犬が一人で留守番できる時間の目安は、健康で留守番に慣れた成犬で4〜6時間程度、長くても8時間までです。ALSOKの解説は成犬で4〜6時間程度(個体差あり)、英国の動物福祉団体PDSAは通常4時間が最長の目安としており、情報源によって幅があります。子犬やシニア犬、持病のある犬は、これより短く考えるのが基本です。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
留守番は「時間の長さ」だけでなく、犬が安心して過ごせる環境と、数分から段階的に慣らす練習で大きく変わります。
鳴き続ける、物を壊す、粗相をするといった様子が続くときは、退屈ではなく分離不安や体調不良が隠れていることもあります。
この記事では、年齢別の目安、留守番前の部屋づくり、練習の手順、分離不安の見分け方、相談の目安を順に整理します。
・犬が留守番できる時間の目安(年齢・状態別)
・留守番前に整えたい部屋づくりのチェックリスト
・数分から始める留守番トレーニングの手順
・退屈と分離不安の見分け方・相談の目安


🏠 犬は何時間まで留守番できる?年齢・状態別の目安
まず結論として、目安は次のように考えると整理しやすくなります。数字はあくまで「一般的に言われる上限の目安」で、犬の性格や慣れ、その日の体調によって変わります。
| 対象 | 留守番時間の考え方 |
|---|---|
| 健康な成犬(留守番に慣れている) | 4〜6時間程度が目安。長くても8時間までを上限と考える |
| 子犬 | 月齢が低いほどトイレの間隔が短く、こまめなお世話が必要。まずは数分〜短時間から慣らす |
| シニア犬 | トイレを我慢する体力や体調の変化を考え、成犬より短めに。体調に不安があれば獣医師に相談 |
| 持病がある・投薬中の犬 | 食事や投薬の時間があるため、留守番の長さはかかりつけの動物病院で確認する |
| 迎えたばかりの犬 | 環境に慣れるまでは長時間の留守番を避け、在宅時間を確保する |
ネット上で「8〜12時間」という数字を見かけることがありますが、これは留守番の練習を十分に重ね、トイレの環境も整った犬に限った話と考えたほうが安全です。ALSOKの解説では、犬を一匹にする時間は最大でも1週間に20時間程度にとどめることをすすめており、調査データでは不在時間が長いほど無駄吠えや破壊行動のリスクが高まる傾向が示されているとしています。
目安の時間以内でも、帰宅したときに粗相が増えた、水やフードの減り方がおかしい、帰宅後に落ち着かないといった変化があれば、その犬にとっては長すぎるというサインです。数字だけで判断せず、帰宅後の様子を見ながら調整しましょう。
✅ 留守番前に整えたい部屋づくりのチェックリスト
留守番中は飼い主が手を貸せないため、出かける前の準備で安全と快適さの大半が決まります。次の項目を、出かける前の習慣にしておくと安心です。
- 室温・湿度:夏はエアコンで暑さ対策、冬は冷え込みにも配慮する。直射日光が当たる場所に居場所を作らない
- 水:倒れにくい容器で、新しい水を用意する。1か所だけでなく、飲みやすい場所に複数置く方法もある
- トイレ:犬が普段使っている場所に、すぐ届く範囲で設置する。汚れたままにしない
- 危険物の片づけ:電気コード、薬、小物、ゴミ箱、観葉植物など、かじったり誤飲したりしそうなものは届かない場所へ
- 居場所:クレートやサークルなど、落ち着いて休める場所を用意する(「閉じ込める」使い方ではなく、安心できる居場所として慣らす)
- 退屈対策:中におやつを詰められる知育玩具などを用意する。丸呑みできるサイズや、夢中で食べ続けるものは避ける
ALSOKの解説では、犬がリラックスできる「リラックスエリア」を家の中に決め、飼い主の声を録音したものや、飼い主のにおいが残るタオルなどを置いたうえで、そこで落ち着けるよう条件づけてから外出する方法を紹介しています。クレートを居場所にする練習は、クレートトレーニング完全ガイドで段階ごとに解説しています。
見守りカメラがあると、留守中の様子を確認できます。鳴いている時間や落ち着くまでの流れが分かると、後で相談するときにも役立ちます。
🎓 留守番トレーニングは何分から?段階的な進め方


