後ろ足で耳をカリカリ掻いている。急にブルブルと頭を振る。耳を床にこすりつけて歩く。こうした仕草が続くと、「耳の中に何かあるのかな」と気になります。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。


耳を掻く・頭を振る行動は、犬が耳の中の不快感やかゆみ、痛みを知らせているサインのことが多いとされます。たまに1〜2回なら問題ないこともありますが、繰り返したり、長引いたりするなら、動物病院に相談するタイミングです。
この記事では、仕草の種類ごとの見方、考えられる背景、受診の目安、受診までの過ごし方を整理します。運営者は獣医師ではないため、診断や治療の話はしません。
耳のトラブルが疑われる「仕草」を整理する


耳が気になるときの行動には、いくつかのパターンがあります。どれが目立つかをメモしておくと、診察時に役立ちます。
- 後ろ足で耳を掻く:かゆみが強いときに多い。掻きすぎて耳の後ろや付け根が赤くなることもある
- 頭をブルブル振る:耳の中に水分、異物、かゆみがあるとき。回数が急に増えたら要注意
- 耳を床や壁にこすりつける:かゆみや不快感が強いサイン
- 頭を片側に傾ける:片耳の違和感や、耳の奥の問題が関わることがある
- 耳を触られるのを嫌がる/キャンと鳴く:痛みがあることが多い
- 耳をやたらと後ろに倒す、片耳だけ下がっている:普段との違いに注意
片耳だけに症状がある場合は、異物(草の種など)や、その耳の局所的な炎症が関係していることもあります。両耳の場合はアレルギーなど全体的な背景が関わることも考えられます。
耳を掻く・頭を振るときに挙げられる主な背景
ペット向けの健康情報や動物病院の解説で、一般的に挙げられているものをまとめます。実際の原因は、耳の中の観察や検査で見極める必要があります。
外耳炎(耳の入り口から鼓膜までの炎症)
細菌や真菌(カビの仲間)が増えて、耳の中が赤くなったり、におい・耳垢が増えたりする状態です。垂れ耳や耳道が狭い犬、アレルギー体質の犬、湿気の多い季節に起こりやすいといわれます。においや耳垢の見方は犬の耳が臭い・耳垢が多いときの見方で整理しています。
耳のダニなどの寄生虫
強いかゆみが出て、黒っぽいカスのような耳垢が増えることがあると説明されています。子犬や若い犬で話題になることが多く、他の動物から移ることもあるといわれます。
異物(草の種、水、毛など)
散歩中の草むらで草の種が入り込むことがあります。突然の激しい頭振りや片耳だけの掻き方は、異物のサインのことがあり、自力で取ろうとして奥へ押し込む危険もあるため、無理は禁物です。シャンプーや水遊びのあとに水が残って、頭を振ることもあります。
アレルギーや皮膚の体質
ロイヤルカナンの解説では、犬のアトピー性皮膚炎で顔まわりや耳に赤みが出やすいことが触れられています。食物や環境のアレルギーがあると、耳だけでなく足先やお腹など、体のほかの場所も掻く傾向があります。
全身の様子は犬が体を掻く・皮膚が赤いときの見方も参考にしてください。
耳の腫れ(耳たぶがふくらむ)
頭を強く振ったり、掻きむしったりしたあとに、耳たぶが膨らんで厚くなることがあります。痛みを伴うことがあるため、こうした変化に気づいたら早めの相談が勧められます。
🏥 どのくらいで受診する?目安を3段階で整理


すぐに(その日のうちに)相談したいサイン
- 激しく頭を振り続ける、耳を触るとキャンと鳴く
- 耳から血や膿のような分泌物が出ている
- 頭が傾いたまま、ふらつく、目が揺れる
- 耳たぶが急に腫れている
- 食欲や元気がない
数日以内に受診したいサイン
- 耳を掻く・頭を振るが、1〜2日続いている
- 耳の中が赤い、においが強い、耳垢の量や色が変わった
- 耳の付け根や耳の後ろに掻き傷がある
しばらく観察してもよい場合
- 水に濡れたあとに数回頭を振ったが、その後は落ち着いた
- 耳の中を見ても赤みやにおいがなく、頻度も増えていない
観察する場合も、「半日〜1日おきに耳を見る」「頭を振る回数が増えたら受診」と決めておくと、判断が遅れにくくなります。
🏥 受診までの間に気をつけたいこと


