「ドライフードだけで足りている?」「ウェットを混ぜたら食べるようになったけど、このまま続けていい?」。ウェットフードとドライフードをどう使い分けるかは、フードの種類で迷う人が最もよく悩むところです。
- 犬のドライフードは水分約10%以下、ウェットは約75%が目安です。
- 犬の主食にするフードは、パッケージで総合栄養食かを確認します。
- ドライとウェットを併用するときは、足した分のカロリーだけ減らして合計を合わせます。
- ウェットは開封後に傷みやすく、給与は20分程度を目安に片付けます。
- フードの切り替えは少しずつ行い、不安があれば獣医師に相談します。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。
- ドライは水分10%程度以下、ウェットは75%程度が目安です
- 主食にするなら、パッケージで総合栄養食かを確認します
- 併用は足した分のカロリーだけ、もう一方を減らして合わせます


結論から言うと、どちらかが正解ということはなく、主食として成り立つ「総合栄養食」を軸にしたうえで、それぞれの特徴を生かして組み合わせるのが基本の考え方です。
この記事では、ドライとウェットの違い、併用するときの量の調整、保存の注意点を整理します。特定の商品をおすすめするものではありません。
⚖️ ドライとウェットの違いは水分量とエネルギー密度
要点|ウェットは見た目の量が多くてもカロリーは控えめで、ドライは少量でもカロリーが凝縮されています。


環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、タイプ別の分類として次のように説明されています。
| タイプ | 水分量の目安 | 特徴(ガイドラインより) |
|---|---|---|
| ドライ | 10%程度かそれ以下 | 重量あたりの栄養価が高く、長期保存に向く。カリカリした食感で、歯垢がつきにくくなることや口臭を抑えることが期待できる |
| ウェット | 75%程度 | 缶詰・アルミトレイ・レトルトパウチなど。風味が良く食べやすく、犬猫が好む傾向がある。開封後は品質の変化が早い |
| セミモイスト/ソフトドライ | 25〜35%/10〜30%程度 | ドライとウェットの中間的な柔らかさ |
ロイヤルカナン日本のサイトでは、ドライは水分約8%でエネルギーが100gあたり約370kcal、ウェットは水分約75%で100gあたり約100kcalと紹介されています。同じエネルギーをとるのに必要な量は、ドライのほうがウェットの約3.5分の1で済む、という計算です。
この差が大切です。ウェットは見た目の量が多くても、カロリーは控えめです。逆に、ドライは少量でもカロリーが凝縮されています。
✅ それぞれが向いている場面
要点|ドライは保存しやすく、ウェットは食欲が落ちたときなど。歯のケアは食感だけに頼らないようにします。
メーカーや専門家の解説をまとめると、使い分けの考え方は次のようになります。
- ドライ向き:保存しやすく管理が楽。少しずつ食べる犬の日中のごはんにしやすい。噛む食感を残したいとき
- ウェット向き:食欲が落ちたとき(アメリカのAKCは、普段ドライを食べる犬にウェットを試す方法を紹介しています)、水分もとらせたいとき、歯や咀嚼力が弱ってきたシニア犬など
- 併用向き:ロイヤルカナンは、複数のフードに慣れておくと、将来歯の病気などでウェットが必要になったときに対応しやすいと説明しています
なお、「ドライだと歯石がつかない」と言い切れるわけではありません。ガイドラインにも「期待できる」と書かれているとおり、歯のケアは歯みがきなどの日常ケアが基本で、食感だけに頼らないようにしましょう。
🍖 主食にするなら「総合栄養食」かどうかを確認
要点|副食タイプだけで毎日の食事を済ませると栄養が偏るおそれがあり、パッケージの目的欄を見て選びます。


ウェットフードには、毎日の主食にできる総合栄養食と、おかずやトッピング用の一般食(副食)があります。環境省のガイドラインでは、フードを「総合栄養食」「間食(おやつ)」「その他の目的食(副食・おかずタイプ、栄養補完食、療法食など)」と分けています。
見た目が似ていても、副食タイプだけで毎日の食事を済ませると、栄養が偏るおそれがあります。パッケージの「目的」の欄に総合栄養食と書かれているかを確認してください。総合栄養食の意味は犬の総合栄養食とはで解説しています。
療法食は、かかりつけの獣医師の指導のもとで与えるものとされています。
併用するときの量の考え方
要点|ウェットを足すとカロリー過多になりやすく、1日の合計が目安を超えないようどちらかを減らします。
ここが失敗しやすいポイントです。ドライに加えてウェットを足すと、カロリーの取りすぎにつながります。併用するなら、1日の合計カロリーが目安を超えないように、どちらかを減らす必要があります。
