煮干しやししゃも、しらすなどの小魚は、骨ごと食べられるのでカルシウムが摂れそう、というイメージがあります。犬のおやつにも「煮干し」はよく見かけます。では、人用の煮干しやししゃもを、愛犬に分けてあげてもいいのでしょうか。結論からいうと、小魚は「犬用として売られている、塩分や添加物のないもの」を少量なら△、人用の煮干し・干物・味付けしたししゃもは、日常的には与えないのが無難です。理由は、塩分、骨、そしてミネラル(マグネシウム)の問題です。



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この記事では、小魚の何が心配されているのか、与えるならどう選び、どう準備するか、尿路結石の経験がある犬などの注意点をまとめます。運営者は獣医師ではありません。
環境省、AKC、PetMDなどの情報をもとにした一般的な内容なので、持病がある犬は獣医師に確認してください。獣医系の情報源でも意見が分かれる部分があるため、控えめな結論にしています。
犬に小魚をあげる結論早見
| 種類 | 可否 | ひとこと |
|---|---|---|
| 犬用の無塩の煮干し・小魚おやつ | △ | パッケージの給与量内で少量。成分表示を確認 |
| 人用の煮干し(だし用) | △〜× | 塩分や形状に注意。日常的には避ける |
| 焼きししゃも・干物 | △〜× | 塩分が多め。味付けや生干しは避ける |
| しらす干し | △ | 塩分が多い。与えるなら塩抜きしたごく少量 |
| 生の小魚・刺身 | × | 寄生虫・細菌のリスク |
AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)は、味付けなしで十分に加熱した魚は、犬に適量なら与えてよいとしつつ、生の魚はサルモネラやリステリアなどの細菌の心配があるため注意するよう案内しています。小魚も、魚であることに変わりはありません。
🔧 小魚で心配される3つのポイント


1. 塩分
煮干しや干物、しらす干しは、保存性を高めるために塩分が使われている商品が多い食品です。環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」も、塩分の摂りすぎに注意を促しています。
塩分の考え方は犬の塩分の摂りすぎに注意も参考にしてください。体の小さい犬ほど、少量でも影響が大きくなります。
2. マグネシウムと尿路の病気
環境省のガイドラインは、犬や猫にとって「注意が必要なもの、与えすぎないほうがよいもの」の一覧に、にぼしを挙げています。マグネシウムの過剰が要因となり、尿路疾患を引き起こすことがあるためです。
小魚は骨やうろこごと食べるため、ミネラルをまとめて摂ることになります。尿路結石の経験がある犬や、尿の病気で食事管理をしている犬は、特に注意してください。結石については犬の尿路結石完全ガイドで解説しています。
3. 骨・頭・形状
AKCは、魚の骨が口やのど、胃腸に刺さったり、消化管を傷つけたりすることがあると警告しています。
一方、PetMDは、サーディンのように小さな魚は骨ごと食べられるため一般に安全と考えられるとしつつ、頭・尾・ひれ・うろこは取り除くよう案内しています。つまり意見が分かれる部分です。
かたい煮干しの頭や、焼いて乾いたししゃもの尾は、丸のみ・歯の欠けにつながるため、取り除いて小さくしてから与えるほうが安心です。
✅ 与えるなら:選び方と準備
- 犬用か、無塩・無添加か:パッケージの原材料に、塩や調味料、保存料が入っていないものを選びます。表示の読み方はドッグフードの原材料表示の読み方が参考になります。
- 頭・内臓・尾を取る:人用の煮干しなら、頭と腹のかたい部分、尾を外し、細かく砕きます。
- 少量にする:量はグラム数では決められません。環境省のガイドラインは、おやつなどの間食を1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切としており、AKCも、ごほうびは食事の約10%以内を目安にしています。
- 頻度を抑える:毎日のトッピングにはせず、ときどきのごほうびにとどめます。
焼きししゃもを分けてあげたい場合は、人用は塩分が高いこと、骨・頭・尾があることを考慮して、毎回は与えないようにします。生干しのししゃもは加熱が足りていないことがあるため、避けましょう。
生の魚をそのまま与えるのは避けてください。PetMDによると、米国獣医師会(AVMA)は、どのライフステージの犬にも、生や加熱不十分な魚を食べさせることを推奨していません。
生魚の寄生虫や細菌の心配については、犬は鮭を食べても大丈夫?でも触れています。
なお、水銀の面だけで見れば、小魚は有利な食材です。AKCは、水銀がたまりやすい長寿の大型魚(まぐろなど)より、ニシンのように寿命の短い魚のほうが望ましいとしています。
ただし、これは「塩分やマグネシウムを気にしなくてよい」という意味ではありません。選ぶときは、水銀・塩分・骨の3つを合わせて考えましょう。
小魚を控えたほうがよい犬・相談したいケース
- 尿路結石や膀胱炎を経験した犬、尿の病気で療法食を食べている犬
- 腎臓・心臓の病気で、塩分を控えるよう言われている犬
- 子犬(歯や消化器が未熟で、栄養バランスも崩れやすい)
- 歯が弱いシニア犬、歯のぐらつきがある犬
- 魚でかゆみや軟便が出たことがある犬
魚のアレルギーは、犬の食物アレルギーでは多くない部類です。
Mueller博士らが2016年にBMC Veterinary Researchで発表した、犬の食物アレルギー報告297頭の総説では、魚は2%でした(牛肉34%、乳製品17%、鶏肉15%、小麦13%)。
それでも、食べた後に症状が出たら中止して獣医師に相談してください。
🍖 食べすぎ・人用を大量に食べてしまったとき


人用の煮干しやししゃもを多く食べた場合は、塩分で水をたくさん飲む、嘔吐や下痢をするといったことがあります。食べた量と時間を確認し、水を十分に飲める状態にして様子を見ます。
嘔吐や下痢が続く、ぐったりしている、震える、ふらつく、尿が出ない・トイレに何度も行くといった様子があれば、食べた内容を伝えて動物病院に連絡してください。家庭で吐かせたり薬を与えたりせず、獣医師の指示を受けましょう。
よくある質問


- だしを取った後の煮干しはあげてもいい?
-
だしを取った後の煮干しは、塩分の残り方やかたさが一定ではなく、犬に向くかどうか判断しにくい食材です。小魚をあげたいなら、犬用の無塩のものを選ぶほうが安心です。
- しらす干しは?
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しらす干しは塩分が含まれる商品が多いため、与えるなら塩抜きしたごく少量にします。生しらすは生魚と同じ扱いで、避けるのが無難です。
- ほかの食べ物の可否は?
-
犬が食べていいもの・ダメなもの早見表で、魚・肉・野菜・果物などを確認できます。
まとめ
- 小魚は、犬用の無塩・無添加のものを少量なら△。人用の煮干し・干物・しらす干しは塩分に注意
- 環境省のガイドラインは、にぼしのマグネシウム過剰が尿路疾患の要因になることがあると注意している
- 骨は意見が分かれるため、頭・尾・ひれを取り、小さくしてから。生の小魚は避ける
- 間食は1日に必要なカロリーの20%以内(環境省)。主食は総合栄養食
- 尿路結石の経験、腎臓・心臓の病気、子犬の場合は、獣医師に相談してから
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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