ノミ・マダニ予防は、フィラリア予防と並んで多くの飼い主さんが毎年案内される定番のケアですが、「なぜ予防が必要なのか」「マダニを見つけてしまったらどうすればいいのか」まで正確に知っている方は意外と多くありません。マダニは犬だけでなく人にも感染するSFTSのような病気を媒介することがあるため、正しい知識を持っておくことが家族全員の安全にもつながります。この記事では、予防の時期や薬の種類、そして緊急時の対処法までまとめて解説します。



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💡 なぜノミ・マダニの予防が必要なのか


ノミやマダニは、単に犬の体に寄生してかゆみを引き起こすだけの存在ではありません。
マダニは、犬にも人にも感染しうる「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」というウイルス感染症を媒介することがあり、感染すると命に関わることもある病気です。
ノミも、犬に瓜実条虫(サナダムシの一種)を媒介したり、アレルギー性皮膚炎の原因になったりします。つまりノミ・マダニ予防は、愛犬の健康だけでなく、飼い主さん自身や家族の健康を守るためのケアでもあるのです。
予防はいつからいつまで?


ノミ・マダニの活動は、気温が上がる春(3月頃)から秋(11月頃)にかけて特に活発になるため、多くの地域ではこの期間を中心に毎月の予防が推奨されています。
ただし、近年は温暖な地域を中心に冬でも活動が見られることがあり、通年での予防が推奨されるケースも増えています。正確な予防期間は地域の気候によって差があるため、かかりつけの動物病院に確認するのが確実です。
予防薬の種類


ノミ・マダニ予防薬には、大きく分けて次のようなタイプがあります。
- 経口タイプ:おやつのように食べさせる薬で、月1回のものが一般的です。
- スポットオン(滴下)タイプ:首の後ろなど、皮膚に直接垂らして使用するタイプで、月1回のものから、3〜4か月に1回で済むタイプまであります。
- 首輪タイプ:装着しておくだけで数か月間効果が持続するタイプです。
フィラリア予防薬とノミ・マダニ予防薬がセットになった製品もあるため、投薬の手間を減らしたい場合は、かかりつけの獣医師に相談してみるとよいでしょう。フィラリア予防の詳しい仕組みについては犬のフィラリア予防完全ガイドもあわせて参考にしてください。
🔧 マダニを見つけたときの正しい対処法


もし愛犬の体にマダニがくっついているのを見つけたら、対応は「咬みついているかどうか」で変わります。
- 皮膚に咬みついて血を吸っている場合:無理に自分で引き抜こうとしないでください。マダニは口の部分を皮膚に食い込ませて吸血しているため、無理に引っ張ると口の部分だけが皮膚内に残ってしまい、化膿や炎症の原因になります。できるだけ早く動物病院に連れて行き、専用の器具で安全に取り除いてもらいましょう。
- まだ皮膚の表面を歩いている場合:咬みついていなければ、目の細かいノミ取りコームなどで払い落とすようにして取り除けます。
特に重要な注意点として、マダニを指で潰さないことが挙げられます。マダニの体内には病原体が含まれていることがあり、潰すことでその病原体が周囲に飛び散り、犬や人への感染リスクを高めてしまう可能性があります。
マダニを取り除いたあとも、数週間から数か月は元気の変化や食欲不振、発熱、関節の異常などがないか、いつもより注意深く様子を観察しておくと安心です。
ノミ・マダニに寄生されたときのサイン


予防していても、散歩コースや草むらの状況によっては寄生されることがあります。ノミの場合は、体をしきりに掻く・噛む、背中や腰、尻尾の付け根に赤いブツブツや脱毛がある、被毛の根元に黒い小さな粒(ノミの糞。
濡らすと赤く滲む)がついている、といったサインが典型的です。マダニは、散歩後に耳の縁や目のまわり、首、脇、指の間、お腹など毛の薄い場所にくっついていることが多く、吸血して膨らむと小豆大のイボのように見えます。
散歩から帰ったら、体を撫でながら全身をチェックする習慣をつけると、早期発見につながります。
マダニに咬まれた後、数日〜数週間して発熱や食欲不振、元気消失、歯茎が白いといった症状が出た場合は、マダニが媒介する感染症(バベシア症など)の可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。
🔧 室内でノミが発生してしまったときの対策


ノミは犬の体にいる成虫よりも、床やカーペット、ソファ、寝床に落ちた卵・幼虫・さなぎの方が圧倒的に多く、犬の体だけ駆除しても再寄生を繰り返します。
犬には獣医師処方の駆除薬を使い、同時に、寝床やカバー類は60度以上のお湯で洗濯、カーペットやソファの隙間、家具の下は念入りに掃除機をかけ、掃除機のゴミはすぐに密閉して捨てる、という環境対策を最低でも1〜2か月続けましょう。
さなぎは薬剤や掃除機に強いため、数週間おきに再発することがあります。多頭飼いや猫と同居している場合は、全員同時に駆除・予防することが必要です。
人が刺されて足首などに強いかゆみが出るのも、室内にノミがいるサインのひとつです。
よくある質問


Q. 市販のノミ・マダニ薬と、動物病院の薬は何が違いますか?
A. 市販薬は「駆除」よりも「忌避(寄せ付けにくくする)」を目的とした製品が多く、効果や持続期間が処方薬より限定的な傾向があります。動物病院で処方される薬は、有効性と安全性が承認されたもので、体重に合わせた用量で処方されます。確実に予防したい場合は、動物病院の薬をおすすめします。
Q. スポットタイプの薬を垂らした後、シャンプーしてもいいですか?
A. 製品によって異なりますが、一般的に投与の前後2〜3日はシャンプーや水遊びを避けるよう指示されています。薬が皮脂とともに全身に広がるまでに時間がかかるためです。使用する製品の説明書を確認し、迷ったら病院に問い合わせてください。
Q. マダニを取ったあと、皮膚に黒い点が残っています。
A. マダニの口の部分が皮膚に残っている可能性があります。無理にほじらず、動物病院で確認してもらってください。放置すると化膿したり、しこりになったりすることがあります。取り除いたあとも、その部分が赤く腫れる、膿が出る、犬が気にして舐め続けるといった場合は受診しましょう。
まとめ


ノミ・マダニ予防は、愛犬だけでなく家族の健康を守るためにも欠かせないケアです。春から秋を中心に毎月の予防を続け、万が一マダニを見つけた場合は、自己流で引き抜いたり潰したりせず、咬みついている場合は動物病院に相談することが、被害を最小限に抑える一番の対処法です。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。


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