🐕 同じサイズ(中型犬)のほかの犬種


イングリッシュセッターは、白地に細かな斑点が散る「ベルトン」の長い被毛と、すらりと上品な立ち姿が印象的な大型の鳥猟犬です。ジャパンケネルクラブ(JKC)の犬種標準では「たいへん友好的で、性格が良い」とされていて、家族や他の犬とも仲良くなりやすい一方、狩猟犬らしい活発さも持っています。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。
- 性格は友好的で人懐こく、活動的な猟犬気質もあります
- 体高65cm前後の大型犬で、寿命は12年前後とされます
- 運動は1日1〜2時間程度が目安で、被毛の手入れも週数回必要です
つまり「穏やかで優しい大型犬」であると同時に、「毎日たっぷり動いて、毎週きちんと被毛の手入れをする覚悟が必要な犬」でもあります。この記事では、検索されることの多い性格・大きさ・体重・寿命・毛色・散歩の量・しつけ・かかりやすい病気を、JKCや英国ケネルクラブ、動物福祉団体などの情報をもとに整理しました。
どんな人に向く犬なのかも最後にまとめているので、お迎えを考えている方は「うちの暮らしに合うか」を確かめる材料にしてください。


📏 イングリッシュセッターの基本データ(大きさ・体重・寿命・毛色)
要点|体重は犬種標準に規定がなく、紹介サイトでは20〜35kg前後とされ、タイプや個体で差があります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 英語表記 | English Setter |
| 原産国 | イギリス |
| JKCのグループ | 第7グループ(ポインター・セター) |
| 体高 | オス65〜68cm/メス61〜65cm前後(JKCの標準)。英国ケネルクラブの標準ではオス65〜69cm/メス61〜65cm |
| 体重 | 犬種標準に規定はなく、紹介サイトでは20〜35kg前後とされることが多い(個体差・タイプ差あり) |
| 寿命 | 12年前後とされる(英国の動物福祉団体PDSAでは「10年以上」) |
| 被毛 | 絹のような長毛で、ゆるやかなウェーブ。耳・胸・お腹・脚・しっぽに飾り毛がある |
| 毛色 | ブラック&ホワイト、オレンジ&ホワイト、レモン&ホワイト、レバー&ホワイトのベルトン、またはトライカラー |
数字は出典によって幅があります。たとえばWebMDでは、オスは体重65〜80ポンド(約29〜36kg)、メスは45〜75ポンド程度と紹介されている一方、PDSAは平均22〜29kgとしています。
イングリッシュセッターには、ショー向けに改良されたタイプと、猟に使うために改良されたタイプがあり、同じ犬種でも骨格や体重に違いがあるためです。迎えるときは、親犬の大きさを見せてもらうのがいちばん確実です。
📜 イングリッシュセッターの歴史とルーツ
要点|名前は獲物を見つけて身をかがめる習性に由来し、現在の姿は19世紀のイギリスで整えられました。
セッターの名前は、獲物の鳥を見つけると身をかがめて(座って)居場所を知らせる習性に由来します。イングリッシュセッターの祖先は、スパニエル系の猟犬から「獲物の前でじっと伏せて知らせる」性質をもつ犬を選んで発展させたものと考えられていて、かつては「セッティング・スパニエル」と呼ばれていました。


現在のような姿に整えられたのは19世紀のイギリスです。日本語版Wikipediaでは、ラヴェラックが優美な外見を、ルーウェリンが狩猟能力の高さを重視して繁殖を進めたことが、その後の系統に大きく影響したと紹介されています。
1859年にドッグショーが始まると、ショー向けのタイプと猟向けのタイプが別々の系統として育てられるようになりました。


