子犬の耳掃除は、耳の中が汚れていなければ、頻繁にする必要はありません。始めるのに決まった月齢はなく、迎えたその日から「耳に触る練習」と「週1回程度の見た目のチェック」を始め、汚れが見えたときだけ入り口付近をやさしく拭く、というのが基本です。
- 子犬の耳掃除に決まった月齢はなく、迎えた日から耳に触る練習を始めます。
- 子犬の耳が汚れていなければ頻繁な掃除は不要で、週1回程度のチェックが基本です。
- 子犬の耳が汚れたときは、入り口付近をコットンでやさしく拭きます。
- 子犬の耳の奥には、綿棒や耳かきを入れてはいけません。
- 子犬の耳垢の増加、強いにおい、赤み、かゆがる様子があれば動物病院へ行きます。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。


耳の奥まで綿棒を入れるのは避けてください。また、耳垢が増えた、においが強い、赤い、かゆがるといった様子があれば、掃除でごまかさず動物病院で診てもらいましょう。運営者は獣医師ではなく、ここでは一般的なケアの考え方をまとめています(情報の確認日:2026年11月2日)。
・子犬の耳掃除は必要か、いつから始めるか
・頻度の考え方と、自宅でできるやり方
・綿棒を使ってはいけない理由と、受診のサイン
・耳掃除を嫌がる子犬への慣らし方
🐶 子犬の耳掃除はいつから?始める時期の考え方
「何か月から耳掃除を始めればいい?」と気になりますが、調べた範囲では、獣医師や動物福祉団体の資料に、月齢の決まりは見当たりませんでした。大切なのは年齢ではなく、子犬のうちに耳を触られることに慣れさせておくことです。
AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)は、耳を日ごろからやさしく触って確かめておくと、犬が耳を触られることに慣れやすいと案内しています。月齢の目安は、AKCやPDSAのページでは示されていませんでした。
- 迎えた日〜:耳の付け根や耳たぶに軽く触れ、おやつやほめ言葉と組み合わせる
- 慣れてきたら:耳をそっと持ち上げて、中の汚れやにおいを目で見て確認する
- 汚れが見えるとき:入り口付近をコットンでやさしく拭く
- 病院へ行く機会:ワクチン接種や健診の際に、耳の状態を獣医師に見てもらう
ワクチンプログラムが終わっていない時期は、外に連れ出さなくても家の中で練習できます。子犬の社会化やしつけ全体の順番は子犬のしつけ完全ガイドも参考にしてください。


⚖️ そもそも耳掃除は必要?必要な子・必要ない子の違い
犬の耳は、耳垢を外へ送り出す働きがあるとされ、健康な耳であれば掃除をほとんど必要としない犬もいます。
英国の動物福祉団体PDSAも、汚れやワックスが多い場合や獣医師の指示がある場合を除き掃除は不要で、一生耳掃除が要らない犬も多いと説明しています。
一方、耳が垂れた犬や、耳の中に毛が多い犬は、通気が悪くなりやすいと言われ、こまめに耳の状態を見ておくと安心です。
| 耳の特徴 | ケアの考え方 |
|---|---|
| 立ち耳(柴犬・コーギーなど) | 通気がよく蒸れにくい。見た目のチェック中心で、汚れたときだけ拭けば足りることが多い |
| 垂れ耳(トイプードル・シーズー・ダックスなど) | 耳の中が蒸れやすい。週1回程度はチェックし、汚れが目立てば拭く |
| 耳の中に毛が多い犬種 | 毛に耳垢が絡みやすい。自己流で抜かず、トリマーや獣医師に相談する |
| 皮膚が弱い・耳垢が多い体質の子 | 獣医師に頻度とケアの方法を確認する |
同じ犬種でも、耳の状態は個体差が大きいため、表はあくまで目安です。


