子犬の耳掃除は、耳の中が汚れていなければ、頻繁にする必要はありません。始めるのに決まった月齢はなく、迎えたその日から「耳に触る練習」と「週1回程度の見た目のチェック」を始め、汚れが見えたときだけ入り口付近をやさしく拭く、というのが基本です。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。


耳の奥まで綿棒を入れるのは避けてください。また、耳垢が増えた、においが強い、赤い、かゆがるといった様子があれば、掃除でごまかさず動物病院で診てもらいましょう。運営者は獣医師ではなく、ここでは一般的なケアの考え方をまとめています。
・子犬の耳掃除は必要か、いつから始めるか
・頻度の考え方と、自宅でできるやり方
・綿棒を使ってはいけない理由と、受診のサイン
・耳掃除を嫌がる子犬への慣らし方
🐶 子犬の耳掃除はいつから?始める時期の考え方
「何か月から耳掃除を始めればいい?」と気になりますが、調べた範囲では、獣医師や動物福祉団体の資料に、月齢の決まりは見当たりませんでした。大切なのは年齢ではなく、子犬のうちに耳を触られることに慣れさせておくことです。
AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)も、子犬のうちから習慣にしておくと、成犬になっても耳のケアを嫌がりにくいと案内しています。
- 迎えた日〜:耳の付け根や耳たぶに軽く触れ、おやつやほめ言葉と組み合わせる
- 慣れてきたら:耳をそっと持ち上げて、中の汚れやにおいを目で見て確認する
- 汚れが見えるとき:入り口付近をコットンでやさしく拭く
- 病院へ行く機会:ワクチン接種や健診の際に、耳の状態を獣医師に見てもらう
ワクチンプログラムが終わっていない時期は、外に連れ出さなくても家の中で練習できます。子犬の社会化やしつけ全体の順番は子犬のしつけ完全ガイドも参考にしてください。


⚖️ そもそも耳掃除は必要?必要な子・必要ない子の違い
犬の耳は、耳垢を外へ送り出す働きがあるとされ、健康な耳であれば掃除をほとんど必要としない犬もいます。
英国の動物福祉団体PDSAも、汚れやワックスが多い場合や獣医師の指示がある場合を除き掃除は不要で、一生耳掃除が要らない犬も多いと説明しています。
一方、耳が垂れた犬や、耳の中に毛が多い犬は、通気が悪く汚れがたまりやすいため、こまめな確認が勧められています。
| 耳の特徴 | ケアの考え方 |
|---|---|
| 立ち耳(柴犬・コーギーなど) | 通気がよく蒸れにくい。見た目のチェック中心で、汚れたときだけ拭けば足りることが多い |
| 垂れ耳(トイプードル・シーズー・ダックスなど) | 耳の中が蒸れやすい。週1回程度はチェックし、汚れが目立てば拭く |
| 耳の中に毛が多い犬種 | 毛に耳垢が絡みやすい。自己流で抜かず、トリマーや獣医師に相談する |
| 皮膚が弱い・耳垢が多い体質の子 | 獣医師に頻度とケアの方法を確認する |
同じ犬種でも、耳の状態は個体差が大きいため、表はあくまで目安です。


