「愛犬が甘噛みじゃなくて本気噛みをしてくる…」
「しつけを試みたけど、逆効果だったみたい…」
愛犬の噛み癖に悩んでいる飼い主さんは少なくありません。
可愛い愛犬との暮らしの中で、噛み癖は深刻な問題ですよね。
でも、安心してください!
犬は本来、人と一緒に楽しく暮らしていける動物です。
適切な知識と方法で根気強く接することで、噛み癖は改善できます。
この記事では、犬が噛む理由、効果的なしつけ方法、よくある失敗例などを、詳しく解説していきます。
この記事を読めば、愛犬の噛み癖にお悩みのあなたも、きっと解決の糸口を見つけられるはずです!
最後まで読んで、愛犬との絆を育みながら、穏やかな毎日を送りましょう。
犬が「噛む」行動の奥にあるもの
「うちの子は、なんでこんなに噛むの?」
そう感じている飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、犬から見ると少し事情が異なります。
犬にとって「噛む」ことは、私たち人間が手を使うのと同じくらい、ごく自然な行動なのです。
犬にとって「噛む」ことは自然な行動
犬は、私たち人間のように器用な手を持っていません。
そのため、周りの世界と触れ合い、様々な行動をするために「口」を使います。
- ものを運ぶ
- 食べ物を食べる
- 遊び
- 感触を楽しむ
- ストレス発散
これら全てにおいて、「噛む」行動は欠かせません。
放置するとどうなる?噛み癖によるリスク
「子犬の甘噛みは可愛いから」
「そのうち落ち着くでしょう」
そう安易に考えてはいけません。
犬の噛む力は、私たちが想像する以上に強力です。
成犬の噛み癖を放置すると、以下のような深刻な事態を招く可能性があります。
- 飼い主や家族への怪我
- 愛犬とのふれあいが怖くなってしまうことも。
- 他の人や犬への危害
- 散歩中やドッグランでのトラブルに発展する可能性も。
- 家具や家屋の損傷
- 修理費用がかさんでしまうことも。
- 愛犬自身のストレス増加
- 噛むことを叱られることで、さらに不安や緊張が高まることも。
愛犬との幸せな暮らしを守るためにも、噛み癖は早めに対処することが大切です。
愛犬の気持ちを理解する!飼い主を噛む理由
愛犬が私たちを噛むとき、そこには必ず理由があります。
闇雲にしつけようとするのではなく、まずは愛犬の気持ちを理解することが大切です。
愛犬は、なぜあなたを噛むのでしょうか?
ここでは、よくある5つの理由とその背景について詳しく解説していきます。
生まれてから備わっている「本能」
犬は、祖先であるオオカミの時代から、群れで生活し、狩りをして生きてきました。
そのため、自分の身を守るための「防衛本能」が備わっています。
- 急に触られると、防衛本能から噛みつく場合がある
- 特に、眠っている時や食事中は警戒心が強くなっています。
- 恐怖を感じた時、攻撃に転じる場合がある
- 大きな音、知らない人や犬、狭い場所などを怖がることがあります。
愛犬が怖がっていると感じたら、無理に近づいたり、触ったりせず、安心できる空間を与えてあげましょう。
我慢できない!「歯の生え変わり」
子犬期(生後6ヶ月頃まで)は、乳歯から永久歯へと生え変わる時期です。
この時期は、歯茎がかゆみや痛みを伴い、愛犬は強いストレスを感じます。
- 歯茎の不快感を解消するために、物を噛みたがる
- 家具や飼い主の手足などを噛んでしまうことも。
子犬期の噛み癖は、成長と共に落ち着くことが多いですが、適切な対処をしないと、噛み癖が定着してしまう可能性もあります。
この時期は、歯固めになるおもちゃなどを与え、噛みたい欲求を満たしてあげることが大切です。
実はデリケート? 愛犬の「ストレス」
犬は、私たち人間と同じように、ストレスを感じやすい動物です。
ストレスをため込むと、様々な問題行動に繋がることがあります。
噛み癖も、その一つです。
愛犬のストレスの原因として、以下のようなものがあります。
- 運動不足
- 十分に体を動かせないと、ストレスが溜まりやすくなります。
- 環境の変化
- 引っ越し、家族構成の変化、新しいペットの迎え入れなどは、犬にとって大きなストレスとなります。
