秋になると、焼き芋や干し芋を愛犬にも少し分けてあげたくなります。結論から言うと、犬はさつまいもを食べても大丈夫です。ただし必ず加熱して、少量にとどめるのが基本です。生のさつまいもは消化しにくく、炭水化物とカロリーも高めなので、あげ方次第で体重や体調に響くことがあります。
この記事は、獣医師監修の解説記事と海外の犬の団体の情報を読み比べて、犬好きの運営者がまとめたものです。獣医師の診断や指導の代わりにはなりません。持病や薬のある犬は、先に動物病院に相談してください。
さつまいもは犬に食べさせていい?結論早見
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 可否 | ◯(加熱して少量なら) |
| 生 | 与えない(消化不良や詰まりのおそれ) |
| 皮 | 消化が心配なら取り除く/細かく刻む |
| 量 | おやつ・トッピングの範囲。カロリーが高めなので主食を減らして調整 |
| 特に注意 | 腎臓・心臓の病気、シュウ酸カルシウム結晶ができやすい犬、肥満・糖の管理が必要な犬 |
さつまいもは野菜のなかでもエネルギー源になりやすい食材です。「体に良い野菜だから」とたくさん与えるより、主食(総合栄養食)を基本に、ごほうびの延長として少しだけ、という位置づけで考えると失敗しにくくなります。
加熱は必須。皮・焼き芋・干し芋など形別の注意点
生のさつまいもがだめな理由
オールアバウトに掲載されている獣医師(丸田香緒里さん)監修の記事は、生のさつまいもは消化によくないため、必ず柔らかくなるまで加熱するよう勧めています。AKC(アメリカンケネルクラブ)の記事も、生は硬くて噛みにくく、胃腸の不調や、場合によっては腸閉塞を起こしうるとして、絶対に生では与えないよう書いています。
蒸す・茹でる・焼くのどれでも構いませんが、柔らかくなるまで火を通し、犬が丸呑みしても詰まらない大きさに切るか、つぶします。早食いの犬や小型犬では、特に小さめにしてください。
調理法について、オールアバウトの記事では、さつまいもに含まれるクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)は調理中に溶け出しやすいため、皮つきで短時間蒸す方法のほうが、長時間焼くよりも成分が残りやすいと紹介されています。栄養を気にするなら蒸し調理が合っていますが、これも「効果が約束される」という話ではなく、あくまで調理による成分の残り方の違いです。
皮
皮ごと与えられるとする記事がある一方で、AKCは皮が付いたままだと消化しにくいとして、取り除くよう勧めています。オールアバウトの記事も、皮は果肉より硬さが残るため、消化が心配なときは細かく刻むか取り除くとしています。出典の間で完全には一致していませんが、「迷ったらむく」が無難です。
焼き芋
人用の焼き芋は、さつまいもだけで作られていれば与えられるとされています。ただし熱々のまま与えるとやけどをするので、人肌程度まで冷まします。焦げた部分、アルミホイルや包み紙は取り除いてください。蜜が多いものは糖分も高いため、ほんの少量にします。
干し芋
原材料がさつまいもだけのものなら与えられるとされています。水分が抜けて成分が濃縮されているため、見た目の量以上にカロリーがあります。つい与えすぎやすいので、小さく切って数切れまでにとどめましょう。
スイートポテト・大学芋・チップス
バター、砂糖、油が多く、洋酒や香料が使われることもあります。肥満や膵臓への負担を考えると、犬には向きません。さつまいもチップスも、揚げて糖蜜でコーティングされたものが多いため、習慣的なおやつにはおすすめできません。
スティック状のおやつ
市販の細長いさつまいもスティックは、長いまま丸呑みして喉や食道に詰まる事故が起こることがあります。飼い主が端を持って少しずつ噛ませる、または短く切ってから与えてください。
どのくらいあげていい?量の考え方
グラム数は犬の体格、年齢、運動量、普段のフードの量で大きく変わるため、この記事では断定しません。考え方として、AKCは「おやつは1日のカロリーの約10%まで」という目安を紹介しており、日本の獣医師には「20%以内」と呼びかける人もいます。いずれにしても、さつまいも以外のおやつやトッピングと合計して考えます。
