犬はしょうが(生姜)を、ごく少量の皮をむいたすりおろしや粉末なら食べられるとされています。AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)もPetMDも「少量なら一般に安全」という立場です。ただし、血液をサラサラにする作用があるといわれ、飲んでいる薬や持病によっては避けたほうがよい犬もいます。また、紅しょうが・ガリ・ジンジャーエール・ジンジャークッキーのような加工品は、塩分や砂糖、犬に危険な成分が含まれることがあるので与えません。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
- 生のしょうがは、皮をむいたごく少量のすりおろしなら可
- 紅しょうが・ガリ・ジンジャーエール・クッキーなどは避ける
- 手術前や薬を飲む犬、妊娠中の犬は先に獣医師へ相談
🍖 犬にしょうがは食べていい?結論と基本の考え方
要点|少量なら一般に安全とされるが、犬での研究は限られ、与える必要はない
AKCは、しょうがは少量なら犬にとって一般に安全で、体によい面もありうると説明しています。
人では吐き気を和らげる目的(乗り物酔いや治療に伴う吐き気など)で使われることが多く、抗酸化作用や抗炎症作用、お腹の張りの軽減なども期待されるといわれています。
ただし、AKCは、根拠の多くが人での研究であり、犬での研究は限られていると明記しています。
つまり、「犬にもよい効果が確かにある」と言えるほどの情報はまだありません。このブログでは、次のように整理しています。
- しょうがは、犬に必要な食材ではない。与えなくても困らない
- 与えるなら、風味づけ程度のごく少量を、たまに
- 病気の改善や酔い止めを目的に、自己判断で使わない。気になる症状は動物病院へ
おやつやトッピングは、1日のカロリーの10%以内に収めるのが目安とされています(PetMD)。しょうがはカロリーの問題というより、風味の強さと薬との相性のほうに注意が必要です。
どの形なら与えられる?しょうがの種類別の可否
要点|生・粉末・しぼり汁は少量なら可。酢漬け、チューブ、お菓子、料理は避ける
「しょうが」といっても、生のまま使うのか、加工品なのかで、危険度がまったく違います。主な形を一覧にしました。
| 形 | 可否 | 理由・ポイント |
|---|---|---|
| 生のしょうが(皮をむいてすりおろし・みじん切り) | 少量なら可 | AKCは、皮をしっかりむき、細かくみじん切りにしてごはんにふりかけるか、薄切りにして与えるよう案内。PetMDも、生のすりおろしを食事に混ぜる形を推奨 |
| しょうがパウダー(無添加) | 少量なら可 | AKC・PetMDとも、粉末も少量なら可としている。添加物のないものを選ぶ |
| しょうがのしぼり汁 | 少量なら可 | AKCは安全としているが、与える量は粉や生と同じく少量にとどめる |
| 紅しょうが・ガリ(酢漬け) | 避ける | AKCは、酢やクエン酸の酸味を犬は好まないこと、塩分やキシリトールが含まれることがあることから、与えないよう案内。PetMDも、砂糖・酢・塩が胃腸の不調や体重増加の原因になるとしている |
| チューブのおろししょうが | 避ける | 商品によって塩分や添加物が入っているため、原材料の確認が必要。犬用に使う必要はない |
| 生姜焼き・煮物など、味付けした料理 | 避ける | しょうゆ・みりん・砂糖・玉ねぎなどを使うことが多く、塩分や犬に不向きな食材が入りやすい |
| ジンジャーエール・ジンジャーシロップ | 避ける | 糖分や甘味料、香料などが入る。犬の飲み物として選ぶ理由はない |
| ジンジャークッキー・ジンジャーブレッド | 避ける | PetMDは、ナツメグは犬に有毒であり、アイシングやお菓子にはチョコレートやキシリトールが含まれることがあるとして、勧めていない |
しょうがは、辛みの成分がある一方で、唐辛子のような強い刺激物とは別の食材です。ただ、香辛料全般の考え方は共通するところが多いので、犬に唐辛子・香辛料はNGの記事もあわせて確認すると、全体像がつかみやすくなります。
🍖 量の目安と与え方のコツ