- 病気や怪我
- 体の不調は、犬にとって大きなストレスです。
- 分離不安
- 飼い主と離れることに対する強い不安や恐怖を感じています。
- 飼い主とのコミュニケーション不足
- 十分なコミュニケーションが取れていないと、犬は寂しさや不安を感じます。
愛犬の様子をよく観察し、ストレスの原因を探ることが大切です。
原因を取り除き、愛犬が安心して過ごせる環境を整えてあげましょう。
うれしさ爆発!「甘えや興奮」
飼い主に対して甘えたいときや、遊びに興奮している時にも、犬は噛んでくることがあります。
- 遊びの延長で、つい興奮して噛んでしまう
- 特に、子犬は遊びに夢中になると、加減が分からず強く噛んでしまうことがあります。
- 飼い主の気を引きたくて、甘噛みをする
- 要求吠えと同じように、甘噛みによって飼い主の気を引こうとしている場合もあります。
これらの場合は、興奮状態を鎮める、要求に応じないなど、適切なしつけをすることが大切です。
知らずに傷つけているかも?「誤ったしつけ」
良かれと思って行ったしつけが、逆に愛犬を傷つけ、噛み癖を悪化させている場合があります。
- 体罰
- 叩いたり、蹴ったりするなどの体罰は、犬にとって恐怖でしかありません。
恐怖心から、さらに噛み癖が悪化してしまう可能性があります。 - 大声で叱る
- 大声で叱ることも、犬を怖がらせる原因となります。
- 無理やり押さえつける
- 恐怖心から、抵抗のために噛みついてしまうことがあります。
犬をしつける時は、体罰や大声ではなく、優しく、そして毅然とした態度で接することが重要です。
愛犬の噛み癖を改善する方法
愛犬の噛み癖を効果的に改善するために、獣医師の視点から具体的な方法を3つのステップでご紹介します。
噛み癖の根本原因を突き止める
闇雲にしつけようとするのではなく、まずは「なぜ愛犬が噛むのか」を理解することが重要です。
- 愛犬の年齢、犬種、性格などを考慮する
- 子犬と成犬では、噛み癖の原因が異なる場合があります。
犬種によって、気質や性格も違います。 - 飼育環境や生活習慣を見直す
- 十分な運動ができているか、ストレスを感じていないか、飼育環境に問題がないかなどをチェックしましょう。
- 健康状態をチェックする
- 病気や怪我によって、痛みや不快感から噛みやすくなっている可能性もあります。
定期的な健康チェックも大切です。
適切な「噛み」の対象を与える
犬は本来、噛むことを通じてストレスを発散したり、欲求を満たしたりする動物です。
そのため、噛み癖を直すためには、「噛んでも良いもの」と「噛んではいけないもの」を明確に教える必要があります。
- 噛んで良いおもちゃを与える
- 噛むことで満足感を得られるような、丈夫で安全なおもちゃを選びましょう。
素材や形、大きさなど、愛犬の好みを探ることも大切です。
おすすめは、コングやロープ系のおもちゃです。 おすすめのおもちゃ- コング:中にフードを詰めることができる知育玩具としても人気
- ロープ系おもちゃ:歯 cleaning 効果も期待できる
- 噛んではいけないものを遠ざける
- 家具やスリッパ、電気コードなど、犬が興味を持ちそうなものは、手の届かない場所に置きましょう。
- 代替え品を与える
- 噛んではいけないものを噛もうとした時は、すかさず「ダメ!」と注意し、代わりに噛んでも良いおもちゃを与えましょう。
噛まれた時の対処法をマスターする
愛犬に噛まれた時は、感情的にならず、冷静に対処することが大切です。
- 「痛い!」と声に出す
- 犬にもわかるように、少し高めの声で「痛い!」と伝えましょう。
愛犬がびっくりして、噛むのをやめることがあります。 - その場を離れる
- 噛まれた後も興奮している場合は、無視をして、その場を離れましょう。
「噛むと飼い主がいなくなる」と学習させることが目的です。
部屋を出る場合は、1分ほど置いてから戻りましょう。
噛まれた時に、飼い主が慌ててしまうと、犬は「注目されている」「遊んでくれている」と勘違いしてしまうことがあります。
落ち着いて無視をすることで、「噛んでも良いことはない」と学習させていきましょう。
よくある失敗例!知らずに悪化させているかも?
