ドッグフード代は、毎月必ずかかる出費のなかでも大きな割合を占めます。「フード代が思ったより高い」「質を落とさずに節約できないか」と悩む飼い主さんは少なくありません。結論からいうと、安いものに切り替える前に、与えている量と買い方を見直すほうが、犬の体にも家計にも負担が少なく済むことが多いです。この記事では、公的な資料やペットフード協会の調査を手がかりに、無理のない見直しの順番を整理します。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。


ここでは特定のフードや販売店をすすめることはしません。健康上の理由で食事内容が決まっている場合は、見直す前に必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
🍖 みんなはフード代にいくら使っている?
ペットフード協会の「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」では、市販の主食用ドッグフードにかけた1か月の支出が、犬全体で平均4,646円、中央値3,000円と報告されています。犬を複数頭飼っている家庭では平均7,087円、中央値5,000円でした。
アニコム損害保険が保険契約者に行った「2022年のペットにかける年間支出調査」では、犬のフード・おやつ代は年間約6万6,000円で、治療費と並ぶ大きな支出項目でした。月にならすと約5,500円です。
調査対象や集計の仕方が違うため単純には比べられませんが、月3,000〜5,000円台が一つの目安と考えてよさそうです。総支出の中での位置づけは犬を飼うと年間いくらかかる?月の支出・内訳・予算の立て方で整理しています。
見直しの第一歩は「1日の量」と「グラム単価」


値段の高い安いは、袋の価格だけでは決まりません。次の2つを出すと、本当のフード代が見えてきます。
- グラム単価:袋の価格を内容量(g)で割ります。たとえば3kgで3,000円なら、1gあたり1円です。
- 1日の給与量:パッケージの給与量表と、犬の体重、年齢、運動量から決めます。
月のフード代は「1日の給与量(g)×30日×グラム単価」で求められます。1日150gを与えているなら、グラム単価1円で月4,500円、1.2円なら月5,400円です。
同じ価格帯でも、1日に必要な量の違いで月額が変わるのがわかります。高カロリーのフードは少量で足りる分、グラム単価が高めでも1日あたりでは割高にならないことがあります。
与えすぎが最大のムダになりやすい
環境省・農林水産省が出している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、市販のペットフードに書かれている給与量は理想体重のときの目安であり、愛犬の様子を見ながら増減する必要があると説明されています。体重の測定は、通常は週1回程度で十分とされています。
また、おやつ(間食)については、1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切とされています。欲しがるままに与えると栄養が偏ったり、肥満につながったりするためです。
おやつをたくさん与えている場合は、その分だけ主食の量を減らして調整します。体重が増えやすい犬は、食費だけでなく将来の医療費にも関わるため、体重の記録をつけておくと見直しに役立ちます。
💰 価格だけで切り替える前に確認したいこと
フード代を下げる方法として、より安価な商品に変えることを考える方もいるでしょう。その場合は、次の点を確認してください。
主食になるフードかどうか
ガイドラインでは、犬や猫に必要な栄養素をすべて含み、新鮮な水と一緒に与えるだけで健康を維持できるように栄養バランスが調整されたフードを「総合栄養食」と説明しています。主食には、この総合栄養食と表示されたフードが基本です。
おかずタイプの「副食」や間食だけで主食を代用することはできません。違いの詳細は犬の総合栄養食とは?一般食との違いとAAFCO基準をわかりやすく解説も参考になります。
年齢や体質に合っているか
ガイドラインでは、小型犬では生後50日から10か月ほど、中型犬で1年ほど、大型犬で1年半ほど、超大型犬で2年ほどが成長期とされています。高齢期は約7〜8歳以降の目安で、シニア用のフードがあります。
ただし老化のスピードには個体差があるとも書かれています。療法食は、かかりつけの獣医師の指導のもとで与えるものなので、自己判断で価格を理由に切り替えるのは避けてください。
切り替え方は急がない
食べ慣れないフードに急に変えると、吐いたり下痢をしたりすることがあります。ガイドラインでは、状態を見ながら1週間ほどかけて新しいフードの割合を徐々に増やすことが勧められています。手順はドッグフードの正しい切り替え方にまとめています。
買い方でムダを減らし、削らない部分も知る
同じフードでも、買い方で年間の負担は変わります。
- 大袋は1回あたりの単価が下がることがありますが、開封後に食べきるまでの期間が長くなります。賞味期限と保存の仕方を考えて選びます。保存のコツはドッグフードの開封後の保存方法が参考になります。
- 通販の定期購入やポイント、まとめ買いの割引は店によって条件が違います。割引率だけでなく、送料や解約条件、返品できるかも比べます。
- 新しいフードを試すときは、小さい袋でお試しにして、食いつきや便の状態を確認してからにすると、食べずに余らせる失敗が減ります。
- 犬が食べ残す量が多い場合は、運動量や間食の量を見直します。
削らないほうがよい部分
節約のために、手作り食に切り替えたり、人の食べ物を主食代わりにしたりする方もいます。しかし栄養のバランスをとるのは簡単ではなく、犬にとって危険な食材もあります。
食費を数百円から千円ほど減らすために栄養を欠かしてしまうと、結果として医療費が増えるおそれもあります。手作り食を検討する場合は、必ず獣医師や専門家に相談してください。
節約の優先順位は、①給与量と間食の見直し、②買い方の工夫、③それでも負担が大きいときに、獣医師に相談しながらフードの見直し、の順番が安心です。
よくある質問


- 安いドッグフードは体に悪いのですか?
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価格だけで良し悪しは判断できません。総合栄養食と表示され、年齢や体質に合っているかが基本の確認点です。原材料や成分の表示を読み、犬の便や体重、毛づやなどの様子を見ながら判断してください。気になる変化があれば、動物病院に相談しましょう。
- おやつを減らすとストレスにならないでしょうか?
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おやつの量を減らす代わりに、フードの一部をごほうびとして使う方法があります。1日に与える量は変えずに、与えるタイミングを分けるだけでも満足感が得られます。しつけのごほうびに使う分も、1日のカロリーに含めて数えましょう。
- 多頭飼いで食費がかさみます。何か工夫はありますか?
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犬それぞれの体重と年齢に合わせた量を守りつつ、同じ銘柄で大袋にまとめられる犬同士なら、買い物の回数を減らせます。ただし、体質や年齢が違う犬に同じフードを与えるのは適さない場合があります。獣医師に相談してください。
まとめ


- ペットフード協会の2025年調査では、主食用ドッグフードの月の支出は平均4,646円・中央値3,000円。
- 見直しは、グラム単価と1日の量の把握から。月額は「1日の量×30日×グラム単価」で出せる。
- パッケージの給与量は目安。体重を週1回ほど測り、おやつは1日のカロリーの20%以内にする。
- 安さだけで切り替えず、総合栄養食の表示、年齢、体質を確認する。療法食は獣医師の指導が必要。
- 栄養を削る節約は、医療費の増加につながるおそれがあるため避ける。
数字は調査時点のものです。健康上の気になる点は、かかりつけの獣医師に相談してください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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