レバーは犬の好む香りが強く、トッピングやおやつの定番です。手作りごはんやフリーズドライのレバーおやつを使っている飼い主さんも多いでしょう。結論からいうと、レバーは、中心までしっかり加熱して、ごく少量をときどきのごほうびとして与えるなら△、毎日たくさん与えるのは避けたい食材です。大きな理由は、ビタミンAを非常に多く含む食材であることと、生では細菌のリスクが高いことです。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。


この記事では、ビタミンAの摂りすぎの考え方、生と加熱の違い、与えるなら量と頻度をどう考えるか、サプリや総合栄養食との重なりの注意をまとめます。運営者は獣医師ではありません。
獣医師が確認した解説、環境省、農林水産省、厚生労働省の情報をもとにした一般的な内容です。犬のレバーについて確認できた公的資料は多くないため、控えめな結論にしています。持病がある犬は獣医師に確認してください。
犬にレバーをあげる結論早見
| 状態 | 可否 | ひとこと |
|---|---|---|
| 加熱した鶏・豚・牛のレバー | △ | ごく少量をときどき。毎日は避ける |
| 生のレバー(刺身・レバ刺し) | × | 細菌のリスク。牛レバーは人の生食提供も禁止 |
| 犬用のレバーおやつ(乾燥・ジャーキー) | △ | パッケージの給与量を守る |
| レバニラ・焼き鳥のたれ・レバーペースト | × | ニラ・玉ねぎ・塩分・調味料などが使われている |
| 野生動物のレバー | × | ビタミンAが極端に多い種類もある |
💡 なぜ「ビタミンAの摂りすぎ」が心配されるのか
ビタミンAは、皮膚や粘膜、視覚などに関わる栄養素ですが、動物の肝臓に特にたまりやすい栄養素です。
獣医師が確認した解説(Hepper)では、犬もレバーを食べられるが、多すぎると具合が悪くなり、与えるなら食事の中心ではなく「ときどきのごほうび」にとどめるべきだとされています。
急に大量に食べた場合は、眠気や嘔吐、いらいらなどが、少しずつ摂りすぎた場合は、じわじわと体に影響が出ると説明されています。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」にも、レバーの与えすぎに関する注意があります。
ガイドラインでは猫の例として、レバーを長期間与え続けると、ビタミンAの過剰によって骨の発育異常などが起こることが知られていると説明され、肉や魚以外の食材も与えて栄養の偏りを防ぐことが重要だとされています。
犬に同じ症状が出るとは限りませんが、特定の食材ばかり続けると栄養が偏るという点は、犬でも共通する考え方です。
なお、すでにビタミンA入りの総合栄養食を食べている犬が、手作りのレバーやサプリを重ねると、知らない間に過剰になるおそれがあります。ごはんとサプリの関係は総合栄養食を食べていてもサプリは必要?で解説しています。
💡 レバーを生で与えてはいけない理由
農林水産省のカンピロバクターの解説は、生や加熱不足の肉、とくに鶏肉や鶏レバーを食べると症状が出ることがあるとして、中心まで十分に加熱するよう案内しています。
厚生労働省は、牛のレバーを生食用として販売・提供することを2012年から禁止しています。腸管出血性大腸菌は、中心部を75℃で1分以上加熱すれば死滅するとされています。
環境省のガイドラインも、肉や魚は生のまま与えると内部寄生虫が発生したり、細菌性の中毒を起こしたりする可能性があるため、加熱調理したものを与えるほうが安全性が高まるとしています。
豚の生肉の寄生虫のリスクは、犬に生の豚肉は危険?で解説しています。レバーは生食に向く食材ではなく、犬にも加熱が基本です。
与えるなら:加熱のしかたと量の考え方
- 中心まで加熱:塩・油・調味料なしで、ゆでる・蒸す・焼くなどして、中心まで火を通します。目安は人向けの「中心75℃で1分以上」です。
- 血管や脂を取って小さく:細かく刻むか、ほぐして与えます。
- ごく少量を、ときどき:量は体格や食事内容で変わるため、グラム数では決められません。環境省のガイドラインは、おやつなどの間食を1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることを求めています。レバーは、その中のさらに一部として使い、毎日のトッピングにはしません。
- ほかの食材とのバランス:肉やレバーだけに偏らず、総合栄養食を主食にします。
犬用のレバーおやつは、環境省のガイドラインでいう「間食」にあたり、素材ベース品として分類されます。パッケージの給与量とカロリーを確認し、与えた分、ごはんを減らしましょう。
🍖 避けたいレバーの食べ方・控えたほうがよい犬と、食べたとき


- レバニラ炒め・焼き鳥・レバーペースト:ニラや玉ねぎ、塩、たれ、バターなどが使われます。ネギ類の危険性は犬の玉ねぎ中毒で解説しています。
- 野生動物のレバー:Hepperの解説は、セイウチやヘラジカ、クマなどの野生動物のレバーはビタミンAが極端に多い場合があるため避けるよう案内しています。
- 肝臓や腎臓の病気、食事制限がある犬、療法食を食べている犬、薬を使っている犬は、獣医師に相談してから。
- 子犬:成長期は食事全体のバランスが大切で、レバーの偏りの影響を受けやすいため、与える前に獣医師へ相談しましょう。
- 食物アレルギーの疑いがある犬:Mueller博士らが2016年にBMC Veterinary Researchで発表した、犬の食物アレルギー報告297頭の総説では、牛肉が34%、鶏肉が15%、豚肉が2%でした。牛や鶏のレバーでも、食べた後にかゆがる、軟便が続くといった様子があれば中止して獣医師へ。
食べすぎたとき・生で食べたとき
レバーを多く食べてしまった場合は、嘔吐、下痢、元気がない、食欲がないといった様子がないか見ます。生のレバーや、傷んだレバーを食べたときも同様です。
症状が出たり、量が多かったりしたときは、食べた種類・量・時間を伝えて動物病院に連絡してください。家庭で吐かせたり薬を与えたりせず、獣医師の指示を受けましょう。
毎日のようにレバーを与えていた場合は、症状がなくても、一度獣医師に食事内容を相談すると安心です。
よくある質問


- レバーは貧血に良いと聞きました。
-
鉄分が多い食材というイメージはありますが、犬の貧血の原因はさまざまで、食事だけで対処できる病気ではありません。貧血が疑われる様子(歯ぐきが白い、ぐったりしているなど)があれば、レバーを与える前に動物病院で相談してください。Hepperの解説でも、鉄分の摂りすぎにも注意するよう案内されています。
- 鶏のハツ・砂肝などの内臓は?
-
環境省のガイドラインは、間食の素材ベース品として砂肝などを挙げています。ハツや砂肝もレバーと同様に、生は避け、加熱して少量にしましょう。
- ほかの食べ物の可否は?
-
犬が食べていいもの・ダメなもの早見表で確認できます。
まとめ


- レバーは、中心まで加熱して、ごく少量をときどきなら△。毎日のトッピングにはしない
- ビタミンAを多く含む食材。サプリや総合栄養食との重なり、特定食材の偏りに注意する
- 生のレバーは細菌のリスクがあり、牛レバーは人の生食提供も禁止されている
- レバニラ、焼き鳥のたれ、レバーペーストなど味付け品は避ける
- 子犬、肝臓・腎臓の病気、療法食の犬は、獣医師に相談してから
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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