耳のトラブルは、家でのケアが原因で悪化することがあります。次の点を意識しましょう。
- 綿棒や指で奥を触らない:異物や耳垢を押し込む、耳道を傷つけるおそれがある
- 人間用の薬や、以前のもらい物の薬を使わない:原因に合わないと悪化することがある
- 掻かせすぎない工夫:爪を整えておく、必要に応じて保護の方法を獣医師に相談する
- 耳を濡らさない:入浴やシャンプーは、受診するまで控えるか、耳に水が入らないよう注意する
耳掃除そのものの考え方は犬の耳掃除の頻度はどのくらい?でまとめています。症状があるときの掃除は、悪化させる場合もあるため慎重に考えましょう。
受診時には、次の情報を伝えると診察がスムーズです。
- いつから、どのくらいの頻度で掻く・頭を振るか
- 片耳か両耳か
- においや耳垢の変化(色・量)
- 最近のシャンプー、水遊び、草むらでの散歩の有無
- 耳以外の皮膚のかゆみ、食事の変更
🌡️ 起こりやすい犬・季節と、日常でできる予防
耳のトラブルは、垂れ耳の犬や耳道の狭い犬種、アレルギー体質の犬で起こりやすいといわれます。季節では、気温と湿度が高くなる梅雨から夏にかけて、耳の中が蒸れて悪化しやすいとされています。また、秋は草の種が付きやすい時期なので、草むらを歩いたあとの確認も大切です。
日常でできることは、特別なことではありません。
- 週1回ほど、耳の中のにおい・赤み・耳垢をチェックする習慣をつける
- シャンプーや水遊びのあとは、耳の入り口まわりの水分をやさしく拭き取る
- 草むらを歩いたあとは、耳の入り口や顔まわり、足先に草の種などが付いていないか見る
- 耳まわりの毛が伸びて蒸れやすい場合は、トリミングサロンで整えてもらう
- 普段の「頭を振る回数」「掻く頻度」を何となく覚えておく
こうした基本のチェックを続けていると、「いつもより増えた」という変化に気づきやすくなります。症状の強さだけでなく、普段との違いを基準にすると、受診の判断がしやすくなります。
よくある質問
- 頭を振る回数が増えただけで、他に症状はありません。受診すべき?
-
回数が明らかに増えている場合は、耳の中に何か起きている可能性があります。においや赤みがなくても、数日続くなら相談してみるのがおすすめです。見た目の変化が出る前に診てもらえることもあります。
- 耳を掻くのは、ストレスや癖ではない?
-
退屈やストレスで掻く行動が出ることもあるとされますが、まず耳や皮膚に原因がないかを確認するのが先です。体の不調が見つからなければ、生活の見直しを考えるという順番が安心です。
- 夜中に激しく頭を振っています。待ってもいい?
-
痛がる様子、血や膿が出ている、頭が傾いてふらつくといった場合は、夜間救急に電話で相談しましょう。それほど強くなければ、朝まで耳を触らずに待ち、翌朝すぐに受診する選択もあります。
まとめ
- 耳を掻く・頭を振る・こすりつけるは、耳の不快感のサインのことが多い
- 外耳炎、寄生虫、異物、アレルギー、耳たぶの腫れなど、背景はさまざまで、見た目だけでは判断できない
- 激しい頭振り、痛がる、膿や血、頭の傾きは当日相談。1〜2日続くなら数日以内に受診を
- 綿棒や自己判断の薬は避け、症状・耳の状態・生活の変化をメモして受診する
耳のトラブルは、早く診てもらうほど、犬のつらい期間を短くしやすいとされています。「いつもと違う」を見逃さない気持ちで、愛犬の耳を見守ってあげてください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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