日本には明治時代に入ってきたとされ、猟犬として、またペットやショードッグとして飼われてきました。ただ、同じセッターでも赤茶色のアイリッシュセッターのほうが知名度が高く、街で見かける機会は多くありません。
🐾 イングリッシュセッターの性格|友好的で活発な猟犬気質
要点|人にも他の犬にも友好的ですが、鳥や動くものへの興味が強く、ショーとフィールドで傾向が違います。
JKCの犬種標準は、気質を「鋭敏な感覚をもち、狩猟欲が強く、たいへん活動的。たいへん友好的で、性格が良い」とまとめています。
英国ケネルクラブの標準も、「とても活動的で獲物への鋭い感覚をもつ」「非常に友好的で気立てが良い」と近い表現です。人にも他の犬にも優しく接しやすい反面、鳥や動くものへの興味が強いのが特徴です。


PDSAは「陽気で幸せそうで、おおらか」、WebMDは「穏やかで素直、遊び好き」と紹介しています。家族と過ごすのが大好きなタイプなので、お留守番が長い暮らしや、庭に出しっぱなしの飼い方には向きません。人の気配がそばにあることが、この犬の安心につながります。
もちろん性格は個体差が大きく、育ち方や社会化の経験でも変わります。「大型犬だから落ち着いている」とは限らず、とくに1〜3歳ごろまでは体力が有り余って元気いっぱいの子が多いようです。


ショータイプとフィールドタイプの違い
家庭犬として迎えるとき、見落としがちなのがタイプの違いです。ショータイプは被毛が長くたっぷりしていて、比較的おっとりした子が多いとされます。フィールドタイプは被毛がやや短めで体も軽く、猟欲と運動欲求が強い傾向があります。


どちらが良いというより、暮らしに合うほうを選ぶのが大切です。毎日長い距離を一緒に走れる人ならフィールドタイプの魅力は大きいですし、散歩は1日2回の穏やかなペースが中心ならショータイプのほうが無理がありません。
ブリーダーにどちらの系統か、親犬はどんな生活をしているかを聞いておくと失敗が減ります。
アイリッシュセッターとの違い
名前が似ているので混同されがちですが、見た目と気質の傾向には違いがあります。大きな違いは毛色です。イングリッシュセッターは白地に斑点が入るベルトン、アイリッシュセッターは全身が赤茶色です。
体格は同じくらいの大型犬で、必要な運動量とお手入れの手間も近いため、どちらも「毎日動ける人」向きです。


性格は、イングリッシュセッターのほうがやや落ち着いていると紹介されることもありますが、個体差のほうが大きいので、実際に会って確かめるのがいちばんです。アイリッシュセッターについてはアイリッシュセッターのページで紹介しています。


✂️ 被毛・毛色・抜け毛|お手入れの目安
要点|抜け毛は中程度で、耳の後ろや脇の飾り毛は毛玉ができやすく、散歩後の草の種のチェックも大切です。
イングリッシュセッターの被毛は、絹のように細くてなめらかな長毛で、ゆるいウェーブがあります。耳の後ろ、脇の下、足の付け根、胸の飾り毛は毛玉ができやすい場所です。
毛色は白地にブラック・オレンジ・レモン・レバーのベルト(斑点)が入るタイプが代表的で、仔犬のころはほぼ白く、成長とともに斑点がはっきりしてくるといわれています。
- ブラッシング:英国のPDSAは「週2〜3回」、WebMDは「週1回」を目安としています。ショータイプで毛量が多い子や換毛期は、毎日〜数日おきにしたほうが毛玉を防げます
- 散歩のあと:草の種や小枝が飾り毛に絡んでいないかを必ずチェック。夏場の草むらはとくに要注意です
- 耳:垂れ耳で通気が悪く、においや汚れがたまりやすいので、定期的に中をのぞいて確認します
- 足まわり:足裏の毛が伸びると滑りやすくなるため、肉球のまわりを整えると歩きやすくなります
- シャンプー:月1回前後を目安に、皮脂を落としすぎない範囲で。しっかり乾かすことが皮膚トラブル予防のコツです
抜け毛は中程度で、換毛期にはしっかり抜けます。時期ごとの考え方は犬の換毛期とブラッシングの頻度の記事にまとめているので、お手入れの計画づくりに使ってください。自宅でのケアに加えて、1〜2か月に1回程度トリミングサロンで整えてもらう人も多いようです。


