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ビアデッドコリー(ビアデッド・コリー)は、顔まわりの長い毛が「あごひげ」のように見える、ふさふさの被毛が魅力の牧羊犬です。陽気で人懐っこく、家族みんなが大好きな一方で、毎日1〜2時間ほどの運動と、毎日のブラッシングが必要な、手間と時間をかけてこそ魅力が際立つ犬種です。この記事では、「ビアデッドコリーの性格・大きさ・寿命・飼い方・かかりやすい病気」を、英国ケネルクラブの犬種標準や英国PDSAなどの情報をもとに整理しました。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。
- 体重は20〜25kg前後が目安。長い被毛で太りやすさが見えにくい
- 運動は1日1〜2時間ほど、ブラッシングもほぼ毎日が必要
- 皮膚の異変は毛の下に隠れやすい。毛の根元まで確認する習慣を
「見た目が可愛い」だけで決めずに、迎える前に知っておきたい暮らし方のポイントもまとめています。犬種全体の比較には犬種図鑑もご利用ください。
📏 ビアデッドコリーの基本データ
要点|体重は20〜25kg前後が目安で、標準では規定がありません。長い被毛では体型で判断し、定期的に測りましょう。
| 英語表記 | Bearded Collie |
|---|---|
| 原産国 | イギリス(スコットランド) |
| サイズ | 中型〜大型犬(資料により分類が異なります) |
| JKCグループ | 1G(牧羊犬・牧畜犬) |
| 体高 | オス53〜56cm、メス51〜53cm(英国ケネルクラブの犬種標準) |
| 体重 | 約20〜25kg前後が目安(標準では規定なし) |
| 寿命 | 12〜15年ほどと言われています |
| 被毛 | 柔らかく密な下毛と、硬くまっすぐな長い上毛のダブルコート |
| 毛色 | スレートグレー、黒、ブルー、茶、サンディ、赤みのあるフォーンなど(白斑あり・なし) |
英国ケネルクラブの標準では、体重は規定されていません。英国のPDSAは平均体重を20〜25kgとしていますが、個体差があります。
数字よりも、肋骨に軽く触れられるか、毛をかき分けて見たときに腰にくびれがあるかといった体型で判断するのがおすすめです。
長い被毛で、見た目だけでは太っているかどうかがわかりにくい犬種なので、体重は定期的に測って記録しましょう。


📜 ビアデッドコリーの歴史とルーツ
要点|スコットランドで羊を追った作業犬で、起源にははっきりしない部分が多く、数が減った時期を経て復活したとされます。
ビアデッドコリーは、スコットランドで羊を追う作業犬として活躍してきた犬種です。もっとも、起源にははっきりしない部分が多く、ポーランドから来た牧羊犬が関わっているという説も語られますが、愛好家団体の資料では、その多くが推測の域を出ないと説明されています。
昔は「スコッチ・シープドッグ」「マウンテン・コリー」「ハイランド・コリー」「ヘアリー・モウド・コリー(毛深い口のコリー)」など、さまざまな名前で呼ばれていました。1891年に書かれた『The Dogs of Scotland』という本でビアデッドコリーの名前で紹介され、1898年には標準が発表されたと伝えられています。
20世紀の戦争を挟んで数が減り、犬種の存続が危ぶまれる時期もありました。1940年代、ミセス・ウィリソンという女性が、本来はシェットランド・シープドッグを探していたところ、ビアデッドコリーの子犬を手に入れました。
この子犬「ジーニー」の気質に魅せられ、仲間を探して繁殖に取り組んだことが、現在のショードッグとしての復活につながったとされています。現在登録されている犬の多くは、この時期の少数の犬たちの子孫だと言われています。