愛犬の噛み癖を直そうと焦るあまり、間違った方法をとってしまうことがあります。
ここでは、飼い主がよくやってしまいがちな失敗例を2つご紹介します。
暴力は絶対にNG!恐怖による悪循環
- 叩く、蹴るなど、体罰を与える
- 暴力は、犬の恐怖心を煽り、信頼関係を壊すだけです。
問題行動の改善には繋がりません。 - 鼻先を叩く
- 犬にとって鼻はとても敏感な部分です。
叩くことは大きな苦痛を与え、トラウマになってしまう可能性もあります。 - 大声で威嚇する、怒鳴りつける
- 犬は、人間の言葉の意味は理解できませんが、声のトーンや表情から感情を読み取ることができます。
大声で威嚇されると、恐怖を感じ、萎縮してしまいます。
愛犬の要求に応えすぎるのも逆効果
- 噛み止められたら、おやつを与える
- 「噛むとおやつがもらえる」と学習してしまい、噛み癖が悪化する可能性があります。
- 要求吠えに負けて、要求に応じる
- 要求吠えに反応して、要求に応えてしまうと、「吠えれば要求が通る」と学習してしまいます。
無視をする、落ち着いてから要求に応じるなど、毅然とした態度で接しましょう。
愛犬の年齢に合わせた噛み癖対策
犬の年齢(成長段階)に合わせて、効果的なしつけ方法は異なります。
ここでは、それぞれの時期における噛み癖対策のポイントを解説します。
子犬期(~生後6ヶ月):社会性を育む大切な時期
子犬期は、人間や他の犬との関わり方など、社会性を身につけるための重要な時期です。
この時期に、適切な噛み癖対策を行うことで、将来的な問題行動を予防することができます。
- 甘噛みは、成長過程の一つと捉える
- 子犬は、遊びを通して噛む力の加減を学習していきます。
この時期の甘噛みは、成長過程の一つとして受け止め、優しく根気強く教えましょう。 - 「出して」「ダメ」などの基本的なコマンドを教える
- 興奮状態を鎮め、飼い主の指示に従うことを学習させます。
- 噛み癖がひどい場合は、プロのトレーナーに相談する
- しつけ教室に通うのも有効な手段です。
成犬期(生後7ヶ月~7歳):問題行動の兆候を見逃さない
成犬になると、子犬期に比べて落ち着きが出てきますが、新たなストレスや環境の変化によって噛み癖が出てくる場合があります。
- 日頃から愛犬の様子をよく観察する
- 食欲、排泄、睡眠、活動量など、普段と変わった様子がないか注意しましょう。
- ストレスの原因を特定し、改善する
- 運動不足、環境の変化、病気などが考えられます。
- 問題行動が改善しない場合は、獣医師やトレーナーに相談する
老犬期(7歳~):加齢による変化に配慮を
老犬になると、視力や聴力の低下、認知症など、身体機能の衰えが見られるようになります。
今まで以上に、愛犬への配慮が必要です。
- 急に触ったり、大きな音を出したりしない
- 驚いて、反射的に噛みついてしまうことがあります。
- 安心できる環境を整える
- 静かで落ち着ける場所を提供してあげましょう。
- 無理なトレーニングは避ける
- 愛犬の体力や体調に合わせて、無理のない範囲でトレーニングを行いましょう。
専門家のサポートも検討しよう
愛犬の噛み癖が改善しない場合は、一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けることも有効な手段です。
しつけ教室でプロの指導を受ける
- 経験豊富なトレーナーから、愛犬に合わせたしつけ方法を学ぶことができる
- 集団レッスン、個別レッスンなど、様々なコースがあります。
- 他の犬との交流を通して、社会性を身につけることができる
- 飼い主同士の情報交換ができる
行動診療科のある動物病院へ相談する
- 噛み癖の原因を医学的に診断してもらう
- 病気や怪我、ホルモンバランスの乱れなどが隠れている場合があります。
- 行動療法の専門家から、適切なアドバイスを受ける
まとめ|愛犬との幸せな暮らしのために
この記事では、犬の噛み癖の原因と対策について詳しく解説しました。
愛犬の噛み癖は、飼い主にとって大きな悩みの種ですが、決して諦めないでください。
愛犬の気持ちに寄り添いながら、根気強くしつけを行うことで、必ず改善できます。
この記事が、愛犬との絆を育み、幸せな毎日を送るためのお役に立てれば幸いです。
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