犬を2頭連れて散歩に出ると、リードが絡まる、片方がぐいぐい引っ張る、もう片方は歩かない……。「毎日これでは疲れてしまう」「2頭一緒と1頭ずつ、どちらがいいの?」と悩む声は、多頭飼いの飼い主さんから多く聞かれる悩みのひとつです。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。


この記事では、AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)のトレーナー解説や、犬用フードブランドのブログなどを読み比べて、犬2頭の散歩を楽にするコツを、準備、道具、歩き方、一緒と別々の使い分けに分けてまとめます。結論としては、「いきなり2頭同時」ではなく、まず1頭ずつ上手に歩けるようにしてから合わせることが、どの解説にも共通していました。
先に「1頭ずつ」リード歩行を整える
AKCの記事では、認定ドッグトレーナーのケリー・シトリン氏(米国メリーランド州で犬のトレーニング教室を運営)が、2頭を一緒に歩かせる前に、それぞれの犬を単独で練習するよう勧めています。具体的には、ゆるんだリードで歩く、呼び戻し、飼い主に注意を向ける合図(「見て」「タッチ」など)を、1頭ずつ教えておくことです。
犬用フードブランド「サンデーズ・フォー・ドッグス」のブログも、引っ張る犬、遅れる犬、合図を無視する犬は、先に1対1で練習してから複数での散歩に加えるよう述べています。1頭でうまく歩けない状態で2頭になると、問題が2頭ぶん重なるうえ、お互いの興奮が伝わってしまいます。
リード引っ張りの直し方は、犬のリード引っ張り癖を直す方法で詳しく取り上げています。
また、シトリン氏は、お互いをよく知らない犬同士を、1人で一度に散歩させるのは避けるべきだと述べています。多頭飼いでも、新入り犬を迎えたばかりで、まだ2頭の関係ができていない時期は、無理に一緒に歩かせないほうが安全です。
道具選び──絡まりにくく、扱いやすいものを
- リードは長さ・素材・握りをそろえる:AKCの記事では、強さ、長さ、素材、持ち手のタイプが同じ2本のリードを使うことが勧められています。衝撃をやわらげるクッション性のあるリードは、急に止まったときに便利だとされます。
- 伸びるリード(フレキシブルリード)は避ける:シトリン氏は、犬の自由度が高くなりすぎ、絡まりやすく、ケガにもつながりやすいとして、おすすめしていません。サンデーズも同様に、伸縮式のリードは危険であり、リード歩行のマナーが身につかないと述べています。
- 首輪よりハーネス:シトリン氏は、ハーネスは抜けにくく、首や気管に圧がかかりにくいとして好んでいます。サンデーズも、首への負担を考えるとハーネスが適しているとしています。犬の大きさが違う場合は、それぞれに合った道具を選びましょう。
- ハンズフリー(腰に巻くリード):両手が空くので、体格の違う犬が左右にいるときに便利ですが、リード歩行が安定している犬向けです。
- 2頭を1本につなぐ「カプラー」や2頭引きリード:シトリン氏は、体格が似ていて、歩くペースが合う、よく訓練された犬だけに使うべきだと述べています。サンデーズも、3頭用や4頭用は絡まりやすいというレビューがあり、2頭用のほうが扱いやすいとしています。
- おやつを入れるポーチ:ほうびを入れるポーチを腰につけておくと、両手が空きます。
歩き方のコツ
最初は静かな場所から
サンデーズは、交通量の多い道より、静かな住宅街のコースを選ぶことを勧めています。他の犬や人が近づくと興奮して、絡まりの原因になるためです。AKCでも、まず静かな場所で止まった状態から始めて、慣れたら少しずつ刺激を足すよう紹介されています。
犬とリードは常に飼い主の前に
2頭とも自分の視界に入る位置にいれば、絡まりかけたときにすぐ気づけます。サンデーズも、犬とリードを前方に置くことをすすめています。
絡まったら止まってほどく
シトリン氏は、リードが絡まったら止まって直し、引っ張ったり気が散ったりしたときも、全員がそろうまで待ってから進むよう述べています。散歩は短めに、うまくいっているうちに切り上げると、2頭とも良い印象で終えられます。
ペースは「遅い犬」に合わせる
シトリン氏は、速度は最も遅い犬に合わせるよう勧めています。老犬やエネルギーの少ない犬は、短い散歩で先に帰宅し、若い犬はそのまま続けて歩く方法もあるとのことです。
うまく歩けたらほめる
ゆるんだリードで歩けているときに、声をかけたり、おやつをあげたりします。引っ張っているのにそのまま進まないことも大切です。家族の中で、引っ張ったら止まるというルールをそろえてください。
2頭一緒に歩く? 別々に歩く?
| 2頭一緒が向いている | 別々の散歩が向いている |
|---|---|
| 体格や歩くペースが近い | 体格や体力の差が大きい(子犬とシニアなど) |
| それぞれが単独でゆるいリードで歩ける | 片方が強く引っ張る、合図に反応しない |
| 他の犬や人に落ち着いて対応できる | どちらかが他の犬に吠える・興奮しやすい |
| 飼い主が2頭を同時に制御できる体力がある | 大型犬など、力が強く制御が難しい |
サンデーズは、元気な子犬とゆっくり歩くシニア犬、あるいは極端に体格の違う犬の組み合わせは避けるよう述べています。AKCも、グループ散歩にはメリット(時間の節約、運動量、社会性)がある一方、飼い主の体力や、見知らぬ人や犬への対応のしやすさによっては合わない場合もあり、1頭ずつ散歩するのも良い選択だとしています。
また、毎日の散歩のうち、1回は1頭ずつにするのもおすすめです。においを嗅ぐ時間をたっぷり取れ、飼い主との1対1の時間にもなります。新入り犬を迎えたあと、先住犬が落ち着かない様子なら、先住犬だけの散歩を増やすと安心につながります(先住犬のサインは先住犬のストレスサインで解説しています)。
他の犬に対して吠えたり飛びかかったりする場合は、散歩中に他の犬へ攻撃的になる原因としつけ方もあわせて参考にしてください。2頭一緒だとお互いに興奮を高め合ってしまうことがあるため、そのようなときは別々に歩くことが安全です。
散歩中の安全面
- イヤホンやスマホを使わず、周囲と2頭の様子に集中する(シトリン氏も強調しています)
- 拾い食いを防ぐため、地面に注意する。ごみや食べ物が落ちている場所は避ける
- 他の犬が近づいてきたら、2頭を自分の後ろ側に寄せる、道の端に避けるなど、先に距離を取る
- 鳥や猫など、犬が飛びつきそうなものを見つけたら、立ち止まって方向を変える
- はじめは2頭で十分。3頭以上の場合も、少しずつ増やす(サンデーズは、最初から4頭では出かけないよう注意しています)
よくある質問