留守番の練習は、最初から数時間ではなく数分から始めるのが基本です。ホンダの犬の飼い方解説では、最初は5〜10分ほどの短い時間で戻ることから始め、犬が鳴いてもすぐに戻ったり声をかけたりしないよう案内しています。
PDSAも、少し離れて落ち着いていたら戻ってほめる、という小さな成功を重ねる方法を紹介しています。
- 飼い主が在宅しているときに、犬が別の部屋やクレートで一人で過ごす時間を作る
- 声をかけずに部屋を出て、5〜10分ほどで戻る。戻ったときは大げさに喜ばず、落ち着いていたら静かにほめる
- 犬が鳴いても、鳴き声に反応してすぐに戻らない(鳴けば戻ってくると学習しないため)
- 慣れてきたら、離れる時間と距離を少しずつ延ばす。顔や姿が見える範囲から始めてもよい
- 室内でうまくいくようになったら、玄関を出て短時間だけ外出する
- 成功を確認しながら、一度に延ばしすぎず、数日〜数週間かけて時間を延ばす
出かける前と帰宅後の接し方
ホンダの解説では、分離不安の原因のひとつに外出前の過剰なスキンシップや声かけを挙げています。出かける前も帰宅したときも、淡々と普段通りに接することで、留守番を特別な出来事にしないようにします。
出かける前に散歩やトイレをすませて、体を動かしておくのも有効な準備です。
鳴いたり失敗したりしても叱らない
留守中の粗相や破壊を、帰宅後に叱っても犬には何が悪かったのか伝わらず、かえって不安を強めてしまうことがあります。PDSAも、破壊行動や粗相を罰しないよう呼びかけています。失敗が続くなら、練習の段階が早すぎたと考えて、一つ前の段階に戻りましょう。
なお、子犬や迎えたばかりの犬が鳴くのは、分離不安ではなく環境にまだ慣れていないだけのことも多いとされています。焦らずに、その子のペースで進めてください。
🏠 ただの退屈?それとも分離不安?見分けるポイント


分離不安は、飼い主と離れることに強い不安や恐怖を感じる状態です。アットホームの解説では「しつけ不足ではなく、犬自身が強いストレスを抱えている状態」と説明されています。わがままや反抗ではないため、叱って直すものではありません。
分離不安でよく見られる行動
- 留守番中に吠え続ける・遠吠えが止まらない
- ドアや窓のまわりを引っかく、家具や物を壊す
- 普段は失敗しないのに、留守番中だけ粗相をする
- 落ち着きなく歩き回る、自分の足やしっぽを舐め続ける・噛む
- 外出の準備(鍵や靴)を見ただけでそわそわする、後追いが激しい
- 留守番中や帰宅後に、食欲の低下、下痢や嘔吐、大量のよだれが見られる
退屈や運動不足との見分けのヒント
次のような特徴があれば、分離不安の可能性を考えてみてください。ただし、これだけで判断できるものではありません。
- 問題行動が、飼い主が出かけてから短い時間(10分以内)に集中する(ALSOKの解説より)
- 飼い主が家にいるときも後追いが強く、トイレにまでついてくる
- 鳴き声や破壊が、おもちゃや運動で満足しても減らない
一方、運動や刺激が足りない場合は、散歩や遊びを増やすと落ち着くことがあります。分離不安の背景には、引っ越しや家族構成の変化、子犬期に長い留守番を経験したこと、加齢、関節の痛みなどの体調の変化が関わることもあります。
なお「一緒に寝ると分離不安になるのでは」という疑問は、犬と一緒に寝ると分離不安になる?で整理しています。
🏠 分離不安が疑われるときの対応と相談の目安


留守番中の様子は、見守りカメラなどで録画して確認すると状況を把握しやすくなります。そのうえで、次の順に考えましょう。
まず体調の面から確認する
鳴き止まない、物を壊す、粗相、下痢、嘔吐、大量のよだれなどが続くときは、病気や痛みなど他の原因が隠れている可能性があります。ホンダの解説も、このような様子がある場合は早めに動物病院で原因を確認するよう案内しています。このような様子があれば、まず動物病院へ相談してください。
家庭でできる工夫
- 出かけるときと帰宅したときの反応を控えめにして、留守番を日常の一部にする
- 留守番の前に十分な散歩や遊びで体を動かす
- テレビやラジオの生活音を流す、飼い主のにおいがついたタオルを置く
- 数秒〜数分の短い練習に戻り、成功体験を積み直す
専門家に相談したほうがよいサイン
- 練習を重ねても、鳴き声や破壊が減らない・悪化している
- 自分の体を傷つけるほど舐める・噛む、脱走しようとしてケガをした
- 食欲が落ちる、体重が減るなど、体調にも影響が出ている
- ご近所への鳴き声の影響が大きく、飼い主も限界を感じている
ドッグトレーナーに相談すると、犬に合った練習計画を作ってもらえます。病気や加齢の影響も含めて確認したい場合は、行動診療を行う動物病院に相談する方法もあり、獣医師の判断で行動療法に加えたサポートを検討することもあります。
アットホームの解説によると、改善までの期間は、軽度なら数週間から数か月、重い場合や長引いている場合は半年以上かかることもあります。焦らず、長い目で付き合っていく姿勢が大切です。
💡 どうしても長時間留守にするときの選択肢