💡 子犬の耳掃除の頻度は?資料によって意見が分かれる理由
頻度については、情報源によって言うことが違います。AKCは、掃除に決まったスケジュールはなく、必要なときだけ行うよう案内しています。耳のトラブルが出やすい犬や、よく泳ぐ犬は、掃除が必要になる場面が増えるともしています。
PDSAも、ほとんどの犬は定期的な掃除が不要で、問題がなければそっとしておくほうがよいとしています。一方、アニコム損保の資料のように、耳垢の量・色・においを日ごろチェックしたうえで、定期的な耳そうじで予防を心がけるよう勧めるものもあります。
| 資料 | 掃除についての考え方 |
|---|---|
| PDSA(英国の動物福祉団体) | ほとんどの犬は定期的な掃除が不要。とても汚れやすい犬、外耳炎を繰り返す犬、獣医師に指示された犬は、必要に応じて行う |
| AKC(アメリカン・ケネル・クラブ) | 決まったスケジュールはなく、必要なときだけ。やりすぎは耳道を刺激する |
| アニコム損保(2009年の資料) | 耳垢の量・色・においを日ごろからチェックし、定期的な耳そうじで予防を心がける |
| 北海道大学動物医療センター | 外耳炎が慢性化すると、内服や洗浄などの内科治療だけでは十分に対応できなくなることがある |
これは、犬ごとの体質や耳の形で必要な頻度が違うためです。また、掃除のしすぎも問題で、AKCは、掃除のしすぎは耳道を刺激し、トラブルにつながることがあるとしています。頻度を固定せず、次のように考えると迷いにくくなります。
時期による違いもあります。アニコム損保の資料では、外耳炎の原因として、湿気、異物、細菌、真菌、耳ダニなどの寄生虫、アレルギーなどが挙げられています。耳の中が蒸れやすい蒸し暑い時期や、シャンプー・水遊びのあとは、子犬でもチェックの回数を少し増やすと安心です。
- チェックは週1回程度を目安に(見る・においを嗅ぐ。決まった頻度は資料にないため、日ごろ触って確かめる習慣が大切)
- 汚れが見えたときだけ、入り口付近を拭く
- 掃除の頻度が増える、あるいは掃除してもすぐ汚れる場合は、獣医師に相談する
- 子犬のうちに、かかりつけ医に「この子の耳はどのくらいの頻度で見ればよいか」を聞いておく
🔧 子犬の耳掃除のやり方は?自宅でできる手順
用意するもの
- コットンまたはガーゼ(毛羽立ちの少ないもの)
- 動物病院で勧められた犬用イヤークリーナー(ない場合は、ぬるま湯を含ませたコットン)
- ごほうびのおやつ
手順
- 子犬が眠くて落ち着いているときや、遊んだあとなど、リラックスしているタイミングを選ぶ
- 子犬を膝の上に乗せて、頭が動かないようにやさしく支える
- 耳を持ち上げ、赤み・傷・強いにおい・耳垢の量を目で確認する
- コットンにクリーナーまたはぬるま湯を含ませ、見える範囲の汚れをそっと拭き取る(深く入れない。AKCは、指の関節1つ分より奥に入れないよう案内しています)
- すぐにほめて、おやつをあげる。1回で完璧にしようとせず、短時間で終える
耳の奥まで見えない、液体を耳の中に入れる必要がありそうといった場合は、自分で行わず、動物病院やトリミングサロンで方法を教わりましょう。耳の奥に液を入れると、状況によっては耳の病気につながるという注意もあります。


⚠️ なぜ綿棒・耳かき・アルコールはNG?やってはいけないこと
犬の耳道はL字型に曲がっているため(北海道大学動物医療センターの解説)、奥に入れた綿棒が汚れを押し込んでしまうことがあります。PDSAやAKCも、綿棒を耳道の中に入れることは避けるよう案内しています。奥に入れすぎると、傷つけたり鼓膜を傷める危険もあります。
- 綿棒や耳かきを耳の奥に入れない(耳の付け根のしわや、耳たぶ側の汚れを拭くくらいにとどめる)
- 消毒用のアルコールなど、刺激の強いものや市販の耳垢を溶かす製品は、自己判断で使わない
- 耳毛を自己流で抜かない(外耳炎を招く場合もあるため、必要なときはトリマーや獣医師に相談する)
- 子犬が嫌がっているのに、押さえつけて続けない
- 赤み・痛がる・強いにおいなど、外耳炎が疑われるときは、自己判断で掃除をしない(PDSAもAKCも、先に獣医師に相談するよう案内しています)
耳のお手入れを嫌がる犬は少なくありません。AKCは、嫌がるときは少しずつ進め、おやつを使い、短時間で終えるよう案内しています。最初から見える範囲だけをやさしく拭く習慣が、苦手意識を作りにくくします。