計算の例を挙げます(数字は仮の例です)。1日のカロリーの目安が約441kcalの犬に、100gあたり約100kcalのウェットを100g与えるなら、残りは約341kcal。
ドライが100gあたり370kcalなら、ドライは約92gになります。実際にはお使いのフードの表示で計算してください。1日の量の決め方は犬のフードの量とパッケージの見方で詳しく書いています。
また、タフツ大学のリンダー博士は、成分値(粗たんぱく質など)の保証値は水分量やカロリーの違うフード同士を直接比較できない、と説明しています。「ウェットはたんぱく質の数字が小さいから劣る」といった見方は誤りやすいため、水分を除いて比べる必要があります。
ロイヤルカナンも、ウェットに慣れた犬がドライの量を少なく感じて追加を求めたり、ドライだけの犬に急にウェットをたくさん与えて下痢をしたりする点を注意としています。
ウェットを取り入れるときは、数日から1週間ほどかけて少しずつ増やすのが基本です。切り替え全般はドッグフードの正しい切り替え方も参考にしてください。
使い分けのパターン例
要点|ドライ主食にウェットをトッピング、時間帯で分ける、ふやかす、の3例。合計カロリーを守ることが共通です。
実際の取り入れ方は、家庭の生活リズムや愛犬の好みに合わせて決めます。よくある組み合わせを3つ挙げます。
- ドライを主食にして、少量のウェットをトッピングする:香りが立ちやすく、食いつきの補助になります。足した分のカロリーはドライから引きます
- 日中はドライ、夜はウェットと時間帯で分ける:ロイヤルカナンが例として紹介している方法で、同じボウルに混ぜなくてもよい、とされています
- ドライをぬるま湯でふやかして与える:食べにくさがあるときの工夫です。香りも立ちやすくなります
どのパターンでも、「合計カロリーを守る」「総合栄養食を軸にする」「体重を定期的に測る」の3点を押さえておけば、大きく外れることはありません。反対に、気分で量や種類が毎日変わると、体重の変化の原因が分からなくなります。続けやすいルールを一つ決めておくのがおすすめです。
ウェットは開封後の扱いが特に大事
要点|出しっぱなしを避けて給与は20分程度を目安にし、余りは冷蔵や冷凍で、できるだけその日のうちに使い切ります。
環境省のガイドラインでは、缶詰やレトルトフードは、ボウルに出した後の酸化・腐敗・微生物の繁殖がドライより早いため、出しっぱなしを避け、給与時間は20分程度を目安にするとされています。
開封後に余ったときは、別の容器に移して冷蔵庫で保管し、できるだけその日のうちに使い切るようにします。
1日以上保管する場合は冷凍して、その都度解凍する方法も紹介されています(家庭用冷蔵庫の冷凍では食味が落ちることがあるため注意が必要、とも書かれています)。ドライの保存については、別の記事で扱います。
よくある質問
- ウェットを混ぜると、ドライを食べなくなりませんか?
-
ウェットのほうが風味が強く、犬が好む傾向があるため、「ウェットがないと食べない」という習慣になることがあります。毎回混ぜる、特別な日だけ足す、少量にするなど、あらかじめルールを決めておくと習慣になりにくいです。
- ウェットだけで育てても大丈夫?
-
総合栄養食と表示されたウェットであれば、主食として使えます。ただし、カロリーあたりの量が多くなり、手間や費用も大きくなります。歯や消化の状態など、愛犬に合うかは獣医師に相談してください。
- ふやかして与えてもいい?
-
ドライを水やぬるま湯でふやかす方法は、食べやすくなるため、シニア犬の食事などで紹介されています。ふやかしたものは傷みやすいので、ウェットと同様に食べ残しは早めに片付けましょう。
- ドライとウェットは、1日に何回に分けて与えますか?
-
環境省のガイドラインでは、成犬は1日分を2回に分け、子犬は1回に食べられる量が少ないため4回程度に分けて与えるとされています。
- ウェットを足した日は、水をあまり飲まなくても大丈夫ですか?
-
ウェットは水分が約75%で、フードから入る水分が増えます。ただ、飲水量は気温や運動でも変わるため、新鮮な水はいつでも飲める状態にします。
- シニア用フードへの切り替えは、いつ、どうすればよいですか?
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シニアに入る時期は、大型犬で6〜7歳、小型犬で8〜10歳くらいからが目安です。慣れた食事に少しずつ混ぜ、1〜2週間かけて切り替えます。
- おやつを足したら、フードはどのくらい減らしますか?
-
カロリー表示を確かめて、与えた分だけフードを減らします。おやつは、1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切とされています。
ドライとウェットで、犬の水の飲み方は変わりますか?
