生え、一般に生後6か月までに永久歯がそろって乳歯が抜け落ちます。
MSDマニュアルも、乳歯の脱落は14週ごろに上の前歯から始まると説明しています。個体差があるので、時期にはずれがあります。
| 時期の目安 | 歯の状態 | ガムの考え方 |
|---|---|---|
| 生後約6週まで | 乳歯が生えそろう | 母犬やきょうだいと過ごす時期。離乳期でガムは必要ない |
| 生後約3〜4か月から6〜7か月ごろ | 乳歯が抜けて永久歯に生え変わる | 歯ぐきがむずがゆく、噛みたがる時期。硬いガムは避け、曲がるやわらかいものを見守りのもとで |
| 永久歯がそろったあと | 永久歯が約42本そろう(成犬) | 噛む強さや体格に合う硬さ・大きさを選ぶ |
歯の本数は、乳歯が28本、永久歯が最大42本とされています(VCA Animal Hospitals)。生え変わりの時期や抜けない乳歯については子犬の乳歯の生え変わり時期|抜けない乳歯は放置していい?もあわせてご覧ください。
生え変わり期に気をつけたいこと|硬いガムと歯のトラブル
要点|本物の骨やひづめ、硬いナイロンなどは歯が折れる原因に。噛んでも曲がらないものは避けます。
子犬は歯ぐきがむずがゆくなり、手当たり次第に噛みたがる時期があります。VCA Animal Hospitalsは、噛むことが歯の違和感をやわらげるのに役立つと考えられていると説明しています。
そのため「何か噛ませたい」と思うのは自然なことですが、噛ませるものの選び方が大切です。
MSDマニュアルは、歯が折れる原因として、本物の骨、ひづめ、角、硬いナイロン製のおもちゃなど、不適切なものを噛むことを挙げています。
VCA Animal Hospitalsも、獣医の歯科医は硬いものを避けるように勧めており、噛んでも曲がらないものは与えないという目安を紹介しています。乳歯も永久歯も、硬いものを噛むと折れることがあるとされています。
VCA Animal Hospitalsは、避けたいものとして、ローハイド、豚の耳、ブリースティック、骨、合成素材のおもちゃ、テニスボールを挙げ、腸の閉塞や穿孔、のどの詰まりを起こしたものがあるとしています。さらに、どんなおもちゃも100%安全とはいえないため、推奨されるおもちゃでも見守るよう勧めています。
また、MSDマニュアルは、生え変わりのときに最も注意したい問題として乳歯が抜けずに残ること(残存乳歯)を挙げています。抜けるはずの乳歯が残ると、永久歯が正しい位置に生えず、かみ合わせが乱れる原因になります。
ガムが原因というわけではありませんが、噛む様子と合わせて、口の中を時々見る習慣をつけておきましょう。
📏 ガムを始める前の条件と選び方|対象月齢・硬さ・大きさを確認
要点|対象月齢の表示を確認し、体格と噛み方に合う硬さ・大きさを選び、破片が出るものは避けます。
ガムを与えるなら、次の条件を確認してからにしましょう。
- 離乳が終わって、子犬用フードをしっかり食べているか。ガムはあくまでおやつです。栄養の中心は子犬用の総合栄養食にあります。
- 製品に「子犬OK」などの対象月齢の表示があるか。表示は製品ごとに違うので、パッケージを必ず読みます。表示がない、または子犬は対象外なら見送ります。
- 体調のよい日か。下痢や嘔吐、食欲不振のときは見送ります。
- 見守れる時間があるか。留守番中や、別の部屋に置いたままにするのは避けます。
選ぶときのポイントは次のとおりです。
| 確認すること | 考え方 |
|---|---|
| 硬さ | 噛んでも曲がらないほど硬いものは避ける。やわらかく曲がるものを選ぶ |
| 大きさ | 犬の体格と噛み方に合うサイズにする。小さすぎるもの、噛み砕いて破片が出るものは避ける |
| 噛み方 | 食べるのが速い子や、丸のみしがちな子は、ガムに向かないことがある |
| 原材料 | 何が使われているかを確認する。人間用のガムとは別物で、キシリトールが入っていないか注意する |
| カロリー | おやつ扱いのため、パッケージのkcal表示を見て、その日のフードの量を調整する |