要点|小型犬は小さじ1/4以内が上限の目安。最初は数分の一から、ごはんに混ぜて
量は犬の体重や体調で変わります。PetMDは、健康な成犬に生のしょうがをすりおろして与える場合の例を体重別に示しています。日本の単位に直して、上限に近い目安としてまとめます(1ポンド=約0.45kg)。
| 体重の目安 | 1回の量の例(生のすりおろし) |
|---|---|
| 約1〜9kg(超小型〜小型犬) | 小さじ1/4未満 |
| 約10〜13kg | 小さじ1/4ほど |
| 約14〜23kg | 小さじ1/2ほど |
| 約23〜41kg | 小さじ3/4以下 |
| 約41kg以上 | 小さじ3/4ほど |
AKCも、小型犬でも1/4小さじ、大型犬でも3/4小さじを超えないことを目安にしています。これらは「これ以上与えない」という上限に近い数字です。
実際には、最初は耳かき1杯程度のほんの少量から始め、様子を見ながら増やしても上限を超えないようにします。PetMDも、少量から始めて徐々に増やすよう案内しています。
与え方のコツは次のとおりです。
- 皮をむき、すりおろすか、ごく細かいみじん切りにする(大きなかたまりは与えない)。
- いつものごはんに少量を混ぜる。単独で与えると辛みが強く、嫌がる犬もいる。
- 初回は、その後1〜2日、便の様子、食欲、吐き気がないかを見る。
- お腹の調子が崩れたら、量を減らすか、やめる。AKCは、多すぎるとガスや吐き気の原因になると説明している。
毎日の習慣にするより、「たまにの風味づけ」と割りきるほうが安全です。なお、手作りごはんにしょうがを足すときは、味付けをしないのが原則です。塩分については犬の塩分の摂りすぎに注意の記事も参考になります。
⚠️ しょうがを避けたほうがよい犬・先に獣医師へ相談したい犬
要点|出血しやすい病気、手術前、服薬中、糖尿病や心臓病、妊娠・授乳中は要相談
しょうがには、血液を固まりにくくする方向に働く可能性があるといわれています。AKCとPetMDは、次のような場合は与える前に獣医師に相談するよう案内しています。
| 状況 | なぜ注意が必要か |
|---|---|
| 出血しやすい病気がある | しょうがが血液を固まりにくくする作用を持つとされるため |
| 手術・歯科処置の予定が近い | 同上。予定がある場合は、獣医師に事前に確認する |
| 痛み止め(消炎鎮痛薬)など、血をサラサラにする作用が関わる薬を飲んでいる | AKCは、作用が重なるおそれがあるとしている |
| 糖尿病・心臓病、血圧や血糖値の薬を飲んでいる | AKCは、しょうがが血圧や血糖値を下げることがあるため、先に獣医師へ相談するよう案内 |
| 妊娠中・授乳中 | AKCは、安全性が確立されていないとする獣医師もいると説明 |
| 療法食を食べている | PetMDは、療法食の犬には、食事以外の食べ物や補助は控えるよう案内 |
| アレルギーがある・疑われる | 新しい食材で症状が出るおそれがあるため、先に相談 |
薬を飲んでいる犬は、食べ物との組み合わせをまとめて確認できていないことがよくあります。「少しだけなら」と自己判断せず、診察のときに「しょうがを与えていいですか」と聞いてみましょう。
酔い止めや胃のむかつきに使える?期待しすぎないために
要点|犬での研究は限られる。酔いや嘔吐が続くなら、しょうがに頼らず動物病院へ
「しょうがは吐き気に効く」という話から、犬の車酔い対策に使えないかと考える方もいるかもしれません。AKCは、人では乗り物酔いなどの吐き気に使われると紹介しつつ、犬での研究は限られているとしています。
犬の車酔いは、慣らし方、車内の環境、乗る前のごはんの量など、ほかの要素が大きく関わります。まずは犬の車酔い対策の記事で、症状の見分け方と車に慣らすステップを確認してください。つらそうなときは、動物病院に相談するのが確実です。
犬が吐く、元気がないといった症状が続いているときに、家庭で食べ物を足して様子を見るのは、受診のタイミングを逃すもとになります。「しょうがで治そう」とは考えないでください。
🏥 犬がしょうがを食べてしまったとき・動物病院へ行く目安
要点|少量で元気なら様子見。大量、服薬中、危険成分入りのお菓子はすぐ連絡
