犬の健康診断の頻度は、元気な成犬なら年1回、7〜8歳以上のシニア期に入ったら年2回以上が一つの目安です。子犬はワクチンなどで動物病院に通う機会が多いので、その機会に「成長の様子」もあわせて診てもらいましょう。ただし、持病がある子や犬種・体格によって必要な頻度は変わります。最終的な間隔はかかりつけの獣医師と相談して決めるのが安心です。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
- 成犬は年1回以上、シニア(7〜8歳以上)は年2回以上が目安
- 問診・身体検査・血液検査が基本。内容は年齢や持病で変わる
- 健診の間も食欲・排泄・歩き方を見て、変化は早めに相談
この記事は、獣医師ではない犬好きの運営者が、MSD(メルク)獣医マニュアルや環境省の資料などを確認しながら、「何歳で何回」「何をするのか」「家でできるチェック」をまとめたものです。診断や治療のための情報ではなく、受診の計画づくりの参考として読んでください。
🏥 犬の健康診断の頻度|年齢別の目安
要点|成犬は年1回以上、シニアは年2回以上が目安。犬種・体格や持病で変わるので獣医師に相談
MSD獣医マニュアル(飼い主向け)では、成犬は「少なくとも年1回は全身の健診を受ける」、7〜8歳を超えるシニア犬は「年2回以上」と案内されています。
高齢になるほど病気になりやすいため、より短い間隔で診てもらうという考え方です。環境省が示している動物取扱業向けの基準でも、1年以上飼養する犬猫に対して、獣医師による年1回以上の健康診断を受けさせることが求められています。
これは事業者向けのルールですが、「少なくとも年1回」という間隔の感覚をつかむ参考になります。
| 年齢の目安 | 健診の頻度の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 子犬(〜1歳ごろ) | ワクチン接種などの通院時に、成長や体重もあわせて確認 | 混合ワクチンや予防の相談のたびに、健康状態を聞いておく |
| 成犬(1〜6歳ごろ) | 年1回以上 | ワクチンやフィラリア予防の時期にあわせると忘れにくい |
| シニア(7〜8歳以上) | 年2回以上 | 老化の進み方は犬種・体格で違うため、かかりつけと間隔を相談 |
| 持病・治療中の子 | 獣医師の指示に従う | 通院の再診が健診を兼ねることもあるので確認する |
年齢の区切りは目安です。同じ8歳でも、小型犬と大型犬では老いの進み方や気をつけたい病気が違うことがあります。「うちの子はいつからシニア扱いにすべきか」は、一度かかりつけの獣医師に聞いておくと、その後の計画が立てやすくなります。
子犬はワクチンの通院が最初の健診になる
子犬は、ワクチンや予防薬の相談で動物病院に行く機会が多く、そのたびに体重や全体の様子を診てもらえます。とくに迎えた直後は、先天的な心配がないか、便や耳・目の様子はどうかを一度確認してもらうと安心です。
ワクチンの種類やスケジュールは犬のワクチン完全ガイドで整理しています。
成犬は「毎年の同じ時期」に決めると忘れにくい
元気そうに見える成犬ほど、受診が後回しになりがちです。春のフィラリア予防の相談や、毎年の混合ワクチンの時期、誕生日などに合わせて「うちの健診の日」を決めておくと、続けやすくなります。予防の時期は犬のフィラリア予防はいつからいつまで?も確認してみてください。
シニアは年2回が目安。変化は少しずつ進む
犬は言葉で不調を伝えられず、体調の変化もゆっくり進むことがあるため、飼い主さんが「年のせいかな」と見過ごしてしまうことも少なくありません。シニア期に年2回のペースで診てもらうと、前回との違いが比べやすくなります。
年齢が進んだ愛犬のお世話全般は老犬介護完全ガイドも参考にしてください。
🏥 健康診断では何をする?よくある内容
要点|問診・身体検査・血液検査が基本。前回との変化が大切で、検査前の食事は病院に確認
健康診断の内容は動物病院や選ぶコースで変わります。環境省の資料でも、必要な検査項目は年齢や基礎疾患の有無などの健康状態によって異なり、獣医師に相談してその子に合った内容を受けることが大切とされています。ここでは、一般的によく行われる流れを紹介します。
| 内容 | どんなことを見るか |
|---|---|
| 問診 | 食欲・水を飲む量・排泄・散歩での様子・咳やくしゃみなど、最近の変化を聞かれる |
| 体重・身体検査 | 体重の増減、目・耳・口・皮膚・リンパ節、おなかの触診、心臓や肺の音など |
| 血液検査 | 血球検査(貧血や炎症の手がかり)と、血液化学検査(肝臓・腎臓の働きや血糖などの目安) |
