愛犬のけがや病気は、いつ、どれくらいの費用になるのか、前もって知ることができません。「いざというとき、すぐに数十万円を出せるだろうか」と考えて、不安になる飼い主さんは多いはずです。この記事では、犬のための急な出費に備える貯金の考え方を、公表されている医療費のデータをもとに整理します。投資や金融商品のおすすめではなく、家計の中で「犬のための予備のお金」をどう作るかに絞った内容です。



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医療費の備えには、貯金のほかにペット保険という方法もあります。どちらが合うかは家庭によって違うので、保険の見方は別の記事で紹介しています。ここでは、貯金で備える場合の目標額と続け方を中心に見ていきます。
📏 目標額の手がかりになる医療費のデータ
貯金の目標を決めるには、「どのくらいの出費がありうるか」を知る必要があります。参考になる数字を3つ紹介します。
年間の治療費の平均
アニコム損害保険の「2025年のペットにかける年間支出調査」(同社のペット保険契約者5,494名)では、犬のけがや病気の治療費は年間89,120円でした。2022年の調査では約6万7,000円で、増加傾向がみられます。
年齢別の診療費
アニコムの「家庭どうぶつ白書2025」(保険契約データ)では、犬の年間診療費は、0〜4歳で平均52,613円(中央値21,860円)、5〜9歳で平均88,362円(中央値39,358円)、10歳以上で平均172,742円(中央値99,346円)でした。平均が中央値より大きいのは、一部の犬に高額な費用がかかっているためと考えられます。
大きな出費の例
ファイナンシャル情報サイトの解説では、アニコムの「家庭どうぶつ白書2023」を引用して、骨折の手術や入院で30万円ほどかかるケースがあると紹介されています。個々の治療費は犬や病院によって違うため、あくまで「このくらいの規模もありうる」という目安です。
こうしたデータを合わせると、普段は数万円、大きな治療のときは数十万円という二段構えで考えると、備えの金額をイメージしやすくなります。病院ごとの料金の違いは動物病院代が高くて不安|急な医療費の目安と備え方に詳しくまとめています。
目標額を決めるための考え方
決まった正解はありませんが、次の手順で自分の家庭の目標額を作ることができます。
- 犬の年齢を確認する:年齢が高いほど診療費は増えやすい傾向があります。10歳以上なら、年間17万円前後の診療費を想定した備えを考えます。
- 「小さな出費」の枠を決める:通院や検査など、年間数万円ずつ出ていくお金です。毎月の予算に組み込みます。
- 「大きな出費」の枠を決める:手術や入院など、まとまった金額が必要になる場合に備えます。10万円、20万円、30万円と段階で目標を置くと、始めやすくなります。
- 保険に入るかどうかを決める:保険に入る場合は、貯金の目標額を下げられるかもしれません。ただし、免責金額や補償割合で自己負担が残る点には注意が必要です(ペット保険は必要?入る前に知りたい考え方と比べる視点)。
家族で話し合うときは、「いつまでにいくら貯めるか」だけでなく、「この金額を超える治療が必要になったらどうするか」も決めておくと、いざというときに迷いにくくなります。
たとえば、追加で出せる上限額や、ボーナス・臨時収入から補う方針、保険を使う場合の手順などを、あらかじめ共有しておきます。犬の年齢が上がったら、目標額と積立額を見直すタイミングも決めておくと安心です。
毎月いくら積み立てる?計算の例
目標額を月数で割れば、毎月の積立額が出ます。ここで挙げるのは単純計算の例です。
| 目標額 | 期間 | 毎月の積立額(目安) |
|---|---|---|
| 5万円 | 12か月 | 約4,200円 |
| 10万円 | 24か月 | 約4,200円 |
| 30万円 | 24か月 | 12,500円 |
| 30万円 | 36か月 | 約8,300円 |
ペットフード協会の「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」では、犬の月の支出総額の平均は18,041円、中央値は13,000円でした。
毎月の生活の支出に加えて、数千円の積み立てを無理なく続けられるか、家計全体の中で確認してください。続けられない金額を設定すると、途中でやめてしまうので、最初は少額から始めて、ボーナスなどで上乗せする方法もあります。
貯金を続けるための工夫
- 生活費とは別の口座や封筒にする:犬専用のお金を分けておくと、使い込みを防げます。
- 自動で積み立てる:給料日の翌日などに、決めた額が別口座に移るようにしておくと、忘れずに続けられます。
- 取り崩しのルールを決める:どんなときに使うのか(通院、手術、検査など)を、家族で共有しておきます。使ったあとは、また積み立て直します。
- 年に一度、見直す:犬の年齢や体重が変わったら、目標額と積立額も更新します。フードや予防の費用の見直しは、犬の予防ケアは年間いくら?ワクチン・検査・健診の費用の目安も参考になります。
なお、支払いをクレジットカードの分割やリボ払いに頼ると、手数料がかかる場合があります。条件を確認し、返済の見通しを立てたうえで利用してください。
貯金が足りないときに考えたいこと
貯金がまだ十分でないときに、急に治療費が必要になることもあります。そんなときは、次のように動いてください。
- 獣医師に、費用の目安と、治療や検査の優先順位を相談する。
- 自分で決めずに、複数の選択肢と費用を聞いたうえで、家族と話し合って決める。
- 費用が理由で受診を遅らせない。気になる症状があれば、早めに相談する。
お金の事情を、病院に伝えづらいと感じるかもしれません。しかし、獣医師は費用面も含めて一緒に方針を考えてくれる存在です。遠慮なく伝えて大丈夫です。
よくある質問
- 子犬のうちは病院にあまり行かないので、貯金は後回しでもいいですか?
-
0〜4歳の診療費の中央値は約2万円と、シニア期より少ない傾向があります。ただし、事故や急な体調不良は年齢に関係なく起こります。少額でも早くから積み立て始めると、シニア期に入ったときの備えが厚くなります。
- 保険に入っていれば、貯金はしなくてもよいですか?
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保険にも免責金額や補償割合があり、保険料の支払いも続きます。補償されない費用(予防接種や健康診断など)もあります。貯金と保険を組み合わせると、安心感が高まります。
- 目標額はどのくらいがちょうどよいですか?
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決まった金額はありません。年齢と犬種、家計の余裕を踏まえて、まず5万円、次に10万円、30万円と段階を上げていく方法が現実的です。大型犬や持病のある犬は、費用が大きくなりやすい傾向があるため、かかりつけの獣医師と相談しながら見直してください。
まとめ


- アニコムの2025年調査では、犬のけがや病気の治療費は年間89,120円。年齢別の診療費は10歳以上で平均17万円台。
- 普段は数万円、大きな治療では数十万円(骨折の手術・入院で30万円ほどの例)という二段構えで考える。
- 目標額は5万円、10万円、30万円と段階を置き、月数で割って積立額を決める。
- 犬専用の口座に自動で積み立て、取り崩しのルールを家族で共有する。
- 貯金が足りないときは、費用を理由に受診を遅らせず、獣医師に相談する。
数字は調査時点のものです。家計の状況に応じて無理のない範囲で進めてください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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