チワワ、トイプードル、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・ダックスフンド。小型犬と暮らしている飼い主さんは、「小型犬は歯周病になりやすい」と聞いたことがあるかもしれません。結論からいうと、小型犬は口が小さく歯が密集しやすいため、歯垢や歯石がたまりやすく、歯周病のリスクが高い傾向があると説明されています。ただし、「小型犬だから避けられない」わけではなく、小さい頃からのケアで差が出る部分も大きいと考えられています。



迷ったら、最後のまとめを見てね。ポイントをまとめてあるよ。


この記事では、小型犬が歯周病になりやすいとされる理由、見逃したくないサイン、小型犬のデンタルケアで優先したいポイントをまとめます。運営者は獣医師ではなく、診断や治療の判断はできません。獣医師監修の解説や研究報告をもとにした一般的な内容としてお読みください。
小型犬は本当に歯周病になりやすい?
オリコンMEのペット保険ガイドでは、小型犬は口が小さく歯が密集しやすいため歯石がたまりやすく、短頭種(鼻が短い犬種)は歯並びが乱れやすいためリスクが高いと説明されています。価格.comのペット保険ページ(獣医師監修)や東京ドクターズの記事では、3歳以上の犬の約8割が歯周病にかかっているとされており、犬は体の大きさを問わず歯周病になりやすい動物だと考えられます。
海外では、米国の動物病院の診療記録を大規模に解析した研究(PubMedに収載)で、体重が軽い犬種ほど歯周病と診断されやすいという傾向が報告されています。また、海外の獣医系の飼い主向け解説では、小型犬は歯が体に対して大きく口の中が混み合いやすいこと、その一因に遺伝があることが説明されています。
一方で、こうした統計には注意点もあります。小型犬は歯科の診察や処置を受ける機会が多く、見つかりやすい面があるとも考えられます。調査によって結果に差が出ることもあるため、数字は「傾向」として受け止めるのがよいでしょう。
💡 小型犬が歯周病になりやすいとされる主な理由
1. 歯が密集して、汚れがたまりやすい
小型犬は顎が小さいわりに歯の大きさがあまり変わらないため、歯が重なり合ったり、斜めに生えたりしやすいといわれます。隙間に食べかすや歯垢が残りやすく、歯ブラシも届きにくくなります。
歯が密集した部分は、歯垢が歯石に変わると、その表面にまた歯垢がつくという悪循環になりがちです。
2. 歯垢が歯石になるスピードが早い
犬の唾液は人に比べて弱アルカリ性に近く、そのため人より早く歯垢が歯石になりやすいと説明されています(価格.comペット保険の解説)。オリコンMEの解説では、歯垢は約3日で石灰化するとされています。
体の大きさにかかわらず共通する特徴ですが、歯が密集している小型犬では、その影響がより目立ちやすいと考えられます。歯石の仕組みは犬の歯石がつく原因と予防で整理しています。
3. 口が小さく、歯磨きがしにくい
口の中が狭いと、歯ブラシが奥歯まで届きにくく、犬自身も口を触られるのを嫌がることがあります。「小さくて抱っこしやすいから磨きやすい」とは限らず、むしろ慎重な力加減が必要です。
4. 乳歯遺残が起こりやすい
アニコム損保の解説では、乳歯が抜けずに残る乳歯遺存は、小型犬や超小型犬で多くみられるとされています。乳歯と永久歯の隙間は歯垢や歯石がたまりやすく、歯周病の原因になります。詳しくは子犬の乳歯の生え変わりの記事を参考にしてください。
5. 若いうちから歯石がつきやすい
海外の研究や解説では、小型犬は大型犬より若い年齢で歯周病を発症する傾向があると指摘されることがあります。「まだ若いから大丈夫」と考えず、成犬になる前から習慣にしておくことが、将来の負担を減らすと考えられています。
見逃したくないサイン


