茹でたじゃがいもを愛犬にも少し、と思ったとき、「ソラニンの毒が心配」「フライドポテトをひとつ盗られた」など、不安になる場面が意外と多い食べ物です。結論は、皮をむいて芽や緑色の部分をしっかり取り除き、柔らかく加熱した、味付けなしのじゃがいもなら、少量は与えられます。生のじゃがいも、芽・緑色の部分、フライドポテトなどの加工品は与えません。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。


この記事は、獣医師監修の日本語記事、米国のAKC(アメリカンケネルクラブ)の記事、農林水産省の資料を読み比べて、犬好きの運営者がまとめたものです。運営者は獣医師ではありません。じゃがいもの芽や緑色の部分を食べてしまった場合の詳しい話は、犬がじゃがいもの芽・緑の部分を食べたときの記事で解説しています。
犬にじゃがいもは食べさせていい?結論早見
| 状態 | 可否 | ポイント |
|---|---|---|
| 皮をむいて、柔らかく加熱したもの(味付けなし) | ◯(少量なら) | 芽・緑色・傷の部分を、周囲ごと取り除く |
| 生のじゃがいも | × | 消化しにくく、毒素も残る |
| 芽・緑色の皮・傷んだ部分 | × | ソラニンなどの天然毒素が多い |
| フライドポテト・ポテトチップス・ハッシュドポテト | × | 油・塩分・香辛料 |
| ポテトサラダ・マッシュ(バター、牛乳、塩入り) | × | 玉ねぎ・調味料・乳製品など |
じゃがいもは「安全な野菜」というより、「下処理を間違えなければ少量はOKな食材」と考えるのがちょうどよい食べ物です。必ず食べなければいけない食材でもないので、迷う日は無理にあげなくて構いません。
なぜ「皮と芽」にこだわるのか|ソラニンの話
じゃがいもは、ナス科の野菜で、ソラニンやチャコニンという天然毒素を含みます。オールアバウトに掲載されている獣医師(丸田香緒里さん)監修の記事では、毒素は芽、緑色になった部分、傷のある部分に多く、皮にも多く含まれると説明されています。AKCも、緑色の部分はソラニンが多い目印で、生のものや緑色のじゃがいもは安全ではないとしています。
ここで大事なのが、「加熱すれば毒が消える」わけではないという点です。農林水産省の資料では、加熱調理で毒素が減ることはあるものの、減り方はじゃがいもの状態や加熱方法でまちまちで、ほとんど減らなかった例もあるとされています。確実に減らす方法は、芽とその周囲を取り除き、皮を厚めにむくことだと書かれています。オールアバウトの記事でも、加熱してもソラニンの毒性は変わらないとされています。
なお、茹で汁や煮汁に毒素が溶け出している可能性があるともされているので、犬に与えるときは汁は使わず、じゃがいも自体も皮をむいたうえで使います。
じゃがいもの下ごしらえと与え方
- 洗って、皮を厚めにむく:皮の下が緑色になっていないか確認します。少しでも緑色の部分があれば、その周りまで大きく削り取ります。
- 芽と、その周囲を深くくりぬく:傷んだ部分、黒ずんだ部分も取り除きます。迷う個体は使わないのが安全です。
- 柔らかくなるまで加熱する:茹でる・蒸すなど。AKCは、生や加熱が足りないものは詰まらせる危険があるため、つぶせるくらいまで火を通すよう書いています。
- 味付けしない:塩、バター、牛乳、コンソメ、スパイスは使いません。AKCも、バターやスパイスなしのプレーンなマッシュや柔らかく煮たじゃがいもなら、少量はよいとしています。
- 小さくつぶすか刻む:丸飲みで詰まらせないよう、小さくして与えます。
AKCは皮について「緑色でなければ食べてもよい」としていますが、毒素が皮に多いことを考えると、犬に与えるなら皮はむいてしまうのが安心です。
量と頻度の考え方
グラム数は犬の体格や食事によって変わるため、この記事では断定しません。AKCは、量は「少量」で、たまのご褒美程度とし、おやつやトッピングを含めて「1日のカロリーの約10%まで」という目安も紹介しています。オールアバウトの記事によると、じゃがいもは100gあたりのカロリーと糖質がさつまいもの約半分で、食物繊維が比較的少なく消化しやすいとされています。とはいえ、炭水化物が中心の食材なので、与えすぎれば体重増加につながります。フードの量の見直し方は犬のフードの量はどれくらい?パッケージ表示の見方と調整のコツも参考にしてください。さつまいもの扱いは犬はさつまいもを食べても大丈夫?にまとめています。
フライドポテト・ポテトチップス・ポテトサラダは?
- フライドポテト・ハッシュドポテト・ポテトチップス:オールアバウトの記事では、油・塩分・香辛料が健康を害するおそれがあるため、与えないよう勧められています。脂肪の多いものは膵炎の一因になりうるため、特に注意が必要です。
- ケチャップ・ソース:添えられたソースには、玉ねぎやにんにくなどのネギ類が含まれることがあり、与えてはいけないとされています。
- ポテトサラダ:玉ねぎや香辛料、マヨネーズなどが入っているため避けます。
- コロッケ・グラタン・カレー・肉じゃが:油、乳製品、ネギ類、調味料が使われている料理です。取り分けて与えるのはやめましょう。
- マッシュポテト(人用):バター、牛乳、塩が入っているものは避けます。犬用に作る場合は、水で茹でてつぶすだけにします。
注意が必要な犬と、食べてしまったときの目安