- 毎回リードが絡まってしまいます。どうしたらいいですか?
-
まず、2本のリードを同じタイプにそろえ、犬とリードが常に自分の前にくるようにします。絡まったらいったん止まってほどき、絡まりにくい位置を探してください。それでも難しい場合は、カプラーなどの道具より先に、各犬のリード歩行の練習を見直してみるとよいでしょう。
- 片方だけ散歩を嫌がって動きません。
-
体調(足やお腹の違和感など)に問題がないか確認したうえで、その犬だけの短い散歩から始めてみてください。無理に引っ張ると嫌な経験になってしまいます。
- 先住犬が年をとって、新入り犬のペースについていけません。
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散歩を分けるのが現実的です。先住犬は短めの散歩を無理なく、新入り犬は別の時間に運動量を確保する形にします。先住犬が高齢の場合の暮らし方は、老犬介護完全ガイドもご覧ください。
まとめ


- 2頭同時の散歩の前に、1頭ずつゆるいリードで歩く練習をしておく
- リードは同じタイプを2本そろえ、伸びるリードは避ける。カプラーは相性の良い、訓練された犬向け
- 静かなコースを選び、犬とリードを前に置き、絡まったら止まってほどく
- ペースは遅い犬に合わせる。体格差や体力差が大きいときは別々の散歩に
- 毎日1回は1頭ずつの散歩にして、においを嗅ぐ時間と1対1の時間を作る
この記事は一般的な情報をまとめたものです。他の犬への攻撃性が強い場合や、散歩中にケガにつながるおそれがある場合は、トレーナーや獣医師に相談してください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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