「2頭目を迎えたいけれど、お金はどれくらい増えるの?」「1頭の倍かかるのか、それとも少し安くなるのか」。多頭飼いを考えるとき、まず気になるのが費用です。結論から言うと、公表されている調査では複数の犬を飼っている家庭の月の支出は、1頭飼いの約1.7倍でした。単純に倍にはなっていませんが、1頭分よりはかなり増えます。この記事では、調査の数字、費用が「頭数に比例して増えるもの」と「あまり増えないもの」、迎える前に確認したい点を整理します。
- 複数の犬を飼う家庭の月の支出は、1頭飼いの約1.7倍という調査があります。
- 犬のフードや予防、医療、トリミングは、頭数分かかります。
- サークルなどの用品は共有でき、費用の増え方が緩やかなものもあります。
- 多頭飼いでは、お金のほかに世話の手間や災害時の避難、犬同士の相性も考えます。
- ペット保険の多頭割引は、対象や適用時期を確認し、割引額だけで決めません。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。


多頭飼いそのものをすすめたり、止めたりする記事ではありません。家計と暮らしの両面から、検討する材料を提供します。
調査でわかる1頭飼いと複数頭飼いの差
ペットフード協会の「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」では、犬の1か月の支出総額(医療費を含む)が、飼育頭数別に報告されています。
| 項目(1か月) | 1頭飼い | 複数頭飼い |
|---|---|---|
| 支出総額の平均 | 16,030円 | 27,715円 |
| 支出総額の中央値 | 12,000円 | 20,000円 |
| 主食用ドッグフードの平均 | 4,143円 | 7,087円 |
| 主食用ドッグフードの中央値 | 3,000円 | 5,000円 |
平均で比べると、支出総額は約1.7倍、フード代も約1.7倍です。複数頭飼いの家庭は、2頭の場合も3頭以上の場合もまとめて集計されていると考えられ、頭数ごとの内訳は報道されている範囲では確認できません。「2頭なら約1.7倍」と断定はできず、あくまで目安です。
年間にすると、複数頭飼いの平均は約33万円(27,715円×12か月、私の単純計算)、1頭飼いの平均は約19万円(16,030円×12か月)です。1頭の場合の内訳は犬を飼うと年間いくらかかる?月の支出・内訳・予算の立て方で整理しています。
家計に組み込むときは、いまの1頭分の毎月の支出を書き出し、それを基準に「2頭目は同額に近いか、少なめか」を項目ごとに見積もってみてください。
たとえば、フードや予防は1頭分と同じ額、用品や光熱費は半分程度、と分けて考えます。そのうえで、調査の約1.7倍という数字と大きくずれていないかを確認すると、見積もりの甘さに気づきやすくなります。
小型犬と大型犬の組み合わせなど、体格が違う場合は、フードの量も医療費も変わるため、大きいほうの犬を基準に余裕を見ておくと安心です。
💰 頭数に比例して増える費用、そうでない費用
横浜市の動物愛護の案内でも、多頭飼育では、給餌や散歩などのお世話、首輪・リードなどの用品、ワクチンなどの医療費が、単純に頭数に比例して増えるだけではないと説明されています。比例しやすいものと、そうでないものを分けてみます。
頭数分かかりやすい費用
- フード代:犬ごとに必要な量があるため、基本的には頭数分かかります。
- 登録・狂犬病予防注射:犬の登録(複数の自治体で3,000円)、注射済票の交付手数料(550円)、注射料金は1頭ごとです。
- ワクチン・予防薬・健康診断:犬ごとの体重や状態に応じて必要です。
- トリミング代:1頭ずつ施術するため、頭数分です。
- ペットホテル・シッターの料金:預ける犬の頭数で変わるのが一般的です。
共有しやすい、または増え方が緩やかな費用
- サークルやケージ、ゲート、掃除用品など、家の中で共有できるもの。
- 水まわりや食器の一部、おもちゃなど。ただし食事は犬ごとに分けるのが基本です。
- 光熱費の追加分は、頭数が増えても部屋が同じなら大きくは変わらない場合があります。
反対に、費用が増える方向では、頭数の分だけ通院の機会が増えることがあります。体の大きさや年齢が違う犬同士だと、医療費が重なる時期が来ると、一度に複数頭分の出費が発生します。
見落としやすい「手間」と「リスク」の増加


