唐揚げ、天ぷら、フライドポテト、とんかつ。揚げたての香りは、犬にとっても魅力的です。「鶏肉だからいいのでは?」「衣をはずせば大丈夫?」と考える方も多いのですが、結論から言うと、人間用の揚げ物は、犬には与えない(×)のが基本です。油を大量に吸った高脂質の食べ物であることに加えて、唐揚げの下味にはしょうゆ、にんにく、塩などが使われ、骨付きの場合は骨の危険もあるためです。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。


この記事は獣医師ではない犬好きの運営者が、AKC(アメリカンケネルクラブ)、ASPCA、環境省のガイドライン、獣医師が執筆しているPETOKOTOの記事などを読み比べてまとめたもので、診断や個別の指示の代わりにはなりません。食べてしまったときの判断は、動物病院に任せてください。
揚げ物の可否と早見表
| 食べ物 | 可否 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 唐揚げ・フライドチキン | × | 脂質、下味の塩分・にんにく、骨付きは骨の危険 |
| 天ぷら・かき揚げ・フライ・とんかつ | × | 衣が油を吸って高脂質。味付けや具材にも注意 |
| フライドポテト・ポテトチップス | × | 塩分と脂質(ポテチ・お菓子の記事も参照) |
| チキンナゲット・コロッケ | × | 加工食品。玉ねぎやつなぎが入ることも |
| 衣のない茹でた・蒸した鶏ささみ | △ | 味付けなし、少量。揚げ物とは別の食べ物 |
ほかの食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も見てください。
⚠️ なぜ揚げ物は犬にNGなのか
理由1:脂質が多く、膵炎のリスクにつながる
PETOKOTOの鶏肉の記事は、「犬には揚げ物を与えない。高脂肪な食事は膵臓などの病気を招くおそれがある」と書いています。
同記事に載っている若鶏100gあたりの脂質は、ささみが1.0g、胸肉(皮あり)が5.9g、もも肉(皮あり)が14.2g、皮が48.1gです。
この差は、ささみなら低脂質でも、皮付きで衣をつけて油で揚げれば、脂質が一気に増えることを意味します。
膵炎は、消化酵素が膵臓自身を消化してしまうことで炎症が起こる病気です。
PETOKOTOの膵炎の記事(獣医師執筆)は、犬の膵炎の多くは原因がはっきりしないとしつつ、日常的に高脂肪食を食べている、人の食べ物や残飯を与えられている、好きなだけ食べているといった環境要因がリスクと考えられるとしています。
AKCも、高脂肪の食事を1回たくさん食べただけでも発症のきっかけになりうること、人の食べ物の残りやゴミをあさる犬はリスクが高いことを述べています。
ASPCAも、ナッツなど脂質の多い食べ物で、嘔吐、下痢、膵炎の可能性があると説明しています。
理由2:唐揚げの下味に危険な材料や塩分が入っている
唐揚げは、鶏肉にしょうゆ、酒、みりん、にんにく、しょうがなどで下味をつけます。
ネギ類(にんにく、玉ねぎ、ねぎ)は、赤血球を壊して貧血を起こす中毒の原因になり、加熱しても毒性は消えません(ASPCA、Pet Poison Helpline、わんちゃんホンポ)。
PETOKOTOの鶏肉の記事も、味付けした肉は塩分や砂糖が過剰になるおそれがあり、玉ねぎ、にんにく、ナツメグなど犬が食べてはいけない食材が含まれることがあるので与えないよう述べています。
環境省のガイドラインは、犬が1日に摂る食塩の量は人間の3分の1程度でよいとされ、人の食事を与えると心臓や腎臓に負担をかけるおそれがあると説明しています(犬の塩分の摂りすぎ)。ネギ類の中毒は犬の玉ねぎ中毒で詳しく解説しています。
理由3:骨付き・衣・揚げカスの問題
骨付きのフライドチキンは、骨の危険があります。PETOKOTOの鶏肉の記事は、加熱した骨は割れて鋭くなり、のどや内臓を傷つけるおそれがあるとしています。
鶏の骨については犬に鶏の骨を与えてはいけない理由の記事で詳しく解説しています。衣は小麦粉などを使うため、小麦アレルギーのある犬では反応が出ることがあります。串揚げの串も、飲み込むと危険です。
衣をはがせば大丈夫?少量ならどう考える?


