焼き鮭の香りに、犬がそわそわ。「鮭は犬が食べてもいいの?」「塩鮭や刺身はどうなの?」と迷う場面は、意外に多いものです。結論からいうと、骨と皮の扱いに気をつけて、味付けなしでしっかり加熱した鮭は、少量なら犬に与えられる(◯)とされています。反対に、生の鮭は与えない(×)のが基本で、塩鮭や鮭フレークなど塩分の多い加工品も控えたいところです。
この記事では、生の鮭が危険といわれる理由、加熱と下ごしらえのしかた、皮・缶詰・加工品の扱い、アレルギーや持病のある犬の注意点をまとめます。運営者は獣医師ではありません。AKCやPetMD、環境省などの情報をもとにした一般的な内容なので、持病がある犬は獣医師に確認してください。
犬に鮭をあげる結論早見
| 鮭の状態 | 可否 | ひとこと |
|---|---|---|
| 焼く・蒸す・ゆでる(無味付け) | ◯ | 骨を取り、ほぐして少量 |
| 生の切り身・刺身・ルイベ | × | 寄生虫などのリスク。AKCは生の鮭は安全ではないとしている |
| 塩鮭・鮭フレーク・燻製 | △〜× | 塩分が多く、燻製の魚製品はAKCも避けるよう案内 |
| 鮭の缶詰 | △ | 水煮で塩分の少ないものを少量。使うならしっかり水気を切る |
| 鮭の皮 | △ | よく加熱し、味付けなしで少量なら。脂が多い |
鮭は、ドッグフードの原材料や、皮膚のケアをうたうフードにもよく使われる魚です。ただし、「鮭を足せば健康になる」といった効果を期待する食材ではありません。毎日のごはんは総合栄養食が基本で、鮭はごほうびやトッピングの位置づけにしましょう。AKC(アメリカン・ケネル・クラブ)は、調理した鮭は与えてもよいが、カロリーが高いので食事の中心にしないこと、調理した鮭でも与える頻度は週に1回程度までを目安にするとしています。
生の鮭を与えてはいけない理由
AKCは「生の鮭は犬には安全ではない」とはっきり述べています。生の鮭には、サケ中毒(サーモンポイズニング)と呼ばれる病気の原因になる寄生虫が付いていることがあり、治療が遅れると命に関わる可能性があるためです。この病気は、症状が1週間以内に出て、発熱や消化器症状、リンパ節の腫れなどが見られるとされ、AKCは感染した魚が多い地域として米国のピュージェット湾周辺や北カリフォルニア沖を挙げています。日本のサケで同じ病気が問題になる例は、今回確認できた資料にはありませんでしたが、だからといって安全だということにはなりません。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」も、肉や魚は生のまま与えると内部寄生虫が発生したり、細菌性の中毒を起こしたりする可能性があるため、加熱調理したものを与えるほうが安全性が高まるとしています。生の魚は消化が悪く、下痢や嘔吐の原因になることもあるとも述べています。
刺身や、解凍した生の切り身を、ほんの少し分けてあげる場面もあるかもしれません。もし生の鮭を食べてしまったら、量が少なくても、AKCは獣医師に連絡するよう勧めています。判断に迷うときは、食べた量と時間を伝えて動物病院に相談しましょう。
鮭の加熱と下ごしらえのしかた
- 骨を取る:AKCは、小さくもろい骨はつまりや消化管を傷つける原因になるため、すべて取り除くよう勧めています。切り身でも小骨が残るので、ほぐしながら指で確認します。
- 味付けなしで加熱:焼く、蒸す、ゆでるなど、油・塩・タレを使わずに調理します。AKCは中心まで火を通す(目安は内部温度約60℃)としています。
- 皮は必要に応じて:PetMDは、十分に加熱して味付けしていない皮は、少量なら与えられると説明しています。ただし脂が多いので、体重が気になる犬では外しておくのが無難です。
- 冷まして細かく:ほぐして、愛犬の口のサイズに合わせます。
量は体格や年齢、食事内容で変わるため、グラム数では決められません。環境省のガイドラインは、おやつなどの間食は1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切としています。トッピングにした日は、その分ごはんを減らしましょう。
塩鮭・鮭フレーク・缶詰・燻製はどうする?
- 塩鮭:塩分が多く、塩抜きしても味や塩気が残ります。日常的に与えるのは避けましょう。塩分の考え方は犬の塩分の摂りすぎに注意を参考にしてください。
- 鮭フレーク・瓶詰め:人用は塩分や調味料が使われています。原材料表示を確認し、犬に使うなら避けるのが無難です。
- 缶詰:AKCは水煮で塩分の少ないものが向くとしています。PetMDも、水煮の缶詰を水洗いして塩分と油を減らす方法を紹介しています。
- 燻製(スモークサーモン):AKCは生や燻製の魚製品は避けるよう勧めています。塩分も多く、人の食べ物としての味付けが強い製品です。
- イクラ・すじこ:塩漬けや醤油漬けの製品が多く、犬には不向きです。
鮭を控えたほうがよい犬・相談したいケース
魚へのアレルギーは、犬の食物アレルギーでは多くない部類です。Mueller博士らが2016年にBMC Veterinary Researchで発表した、犬の食物アレルギー報告297頭の総説では、魚は2%でした(牛肉34%、乳製品17%、鶏肉15%、小麦13%)。PetMDは、鶏肉・牛肉・羊肉でアレルギーが疑われる犬のたんぱく源として鮭が選ばれることがあるとしています。ただし、食物アレルギーの調べ方や食事の変更は、自己判断せず獣医師と進めましょう。調べ方は犬の食物アレルギー検査方法にまとめています。
食後にかゆがる、軟便や嘔吐が続く場合は与えるのをやめて動物病院へ。子犬、肥満気味の犬、脂質を控える食事をしている犬、腎臓や心臓の持病があり塩分を管理している犬は、鮭を足す前に獣医師に確認すると安心です。
よくある質問
Q. 鮭の皮や骨をうっかり食べてしまったら?
皮は少量なら大きな問題にならないことが多いものの、脂が多いので軟便になることがあります。骨は、のどや消化管を傷つけるおそれがあるため、嘔吐が続く、苦しそう、お腹を痛がる、便に血が混じるなどの様子があれば動物病院に連絡してください。
Q. 鮭を毎日あげてもいい?
AKCは週に1回程度を目安としており、毎日のトッピングには向きません。皮膚によさそうというイメージで続けすぎず、フードの栄養バランスを崩さない範囲にとどめましょう。
Q. 鮭のかわりに使えるトッピングは?
加熱して味付けなしで与える点は、肉類でも同じです。たとえば犬は鶏ささみ・むね肉を食べていい?のように、骨と皮を外して中心まで火を通す手順を押さえておくと、ほかの食材にも応用できます。ただし、同じ食材ばかり続けると栄養が偏るため、少量を気分転換に使う程度にしましょう。
Q. ほかの魚や食べ物の可否は?
犬が食べていいもの・ダメなもの早見表で、肉・魚・野菜・果物などを確認できます。
まとめ
- 鮭は、骨を取って味付けなしで中心まで加熱すれば◯。生は×
- 生の鮭には、サケ中毒の原因になる寄生虫などのリスクがあり、食べてしまったら獣医師に連絡する
- 塩鮭・鮭フレーク・燻製・イクラは塩分が多く、避けるのが無難。缶詰は水煮の少量まで
- 調理した鮭でも、頻度は週1回程度までがAKCの目安。間食は1日に必要なカロリーの20%以内
- アレルギーが疑われる犬、子犬、持病や食事制限がある犬は獣医師に相談してから
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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