🏥 どんな耳なら動物病院へ行く?外耳炎のサインとチェックポイント
健康な耳は、赤みがなく、嫌なにおいがなく、耳垢は少量で、犬は耳を触られても気にしません。次のような変化があれば、自宅の掃除でごまかさず、動物病院で診てもらうのが安心です。
- 耳垢の量が急に増えた、色が黒っぽい・黄色っぽい・ベタつく
- ツンとした強いにおいがする
- 耳の内側が赤い、腫れている
- しきりに耳をかく、頭を振る、頭を傾ける
- 触ろうとすると痛がる・嫌がる
- 掃除をして数日でまた汚れやにおいが戻る
アニコム損保の資料では、外耳炎は治療が遅れると慢性化する場合もあるとして、耳垢の量・色・においのチェックが勧められています。北海道大学動物医療センターの解説でも、慢性化すると耳道の肥厚や石灰化が起こり、内服や洗浄だけでは対応しにくくなると説明されています。同じ資料の集計(2006〜2007年度のデータ、2009年発表)では、耳の疾患の発症割合はパグ32.0%、フレンチ・ブルドッグ28.1%、ゴールデン・レトリーバー27.7%などで高く、犬全体の平均は16.3%でした。古い集計ですが、犬種による差があることの目安になります。耳のにおいや耳垢の色の見方は犬の耳が臭い・耳垢が多いときの見方で詳しく紹介しています。
| 見るところ | 健康な耳の目安 | 動物病院を考える様子 |
|---|---|---|
| 見た目 | ピンク色で、赤みや腫れがない | 耳の内側が赤い、腫れている |
| におい | 強いにおいがない | ツンとした強いにおい、酵母のようなにおい |
| 耳垢 | 少量 | 急に増えた、黒っぽい・黄色っぽい・ベタつく |
| 犬の様子 | 触られても気にしない | しきりにかく、頭を振る、触ると痛がる |
上の表は、AKCとPDSAの説明をもとにした目安です。1つでも当てはまり、数日続くときは、掃除でごまかさず動物病院で診てもらってください。
🎓 耳掃除を嫌がる子犬はどう慣らす?触る練習から始める
子犬が耳を触られるのを嫌がるときは、無理に掃除を続けず、「耳に触る=いいことがある」と覚えさせる練習から始めます。歯磨きの慣らし方と同じで、小さなステップを重ねていくのがコツです。慣らし方の考え方は犬が歯磨きを嫌がる原因と慣らし方も参考になります。
- 耳に触れる前に、おやつを1つ見せる
- 耳たぶに1秒だけ触れて、すぐにおやつをあげる
- 耳の付け根をなでる、耳を軽く持ち上げる時間を少しずつ延ばす
- コットンを耳に近づけるだけで、おやつをあげる
- 見える範囲を1回だけ拭いて、たっぷりほめる
犬の触られ方の好き嫌いについては、犬に嫌われない触り方もあわせてご覧ください。どうしても嫌がる場合は、無理せず動物病院やトリミングサロンに任せても構いません。


