テレビを見ながらポテトチップスをつまんでいたら、愛犬がじっとこちらを見ている。「1枚くらいなら…」と迷う瞬間ですよね。結論は、人用のポテトチップスやスナック菓子、クッキーなどのお菓子は、犬には与えないのが基本(×)です。1枚で急に具合が悪くなることは多くありませんが、塩分・脂質・糖分が多いうえに、味付けや原材料に、玉ねぎ粉末やチョコレート、キシリトールなど、犬に危険な成分が入っていることがあるためです。
この記事は獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省のガイドライン、Pet Poison Helpline、獣医師が執筆・監修している日本のメディアを読み比べてまとめたものです。食べてしまったときの判断は、動物病院に任せてください。
ポテチ・お菓子の可否と早見表
| 食べ物 | 可否 | 主な理由 |
|---|---|---|
| ポテトチップス(うす塩も含む) | × | 塩分・脂質が多い。コンソメ・オニオン味は玉ねぎ成分の心配 |
| チョコ・ココア入りのお菓子 | ×(絶対NG) | テオブロミンによる中毒 |
| キシリトール入りのガム・あめ・ゼリー・プリン | ×(絶対NG) | 低血糖や肝障害を起こすおそれ |
| レーズン入りのクッキー・パン | ×(絶対NG) | ぶどう類は犬に危険 |
| シンプルなクッキー・ビスケット | △(少量でも基本は避ける) | 砂糖とバターが多い。1枚で高カロリー |
| キャラメル・飴・スナックの味付き全般 | × | 砂糖・油・塩分、歯や肥満への影響 |
ほかの食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も見てください。
なぜ人用のお菓子はダメなのか
塩分が多い
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」は、犬が1日に摂る食塩の量は人間の3分の1程度でよいとされており、人が普通に食べているものを与えると、気づかないうちに塩分が過剰になり、心臓や腎臓に負担をかけると説明しています。獣医師が執筆するPETOKOTOの記事も、「人用に作られたポテチは、うす塩味であっても犬には塩分過多の原因になる」とし、塩中毒の危険にも触れています。獣医師監修の「わんちゃんホンポ」の記事は、犬は総合栄養食で必要な塩分を摂れているため、追加の塩分は過剰になりやすく、腎臓病・心臓病のある犬、シニア犬、超小型犬は影響を受けやすいとしています。塩分の詳細は犬の塩分の摂りすぎの記事に書いています。
油と砂糖でカロリーが高い
ポテトチップスは、薄切りのじゃがいもを油で揚げたものです。わんちゃんホンポの記事は、脂質の多い加工食品は消化の負担になり、お腹を壊す原因になるほか、高脂肪の食べ物は膵炎のリスク要因になりうるとしています。クッキーについては、同じくわんちゃんホンポが、体重5kgの成犬に必要なカロリーは約300kcalで、おやつは1日の10%以内(約30kcal)が目安だが、人用クッキーは1枚で30kcalを超えることも珍しくないと説明しています。「1枚だけ」でも、小型犬にとっては大きな割合になりやすいということです。環境省も、犬は甘いものが好きで、与えすぎると肥満の原因になるとしています。
味付けや原材料に危険な成分がある
PETOKOTOの記事は、コンソメ味などにオニオンパウダーが使われていることがあり、オニオン味には玉ねぎ成分が含まれることがあるとしています。ネギ類は、加熱や粉末にしても有害な成分がなくならず、赤血球が壊れる貧血を起こすおそれがあります(犬の玉ねぎ中毒)。「塩味」としか書かれていなくても、原材料の欄にエキスやパウダーが入っている場合があるので、必ず確認してください。
お菓子では、さらに次の成分が問題になります。
- チョコレート・ココア:テオブロミンが中毒の原因です(犬のチョコレート中毒)。ココア入りのクッキーやココアパウダーを練り込んだ生地も同様です。
- キシリトール:Pet Poison Helplineによると、キシリトールはガムやミントだけでなく、プリン、ゼリー菓子、ソース、シロップ、ジャム、チョコレートを含むキャンディなどにも使われ、犬では命に関わる低血糖や急性の肝不全を起こすことがあります。低血糖は摂取後10〜15分で起こりうるとされ、含有量は同じブランドでも味によって大きく違うことがあります(犬がキシリトールガムを食べたとき)。