ASPCAは、犬のおやつ用のガム類について、犬の体の大きさと噛み方に合う製品を選ぶこと、小さすぎるものや破片が出るものを与えないこと、噛んでいる間は飼い主が見守ること、速く食べさせないことを案内しています。
また、一般に市販される食べられるチューやデンタルチューは、「平均的または中程度の噛み方の子犬や犬」向けに作られているとされています。強く噛む子には向かない場合があります。
🍖 量と与え方|おやつの上限と、見守り・片づけのルール
要点|ガムはおやつ扱いで、1日の上限を使い切らず少なめに。見守りと、小さくなったら捨てるのが基本です。
環境省のガイドラインでは、おやつ(間食)は、1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切とされています。
子犬は成長に必要な栄養をフードでとる時期なので、ガムがその枠を使い切ることは避け、かなり少なめに考えるのが安心です。ガムは噛む時間が長い反面、カロリーが高いものもあります。
環境省は、おやつを与えた分だけフードを減らすなどの注意が必要としています。
- 最初は短時間で。はじめの数回は、数分で取り上げて様子を見る
- 必ず見守る。噛んでいる間は目を離さない。ASPCAは、速く食べさせないことも勧めている
- 小さくなったら捨てる。ASPCAは、すり減る前にチューを捨てるよう案内している。飲み込める大きさになったら取り上げる
- ほかのおやつと重ねない。同じ日にほかのおやつも食べているなら、ガムは見送る
- 水を用意する。噛んだあとにいつでも水が飲めるようにしておく
ガムは歯みがきの代わりにはなりません。MSDマニュアルは、毎日の歯みがきが最善で、嫌がる場合でもガーゼで少なくとも2〜3日ごとに歯を拭くことでプラークを除けるとしています。人の歯磨き粉は使わないよう案内しています。
獣医師が、歯の汚れを落とす助けになる食べ物やおもちゃ、おやつを勧めることはあります。子犬のうちは、ガムよりも口に触れられることに慣れる練習のほうが長い目で役に立ちます。
始め方は犬の歯磨きはいつから?子犬の始め方と成犬から始めるコツが参考になります。
🏥 食べすぎ・合わないサインと、動物病院へ行く目安
要点|塊を飲み込んだ、嘔吐が続く、歯が折れた、乳歯が抜けないときは、自己判断せず受診します。
ガムを与えたあとは、うんちの様子や元気、口の中をよく見てください。
様子見でよいと考えられるケース
- うんちが少し柔らかいが、元気も食欲もいつもどおり(量を減らして様子を見る)
- ガムを噛んだあとに、口のまわりがよだれで少し濡れている
こうした場合は、その日はガムをやめて、いつものフードだけに戻して様子を見ます。次に与えるときは、種類や量を見直しましょう。
早めに動物病院へ連絡したいサイン
- ガムのかたまり(大きな破片)を飲み込んだ可能性がある(ASPCAは、チューのかけらを食べた場合はすぐに獣医師へ相談するよう案内している)
- 嘔吐が何度も続く、食欲がなくなる、ぐったりする、お腹を痛がる、うんちが出ない(腸に詰まった可能性)
- 咳き込む、よだれが急に増える、苦しそうにする(のどに詰まった可能性)
- 歯が欠けた、折れた、歯ぐきから出血している、口を痛がって触らせない
- 生後6か月ごろを過ぎても乳歯が抜けずに残っている(獣医師に口の中を見てもらう)
ガムを飲み込んでしまったときに、ご自宅で吐かせようとするのは避けてください。まず、かかりつけの動物病院に電話で、食べたものと量、時間を伝えて指示を受けましょう。
診察が閉まっている夜間や休日は、救急対応の動物病院を探します。症状別の探し方は犬の症状から探す|気になる「いつもと違う」の一覧が便利です。
なお、人間用のガムの中には、犬に危険なキシリトールが使われているものがあります。子犬が人のガムを誤って食べた場合は、量に関係なく急いで動物病院へ連絡してください。くわしくは犬がキシリトールガムを食べた!量に関係なく今すぐ動物病院へを参照してください。
よくある質問
- 生後2か月の子犬にガムをあげてもいいですか?
