犬も人間と同じく、睡眠サイクルを持っています。その中にはレム睡眠(REM:Rapid Eye Movement)とノンレム睡眠(Non-REM)の二つのフェーズがあります。これらの睡眠フェーズは、犬の健康や行動、さらには夢に大きな影響を与える重要な要素です。この記事では、犬の睡眠サイクルについて詳しく説明し、犬が夢を見る理由やその影響について掘り下げていきます。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
- 寝言はレム睡眠中の夢の影響と考えられ、多くは正常な現象
- 寝言程度ならそっと見守り、触って起こすと驚いて噛むことがある
- 硬直・意識がない・よだれや失禁があれば発作の可能性があり、すぐ受診
犬の睡眠サイクル
要点|犬も人と同じレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを持ち、レム睡眠は脳が活発に働く時間です。


犬の睡眠は、人間と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルで構成されています。ノンレム睡眠はさらに4つの段階に分けられ、最も深い睡眠状態に入ると体が完全にリラックスします。この状態は身体の修復や成長、エネルギーの回復に重要です。
一方、レム睡眠は、脳が活発に働いている状態です。このフェーズでは、眼球が急速に動き(これが「Rapid Eye Movement」の由来です)、脳波が起きているときと似たパターンを示します。
この時期に夢を見ることが多く、脳は日中に経験した出来事や感情を整理しています。
犬のレム睡眠と夢
レム睡眠中の犬は、夢を見ている可能性が高いです。夢を見るという行為は、人間だけでなく、多くの動物にも共通する現象です。
犬が夢を見ているときには、まぶたの下で目が動いたり、足をピクピクさせたり、時には小さな吠え声やうなり声を発することがあります。これは、夢の中で何かを追いかけたり、遊んだり、他の犬と交流している可能性を示しています。
レム睡眠中の行動
レム睡眠中の犬の行動には、いくつかの興味深い特徴があります。犬が夢を見ている間、その脳は非常に活発で、昼間に経験した出来事を再生していると考えられています。例えば、散歩中に出会った他の犬や、飼い主との遊びの時間などが夢に現れることがあります。
夢を見ることは、犬にとって記憶を整理し、学習したことを定着させる重要な過程です。特に新しいトリックを学んだり、しつけの訓練を受けた後のレム睡眠中には、その日の出来事を再構築し、情報を整理することで、次回のトレーニングや活動に役立てていると考えられます。
💡 犬が寝言を言う理由
要点|レム睡眠中は体の動きが制限されますが、それが緩むと夢を反映した寝言や動きが出ることがあると考えられます。


犬が寝言で吠えるのは、まさに夢を見ているからかもしれません。夢の中での活動は、脳のシグナルが筋肉に伝わり、その結果として寝言や動きが現れることがあります。これは、人間が夢の中で話すことや体を動かすのと似ています。
レム睡眠中、脳は非常に活発に働いていますが、体の動きは通常制限されています。しかし、時折その制限が緩み、犬が実際に体を動かしたり声を出したりすることがあります。これは、犬が夢の中で見ているシーンや体験している感情を反映していると考えられます。
犬の睡眠の重要性
犬の健康にとって、質の良い睡眠は非常に重要です。睡眠不足や不規則な睡眠パターンは、犬の行動や健康に悪影響を与える可能性があります。
十分な睡眠をとることで、犬はエネルギーを回復し、身体の修復を行い、免疫システムを強化します。また、レム睡眠中の夢を見ることは、精神的な健康やストレスの解消にも役立っています。
大きな声で寝言を言う場合
要点|大きな声がそのまま問題を意味するわけではありませんが、頻繁だったり不安な様子があるときは獣医師に相談します。


犬がレム睡眠中に大きな声で寝言を言うことがあります。これは、夢の中で特に強い感情を経験していることを示しているかもしれません。
大きな声で吠える、うなり声を出す、あるいは他の異常な行動を示す場合、飼い主として心配になることもあるでしょう。しかし、これは必ずしも問題を意味するわけではありません。
大きな声で寝言を言う犬は、夢の中で何かに興奮している可能性があります。これは、夢の内容が特に生々しいか、強い感情を伴うものである場合が多いです。
飼い主として、愛犬がどのような夢を見ているのかを知ることはできませんが、その行動を観察することで、日常生活でのストレスや不安の兆候を見逃さないようにすることが重要です。
愛犬の睡眠を見守る
愛犬が寝言を言っている時というのは、経験と記憶を整理し、ストレスを発散している大切な時間です。
寝言を心配しすぎる必要はありませんが、もし愛犬が頻繁に大きな声で吠えたり、不安な様子を見せる場合は、ストレスや健康問題が原因となっている可能性があります。この場合は、獣医師に相談することをお勧めします。
愛犬が快適に眠れるようにするためには、リラックスできる環境を整え、適度な運動とバランスの取れた食事を提供することが重要です。また、愛犬が安心して休めるように、静かで安全な寝場所を確保してあげましょう。愛犬の健康と幸福を守るために、質の良い睡眠は欠かせません。
飼い主ができること
飼い主として、愛犬の睡眠環境を整えることは非常に重要です。静かで落ち着いた環境を提供し、快適な寝床を用意することが、犬の質の良い睡眠をサポートします。また、日中に適度な運動をさせることで、夜間にぐっすり眠ることができます。
犬がレム睡眠中に見せる行動は、時に驚くことがありますが、それは愛犬が夢の中で冒険を楽しんでいる証拠です。この理解を深めることで、犬の行動や健康についてより良いケアを提供できるようになるでしょう。
🎓 犬の寝言がうるさい?鳴く・吠えるのは夢のせい?