| 尿・便の検査 | 尿の状態や、便の中の寄生虫などを調べる病院が多い |
| 追加の検査 | 心電図・血圧・レントゲン・超音波など。年齢や犬種、気になる症状に応じて提案されることがある |
MSD獣医マニュアルでは、血液検査のうち血球検査は赤血球や白血球、血小板の数や状態から貧血・炎症・血の固まりやすさの異常を見るもの、血液化学検査は肝臓や腎臓の働き、血糖などを測るものと説明されています。また、MSD獣医マニュアル(飼い主向け)では、シニア犬については、早い段階で病気を見つけるために血液検査やレントゲンを勧められることがある、とされています。
なお、検査の数値は「一度の結果」よりも、「前回からの変化」が大切になることがあります。同じ病院で毎回受けて結果をためておくと、少しずつの変化に気づく材料になります。
検査前の準備は病院に確認する
検査の前に食事を抜くよう指示される場合がありますが、病院や検査内容によって異なります。自己判断で食事を変えたり抜いたりせず、予約のときに「検査前の食事はどうしたらいいですか」と聞きましょう。また、あわせて次のことを確認しておくとスムーズです。
- 当日、採尿・採便をお願いされるか(容器を持参するか)
- 普段飲んでいる薬やサプリメントがあれば、名前をメモして伝える
- 気になる症状や変化を、スマホのメモや動画で記録していく
健診の結果を、その後の暮らしにつなげる
健康診断は、受けて終わりではなく、結果を日々のお世話に生かしてこそ意味があります。結果を聞くときは、数値の良し悪しだけでなく、次のことを獣医師に確認しておくと、次の1年の計画が立てやすくなります。
- 気になる項目はあるか、あるなら次はいつ、どんな検査で見直すか
- 体重は今のままでよいか。食事の量やおやつの見直しは必要か
- 歯の状態はどうか。歯みがきやケアの進め方に注意点はあるか
- 運動量や散歩の長さは年齢や体格に合っているか
- 次の健診は、半年後か1年後か
数値に少し基準から外れた項目があっても、それだけで病気と決まるわけではなく、経過を見るために再検査をすることもあります。不安になったときは、その場で質問するか、後日電話で聞いても構いません。結果の紙は忘れずに受け取り、写真に残しておきましょう。
検査を受けやすくする、ふだんの練習
健診では、体を触られたり、口を開けられたり、診察台に乗ったりと、普段の生活にはない場面があります。家で次のような練習をしておくと、犬の負担を減らしやすくなります。
- 耳・口元・足先・おなかなどを、おやつと一緒に少しずつ触って慣らす
- キャリーバッグやクレートを、普段から安心できる場所にしておく
- 病院の待合室や車での移動に、健診以外のとき(ワクチンの相談など)にも少しずつ慣れさせる
💰 費用の目安と、無理なく続けるコツ
要点|費用は病院とコースで大きく幅がある。予約時に内容と料金を確認し毎年続ける
健康診断の費用は、動物病院や選ぶ検査の組み合わせによって大きく変わります。身体検査と基本的な血液検査だけの簡易なコースから、尿検査・画像検査まで含めた詳しいコースまで幅があり、一律の金額は示せません。
また、公的な制度で定められた料金ではなく、病院ごとの自由診療です。
費用の幅を知るには、次のようにすると安心です。
- 予約時に「健康診断のコースと料金」を電話やホームページで確認する
- コースの内容(血液検査の項目数、尿・便検査、画像検査の有無)を比べる
- 年齢や気になる点に合わせて、必要な検査を獣医師と相談して選ぶ
- 年間の予防ケア全体の費用の中で、健診の予算を確保しておく
ワクチン・予防薬・検査を含めた年間の目安は、犬の予防ケアは年間いくら?ワクチン・検査・健診の費用の目安で整理しています。高齢になるほど医療費が増えやすいため、年間の予算の中に健診の分を見込んでおくと慌てません。
費用が気になるときは、「最低限必要な検査はどれか」「次回に回してもよい検査はあるか」を遠慮なく相談して構いません。検査を減らすこと自体より、「毎年続けて受ける」ことのほうが、変化に気づく力につながります。
🏥 自宅でできる健康チェック表と受診のタイミング
要点|食欲・水・排泄・歩き方・口を月1回見直す。続く不調や呼吸の異常は健診を待たず受診
年1〜2回の健診の間にも、家で毎日の様子を見ておくと、変化に早く気づけます。次のチェック表を、月に1回程度の見直しの目安にしてください。
| チェック項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 食欲・水を飲む量 | 急に増えた・減った、食べ方が変わった |