さつまいもはカロリーが高めで、食物繊維も多いため、与えすぎると体重増加や、ゆるいうんちにつながります。AKCの記事も、大きさ・運動量・全体的な健康状態を見て、控えめな量にするよう書いています。フード側の量の見直し方は犬のフードの量はどれくらい?パッケージ表示の見方と調整のコツで整理しています。
初めて与える場合は、ごく少量から始め、うんちの状態や皮膚の様子を数日観察してください。
さつまいもに注意が必要な犬
- 腎臓や心臓の病気がある犬:オールアバウトの記事では、さつまいもはカリウムが多く、腎機能が落ちた犬では体内に溜まりやすいと説明されています。また、カリウムを体内に残す性質のある薬を飲んでいる場合、高カリウムの状態になる可能性があるとも書かれています。治療中の犬には、自己判断で与えず主治医に聞いてください。
- シュウ酸カルシウム結晶・結石ができやすい犬:同記事では、ほうれん草の約7分の1程度の量ではあるものの、シュウ酸が含まれ、家庭での加熱では大きく減らないと紹介されています。結晶ができやすい犬は、積極的に与えないほうが安心とされています。
- 肥満気味の犬、糖の管理が必要な犬:AKCは、血糖値の上がりやすさ(グリセミック指数)が高めであるとして、糖尿病や肥満、運動量が少ない犬にはごく少量にとどめるよう書いています。
- 子犬:消化が未熟なので、食べさせるならごく少量を柔らかくして。
- 食物アレルギーが心配な犬:初めての食材は少量から。皮膚の赤み、かゆみ、嘔吐が出たら中止します。
フードの原材料としてのさつまいも・芋類について
AKCの記事には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が、じゃがいもやえんどう豆、レンズ豆などを主原料にした一部のフードと拡張型心筋症との関係を調べていることに触れた更新が追記されています。原因はまだはっきりしていないとされる話題ですが、芋類を毎日大量に主食の代わりにするのは避け、動物性たんぱく質を含む総合栄養食を基本にするのが安心です。
食べすぎた・様子がおかしいとき
さつまいもを一度に多く食べると、下痢や軟便、おならの増加、嘔吐などが出ることがあります。まず与えるのをやめ、水が飲めるか、元気や食欲はあるかを確認します。次のような場合は、動物病院に連絡してください。
- 嘔吐が繰り返される、水を飲んでも吐く
- 下痢が続く、血が混じる、ぐったりしている
- お腹が張って苦しそう、落ち着きがない
- 丸呑みして喉に詰まったようなしぐさ(咳き込む、よだれ、えずく)がある
- 腎臓・心臓の治療中の犬が、多量に食べてしまった
じゃがいもの芽や緑色の部分は別の危険があるため、犬がじゃがいもの芽・緑の部分を食べたときの記事を確認してください。他の野菜や果物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表にもまとめています。
よくある質問
Q. 紫いもや安納芋でも大丈夫?
オールアバウトの記事では、紫いもや安納芋などの品種も、加熱すれば同様に与えられるとされています。ただし安納芋のように糖度が高い品種は、カロリーも気になるので少なめにしてください。
Q. 毎日あげてもいい?
毎日必要な食べ物ではありません。与えるとしてもごく少量にし、体重の増え方やうんちの状態を見ながら調整します。体重が増えてきたら、おやつ全体を見直してください。
Q. 生のさつまいもを少し舐めたらどうなる?
ほんのひとかけらなら、すぐに大きな問題になるとは限りませんが、硬いかたまりを飲み込むと詰まる危険があります。たくさん食べたり、嘔吐やお腹の張りなどが出たりした場合は、動物病院に連絡してください。
まとめ
- さつまいもは、加熱して少量なら犬に与えてよい(◯)。生はNG
- 皮は迷ったらむく。焼き芋は冷まして焦げ・ホイルを除く
- スイートポテトや大学芋などの加工品は避ける
- カロリーとカリウムが多めなので、腎臓・心臓の病気、結晶・結石が心配な犬、肥満の犬は獣医師に相談
- 主食の総合栄養食が基本。さつまいもはごほうびの範囲で
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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