🏃 運動量と散歩の目安|体力はかなり必要
要点|出典により運動量の目安に差があり、家庭犬では1日1〜2時間程度に、追跡本能への注意が必要です。
運動量の目安は出典で差があります。WebMDは「毎日30分以上」、PDSAは「1日2時間以上」としていて、後者はフィールドで働く犬としての体力を前提にした数字です。
家庭犬としては、1日1〜2時間程度の散歩に、リードを外して走れる安全な場所での運動を週に何回か組み合わせる、というのが現実的な目安でしょう。
ただし、運動は量だけでなく質も大切です。においを嗅ぎながら歩く、ボールを追う、短い宝探しゲームをするといった「頭を使う遊び」を入れると、同じ時間でも満足度が上がります。
運動不足になると、家具をかじる、ずっと吠える、落ち着かないといった行動につながりやすくなります。


注意したいのは、猟犬ならではの追跡本能です。野鳥や小動物を見つけると、呼び戻しが効かなくなることがあります。ドッグラン以外ではリードを外さない、柵の高さと隙間を確認する、といった基本を守りましょう。
成長期の子犬は骨や関節に負担がかかるため、激しいジャンプや長距離は避け、少しずつ増やしていくのがおすすめです。


🎓 しつけで気をつけたいこと
要点|覚えが早く褒めて育てる方法が合いやすい一方、社会化と呼び戻しの練習、留守番の慣らしが大切です。
PDSAやWebMDは、イングリッシュセッターを「覚えが早く、褒めて育てるやり方に向く犬」と紹介しています。人の役に立ちたいという気持ちが強いので、叱るよりも、できたことをしっかり褒める方法が合いやすいでしょう。
- 早めの社会化:子犬のうちに、人・他の犬・車や自転車・掃除機の音などに少しずつ慣れさせます
- 呼び戻しの練習:猟欲が強い犬種なので、「おいで」で戻ってくる練習を安全な場所で繰り返します
- 引っぱり対策:大型犬は力が強いので、子犬のうちからリードが張らない歩き方を教えます
- 留守番の練習:家族と一緒にいたい気持ちが強いため、短い時間から段階的に慣らします
しつけの順番や進め方は子犬のしつけ完全ガイドで詳しく解説しています。留守番中の不安が強く出る場合は、短い時間から少しずつ慣らすことが基本です。


🏥 かかりやすい病気と食事・健康管理
要点|耳や皮膚のトラブル、関節、難聴などの傾向が知られていて、気になる様子があれば動物病院へ相談します。
ここで挙げる病気は、あくまで「この犬種で知られている傾向」です。診断や治療は動物病院で行うものなので、気になる様子があれば自己判断せず相談してください。
- 耳のトラブル(外耳炎など):垂れ耳で蒸れやすく、耳を掻く・頭を振る・においがするなどの様子が目安です
- 皮膚のトラブル:アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の皮膚炎が知られています
- 関節の病気:股関節や肘の形成不全が大型犬では心配されます。成長期の急な体重増加は関節に負担をかけます
- 耳が聞こえにくい傾向:白い被毛の犬では先天的な難聴が知られていて、確認にはBAER検査(聴性脳幹反応検査)が使われます
- 目の病気:遺伝性の進行性網膜萎縮症などが報告されています
- 甲状腺の病気や、胃がふくれる病気(胃拡張・胃捻転):胃の病気は、食後にお腹が張って苦しそうなときは一刻を争うことがあります


日常でできる予防は、体重管理、週1回の耳と皮膚のチェック、毎日の歯みがき、年1回以上の健康診断です。ワクチンや寄生虫の予防も大切な土台です。耳のにおいが気になるときは犬の耳が臭い・耳垢が多いときの見方が参考になります。
子犬を迎える場合は、親犬の股関節・目・耳(難聴)などの検査結果についてブリーダーに質問し、答えてくれるかどうかも判断材料にしましょう。