💡 耳掃除の頻度の目安|資料によって意見が分かれる理由
頻度については、情報源によって言うことが違います。AKCは「少なくとも月に1回、耳のトラブルが出やすい犬はもっと頻繁に」としており、週1回の耳のチェックも勧めています。
一方、PDSAは汚れが少なければ掃除は不要としています。国内の情報には「2週間に1回程度」「汚れ具合によっては週1回」とするものもあります。
これは、犬ごとの体質や耳の形で必要な頻度が違うためです。また、掃除のしすぎも問題で、AKCは繰り返し掃除をすると耳道が刺激されたり傷ついたりすることがあるとしています。頻度を固定せず、次のように考えると迷いにくくなります。
時期による違いもあります。アニコムの資料では、外耳炎は3月末から夏にかけて発症・悪化しやすいと紹介されています。気温や湿度が上がる季節は、子犬でも耳の中が蒸れやすくなるため、チェックの回数を少し増やすと安心です。
- チェックは週1回程度(見る・においを嗅ぐ)
- 汚れが見えたときだけ、入り口付近を拭く
- 掃除の頻度が増える、あるいは掃除してもすぐ汚れる場合は、獣医師に相談する
- 子犬のうちに、かかりつけ医に「この子の耳はどのくらいの頻度で見ればよいか」を聞いておく
🔧 子犬の耳掃除のやり方|自宅でできる手順
用意するもの
- コットンまたはガーゼ(毛羽立ちの少ないもの)
- 動物病院で勧められた犬用イヤークリーナー(ない場合は、ぬるま湯を含ませたコットン)
- ごほうびのおやつ
手順
- 子犬が眠くて落ち着いているときや、遊んだあとなど、リラックスしているタイミングを選ぶ
- 子犬を膝の上に乗せて、頭が動かないようにやさしく支える
- 耳を持ち上げ、赤み・傷・強いにおい・耳垢の量を目で確認する
- コットンにクリーナーまたはぬるま湯を含ませ、見える範囲の汚れをそっと拭き取る
- すぐにほめて、おやつをあげる。1回で完璧にしようとせず、短時間で終える
耳の奥まで見えない、液体を耳の中に入れる必要がありそうといった場合は、自分で行わず、動物病院やトリミングサロンで方法を教わりましょう。耳の奥に液を入れると、状況によっては耳の病気につながるという注意もあります。


⚠️ 綿棒・耳かき・アルコールがNGな理由|やってはいけないこと
犬の耳道は人の耳より深く曲がっているため、奥に入れた綿棒が汚れを押し込んでしまうことがあります。PDSAやAKCも、綿棒を耳道の中に入れることは避けるよう案内しています。奥に入れすぎると、傷つけたり鼓膜を傷める危険もあります。
- 綿棒や耳かきを耳の奥に入れない(耳の付け根のしわや、耳たぶ側の汚れを拭くくらいにとどめる)
- 消毒用のアルコールなど、刺激の強いものは使わない
- 耳毛を自己流で抜かない(外耳炎を招く場合もあるため、必要なときはトリマーや獣医師に相談する)
- 子犬が嫌がっているのに、押さえつけて続けない
- 外耳炎が疑われるときは、治療前に自己判断で掃除をしない(完治してから行うとする資料もあります)
身内のペットトリマーによれば、耳掃除を嫌がる子の多くは、過去に耳の奥まで綿棒を入れられて痛い思いをした経験があるとのこと(本文末の専門家コメント参照)。最初から見える範囲だけを優しく拭く習慣が、苦手意識を作らないコツです。


🏥 こんな耳は動物病院へ|外耳炎のサインとチェックポイント
健康な耳は、赤みがなく、嫌なにおいがなく、耳垢は少量で、犬は耳を触られても気にしません。次のような変化があれば、自宅の掃除でごまかさず、動物病院で診てもらうのが安心です。
- 耳垢の量が急に増えた、色が黒っぽい・黄色っぽい・ベタつく
- ツンとした強いにおいがする
- 耳の内側が赤い、腫れている
- しきりに耳をかく、頭を振る、頭を傾ける
- 触ろうとすると痛がる・嫌がる
- 掃除をして数日でまた汚れやにおいが戻る
外耳炎は、治療が遅れると慢性化する場合もあると、アニコムの資料でも注意されています。特に垂れ耳の犬や、耳の疾患が多いとされる犬種は注意が必要です。耳のにおいや耳垢の色の見方は犬の耳が臭い・耳垢が多いときの見方で詳しく紹介しています。
🎓 耳掃除を嫌がる子犬の慣らし方|触る練習から始める
子犬が耳を触られるのを嫌がるときは、無理に掃除を続けず、「耳に触る=いいことがある」と覚えさせる練習から始めます。歯磨きの慣らし方と同じで、小さなステップを重ねていくのがコツです。慣らし方の考え方は犬が歯磨きを嫌がる原因と慣らし方も参考になります。
- 耳に触れる前に、おやつを1つ見せる
- 耳たぶに1秒だけ触れて、すぐにおやつをあげる
- 耳の付け根をなでる、耳を軽く持ち上げる時間を少しずつ延ばす
- コットンを耳に近づけるだけで、おやつをあげる
- 見える範囲を1回だけ拭いて、たっぷりほめる
犬の触られ方の好き嫌いについては、犬に嫌われない触り方もあわせてご覧ください。どうしても嫌がる場合は、無理せず動物病院やトリミングサロンに任せても構いません。