横浜市の案内では、多頭飼育の場合に考えておくべき点として、次のようなことが挙げられています。
- 災害時に、複数の犬と安全に避難できるか
- 犬同士の相性
- 健康管理と食事の管理を、犬ごとに行えるか
- 近隣への配慮(鳴き声やにおいなど)
また、世話をしきれなくなる状況を避けるため、新しく迎える前に、すべての動物のお世話を続けられるかを考え直すよう呼びかけています。災害時の避難については、避難所が多頭飼育の同行避難を受け入れる頭数に限りがある場合があることも、自治体の案内で触れられています。
犬同士の関係が悪くなると、けがや通院の費用につながることもあります。犬の多頭飼いで喧嘩が起きる原因と対処法も、事前に目を通しておくと役に立ちます。
💰 ペット保険の「多頭割引」の見方


ペット保険は、基本的に1頭ごとの契約です。会社によっては、2頭目以降の契約を割り引く「多頭割引」の制度があります。オリコン ME の解説によると、確認しておきたい点は次のとおりです。
- 割引の対象となる契約数と、どの契約が対象か
- 割引がいつから適用されるか(同時に申し込んだ場合と、後から追加した場合で違う)
- 契約者の名前、住所、電話番号などが一致している必要があるか
- 対象になる商品の種類
解説では、2頭目以降が自動的に契約へ追加されるわけではなく、新しく迎えたら改めて申し込みが必要だと注意されています。割引額だけで決めずに、補償内容と支払総額を比べることが大切とされています。
保険全体の考え方はペット保険は必要?入る前に知りたい考え方と比べる視点をご覧ください。
✅ 迎える前に確認したい5つのこと
- 毎月の予算に余裕があるか:現在の月額の約1.7倍を、10年以上続けられるか。
- 突発的な医療費を2頭分用意できるか:貯金や保険の備えを、頭数に合わせて増やす必要があります。
- 住まいの条件:賃貸や集合住宅では、規約で飼える頭数が決まっていることがあります。
- 世話の時間と体力:散歩、食事、トリミング、通院を、複数頭で続けられるか。
- 先住犬との相性と年齢差:先住犬の年齢が高い場合は、環境の変化が負担になることもあります。検討の整理に犬の多頭飼いのメリット・デメリットの記事が役立ちます。
よくある質問


- 2頭目からは、1頭目より安く済みますか?
-
共有できる用品が使える分、初期の用品代は抑えられることがあります。ただし、フード、予防、医療費、トリミングは犬ごとにかかるため、全体としては1頭のときより確実に増えます。
- 同じフードを与えれば、食費を節約できますか?
-
犬の年齢、体重、体質が近ければ、同じ銘柄にまとめて大袋で購入できることがあります。ただし、子犬、成犬、シニア、持病のある犬では必要な栄養が違うため、無理にそろえないでください。迷うときは獣医師に相談しましょう。
- 費用が厳しくなったとき、どうすればよいですか?
-
まず支出の内訳を犬ごとに記録して、どの項目が大きいかを確認します。そのうえで、フードの量とおやつ、トリミングの頻度、予防の計画などを順に見直します。医療を省くことは避け、不安がある場合は動物病院に相談してください。
まとめ
- ペットフード協会の2025年調査では、複数頭飼いの月の支出は平均27,715円で、1頭飼い(16,030円)の約1.7倍。
- フード、予防、医療、トリミングは頭数分かかる。用品の一部は共有できる。
- お金だけでなく、世話の手間、災害時の避難、犬同士の相性も考えておく。
- ペット保険の多頭割引は、対象や適用時期の条件を確認し、割引額だけで決めない。
- 迎える前に、予算、突発費用の備え、住まいの条件、時間と体力を確認する。
数字は調査時点のものです。最新の情報は、各調査や自治体の案内でご確認ください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。
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