結論として、フードに含まれる水分の量が違うので、飲み水の量も変わることがあります。どちらを与える場合も、新鮮な水をいつでも飲める状態にしておきます。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」では、ドライフードの水分は約10%、ウェットフードの水分は約75%とされています。フードから入る水分に差があるため、食べているフードによって、飲む水の量は違ってきます。
同ガイドラインは、健康な成犬が快適な温度で暮らしているときの飲水量を、フードの乾物量(水分を除いた重量)の約2.5倍と説明しています。ただし、気温や運動量によっても大きく変わります。
1日に必要な水分量の目安(フードから摂る水分を含む)は、体重ごとに次のとおりです。
| 体重 | 1日に必要な水分量の目安(フードの水分を含む) |
|---|---|
| 3kg | 約260mL |
| 5kg | 約370mL |
| 10kg | 約630mL |
| 20kg | 約1,060mL |
この数字は、フードの水分と飲み水を合わせた目安です。ウェットフードを足した日は、そのぶんフードから入る水分が増えます。
市販の人用ミネラルウォーターには、マグネシウムなどのミネラルが多いものがあり、犬に与えるときは注意が必要とされています。水の飲み方がいつもと違う状態が続くときや、食欲が落ちたときは、動物病院に相談してください。
子犬・成犬・シニアで、ドライとウェットの与え方は変わりますか?
結論として、ドライでもウェットでも、犬のライフステージに合ったフードを選ぶことが基本です。フードの種類や量を変えるときは、1週間ほどかけて少しずつ切り替えます。
環境省のガイドラインは、成犬用のフードを子犬に与えると栄養不足になり、反対に、子犬用のフードを成犬に与えるとエネルギー過剰で肥満になる、と説明しています。成長の段階ごとに、必要なエネルギーが違うためです。
| ライフステージ | 時期の目安(環境省) |
|---|---|
| 成長期 | 小型犬は生後約50日から10か月程度、中型犬は1年程度、大型犬は1年半程度、超大型犬は2年程度 |
| 成犬期 | 成長期以降の7年間程度 |
| 高齢期 | 約7〜8歳以降(老化のスピードには個体差があります) |
同ガイドラインでは、食べ慣れていないフードに急に切り替えると、吐いたり下痢をしたりすることがあると注意しています。状態を見ながら、1週間くらいかけて新しいフードの割合を増やしていく方法が紹介されています。
シニア用への切り替えは、慣れた食事に少しずつ混ぜながら、1〜2週間かけて行うことが勧められています。シニアに入る時期の目安は、大型犬で6〜7歳、小型犬で8〜10歳くらいからとされています。
ウェットとドライを新しく併用するときも、一度にたくさん変えず、便の状態や食欲を見ながら進めます。下痢や嘔吐が続くときは、動物病院に相談してください。
体重が増えてきたとき、ドライとウェットの量はどう見直しますか?
結論として、おやつやトッピングで足した分は、フードを減らして合わせます。体重が気になるときは、まず体型を確認し、本格的な減量は獣医師の指導のもとで進めます。
環境省のガイドラインは、おやつやごほうびを与えるときは、カロリー表示を確かめて、与えた分だけフードを減らすよう勧めています。ウェットを足す場合も、足した分のカロリーを引く考え方は同じです。
同ガイドラインでは、軽度から中度の肥満の場合、与えるフードの量を通常の30〜40%減らして、体重の変化をチェックする方法が示されています。減らす割合が40%を超える急なダイエットは、体に悪い影響を与えるおそれがあるとされています。
- 体重の減り方は、1週間で1〜3%ずつくらいが適当とされています
- 空腹感を抑えるために、1日量を3〜4回に分けて与える方法が紹介されています
- 肋骨に触れるか、上から見て腰のくびれがあるかなど、体型(ボディコンディションスコア)でも確認します
体重が増えた理由が分からないときや、持病・療法食がある場合は、自己判断で量を変えず、獣医師に相談してください。
この追記の出典
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」2-1 市販フードの種類と選び方・ライフステージ・フードの切り替え方
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」1-3 フードの食べ方の違いと与え方
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」肥満対策(ボディコンディションスコア)・飲み水
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」Q&A(ライフステージ・フードの切り替え)
まとめ


- ドライは水分約10%以下で保存しやすく、ウェットは水分約75%で食べやすい
- 主食にするものは、総合栄養食かどうかをパッケージで確認する
- 併用するときは、足した分のカロリーだけドライを減らして合計を合わせる
- ウェットは開封後の傷みが早い。20分を目安に片付け、余りは冷蔵・冷凍する
- 切り替えや追加は、少しずつ。不安があれば獣医師に相談する
この記事は、犬好きの運営者が公的資料やメーカー・専門家の解説をもとに整理した一般的な情報です。持病のある犬や療法食を食べている犬は、獣医師の指示を優先してください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。
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