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イタリアングレーハウンド(通称イタグレ)は、細くしなやかな体と長い脚、小さな頭を持つ、視覚ハウンドで最も小さな犬種です。小さなグレーハウンドのような優美なシルエットが魅力で、控えめで愛情深く、家族に寄りそう性格だといわれます。



迷ったら、最後のまとめを見てね。ポイントをまとめてあるよ。
- 体高32〜38cm、体重は5kg前後までの小型の視覚ハウンド
- 寒さが大の苦手で、細い脚は骨折しやすい。防寒と室内の環境づくりが必須
- トイレのしつけは根気が必要。叱らず成功したときに褒める
一方で、骨が細くて繊細なため、ジャンプや落下による骨折、寒さ、トイレのしつけなど、迎える前に知っておきたいポイントがはっきりしている犬種でもあります。「かわいいから」という理由だけで迎えると、戸惑うことも少なくありません。
この記事では、犬種標準(ジャパンケネルクラブ・英国ケネルクラブ)や海外の犬種情報などをもとに、イタグレの大きさ・体重・寿命、性格、お手入れ、運動量、しつけ、かかりやすい病気、向いている人までを順番にまとめました。よく比べられるウィペットとの違いにもふれています。


📏 イタリアングレーハウンドの基本データ|大きさ・体重・寿命の目安
要点|体重はJKCの標準で最高5kg、英国ケネルクラブでは3.6〜4.5kgと幅があります。寿命は13〜15年前後が目安です。
| 英語表記 | Italian Greyhound |
|---|---|
| 原産国 | イタリア |
| グループ(JKC) | 10G(視覚ハウンド) |
| サイズ | 小型犬 |
| 体高 | オス・メスとも約32〜38cm |
| 体重 | JKCの標準では最高5kg。英国ケネルクラブの標準では3.6〜4.5kg |
| 被毛 | 短く細かく、光沢のあるスムースコート |
| 毛色 | ブラック、ブルー、クリーム、フォーン、レッド、ホワイトなどの単色、またはホワイトの入ったもの |
| 寿命の目安 | 13〜15年前後とされることが多い(調査により幅がある) |
体高は、JKCや英国ケネルクラブの標準で32〜38cmです。
体重は、JKCでは「最高5kg」という上限が示されており、英国ケネルクラブの標準では3.6〜4.5kg、AKCの犬種情報では7〜14ポンド(約3〜6kg)が理想の目安とされています。
標準の数字には少し幅があるので、家庭で暮らす子にも個体差があります。
寿命は、海外の犬種情報で13〜15年前後と紹介されることが多く、日本の保険会社の統計(アニコム「家庭どうぶつ白書」2023)でも14歳台と報告されています。小型犬の中でも比較的長寿の部類ですが、調査によって数字は異なるため、あくまで目安として考えてください。


📜 イタリアングレーハウンドの歴史|古代から貴婦人に愛されたミニチュア・サイトハウンド
要点|古代にさかのぼる歴史を持つとされ、16世紀のイタリアでは貴族に人気でした。日本には江戸時代に入ったとされます。
イタリアングレーハウンドは、古代にさかのぼる歴史を持つ犬種とされています。
AKCの犬種紹介では、ローマ人が約2,000年前に小型の視覚ハウンドを家に迎え入れたと考えられていて、西暦79年に埋もれたポンペイ遺跡からも小型の犬の遺骨が見つかったと紹介されています。
日本語の資料でも、古代エジプトの小型のグレーハウンドがルーツとされ、ギリシャを経てイタリアにもたらされたといわれています。
16世紀のイタリアでは貴族に大変人気で、ルネサンス期の絵画にもたびたび描かれました。フランチェスコ・ビラーゴが1626年に書いた狩猟の書物に、この犬種の記述があるともいわれます。
ビクトリア女王やエカチェリーナ2世など、各国の王侯貴族が飼っていたことでも知られています。
19世紀には、小型化を進めすぎて虚弱な個体が増えた時期もありました。その後、20世紀に入る前後から、より丈夫で健全な体を取り戻す方向に改良されたと紹介されています。
また、イタリアングレーハウンドの血が、ウィペットの成立に関わったという説もあります。AKCには1896年に公認され、イギリスでは1900年に愛好家のクラブが設立されました。日本には江戸時代に初めて入ってきたとされています。