- レーズン・ぶどう:クッキー、パン、シリアルに入っていることがあります(犬がぶどう・レーズンを食べたら)。
- マカダミアなどのナッツ:クッキーやチョコの具に使われます(犬がマカダミアナッツを食べたら)。
- 抹茶・紅茶・コーヒー風味:カフェインが含まれます。
どうしても分けたいときの考え方
わんちゃんホンポのポテチの記事は、「人の食べ物は分けない」を基本に考えるよう勧め、どうしてもチップス状のおやつを与えたいときは、犬用の商品を選び、量と頻度を守る、という方針を示しています。つまり、人のお菓子を少し減らして与えるのではなく、犬用に作られたおやつを選ぶのが近道です。おやつの量は、環境省のガイドラインでは1日に必要なカロリーの20%以内、獣医師が執筆するメディアでは10%以内とする例が多く見られます。どちらも上限で、犬の体格や食事内容で変わります。与えたぶんはフードを減らして調整してください。
犬の食事で「ごほうび」が必要なときは、いつものフードの粒を一部おやつ代わりに使う、という方法もあります。人のお菓子の味を覚えると、フードを食べなくなる原因になることもあります。環境省のガイドラインも、フード離れの背景に、家族が人の食事や味の強いおやつを与えているケースがあると指摘しています。
注意が必要な犬・ケース
- 腎臓病・心臓病・高血圧が疑われる犬、シニア犬、超小型犬:塩分の影響を受けやすいため、少量でも与えません。
- 膵炎の経験がある犬、脂質制限が必要な犬:揚げ菓子は特に避けます。
- 肥満気味の犬、糖尿病の犬:糖分の多いお菓子は避けます。
- アレルギー体質の犬:小麦、乳、卵など、お菓子の原材料に反応する場合があります。
- 子犬:食事の設計が大切な時期です。人のお菓子の味を覚えさせないほうが安心です。
食べてしまったときは
ポテトチップス1〜2枚程度で、中毒成分(玉ねぎ・チョコ・キシリトールなど)が入っていなければ、PETOKOTOの記事では、少量の誤食で急激な変化を心配する必要はなく、症状がなくても注意深く観察するよう勧めています。一方、次のような場合は、動物病院へ電話で相談してください。
- 嘔吐・下痢が続く、ぐったりする、震える、ふらつく、痛がる、呼吸が荒い、よだれが増える
- 量が多い、またはコンソメ・オニオン・ガーリック味だった
- チョコレート、キシリトール、レーズン、ナッツを含むお菓子を食べた
- 超小型犬、シニア犬、腎臓・心臓・胃腸の持病がある犬が食べた
相談の際は、食べた量・味(フレーバー)・食べた時間、犬の体重・年齢・持病、いまの症状を伝えます。袋や原材料表示(写真でも可)があると、判断がスムーズです。わんちゃんホンポの記事は、無理に吐かせると喉や食道を傷つけたり誤嚥につながったりするおそれがあるため避けること、水を大量に飲ませる必要はなく、普段どおり飲めるようにしておけばよいことを案内しています。
よくある質問
Q. ポテトチップスを1枚食べただけなら大丈夫ですか?
体格や味にもよりますが、うす塩味の1枚程度であれば、多くの場合は大きな問題にならないと考えられます。ただし、オニオン・ガーリック・コンソメ味は注意が必要です。習慣化させないこと、今後は与えないことが大切です。
Q. 犬用のポテトチップスやおせんべいならいいですか?
犬用に作られた商品は、塩分や原材料が犬向けに配慮されています。ただしおやつである以上、カロリーの上限や与える頻度を守る必要があります。原材料表示と給与量を確認してください。
Q. お菓子の包み紙や袋ごと食べてしまいました。
お菓子の中身だけでなく、包装を飲み込んだ場合も、腸に詰まるおそれがあります。嘔吐や食欲不振、お腹の痛みなどがなくても、動物病院に連絡して指示を仰いでください(犬の誤飲・誤食完全ガイド)。
まとめ
- 人用のポテチやお菓子は基本的に与えない(×)。うす塩味でも塩分過多になる。
- チョコ、ココア、キシリトール、レーズン、ナッツ入りのお菓子は少量でも危険なことがあり、絶対に与えない。
- コンソメ・オニオン・ガーリック味は、ネギ類の成分に注意。原材料を必ず確認する。
- 人用クッキーは1枚で小型犬のおやつの上限を超えやすい。
- 食べてしまったら、味・量・時間・原材料を整理して動物病院に相談。自己判断で吐かせない。
- ごほうびには、犬用のおやつやいつものフードを使う。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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