衣をはがしても、油は肉の中に染みており、下味もついています。したがって、衣をはがしても、揚げ物の問題(脂質、塩分、にんにくなど)は解決しません。
「1個だけ」「小さなかけらだけ」を毎回あげていると、犬は強い味の食べ物を覚え、フードを食べなくなるきっかけにもなります。
環境省のガイドラインも、フードに飽きる背景に、家族の誰かが人の食事や味の強いおやつを与えているケースがあると指摘しています。
鶏肉そのものを楽しませたいときは、揚げ物ではなく、衣や味付けのない、茹でたり蒸したりした鶏肉を、少量で。PETOKOTOは、加熱するなら茹でるか蒸すのがよいとしており、脂質が少ない部位から選ぶことになります。
おやつの量は、1日に必要なカロリーの10%以内(獣医師執筆メディア)や、間食全体で20%以内(環境省)が上限の考え方です。体格や食事内容で変わるため、与えたぶんはフードを減らして調整してください。
鶏肉ばかり続けるとアレルギーのリスクが上がる、とPETOKOTOは述べています。
⚠️ 注意が必要な犬・ケース


- 膵炎の経験がある犬、脂質制限の指導を受けている犬:揚げ物は絶対に避けます。
- ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリアなど:PETOKOTOとAKCは、脂質の代謝が乱れやすく、膵炎のリスクが高いとされる犬種として挙げています。
- 肥満気味の犬、糖尿病・クッシング症候群などの内分泌の病気がある犬:膵炎のリスクが高いとされます(PETOKOTO・AKC)。
- 小型犬・シニア犬:少量でも体重あたりの脂質が多くなります。
- 小麦・鶏肉にアレルギーがある犬:衣や肉が原因になることがあります。
🍖 食べてしまったときの目安


唐揚げ1個や小さなかけらを食べた程度では、すぐに重い症状が出るとは限らず、下痢や嘔吐がないか注意して様子を見ることが多いと考えられます。
PETOKOTOの記事も、誤食した場合は下痢や嘔吐の症状がないか注意するよう述べています。ただし、食べた量、犬の体格、持病によって対応は変わるので、迷うときは動物病院に電話で相談してください。次のような場合は特に急いで連絡しましょう。
- 嘔吐が繰り返される、下痢が続く(血が混じる)
- お腹を痛がる、背中を丸める、前足を伸ばしてお尻を上げる姿勢をとる
- 元気や食欲がなくなる、ぐったりしている、震える
- 水を飲まない、水を飲んでも吐く
- にんにくや玉ねぎが入った下味だった、骨付きの肉を食べた、串や竹串を飲み込んだ可能性がある
- 揚げ物を大量に食べた(パーティーの残り、ゴミ箱をあさったなど)
PETOKOTOの膵炎の記事は、膵炎に特徴的な症状はなく、初期は元気がなくなる、嘔吐、下痢、腹痛などがみられ、症状だけで家庭で判断することはできないとしています。
時間をおいてから様子が変わることもあるため、食べた後はしばらく注意して観察しましょう。受診するときは、食べた種類・量・時間、骨の有無を伝え、可能なら包装や容器も持参します。
よくある質問
- 骨なしの唐揚げをほんの少しだけならいいですか?
-
骨がなくても、油、塩分、にんにくなどの問題は残ります。「ほんの少し」でも毎回続くと習慣になり、体重や膵臓への負担が積み重なります。基本は与えず、ごほうびには犬用のおやつを使いましょう。
- 犬用の唐揚げ風・チキンナゲット風のおやつはありますか?
-
犬用に作られた商品はありますが、あくまでおやつです。原材料と給与量の表示を確認し、与えるぶんフードを減らして調整してください。特定の商品の推奨はしていません。
- 揚げ油を舐めたり、揚げカスを食べたりした場合は?
-
油そのものも脂質が非常に多く、少量でも下痢や嘔吐の原因になることがあります。大量に舐めた場合や、症状がある場合は、動物病院に相談してください。家庭でオイルを飲ませて吐かせるような処置はしないでください。
まとめ
- 人間用の揚げ物(唐揚げ、天ぷら、フライ、フライドポテトなど)は犬に与えない(×)。
- 脂質が多く、膵炎のリスクにつながる。高脂肪の食事は1回でも引き金になりうる。
- 唐揚げの下味にはにんにく・しょうゆが使われ、ネギ類の中毒と塩分の問題がある。骨付きは骨の危険も。
- 衣をはがしても油と下味は残る。「1個だけ」の習慣化にも注意。
- 鶏肉を与えたいときは、衣・味付けなしの茹でた・蒸した低脂質の部位を少量で。
- 食べてしまったら、量・味付け・骨の有無を整理して動物病院へ。嘔吐・腹痛・元気消失があれば急いで連絡。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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