🐾 イタリアングレーハウンドの性格|控えめで甘えん坊、繊細で警戒心も
要点|控えめで愛情深く、家族に寄りそう一方で繊細です。長時間の留守番は苦手で、動くものを追う本能にも注意が必要です。
JKCの標準では、イタリアングレーハウンドの気質は「陽気で愛情豊かで従順」と説明されています。英国ケネルクラブの標準では「知的で愛情深く活発。
ややよそよそしく見えることもある」とされ、家族にはぴったり寄りそう一方、見知らぬ人にはよそよそしかったり、内気だったりする子もいます。
海外の犬種情報では、「とても暮らしやすい犬」「温かくて、くっつくのが好き」と紹介される反面、繊細で、ストレスをためやすく、長時間ひとりにされるのは苦手だと指摘されています。
攻撃的に出ることは少なく、怖いと感じたときは距離を取ったり、逃げたりして身を守るタイプが多いようです。大きな声や乱暴な扱いには敏感なので、小さなお子さんがいる家庭では接し方に配慮が必要です。
視覚ハウンドの仲間なので、動くものを追いかける本能もあります。猫や小動物とは、はじめのうちは目を離さずに様子を見ながら慣らしましょう。散歩中に鳥や小動物が目に入ると、一気に走り出すことがあるため、リードの扱いには十分に注意してください。
吠える? 留守番は?
比較的静かな犬種といわれますが、体格のわりに声が太いと紹介されることもあります。警戒や不安から吠える子もいるため、個体差があります。留守番は、短時間から少しずつ慣らし、安心できる居場所を用意してあげてください。
人のそばを好むため、長時間の留守番が続く暮らしには向きにくい犬種です。


✂️ 見た目・毛色・お手入れ|抜け毛は少なめ、でも「寒がり」が最大のポイント
要点|短い被毛でお手入れは楽ですが、寒さが最大のポイント。冬は室温を保って服を着せ、夏の暑さにも気をつけます。
イタグレの被毛は短く、細かく、サテンのような光沢があります。飾り毛(フリンジ)がないため、日常のお手入れはとても楽です。
ブラッシングは週に1回程度、ハウンドグローブ(手袋型)や柔らかいブラシで軽くなでる程度で十分とされています。抜け毛は少ない部類ですが、まったく抜けないわけではありません。
毛色は、ブラック、ブルー、クリーム、フォーン、レッド、ホワイトなどの単色が基本で、胸や足にホワイトが入ることもあります。JKCの標準では単色が理想とされ、ブラック・アンド・タン、ブルー・アンド・タン、ブリンドルは標準では認められていません(ペットとして暮らすことには問題ありません)。
お手入れで見落としがちなのは、爪と歯です。爪は伸びると歩き方に影響するため定期的に確認しましょう。口の小さい小型犬は歯石がたまりやすいため、犬の歯磨きはいつから?を参考に、子犬のうちから歯みがきに慣らしておくと安心です。
シャンプーは汚れ具合に合わせて行い、洗ったあとはしっかり乾かして冷えないようにします。
寒さ・暑さ対策は暮らしの中心
被毛が薄く体脂肪も少ないため、寒さが大の苦手です。「寒さにとても弱い」と紹介する犬種情報も多く、冬は室温を一定に保ち、散歩には洋服を着せるのが一般的です。ベッドには毛布やクッションを用意し、もぐり込める環境をつくってあげると落ち着きます。
暑さも得意ではないため、夏は日差しの強い時間帯の散歩を避け、エアコンで室温を管理しましょう。寒暖差が大きい日本の気候は、この犬種にとって決して楽ではありません。
ウィペットとの違い
見た目がよく似たウィペットとは、大きさが大きな違いです。ウィペットは体高44〜51cm前後・体重11〜18kg前後の中型犬、イタグレは体高32〜38cm・体重5kg程度までの小型犬です。
ウィペットのほうが筋肉質で、耳は後ろにたたんだ形、イタグレは小さな耳の付け根が高いのが特徴です。運動量や必要な広さも違うので、「小さいから飼いやすい」とは言い切れません。