要点|夢を見ているかは証明されておらず、散歩や遊びで体を使う、寝床を離すなどの工夫が現実的です。
「夜中に急にワンッと鳴いて、こちらが飛び起きた」という経験がある飼い主さんは少なくありません。犬の寝言は、うなり声、小さな鳴き声、遠吠えのような声、吠えるような声までさまざまで、ご家庭によっては「寝言がうるさい」と感じることもあるでしょう。
Honda(本田技研工業)の犬向けお役立ち情報によると、犬にも人と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠があり、睡眠の多くを占めるレム睡眠のあいだに夢を見ている可能性が高いと考えられています。
そして寝言や足の動き、目や耳のぴくつき、しっぽを振る動作は、この夢の影響とされています。
ただし同じ解説でも触れられているとおり、犬が本当に夢を見ているかどうかは、人のように言葉で確かめられないため、厳密には証明されていません。「夢を見ているらしい」くらいの受け止め方がちょうどよいでしょう。
寝言が出やすい日・出にくい日
Hondaの解説では、眠りながらその日の出来事を整理していると考えられており、たくさん走り回った日や他の犬と会った日など、刺激の多い日に寝言や寝相の動きが出やすい傾向があるとされています。逆にいえば、お散歩や遊びが多かった日の夜に寝言が増えても、それだけで心配する必要はありません。
寝言といびきの見分け方
同じ「寝ているときの声」でも、寝言といびきは別物です。Hondaによると、寝言は声の長さやトーンが途中で変わったり、体の動きを伴ったりするのに対し、いびきは呼吸に合わせて一定の間隔で口や鼻から聞こえる音とされています。
パグやブルドッグなどの短頭種はいびきをかきやすい犬種ですが、短頭種でないのにいびきが目立つ、急に大きくなった、苦しそうに聞こえるといったときは、体重増加や鼻・のどのトラブルが関係している場合もあるため、動物病院で相談してみてください。
寝言で「うるさい」と感じるときにできる工夫
- 日中のお散歩や遊びで、体と頭をほどよく使ってもらう(夜の眠りが安定しやすくなります)
- 寝床を、飼い主さんの寝室から少し離れた静かな場所にする、または寝室のドアを閉めるなど、音が届きにくい環境にする
- 寝言のたびに起こしたり声をかけたりしない(犬の眠りを細切れにしてしまうため)
- 寝言が出る時間帯や頻度をスマートフォンのメモに残しておくと、変化に気づきやすくなります
犬の夜の声については、寝言のほかに夜鳴きという別の悩みもあります。眠っていないのに鳴き続けるときは、寝言とは違う理由が考えられるため、犬が夜鳴きをする理由の記事もあわせて確認してみてください。
寝言と「てんかん発作」の見分け方
要点|反応がない、硬直、泡やよだれ、失禁があれば発作の可能性があり、5分以上続くなら様子を見ずに受診します。
足をピクピクさせたり小さく鳴いたりする程度の寝言は、多くの場合レム睡眠中の正常な現象です。ただし、以下のような様子が見られる場合は、寝言ではなくてんかん発作などの痙攣である可能性があるため、注意して見分ける必要があります。
- 体を触ったり呼びかけたりしても反応がなく、意識がないように見える
- 手足が突っ張ったまま硬直する、あるいは全身がガクガクと大きく震える
- 大量のよだれや、口から泡を吹いている
- 無意識に排尿・排便してしまう
- 発作らしき動きの後、しばらくフラフラしたりぼんやりしたりしている
動物病院に相談したい寝言のサイン
寝言のほとんどは心配のいらない現象ですが、次のような様子があるときは、様子見を続けずに動物病院へ相談する目安になります。Hondaの解説や、東京ドクターズの犬の認知症に関する解説などを参考に整理しました。
- 寝言の動きが以前より激しくなった、長く続く、1日に何度も繰り返す
- 痛そうな声や苦しそうな声を出す(呼吸器系のトラブルが隠れている場合もあるといわれます)
- 体が硬直する、意識がないように見える、よだれや失禁を伴う
- 起きたあとにぼんやりする、ふらつく、元に戻るまで時間がかかる
- 夜鳴きが増える、昼夜が逆転する、同じ場所をぐるぐる歩くなど、寝言以外の行動の変化も重なっている
寝ているあいだのピクピクした動きは、見た目だけでは夢による動きなのか発作なのかを飼い主さんが判断しきれないことがあります。
AKC(アメリカン・ケネルクラブ)の解説でも、夢の動きは短く断続的で、呼びかけると起きやすいのに対し、発作は手足が硬直して起こしにくく、その後に混乱が残ることがあると説明されています。
迷ったときはスマートフォンで動画を撮り、起きた日時・続いた時間・前後の様子を添えて獣医師に見せるのが確実です。
発作が疑われる場合の詳しい対応は犬のてんかん発作の対処法と受診の目安、震えとけいれんの違いは犬の震えとけいれんの違いの記事で詳しくまとめています。
犬の寝言のとき、起こしたほうがいい?そのままでいい?