✂️ シャンプー後・耳に水が入ったときはどうする?
シャンプーやシャワーのあとは、耳の入り口に水分が残りやすくなります。耳に水が入ったままだと蒸れやすく、汚れや雑菌が増えやすい環境になります。洗うときは耳を軽く押さえて水が入らないようにし、洗ったあとは入り口の水分をタオルやコットンでやさしく拭き取りましょう。
- 洗うときは、顔や耳に直接シャワーを当てず、手で耳を軽く押さえる
- 洗ったあとは、耳の付け根や入り口の水分を拭き取る
- 頭を振り続ける、耳をかく様子が続くときは、動物病院で確認する
シャワーだけのお手入れの考え方は犬はシャワーだけで平気?でまとめています。
よくある質問
- トイプードルやシーズーなど垂れ耳の犬種は、耳掃除の頻度を増やすべきですか?
-
垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすいと言われ、気をつけて見ておきたい耳の形です。週1回程度を目安に耳の中をチェックし、汚れが目立つときだけ優しく拭き取りましょう。やりすぎは耳道への刺激になるため、頻度に迷う場合は獣医師に確認してください。
- 耳掃除の後、頭を激しく振ります。大丈夫ですか?
-
クリーナーや水分が入ったあとに頭を振るのは、液体を外に出そうとする自然な反応であることが多いです。ただし、掃除後も頭を振り続ける、かゆがる、耳を痛がる様子が続く場合は、動物病院で確認してもらってください。
- シャンプー後、耳に水が入ってしまいました。どうすればいいですか?
-
耳の入り口の水分をコットンなどでやさしく拭き取りましょう。水分が残ったままだと蒸れやすくなります。洗うときに耳を手で軽く押さえるなどの工夫も有効です。頭を振る、かゆがるなどの様子が続けば、受診を検討してください。
- 子犬の耳が少し汚れているだけなら、掃除しなくていいですか?
-
少量の耳垢は自然に出てくることがあり、見える範囲で軽く拭く程度で十分なことが多いです。赤み、においの強さ、かゆみがなければ、慌てる必要はありません。気になるときは、次のワクチンや健診の際に獣医師に見てもらうと安心です。
- 子犬の耳掃除は、何か月から始めればいいですか?
-
確認できた範囲の資料では、決まった月齢は示されていません。迎えた日から、耳に触れておやつをあげるなどの「触る練習」を始め、汚れが見えるときだけ入り口付近をやさしく拭きます。時期に迷うときは、ワクチン接種や健診のときに獣医師に聞いてください。
まとめ|子犬の耳ケアは「触る練習」と「見るチェック」から
- 耳掃除を始める決まった月齢はない。迎えた日から触る練習を始める
- 汚れていなければ頻繁な掃除は不要。週1回程度のチェックが基本
- 汚れたときだけ、入り口付近をコットンでやさしく拭く
- 綿棒や耳かきは耳の奥に入れない。刺激の強いものも使わない
- 耳垢の増加、強いにおい、赤み、かゆがりは動物病院へ
- 嫌がるときは無理せず、触る練習から。プロに任せてもよい
耳のケアは、短時間で終えて、必ずほめて終わること。毎日のスキンシップの延長として、子犬のペースで少しずつ進めてください。


確認日:2026年11月2日。次のページを実際に読み、内容を自分の言葉でまとめています。公開後に内容が変わる場合があるため、最新の情報は各ページでご確認ください。
- PDSA「How to clean a dog’s ears」(2023年3月公開)(掃除が必要な犬・綿棒を使わない・受診の目安)
- AKC「How to Clean Your Dog’s Ears」(2026年6月1日更新)(掃除の頻度・綿棒・外耳炎のサイン・耳を触る練習)
- 北海道大学動物医療センター「一般外科・軟部外科」(慢性外耳炎/中耳炎)(耳道の形・慢性化の影響)
- アニコム損害保険「耳の疾患にかかりやすい犬種」(2009年3月2日)(外耳炎の原因・犬種別の発症割合)
確認できなかったこと
- 子犬の耳掃除を始める月齢の目安は、PDSAとAKCのページには示されていませんでした。
- 国内の獣医師会・大学の資料で、子犬の耳掃除の具体的な頻度を示したものは、今回の確認では見つかりませんでした。
- アニコム損保の資料は2009年発表の古い集計で、現在の発症割合とは異なる可能性があります。また、同資料の「定期的な耳そうじ」を勧める考え方は、PDSAやAKCの「必要なときだけ」とは異なります。
- AKCのページには獣医師による監修者の記載がありませんでした。
この記事を書いた運営者は獣医師ではありません。耳垢が急に増えた、強いにおいがする、赤い、しきりにかく・頭を振る、触ると痛がるといった様子があるときは、掃除をする前に動物病院に相談してください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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