🐾 ビアデッドコリーの性格
要点|人が大好きで穏やかですが、牧羊本能で子どもや他の動物を集めようとすることも。遊ぶときは大人が見守りましょう。
英国ケネルクラブの標準では、気質は「落ち着きがあり賢い作業犬で、神経質さや攻撃性がない」と表現され、特徴として「活発で機敏、自信に満ちている」とされています。PDSAも「穏やかで愛情深く、誰とでも仲良くなれる」と紹介しています。
人が大好きで、家族と一緒にいることを喜びます。子どもとの相性は良いとされる一方で、羊を追ってきた歴史から、走り回る子どもや他の動物を集めようとする「牧羊本能」が出ることがあります。
吠えたり、足元にまとわりついたり、軽く噛んだりすることもあるため、子どもと遊ぶときは大人が見守りましょう。
また、遊び好きでいたずらっぽい面があり、若いうちは特にエネルギーを持て余すことがあります。もちろん個体差が大きく、落ち着いた子もいれば、成犬になっても遊びたがりの子もいます。




🐾 見た目・被毛・毛色の特徴
要点|柔らかい下毛と硬い上毛のダブルコートで、口まわりの長い毛がひげになります。毛色は幅広く、成長で変わることも。
体は体高よりやや長く、引き締まっていて、体の下に十分な空間のある、ほっそりと軽快な体つきです。
「明るく好奇心いっぱいの表情」が特徴だと標準に書かれており、大きく柔らかい目と、先が垂れた中くらいの耳、黒く大きな鼻を持ちます。尻尾は低い位置から長く垂れ、先端が上向きにカールするのが特徴です。
被毛は、柔らかく密な下毛と、硬く平らでふさふさした上毛のダブルコートです。少し波打つのは許容されますが、カールや綿のような毛質は好ましくないとされています。口まわりの長い毛が「ひげ」になります。
標準では、被毛は一切カットしないとされていますが、家庭犬では、目や足先、お尻まわりを整えることもあります。
毛色は、スレートグレー、赤みのあるフォーン、黒、ブルー、茶、サンディなどが認められています。多くは、生まれたときは濃い色で、成長とともに色が変わっていくことがあります。


✂️ 被毛のお手入れ(ブラッシング・シャンプー・トリミング)
要点|飼育でいちばん時間がかかる作業で、毎日の軽いブラッシングと週1回程度のしっかりしたお手入れが目安です。
ビアデッドコリーの飼育で、いちばん時間がかかるのが被毛のお手入れです。PDSAは「毎日のブラッシングが必要で、かなり時間のかかる作業」と述べ、上毛と下毛の層ごとにとかして毛玉を防ぐことを勧めています。
目安として、毎日の軽いブラッシングと、週に1回程度のしっかりしたお手入れを組み合わせるやり方が紹介されています。
特に絡まりやすいのは、耳の後ろ、わきの下、お腹、あしの内側、お尻まわりです。毛玉は皮膚を引っぱり、蒸れや皮膚トラブルの原因にもなります。換毛期は抜け毛が増えるので、いつもより念入りに行いましょう。
考え方は犬の換毛期はいつ?ブラッシングの頻度とやり方が参考になります。
シャンプーは、しっかりブラッシングして毛玉をほぐしてから行うのが基本です。毛が長くて乾きにくいため、すすぎ残しや乾かし残しがないようにしましょう。プロのトリマーに定期的に頼むと、自宅での負担も軽くなります。
口まわりの長い毛は食べこぼしや水で汚れ、においが出やすいので、食後にこまめに拭いてあげてください。皮膚の乾燥やフケが気になるときは犬の皮膚が乾燥する原因と保湿ケアも参考にしてください。


🏃 運動量・散歩の目安と遊び方
要点|スタミナが豊富で1日1〜2時間の運動が必要。毛が厚いので夏は涼しい時間を選び、水分補給も忘れずに。
ビアデッドコリーは、1日中羊を追っていた作業犬の血を引いており、スタミナが豊富です。PDSAは「1日1〜2時間の運動が必要」としています。
散歩に加えて、ボール遊び、においを探すゲーム、広い場所での自由運動など、体と頭を使う時間を作りましょう。ドッグスポーツ(アジリティ、フリスビーなど)が向く子も多いようです。
運動不足や退屈は、吠える、穴を掘る、物を噛む、家族を追い回すといった行動につながりやすくなります。毛が厚い犬種なので、夏の暑い時間帯の運動は避け、朝晩の涼しい時間を選び、水分補給と日陰の休憩を忘れないようにしましょう。
散歩のあとは、毛の中に枯れ草や汚れが入り込んでいないか、触って確認してください。