✂️ シャンプー後・水が入ったときの耳のケア
シャンプーやシャワーのあとは、耳の入り口に水分が残りやすくなります。耳に水が入ったままだと蒸れやすく、汚れや雑菌が増えやすい環境になります。洗うときは耳を軽く押さえて水が入らないようにし、洗ったあとは入り口の水分をタオルやコットンでやさしく拭き取りましょう。
- 洗うときは、顔や耳に直接シャワーを当てず、手で耳を軽く押さえる
- 洗ったあとは、耳の付け根や入り口の水分を拭き取る
- 頭を振り続ける、耳をかく様子が続くときは、動物病院で確認する
シャワーだけのお手入れの考え方は犬はシャワーだけで平気?でまとめています。
よくある質問
- トイプードルやシーズーなど垂れ耳の犬種は、耳掃除の頻度を増やすべきですか?
-
垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすく、立ち耳より外耳炎のリスクが高い傾向があります。週1回程度を目安に耳の中をチェックし、汚れが目立つときだけ優しく拭き取りましょう。やりすぎは耳道への刺激になるため、頻度に迷う場合は獣医師に確認してください。
- 耳掃除の後、頭を激しく振ります。大丈夫ですか?
-
クリーナーや水分が入ったあとに頭を振るのは、液体を外に出そうとする自然な反応であることが多いです。ただし、掃除後も頭を振り続ける、かゆがる、耳を痛がる様子が続く場合は、動物病院で確認してもらってください。
- シャンプー後、耳に水が入ってしまいました。どうすればいいですか?
-
耳の入り口の水分をコットンなどでやさしく拭き取りましょう。水分が残ったままだと蒸れやすくなります。洗うときに耳を手で軽く押さえるなどの工夫も有効です。頭を振る、かゆがるなどの様子が続けば、受診を検討してください。
- 子犬の耳が少し汚れているだけなら、掃除しなくていいですか?
-
少量の耳垢は自然に出てくることがあり、見える範囲で軽く拭く程度で十分なことが多いです。赤み、においの強さ、かゆみがなければ、慌てる必要はありません。気になるときは、次のワクチンや健診の際に獣医師に見てもらうと安心です。
まとめ|子犬の耳ケアは「触る練習」と「見るチェック」から
- 耳掃除を始める決まった月齢はない。迎えた日から触る練習を始める
- 汚れていなければ頻繁な掃除は不要。週1回程度のチェックが基本
- 汚れたときだけ、入り口付近をコットンでやさしく拭く
- 綿棒や耳かきは耳の奥に入れない。刺激の強いものも使わない
- 耳垢の増加、強いにおい、赤み、かゆがりは動物病院へ
- 嫌がるときは無理せず、触る練習から。プロに任せてもよい
耳のケアは、短時間で終えて、必ずほめて終わること。毎日のスキンシップの延長として、子犬のペースで少しずつ進めてください。


専門家に確認しました
身内のペットトリマーに確認したところ、「耳掃除を嫌がる子の多くは、過去に耳の奥まで綿棒を入れられて痛い思いをした経験があることが多い」とのことでした。最初から見える範囲だけを優しく拭く習慣をつけておくことが、苦手意識をつくらないコツだと聞いています。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。


コメント