要点|寝言程度なら起こさず見守るのが基本で、起こすなら体に触れず、少し離れて名前を呼ぶ程度にとどめます。
結論からいえば、寝言や足のバタバタ程度であれば、起こさずにそっと見守るのが基本です。Hondaの解説でも、眠りは体や脳の疲れを回復させる時間なので、寝言の程度なら「起こさない」とされています。
どうしても起こしたいとき(悪い夢を見ていそうでつらそうに見える、お出かけ前など)は、体に触れるのは避けましょう。
AKCによると、夢を見ている犬に急に触れると、驚いて反射的に噛んだり引っかいたりすることがあるため、少し離れた位置から名前を呼ぶか、物音を立てる程度にとどめるのが無難とされています。
起きたあとに驚いた様子なら、やさしく声をかけて安心させてあげてください。
なお、犬が見ている夢が「悪夢」かどうかは、残念ながら飼い主さんには確かめられません。鳴き声が切なく聞こえても、それが怖い夢だと決めつけず、危険な様子がなければ見守る、という姿勢で十分です。
まとめ


犬も人間と同様にレム睡眠とノンレム睡眠を経験し、その中で夢を見ています。レム睡眠中に脳が活発に働き、記憶を整理する過程で、犬が寝言を言ったり体を動かしたりすることがあります。これは犬が夢を見ている証拠であり、健康な睡眠の一部です。飼い主として、愛犬の睡眠環境を整え、質の良い睡眠をサポートすることが大切です。
よくある質問
- 子犬は成犬よりも寝言が多い気がします。年齢による違いはありますか?
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子犬は成犬よりもレム睡眠の割合が多いとされており、寝言や体の動きが目立ちやすい傾向があります。これは脳の発達に関わる正常な現象で、心配する必要はありません。
- 寝言の最中に起こしても大丈夫ですか?
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無理に起こす必要はありませんが、驚いて咄嗟に噛んでしまうことがあるため、急に体を掴んだり顔を近づけたりするのは避け、名前を呼ぶなど穏やかな方法で起こすようにしましょう。
- シニア犬になってから寝言が増えました。心配すべきですか?
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加齢に伴う睡眠パターンの変化であることが多いですが、認知機能の低下(いわゆる認知症)が影響している場合もあります。老犬の暮らし全般については老犬介護完全ガイドも参考にしてください。夜鳴きが激しくなる、昼夜が逆転するなどの変化も伴う場合は、一度動物病院で相談してみましょう。
- 犬の寝言がうるさくて眠れません。やめさせる方法はありますか?
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寝言はレム睡眠中に起こる自然な現象のため、やめさせることはできません。日中に散歩や遊びで体を使ってもらう、寝床を寝室から少し離す、ドアを閉めるなど、音が届きにくい環境を整える方法が現実的です。寝言のたびに起こすと犬の眠りが細切れになるので避けましょう。急に声が大きくなった、苦しそうな声が増えたといった変化があれば、動物病院で相談してください。
- 犬の寝言といびきはどう違いますか?
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Hondaの解説によると、寝言は声の長さやトーンが変わったり体の動きを伴ったりするのに対し、いびきは呼吸に合わせて一定の間隔で聞こえる音です。短頭種はいびきをかきやすいものの、急にいびきが大きくなった、苦しそうに聞こえる場合は、鼻やのどのトラブルが隠れていることもあるため、動画や音声を残して動物病院で相談しましょう。
専門家に確認しました
身内のドッグトレーナーに確認したところ、「寝言で足をバタバタさせている子を見て慌てて起こしてしまう飼い主さんが多いが、レム睡眠は記憶の整理に大切な時間なので、危険な様子がなければそっと見守ってあげてほしい」とのことでした。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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