🏥 運動量と散歩の目安|走る楽しさと、ケガへの配慮
要点|運動量は中くらいで、散歩は1日20〜30分程度を1〜2回が目安。滑り止めやステップ、体に合うハーネスで事故を防ぎます。
イタグレは、小さくても俊足の視覚ハウンドで、走ることが大好きです。ただし、運動量は中くらいとされ、毎日の散歩と、安全な場所で走れる機会があれば満足しやすいと紹介されています。
散歩は1日20〜30分程度を1〜2回が目安で、天候のよい日には、柵のあるドッグランでのびのび走らせてあげると喜びます。
- 真冬や真夏の散歩は短めにして、室内遊びで運動を補う
- 雨や濡れた地面は苦手な子が多いので、無理に歩かせない
- フローリングは滑りやすいので、滑り止めマットを敷く
- ソファやベッドからの飛び降りを防ぐため、ステップを置く
- ドッグランは、大型犬との接触でケガをしないよう、小型犬エリアを選ぶ
頭が小さくて首輪が抜けやすい体型なので、散歩にはサイズの合ったハーネスを使いましょう。胸幅が狭いため、前脚を通すだけのタイプだと、後ろに下がったときに抜けてしまうことがあります。首と胸の両方にかかるタイプなど、体に合うものを選んでください。




🎓 しつけで気をつけたいこと|トイレは根気、叱らずに
要点|叱られ続けると萎縮しやすい犬種です。時間がかかりやすいトイレは、失敗を叱らず根気よく続けましょう。
イタグレは、褒められると喜ぶ素直さがあり、ごほうびを使ったトレーニングが向いています。一方で、とても繊細なので、叱られることが続くと萎縮してしまいます。基本のしつけの順番は子犬のしつけ完全ガイドにまとめています。
特に時間がかかりやすいといわれるのが、トイレのしつけです。海外の犬種情報には「トイレトレーニングが難しいことで知られる」という記述もあります。
寒さを嫌って外や冷たい床で排泄したがらない、体が小さく失敗に気づきにくいなどの理由が考えられます。失敗しても叱らず、成功したタイミングで褒め、根気よく続けましょう。サークルやクレートの活用が助けになることもあります。クレートトレーニング完全ガイドも参考にしてください。
社会化も大切です。子犬のうちから、いろいろな人、音、場所に少しずつ慣らしておくと、怖がりや内気さがやわらぎやすいと考えられます。小さな子どもとの接し方、他の犬との距離感なども、早いうちから教えていきましょう。


🏥 かかりやすい病気・ケガと健康管理のポイント
要点|細い脚の骨折が知られ、膝や歯、目にも注意が必要です。落下後に元気がないなどの様子があれば動物病院へ。
イタグレは、体が小さく華奢なことから、いくつか知られている注意点があります。ここでは診断や治療ではなく、日々の生活で気にかけたい点を整理します。気になる様子があれば、自己判断せず動物病院に相談してください。
- 骨折:細い脚の骨は折れやすく、ソファからの飛び降りや段差でのケガが知られています。環境づくりが予防の基本です。
- 膝のトラブル(膝蓋骨脱臼):小型犬に多く、イタグレでも挙げられる病気です。
- 歯の問題:口が小さく、歯石や歯ぐきの炎症が起こりやすいとされます。歯みがきの習慣が大切です。
- 目の病気:緑内障など目の病気が挙げられることがあります。目が赤い、しきりにこするなどは受診の目安です。
- 神経のトラブル:てんかんや首まわりの神経の問題が、この犬種で挙げられる例があります。
- 皮膚・被毛:ブルーやフォーンなど薄い毛色で、毛が抜けやすくなる体質の子が見られるとも紹介されています。
また、体脂肪が少ない犬種は、麻酔やお薬への反応が他の犬と異なる場合があるといわれています。動物病院にかかるときは、イタリアングレーハウンドであることを伝えておくと安心です。
こんな様子があれば動物病院へ
- 足を上げたまま歩く、触られるのを嫌がる、急に歩かなくなった
- 落下や強い衝撃のあと、元気がない
- 口臭が強くなった、歯ぐきが赤い、食べにくそうにする
- 目が赤い、しきりにこする、目が白く濁ってきた
- けいれんが起きた、意識がぼんやりしている(緊急の可能性あり)
食事と体重管理
食事は、年齢と体格に合った総合栄養食を、パッケージの給与量を目安に量って与えるのが基本です。小型犬は数十〜数百グラムの増減が体型に影響するため、計量が大切です。
細身の犬種のため、肋骨が少し見えるくらいでも標準的ですが、極端に痩せている、食欲がないといった場合は動物病院で相談しましょう。子犬期は食事の間隔が空きすぎないよう、数回に分けて与えるのが一般的です。