| 体重・体型 | 月1回くらいは測る。肋骨の触れ方、腰のくびれが変わっていないか |
| うんち・おしっこ | 回数、量、色、においの変化、排泄時の様子 |
| 歩き方・寝起き | 足をかばう、立ち上がりにくい、散歩を嫌がる |
| 目・耳・皮膚 | 目やに・赤み、耳のにおい、かゆがる場所、できもの |
| 口の中 | 口臭、歯ぐきの赤み・出血、よだれ |
| 呼吸・咳 | 息が荒い、咳が続く、寝ているときの呼吸が速い |
気になる症状の一覧は犬の症状から探すガイドが役立ちます。
健診を待たず動物病院に行く目安
「次の健診まで待とう」と思わず、早めに受診したほうがよいサインもあります。
様子を見てよい範囲
- 元気と食欲があり、1回だけ軟らかい便が出たが、その後は普段どおり
- 散歩のあと一時的に息が荒いが、休めば落ち着く
- 季節の変わり目に少し毛が抜けるが、皮膚に赤みはない
早めに連絡・受診したいサイン
- 食欲や元気がない状態が1日以上続く、水を飲む量やおしっこの量が急に変わった
- 嘔吐や下痢が繰り返される、血が混じる
- 咳や息苦しさが続く、安静にしていても呼吸が速い
- 体にしこりを見つけた、急に体重が減った・増えた
- 歩き方がおかしい、触ると痛がる、けいれんやふらつきがある
ぐったりして反応が鈍い、呼吸が苦しそう、けいれんが止まらないといったときは、夜間や休日でも救急対応の動物病院へ電話して指示を受けてください。
よくある質問
- 元気なら毎年受けなくてもいいですか?
-
元気に見えても、体の中の変化は外から分かりにくいことがあります。MSD獣医マニュアルでも成犬は少なくとも年1回の全身の確認が案内されています。ワクチンやフィラリア予防で通院している場合は、そのタイミングで「健診も兼ねたい」と伝えて相談してみましょう。
- 何歳からシニア扱いにすればいいですか?
-
MSD獣医マニュアルでは7〜8歳を超えるあたりから年2回以上とされていますが、犬種や体格によって老化の進み方は異なります。かかりつけの獣医師に「うちの子はいつからシニアのペースにしたらいいですか」と聞いておくと安心です。
- 病院が苦手でストレスになりそうです
-
診察台に慣れる練習や、待合室での過ごし方の工夫で、負担を減らせることがあります。普段から体を触られることに慣れておくと、診察もスムーズです。苦手な子は予約時に伝えて、空いている時間帯や待ち時間を相談してみてください。
- 健康診断の結果はどう保管すればいいですか?
-
結果の紙やデータは、ファイルやスマホの写真で保管し、次回の受診時に持参すると変化を比べやすくなります。環境省の事業者向けの基準でも、診断書を5年間保存することが求められています。家庭では厳密な決まりはありませんが、数年分をまとめておくと便利です。
まとめ
- 健康診断の目安は、成犬は年1回以上、7〜8歳以上のシニアは年2回以上。子犬はワクチンの通院時に成長も確認
- 内容は問診・身体検査・血液検査などが基本。年齢や持病で必要な検査は変わるので、獣医師と相談して決める
- 費用は病院やコースで大きく幅がある。予約時にコースと料金を確認する
- 家では食欲・水の量・排泄・歩き方・口の中を見ておく。気になる変化は健診を待たずに相談
- ぐったり、呼吸が苦しい、けいれんは夜間・休日でも救急対応の動物病院へ電話を
📚 参考にした情報
- MSDマニュアル(メルク獣医マニュアル)|Routine Health Care of Dogs – Dog Owners
成犬は少なくとも年1回の全身健診、7〜8歳を超えるシニア犬は年2回以上が案内され、シニアでは血液検査やレントゲンが勧められることがある。 - MSDマニュアル(メルク獣医マニュアル)|Veterinary Medical Tests – Special Pet Topics
血液検査には血球検査(貧血・炎症など)と血液化学検査(肝臓・腎臓の働きや血糖など)があり、尿も体液検査として使われることを確認した。 - 環境省|動物の適正な取扱いに関する基準(動物取扱業者向けパンフレット)4.動物の疾病等に係る措置
事業者向け基準で、1年以上飼養する犬猫に年1回以上の獣医師による健康診断と診断書5年保存が求められ、検査項目は年齢や基礎疾患により異なるため獣医師に相談することとされている。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。獣医師ではありません。くわしくは編集方針をご覧ください。



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