様子を見てよいことが多いケース
- 生のしょうがを少量なめた・食べた程度で、元気も食欲もふだん通り
- おいしそうな匂いにつられて、しょうがの入った人の料理を一口食べたが、他の様子に変化がない
この場合は、その日はほかのおやつを控え、嘔吐や下痢、ぐったりした様子がないかを見てください。軽いお腹の張りやガスが出ることはあります。
早めに動物病院へ連絡したいサイン
- しょうがの塊や、しぼり汁、粉末を、一度にたくさん食べた
- 嘔吐や下痢がくり返される、ぐったりして元気がない
- 血液をサラサラにする薬、血圧や血糖値の薬を飲んでいる犬が、しょうがを食べた
- 手術や処置の予定が近い犬が、しょうがを食べた
- 紅しょうが、ガリ、しょうがのお菓子などを大量に食べた(塩分や砂糖、場合によってはキシリトールやチョコレートの心配があります)
ジンジャークッキーやジンジャーブレッドを食べてしまった場合は、しょうがよりも、そこに使われているナツメグ、チョコレート、キシリトールのほうが問題になります。
キシリトールの危険については犬がキシリトールガムを食べたときの記事で解説しています。成分表示がわかるパッケージを持って、動物病院へ電話してください。夜間・休日は救急対応の病院へ。吐かせる処置を自己判断で行うのは避けましょう。
よくある質問
- ドッグフードやおやつに、しょうがが入っているものがありますか?
-
商品によっては、原材料に入っていることがあります。製品として設計された量ですが、持病や服薬のある犬は、かかりつけの獣医師に確認してから選ぶと安心です。原材料の見方は、パッケージの表示順を確認してください。
- しょうがの皮はむいたほうがいいですか?
-
AKCは、皮をしっかりむくよう案内しています。皮には土や汚れが残りやすく、食感も硬いためです。
- 手作りごはんにしょうがを入れても大丈夫ですか?
-
ごく少量の風味づけ程度なら可能とされていますが、必須ではありません。手作りごはんは、しょうがより先に、全体の栄養バランスの確認が大切です。かかりつけの獣医師や、手作り食に詳しい専門家に確認しながら進めましょう。
- 子犬や老犬にしょうがを与えてもいいですか?
-
子犬は体が小さくお腹も敏感で、老犬は持病や服薬のあることが多いため、特に必要がなければ与えないのが無難です。与えたいときは、先に獣医師に相談してください。食べていいかどうか全体を見渡したいときは、犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も役立ちます。
まとめ
- しょうがは、皮をむいたごく少量のすりおろし・粉末なら食べられるとされるが、犬での研究は限られ、与える必要はない
- 量は小型犬で小さじ1/4以内が上限の目安。最初はそのさらに数分の一から
- 紅しょうが・ガリ・ジンジャーエール・ジンジャークッキーなどの加工品は避ける
- 出血しやすい病気、手術前、血液や血圧・血糖値に関わる薬、妊娠・授乳中の犬は、先に獣医師へ相談
- 大量に食べた、嘔吐や下痢が続く、お菓子などで危険成分が心配なときは、すぐ動物病院へ連絡
📚 参考にした情報
- AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)|Can Dogs Eat Ginger?
しょうがは少量なら一般に安全で、根拠の多くは人での研究であること、皮をむきみじん切りにして与えること、量の上限の目安、出血性の病気・手術前・服薬中・妊娠授乳中などは避けるか獣医師に相談すること、酢漬けは与えないことが説明されている。 - PetMD|Can Dogs Eat Ginger?
生のすりおろしとパウダーが推奨される形であること、体重別の量の例、酢漬けやジンジャーブレッドは勧められないこと(ナツメグ・キシリトール・チョコレートの心配)、療法食や服薬中の犬は先に獣医師に相談することが説明されている。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。獣医師ではありません。くわしくは編集方針をご覧ください。



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