新しい犬を迎える日が決まったけれど、先住犬とどう過ごさせればいいのか、最初の1週間が不安……。この時期の過ごし方は、その後の2頭の関係に影響しやすいといわれます。
ここでは、獣医師・トレーナー・ペット情報サイトなどの解説を読み比べて、新入り犬を迎えてから最初の1週間の流れを、準備、初日、日ごとの進め方、先住犬を疲れさせない工夫に分けてまとめます。なお、ご紹介するスケジュールは一例で、犬の性格や組み合わせによって進み方は大きく変わります。先住犬と新入り犬の様子を見ながら、ペースを調整してください。
迎える前にしておく準備
においを交換しておく
ロイヤルカナンの解説では、子犬を迎える前に、お互いのにおいがついた毛布を交換しておくと、初対面のときに慣れたにおいを感じられると紹介されています。新入り犬がいる家(ブリーダー宅や保護先など)から、においのついたタオルをもらえるか相談してみましょう。
犬ごとの「自分の場所」を用意する
エランコ社の飼い主向けサイトや、Petscareの解説では、食事の場所、休む場所、おもちゃを犬ごとに分けておくことがすすめられています。先住犬の大事なおもちゃやガムなどは、対面の前にしまっておくと、取り合いのきっかけを減らせます。
2頭を分けられる空間を作る
ベビーゲートやサークルで、「顔やにおいは分かるけれど、自由には行き来できない」状態を作れるようにしておきます。オールアバウトでも、数日間は別室で過ごさせたり、サークルで仕切って互いが見える状態にしたりして、少しずつ慣らす方法が紹介されています。
新入り犬の健康確認
先住犬にうつる病気を防ぐためにも、新入り犬のワクチンや健康状態は、迎える前後に確認しておきましょう。エランコ社のサイトでは、早い時期に動物病院で健康診断やワクチン、寄生虫予防についても相談することがすすめられています。
初日は「家に入れる前」に外で会わせる
家は先住犬の縄張りです。いきなり家の中で顔を合わせるより、まずは中立の場所での対面からスタートするのが、複数の解説で共通して勧められている進め方です。
- 中立の場所で短く会わせる:公園や、広い空き地など。Petscareでは、どちらの犬のテリトリーでもない「中立地」で、それぞれ別の人がリードを持ち、緩めに持つことが勧められています。
- 並んで歩く:エランコ社のサイトでは、別の人が新入り犬を連れて、横並びで5〜10分ほど歩く方法が紹介されています。犬同士が向き合わず、同じ方向を向けるので緊張しにくくなります。
- 家の外(庭など)で過ごす:中立の場所で何度か会ったら、庭など自宅の外で一緒に過ごします。
- 家に入るときの順番:エランコ社のサイトでは、先住犬を先に外に残し、新入り犬が先に家に入っているところに先住犬が入るという順番が紹介されています。先住犬が「新入りが入ってくる」のを見るのではなく、すでに中にいる状態に出会う形です。
初対面では、犬の様子をよく観察してください。体がやわらかく、しっぽがゆるやかに揺れている間は良いサインです。体が固まる、毛が逆立つ、じっと見つめる、低く唸るといった様子が出たら、それ以上続けず、距離をあけます。唸ったときの対応は先住犬が新入り犬に唸る・怒るときで詳しく書いています。
最初の1週間の流れ(一例)
| 時期 | 2頭の過ごし方 | 飼い主が意識すること |
|---|---|---|
| 1日目 | 外で短い対面。家では別々の空間で過ごす | 新入り犬を休ませる。先住犬の日課はいつも通りに |
| 2〜3日目 | ゲート越しにお互いを見せる。短い時間だけ同じ空間に | 落ち着いているときにおやつ。リードをつけた状態も検討 |
| 4〜5日目 | 見守れる時間だけ、同じ部屋で過ごす時間を少しずつ延ばす | ごはん・おもちゃ・寝床は引き続き別。目を離すときは分ける |
| 6〜7日目 | 落ち着いて同じ空間にいられる時間が増えてきたら、散歩も一緒に | 先住犬が疲れていないか確認。無理せず、後戻りもOK |
パデュー大学のキャンディス・クローニー氏は、AP通信の記事で、2頭目を迎えたら最初の数日から数週間はペット同士をほとんど離して過ごさせ、対面はゆっくり進めるよう述べています。ですから、「1週間でここまで進めなければ」と考える必要はありません。むしろ、まだ顔を合わせるだけ、というペースの家庭も多いでしょう。