🎓 しつけで気をつけたいこと
要点|ごほうびを使った前向きなトレーニングが向きますが、若い時期は根気が必要。経験のある飼い主が望ましいとされます。
賢く、人と一緒に何かをするのが好きなので、ごほうびを使った前向きなトレーニングが向いています。一方、ロイヤルカナンの資料は「経験のある飼い主が望ましい」と紹介しており、活発でいたずら心のある若い時期は、根気強さが求められます。
- 社会化:子犬のうちから、いろいろな人・犬・音・場所に少しずつ慣らします
- 呼び戻し:ものを追いかけたい気持ちが強いので、安全な場所で練習を重ねます
- 牧羊本能:子どもや他の動物の足元を追う行動が出たら、落ち着いたら褒める流れを作ります
- 吠え:興奮や要求で吠えやすいため、静かにできたら褒めます。基本の考え方は犬のしつけで重要なポイント:無駄吠えへの理解と対処法にまとめています
- 留守番:人が大好きなので、短い時間から練習します
子犬の時期に何を教えるかは子犬のしつけ完全ガイドが参考になります。


🏥 かかりやすい病気と健康管理
要点|アレルギーや関節、目、免疫関連の傾向が話題にあがります。被毛が厚く皮膚の異変が見つかりにくい点に注意を。
ビアデッドコリーでは、アトピー性皮膚炎などのアレルギー、股関節形成不全、アジソン病(副腎の病気)、免疫の異常にかかわる貧血、甲状腺の病気、自己免疫性の皮膚の病気、白内障や進行性網膜萎縮症などの目の病気が話題にあがります。
英国PDSAなどにも一部の名前があがっていますが、すべての子がかかるわけではありません。「この犬種にはそうした傾向が知られている」と知っておくと、小さな変化に気づきやすくなります。
被毛が長くて厚いため、皮膚の異変が見つかりにくいことに注意が必要です。ブラッシングのたびに、毛をかき分けて皮膚を見るようにしましょう。
日常でできるのは、次のような予防とチェックです。
- 皮膚の赤み、フケ、かゆみ、においを、毛の根元まで確認する
- 元気や食欲の低下、嘔吐、下痢、ふらつきなどが続かないか見る
- 歩き方や立ち上がるときの様子で、関節に違和感がないか気づく
- 暗い場所で動きが鈍くなる、物にぶつかるなど、見え方の変化に気づく
- 毎日の歯みがきを習慣にする。始め方は犬の歯磨きはいつから?が参考になります
- 定期的な健康診断を受け、体重を記録する
気になる様子が続くときは、自己判断せず動物病院に相談しましょう。このページは診断や治療の情報を示すものではありません。


🍖 食事・太りやすさ・おやつの考え方
要点|長い被毛で体型がわかりにくく、気づかないうちに太ることがあります。体型と便の状態を見て量を調整しましょう。
運動量が多い犬種ですが、長い被毛で体型がわかりにくく、気づかないうちに太っていることがあります。フードの量はパッケージの目安を出発点にして、体型と便の状態を見ながら調整してください。見方は犬のフードの量はどれくらい?で整理しています。
おやつはしつけのごほうびに使う機会が多いので、1日の総量の中に含めて考えます。皮膚の調子が気になるときは、自己判断でフードを変えず、かかりつけの動物病院に相談してください。