-
公的機関が示した月齢の基準は確認できませんでした。生後2か月ごろは離乳が終わって間もなく、乳歯が生えそろったばかりの時期です。ガムは必須のものではないので、製品の対象月齢の表示を確認し、迷うときはかかりつけの獣医師に相談してください。
- 歯がむずがゆそうで、家具やスリッパをかじります。何を噛ませればいいですか?
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噛んでも曲がらない硬いものは歯を折るおそれがあるため避けます。歯の生え変わり期に噛みたがるのは自然な行動です。曲がるやわらかいおもちゃなど、体格に合うものを選び、必ず見守ってください。家具などは、噛まれたくないものを片づけておくことも大切です。
- デンタルガムを毎日あげれば歯みがきは不要ですか?
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MSDマニュアルは毎日の歯みがきが最善としていて、ガムで置きかえられるとは書いていません。ガムは補助的なものと考え、子犬のうちから歯に触られることに慣れておくのがおすすめです。
- 生え変わりで抜けた乳歯は、飲み込んでも大丈夫ですか?
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乳歯は小さいため、飲み込んでしまう子もいます。元気や食欲に変わりがなければ心配しすぎる必要はないと考えられますが、気になる様子があれば獣医師に相談してください。
まとめ
- 子犬のガムに公的な月齢基準は見つからなかった。歯の生え変わり(生後3〜4か月ごろから6か月前後)の時期に合わせて慎重に考える
- 歯が折れる原因になる硬いものは避け、噛んでも曲がるやわらかいものを。製品の対象月齢の表示を必ず確認する
- 犬の体格と噛み方に合う大きさを選び、見守る。小さくなったら捨てる
- ガムはおやつ。上限は1日のカロリーの20%以内で、子犬はかなり少なめに。歯みがきの代わりにはならない
- ガムのかたまりを飲み込んだ、嘔吐が続く、歯が折れた、乳歯が抜けないときは動物病院へ
📚 参考にした情報
- VCA Animal Hospitals|Teeth, Teething and Chewing in Puppies
乳歯は約6週でそろい、12週ごろから抜け始め、6か月までに永久歯がそろうこと、硬いもの(ナイロン・骨・角)が歯を折ること、曲がらないものは避ける目安、ローハイド等で閉塞が起きうること、残存乳歯の扱いを説明している。 - MSDマニュアル(MSD Veterinary Manual)|Dental disorders of dogs(飼い主向け)
乳歯の脱落は14週ごろに始まること、残存乳歯が最も注意すべき問題であること、本物の骨・ひづめ・角・硬いナイロンで歯が折れること、毎日の歯みがきが最善でガーゼ拭きも有効なことを説明している。 - ASPCA(米国動物虐待防止協会)|Position statement: dog chews and treats
犬の体格と噛み方に合う大きさを選ぶこと、小さすぎるもの・破片が出るものは与えないこと、噛んでいる間は見守ること、すり減る前に捨てること、かけらを食べたらすぐ獣医師へ相談することを案内している。 - 環境省|飼い主のためのペットフード・ガイドライン(全体版PDF)
ローハイドガムや骨型・歯ブラシ形のスナックなどを間食(おやつ)に分類し、1日の必要カロリーの20%以内に抑えること、おやつを与えた分フードを減らすことを案内している。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。獣医師ではありません。くわしくは編集方針をご覧ください。


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