歯周病は、痛みを隠す犬も多く、気づきにくい病気です。AVDC(米国獣医歯科学会)は、口臭やぐらつきといったサインが現れるころには、すでに進行していることが多いと説明しています。東京ドクターズやオリコンMEの解説で挙げられているサインは、次のとおりです。
- 口臭が強くなった
- 歯茎が赤い、腫れている、出血する
- 歯の付け根に黄色〜茶色の歯石がついている
- 硬いフードを避ける、片側だけで噛む、食べるのに時間がかかる
- 前足で顔や口をこする、口を触られるのを嫌がる
- よだれが増えた
- 歯がぐらつく、抜けた
- くしゃみや鼻水が続く(歯の根の炎症が鼻の側に影響している場合もあるとされる)
歯茎の赤みや出血については犬の歯茎が赤い・出血する原因と受診の目安で、もう少し詳しく整理しています。
✂️ 小型犬のデンタルケアで優先したいこと


- とにかく早くから口を触る習慣をつける:子犬の時期(生後2〜3か月頃)からの慣らしが理想とされます(オリコンME)。犬の歯磨きはいつから?も参考にしてください。
- 歯磨きは短時間でも頻繁に:VOHC(米国の獣医口腔衛生評議会)は毎日の歯磨きを基本としています。難しい場合も、上の歯の頬側(外側)の面は歯垢がたまりやすいため、そこを中心に磨く考え方が紹介されています。
- 小さな口に合った道具を選ぶ:歯ブラシやシートは、口のサイズに合った小さめのものを選びます。力を入れすぎると歯茎を傷つけやすいため、やさしく動かします。
- 乳歯の抜け方を確認する:生後6〜7か月を過ぎても乳歯が残っていないか、口の中を見ておきます。
- 年に1回は口の中を診てもらう:オリコンMEの解説では、年に1回程度の動物病院での口のチェックが勧められています。
- 補助ケア用品は「補助」と考える:デンタルガムや歯垢がつきにくいとされるフードなどは、歯磨きの代わりにはなりません。
歯周病が進んでしまったら
歯周病が進行すると、東京ドクターズの解説では、歯石の除去(スケーリング)や、歯のぐらつきが強い場合の抜歯などが検討されると紹介されています。これらは全身麻酔下で行われるのが一般的です。
小型犬は体が小さいため、麻酔や処置については飼い主さんが不安を持つことも多いでしょう。年齢や持病、血液検査などの結果をふまえて、獣医師とよく相談して決めることになります。
歯周病が進むと、歯周ポケットから細菌が体内に入り、腎臓や肝臓、心臓などに影響する可能性も指摘されています(東京ドクターズ)。「口の中だけの問題」と思わず、早めのケアと相談が大切です。
よくある質問


- 小型犬は何歳くらいから注意すればいいですか?
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「何歳から」というより、子犬のうちから口を触る習慣をつくっておくことが勧められます。歯垢は数日で歯石になりはじめるため、成犬になれば誰でも対象です。3歳以上では歯周病を持つ犬が多いといわれるため、遅くとも2〜3歳になるまでには毎日のケアが習慣になっていると理想的です。
- 小型犬はドライフードを食べていれば歯石は防げますか?
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フードの形状だけで歯石を完全に防ぐのは難しいとされています。歯垢がつきにくいとうたう商品もありますが、補助的なものと考え、歯磨きの習慣を優先しましょう。
- 大型犬は歯周病にならないのですか?
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いいえ。大型犬でも歯垢・歯石は同じようにたまり、歯周病になります。小型犬のほうが発症しやすい傾向があるというだけで、すべての犬にケアは必要です。
まとめ
- 小型犬は口が小さく歯が密集しやすいため、歯垢・歯石がたまりやすく、歯周病のリスクが高い傾向がある。
- 乳歯遺残が起こりやすいことも、歯周病の背景のひとつ。
- 口臭、歯茎の赤み・出血、食べにくそうな様子などがあれば、早めに受診を考える。
- 子犬のうちから口を触る習慣をつくり、毎日(難しければできる範囲で)の歯磨きと、年1回の口のチェックを続ける。
小さな体の愛犬が、いつまでも自分の歯でおいしく食べられるように。今日から、口の中をのぞく習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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