📏 寿命とシニア期の暮らし
要点|寿命は12〜15年ほどが目安です。シニア期は毛玉や汚れがたまりやすく、トリミングを短めにするなど調整します。
寿命は12〜15年ほどと言われています。PDSAは「12年以上」、ロイヤルカナンは12〜15年としています。生活環境、体重管理、病気の早期発見などで変わるため、あくまで目安として受け止めてください。
シニア期には、関節の動きが悪くなる、散歩を嫌がる、被毛の手入れを嫌がるなどの変化が見られることがあります。
長い被毛は、動きが鈍くなると毛玉や汚れがたまりやすいので、トリミングを短めにするなど暮らし方に合わせて調整しましょう。シニア期の備えは老犬介護完全ガイドも参考にしてください。


✅ 向いている人・向いていない人/お迎え前のチェックリスト
要点|毎日1〜2時間の運動とブラッシングを楽しめる人向け。留守が長い人や抜け毛が気になる人は向かない可能性があります。
向いているのは、次のような人です。
- 毎日1〜2時間ほど、散歩や運動の時間を取れる
- 毎日のブラッシングを、犬とのふれあいの時間として楽しめる
- 家族みんなで遊び、一緒に出かけたい
- 前向きなしつけを根気よく続けられる
向いていない可能性があるのは、留守が長く犬が一人で過ごす時間が多い人、毎日のお手入れの時間を取りにくい人、抜け毛や汚れが気になる人などです。
お迎え前には、次の点を確認しておくと安心です。
- 世話にかけられる時間(運動・お手入れ・しつけ)を家族で話し合ったか
- 遺伝性の病気について、繁殖者に親犬の検査状況を確認できたか
- トリミングサロンに通う費用と時間を確保できるか
- 生涯にわたる飼育費用の備えがあるか。費用の目安は犬の生涯費用はいくら?が参考になります
同じ牧羊犬グループに興味がある人は、ボーダーコリーやシェットランドシープドッグ、オールドイングリッシュシープドッグのページも比べてみてください。




よくある質問
- ビアデッドコリーは初心者でも飼えますか?
-
穏やかで人が大好きな犬種ですが、運動量が多く、被毛のお手入れも毎日必要なため、時間と根気が求められます。ロイヤルカナンの資料でも、経験のある飼い主が望ましいと紹介されています。時間を確保でき、しつけ教室などの助けも借りられるなら、初めてでも暮らせる可能性はあります。
- ビアデッドコリーはよく吠えますか?
-
活発で人に反応しやすい犬種のため、興奮したときや要求のときに吠えることがあります。運動不足やひとりの時間が長いと吠えやすくなるので、毎日の運動と遊びで発散させ、静かにできたら褒める練習を続けましょう。
- ビアデッドコリーの抜け毛はどのくらいですか?
-
ダブルコートのため、換毛期を中心に抜け毛が出ますが、長い被毛は絡まって毛が体にとどまりやすく、毛玉になりやすい面もあります。毎日のブラッシングで、抜けた毛をこまめに取り除くことが大切です。
- ビアデッドコリーの寿命は何歳くらいですか?
-
12〜15年ほどと言われています。資料によって幅があるため、目安として受け止め、定期健診を続けて変化に早く気づけるようにしましょう。
まとめ
- ビアデッドコリーは、体高51〜56cm、体重20〜25kg前後が目安の、長い被毛が特徴の牧羊犬
- 陽気で人が大好き。牧羊本能から、子どもや動物を追う行動が出ることがある
- 運動は1日1〜2時間ほどが目安。体と頭をたっぷり使わせることが大切
- ブラッシングはほぼ毎日。耳の後ろやわき、お腹の毛玉に特に注意
- アレルギー、関節、目、免疫関連の傾向を知り、皮膚を毛の根元まで確認する習慣を
- 寿命は12〜15年ほど。毎日の積み重ねで、元気な時間を長く過ごしましょう








📚 犬種データの出典
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)|ビアデッド・コリー
体高の標準 - 国際畜犬連盟(FCI)|FCI-Standard N°271 Bearded Collie
体高・グループ - The Kennel Club (英国ケネルクラブ)|Bearded Collie
体高53〜56cm/51〜53cm - PDSA (英国の獣医系慈善団体)|Bearded Collie
体高・体重・寿命・運動量
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。