✅ イタリアングレーハウンドが向いている人・向いていない人|迎える前のチェックリスト
要点|犬をひとりにしない暮らしができ、寒さ対策と室内づくりを丁寧にできる人向け。留守が長い人は向きにくい犬種です。
向いている人
- 家族と一緒に過ごす時間が長く、犬をひとりにしない暮らしができる人
- 寒さ対策や、ケガを防ぐ室内づくりを丁寧にできる人
- トイレのしつけに、時間をかけて取り組める人
- 大声を出さず、やさしく接することができる人
向いていないかもしれない人
- 留守が長く、犬が一人で過ごす時間が多い人
- 小さな子どもが走り回り、乱暴に扱ってしまう可能性が高い家庭
- 寒さ対策や、床の滑り止めなどの環境づくりを負担に感じる人
- 活発に走り回る犬との遊びだけを求める人
迎える際は、親犬や兄弟犬の健康情報を教えてもらえるか、犬舎を見学できるかを確認しましょう。寒さに弱い点で共通するミニチュアピンシャーのページや、犬種図鑑も、比較の参考にしてください。
















よくある質問
- イタリアングレーハウンドは初心者でも飼えますか?
-
性格は穏やかで、被毛の手入れも楽なので、初めての方でも暮らしている例は多い犬種です。ただし、骨折を防ぐ室内づくり、寒さ対策、トイレのしつけに根気が必要な点は、事前に知っておきたいポイントです。準備ができていれば、初心者でも楽しく暮らせます。
- イタリアングレーハウンドは吠えますか?
-
比較的静かな犬種といわれますが、警戒や不安から吠える子もいます。個体差が大きいため、子犬のころからさまざまな音や人に慣らし、落ち着いていられたときに褒める練習を続けましょう。
- イタリアングレーハウンドは留守番できますか?
-
短時間であれば、練習次第でできる子が多いです。ただし、人のそばにいたがる性格で、長時間のひとり時間は苦手な傾向があります。少しずつ時間を延ばし、寒さ対策をした安心できる寝床を用意しておきましょう。
- イタリアングレーハウンドの寿命は何年くらいですか?
-
13〜15年前後とされることが多く、日本の保険会社の統計では14歳台という報告があります。調査によって数字は異なるため目安として考え、骨折の予防、歯のケア、体重管理、定期健診を積み重ねることが大切です。
まとめ
- イタリアングレーハウンドは体高32〜38cm、体重5kg前後までの小型の視覚ハウンド
- 性格は控えめで愛情深く、繊細。人のそばで過ごすのが好き
- 被毛は短くお手入れは楽だが、寒さにとても弱く、冬の防寒は必須
- 細い脚は骨折しやすい。滑り止めやステップなど、家の中の環境づくりを
- 歯・膝・目などを意識して、定期健診を欠かさない
- 寿命は13〜15年前後とされるが、調査により幅がある
イタリアングレーハウンドは、上品な姿と控えめな性格で、家族の暮らしにそっとなじむ犬種です。繊細な体への配慮は必要ですが、その分、毎日の小さな工夫が愛犬の安心につながります。迎える前の準備に、このページがお役に立てれば幸いです。
📚 犬種データの出典
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)|イタリアン・グレーハウンド
体高32〜38cm・体重最高5kgの裏づけ - アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書」|家庭どうぶつ白書2023 第2部 犬種別の平均寿命
寿命14歳台(14.6歳)の裏づけ - アニコム損害保険「家庭どうぶつ白書」|家庭どうぶつ白書2025 第2部 犬種別の平均寿命
寿命14.4歳の裏づけ
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。