食事・太りやすさ・おやつの考え方
食事は、年齢と体格に合った総合栄養食を、パッケージの量を目安に調整するのが基本です。具体的なフード選びは犬それぞれですが、与えるときには次の点を意識してください。
- 大型犬なので1日の量が多くなりがち。1回で一気に食べさせず、2回以上に分けると胃への負担を減らせます
- 食べたあとすぐの激しい運動は避け、30分〜1時間ほど休ませる習慣をつけます
- 成長期は太らせすぎない。早く大きくするより、ゆっくり育てるほうが関節に優しいといわれます
- おやつはしつけに使う分を含め、1日の総量の1割以内を目安に
量の見方は犬のフードの量はどれくらい?でパッケージ表示の読み方を解説しています。体型は上から見て腰にくびれがあるか、横から触って肋骨に触れられるかを週に1回確認すると、太りすぎに気づきやすくなります。


✅ イングリッシュセッターに向いている人・向いていない人
要点|毎日1時間以上動ける人や家族と過ごす時間が長い家庭向きで、長い留守番が続く暮らしは不向きとされています。
向いている人
- 毎日1時間以上、天候が悪い日も外で動く時間をつくれる人
- ブラッシングや耳のチェックを習慣として続けられる人
- 家族が多く、犬と過ごす時間が長い家庭
- 犬の力や大きさに合った住まい(走れる場所への距離、車の移動手段など)がある人


向いていないかもしれない人
- 留守番が長時間・毎日続く暮らしの人
- 散歩の時間が短く、運動不足になりやすい人
- 被毛の手入れや抜け毛の掃除を負担に感じる人
- 大型犬の食費・医療費・トリミング代を継続して用意しにくい人
お迎え前のチェックリスト
- 成犬の体高65cm前後、体重は20〜35kg前後になっても、家の中と車で無理なく暮らせるか
- 10年以上、毎日の散歩とお手入れを続けられるか
- 家族全員が、しつけのルールをそろえられるか
- 犬を飼える住まいか、ご近所への配慮ができるか
- 親犬の健康検査や性格について、ブリーダーが説明してくれるか


イングリッシュセッターのよくある質問
- イングリッシュセッターは初心者でも飼えますか?
-
性格は友好的で覚えも早いので、運動量と手入れの時間を確保できるなら、初めての方でも飼えます。ただし、大型犬の力と運動量は想像以上です。犬を飼うのが初めてなら、子犬のうちから一緒に通えるしつけ教室を探しておくと安心です。
- イングリッシュセッターは吠えますか?
-
無駄吠えが特に多い犬種という情報は多くありませんが、WebMDでは「ほとんどのことに吠える場合がある」とも紹介されています。運動不足や退屈、留守番の不安が原因になることが多いので、運動と頭を使う遊びを増やすのが近道です。
- イングリッシュセッターの寿命は何年くらいですか?
-
WebMDでは平均12年、PDSAでは10年以上とされていて、大型犬としては標準的な範囲です。個体差が大きいため目安として受け止め、体重管理と定期的な健康診断で長く元気に過ごせるようサポートしましょう。
- 抜け毛や毛玉の手入れは大変ですか?
-
長毛で飾り毛が多いので、短毛の犬よりは手間がかかります。毛玉ができやすい耳の後ろや脇を中心に週数回ブラッシングし、1〜2か月に1回ほどトリミングサロンを使うと、負担を減らしやすくなります。
まとめ|イングリッシュセッターの特徴と暮らし方のポイント
- 性格は友好的で人懐こく、活動的な猟犬気質も持っています
- 体高は65cm前後の大型犬で、寿命は12年前後が目安です
- ベルトンの長い被毛は、週数回のブラッシングと耳・足まわりのチェックが欠かせません
- 運動は1日1〜2時間程度を目安に、追跡本能に注意して安全な場所で行います
- ショータイプとフィールドタイプで体力や気質の傾向が違うので、暮らしに合うタイプを選びます
- 他の犬種との比較は犬種図鑑からもご覧いただけます
📚 犬種データの出典
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)|イングリッシュ・セター(犬種紹介・犬種標準)
体高の裏づけ、体重規定なしの裏づけ。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。