注意したい犬・ケース
- 肥満気味の犬・糖の管理が必要な犬:炭水化物が中心の食材なので、食事管理中は事前に獣医師へ相談してください。
- 食物アレルギーが心配な犬:オールアバウトの記事では、ドッグフードに使われることが少ないため「アレルギーを起こしにくい」と言われることもあるが、起こさないわけではないとされています。かぼちゃにアレルギーがある犬は、交差反応の可能性にも注意が必要です。
- 子犬:消化が未熟なので、与えるとしてもごく少量を柔らかくして。
- 胃腸が弱っている犬:オールアバウトの記事では、胃腸が弱ったときに、じゃがいもと肉のスープを与える方法が紹介されていますが、体調不良のときは自己判断せず、動物病院に相談してください。
- 食事制限のある犬(腎臓・膵臓・消化器など):自己判断で与えず、主治医に確認します。
食べてしまったとき・様子がおかしいとき
次のような場合は、動物病院に連絡してください。連絡するときは「何を・いつ・どのくらい」食べたかを伝えられるよう、メモしておくと役立ちます。
- 生のじゃがいも、芽や緑色の部分、傷んだじゃがいもを食べた
- 食べたあとに、嘔吐、下痢、よだれ、ぐったりする、ふらつく、震えるなどの様子が出た(AKCも、嘔吐、下痢、元気消失、筋力の低下などがあれば、すぐに獣医師に連絡するよう書いています)
- フライドポテトやポテトチップスなどの油・塩分の多いものを多量に食べた、ソースのネギ類が心配な場合
- 丸ごとの塊を飲み込み、喉に詰まったような様子(咳き込む、えずく)がある
他の食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表で確認できます。
よくある質問


- 皮つきのまま蒸したじゃがいもはだめ?
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皮は毒素が多い部分なので、犬には皮をむいたものをおすすめします。人が皮つきで調理した場合も、犬の分は皮と、その下が緑色の部分を取り除いてから与えてください。
- 少し緑色がかっているところだけ除けばいい?
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緑色の部分は、毒素が増えている目印です。農林水産省の資料でも、芽や周辺、緑色の部分は確実に取り除くのがポイントとされています。迷ったときは、そのじゃがいもを犬用には使わないのが安心です。
- 冷凍のマッシュポテトや市販のポテトサラダは?
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原材料に塩、乳製品、油、調味料、玉ねぎなどが入っていることが多く、おすすめしません。犬に与えるなら、自分で皮をむいて茹でたものを少量にしてください。
まとめ


- じゃがいもは、皮をむき、芽・緑色・傷を取り除いて柔らかく加熱し、味付けなしなら少量はOK(◯)
- 生・芽・緑色の部分は与えない(×)。加熱しても毒素が確実に消えるわけではない
- フライドポテト、ポテトチップス、ポテトサラダ、ソース類は避ける
- 食べたあとに嘔吐・下痢・ぐったりなどがあれば、早めに動物病院へ
- 主食の総合栄養食が基本。じゃがいもは少量のトッピング程度に
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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