仕事や用事で、目安の時間を超えてしまう日もあります。そのときは、犬を一人にする時間そのものを減らす工夫を考えましょう。PDSAの解説でも、昼に一度帰宅する、知人に様子を見てもらう、ドッグウォーカーやデイケアを利用する、といった方法が紹介されています。
- 昼休みに一時帰宅:トイレと水の交換、短い散歩ができると負担が大きく減る
- 家族・友人・ご近所に頼む:慣れた人なら犬も安心しやすい
- ペットシッター:自宅で過ごせるため、環境の変化が少ない
- ペットホテル・犬のデイケア:初めて預けるときは、事前に短時間で試しておく
- 自動給餌器:食事の時間を一定にできる。食べ残しや誤作動がないか、帰宅後に確認する
留守番が増えることが分かっている場合は、犬を迎える前に生活リズムを見直しておくことも大切です。ホンダの解説でも、これから犬を迎える場合は、留守番時間の長さや家族構成などを考えて迎える時期を検討するよう案内しています。
🎓 子犬・シニア犬・吠えやすい犬の留守番ポイント
子犬の場合
子犬はトイレの間隔が短く、体力も少ないため、成犬と同じ感覚で留守番をさせるのは負担が大きくなります。最初の数週間は在宅時間を確保し、短い練習を積み重ねていきましょう。しつけ全体の順番は子犬のしつけ完全ガイドにまとめています。
シニア犬の場合
年齢とともに、トイレを我慢する力や体温調節の力が落ち、夜間や留守中に具合が変わることもあります。耳や目が衰えると不安を感じやすくなることもあります。
留守番の時間を短めにして、帰宅したら食欲や歩き方、便の様子を確認する習慣をつけましょう。介護を見据えた準備は老犬介護完全ガイドが参考になります。
留守中に吠えてしまう場合
留守中の吠えは、近隣への影響も気になるところです。原因が不安なのか、外の物音への反応なのかで対処が変わります。吠え全般の考え方は無駄吠えへの理解と対処法をご覧ください。
よくある質問
- 留守番カメラで見ると、ずっと鳴いています。分離不安でしょうか?
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鳴く時間や様子によります。出かけた直後に少し鳴いて、すぐ落ち着くなら正常な範囲のことが多いです。長時間鳴き続ける、破壊や粗相を伴う、食欲が落ちるといった場合は、分離不安や体調不良の可能性があります。録画した様子を持って、ドッグトレーナーや動物病院に相談してみましょう。
- 留守番中、ケージやクレートに入れっぱなしにするのはかわいそうですか?
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クレートやケージを「安心できる自分の場所」として慣らせていれば、閉じ込めるというより落ち着ける居場所として働きます。ただし、慣らさないまま無理に入れると、不安や嫌な記憶につながります。入る練習は在宅中に、おやつなどを使って少しずつ進めましょう。
- 留守番前に長い散歩をさせると、おとなしく留守番してくれますか?
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適度な運動で気持ちを落ち着けてから出かけるのは、有効な準備のひとつです。ただし、運動だけで分離不安そのものが解決するわけではありません。症状が重い場合は、運動と合わせて専門家のサポートも検討しましょう。
- 留守番中は、エアコンやテレビをつけたままにしてもいいですか?
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夏の暑さや冬の冷え込みは犬の体に負担になるため、室温を保つ目的でエアコンを使うことは一般的です。テレビやラジオの生活音を流すと落ち着く犬もいると紹介されていますが、音に驚く犬もいるため、最初は在宅中に試して反応を確認しましょう。
まとめ


- 留守番の目安は、健康な成犬で4〜6時間程度、長くても8時間まで。子犬・シニア犬・持病のある犬はより短く考える
- 留守番前に、室温・水・トイレ・危険物・居場所・退屈対策を確認する
- 練習は数分から始め、鳴いてもすぐに戻らず、小さな成功を重ねて時間を延ばす
- 出かけるときも帰宅したときも淡々と接し、失敗を叱らない
- 鳴き止まない、破壊が続く、体調にも影響が出るときは、動物病院やドッグトレーナーに相談する
留守番は、犬と飼い主が無理なく暮らしていくための大切な練習です。目安の時間と愛犬の様子を見比べながら、その子に合ったペースで進めましょう。










専門家に確認しました
身内のドッグトレーナーに確認したところ、「外出時に大げさに『いってきます』と声をかけると、かえって犬の不安を煽ってしまうことがある」とのことでした。出かける前後は淡々と接し、特別なイベントにしないことが、留守番を穏やかに乗り切るコツだと聞いています。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。


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