進めるうえでの基本は、一歩進んで緊張が見られたら、半歩戻ることです。無視している様子が続く場合は、先住犬が新入り犬を無視する・仲良くならないの内容も参考にしてください。
2頭を疲れさせない日課の守り方
先住犬の生活を守る
- 世話の順番は先住犬が先:エランコ社のサイトでは、リードをつける、ごはん、遊びなど、先住犬の普段の流れを先にすることで、生活のリズムが崩れないようにするとよいと紹介されています。
- 先住犬だけの時間を確保:新入り犬から離れて、飼い主と散歩に出る、撫でる、遊ぶといった時間を毎日作ります。
- 休める場所を守る:先住犬のベッドやクレートには、新入り犬が入れないようにします。獣医師の片川優子氏は、現代ビジネスの記事で、先住犬専用の休めるスペースを確保し、留守中は子犬をケージに入れるなどの配慮をすすめています。
- 新入り犬のフードを食べさせない:子犬用フードはカロリーが高いため、シニア犬が食べすぎると体調を崩すおそれがある、と片川氏は注意しています。ごはんは別の部屋やケージの中で食べさせるなど、工夫してください。
- 構いすぎない:オールアバウトの解説では、犬同士の関係は犬同士で築くものなので、飼い主が過度に介入せず、適度な距離で見守ることが大切だとされています。
新入り犬にも「休む時間」を
新入り犬にとっても、環境の変化は大きな負担です。ロイヤルカナンの解説では、移動で子犬は疲れているので、まず休ませることを優先し、最初の数日はお客さんをなるべく少なくするよう勧めています。
先住犬との対面を急ぐあまり、新入り犬がずっと緊張しっぱなしになると、本来の性格が見えなくなってしまいます。トイレや寝る場所など、新しい家の基本的なルールは、ゆっくり教えていきましょう(子犬のしつけ完全ガイドが参考になります)。
一度中断して、相談を考えたいサイン
- どちらかの犬が固まる、毛が逆立つ、歯をむく、噛もうとする
- 先住犬が食事を取らない、元気がない状態が続く
- 先住犬が隠れて出てこない、いつもと違う場所で排泄するようになった
- 新入り犬が先住犬を追い回し、先住犬が逃げ場を失っている
こうしたときは無理に続けず、2頭を分けて、犬の様子を落ち着かせることが先決です。先住犬の体調に変化が続く場合は動物病院へ、行動面の相談はドッグトレーナーや行動診療を行う獣医師に、早めに相談してください。
よくある質問
Q. 初日から同じ部屋で寝かせてもよいですか?
最初は別々の寝床にすることがおすすめです。ゲートやサークル越しにお互いを感じられる配置にすると、においや気配に慣れやすくなります。夜間は見守れないため、2頭だけにしない工夫が必要です。
Q. 先住犬が新入り犬に近づこうとしません。無理に会わせたほうがいいですか?
無理に近づけると、先住犬の警戒が強まるおそれがあります。先住犬のペースを尊重し、距離を保ったまま同じ空間にいる時間を少しずつ増やしましょう。犬同士のやり取りは、犬たちが決めていくものです。
Q. 迎えてすぐは、先住犬がかわいそうで新入り犬を構えません。
最初の数日は、新入り犬との関わりが少なくなっても問題ありません。新入り犬は、環境に慣れるまで落ち着かせることが優先で、先住犬との時間を守ることも大切です。2頭とも落ち着いてきてから、少しずつ関わりを増やしていきましょう。引き合わせ方の基本は犬と猫・新しい犬の引き合わせ方もあわせてどうぞ。
まとめ
- 迎える前に、においの交換・犬ごとの場所・分けられる空間・健康確認を準備する
- 初日は家に入れる前に、中立の場所で短く会わせ、並んで歩く
- 最初の数日から数週間は、2頭をほとんど分けて過ごさせてもよい
- 世話の順番や日課は先住犬を優先し、先住犬だけの時間と休める場所を守る
- 新入り犬にも、休む時間と静かな環境を用意する
- 緊張や体調の変化が続くときは、中断して専門家に相談する
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個々の犬の診断や治療に代わるものではありません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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