結論から言うと、子犬のおやつを「生後○か月から」と決めた公的な基準は、環境省や獣医系の資料では確認できませんでした。目安にしやすいのは、離乳が終わり、子犬用フードを決めた量で食べ、うんちも整っていることです。そのうえで、おやつはしつけのごほうび程度に、ごく小さく、やわらかいものを、少量から。市販の子犬用おやつには「対象月齢」が書かれているものが多いので、その表示を守ることも大切です。



忙しいときは、目次と「まとめ」だけ読んでもだいじょうぶだよ。
- 月齢の公的基準は確認できず、離乳後の食事の安定が目安
- おやつの上限の目安は資料で5〜20%と幅があり、少なめで十分
- 小さく・やわらかく・低カロリー。非常にかたいものは避ける
この記事は、獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省・MSDマニュアル・ASPCA・動物病院の資料を確認しながら、子犬ならではの点をまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。
特定の商品をおすすめする記事でもありません。持病や食事の指示がある子、体調が気になる子は、かかりつけの獣医師に確認してください。
🍖 子犬のおやつはいつから?「何か月」より確認したい3つの条件
要点|離乳済み・主食を完食・体調が安定。商品の対象月齢の表示も守る
環境省のペットフードのガイドラインは、離乳期を生後約20日から60日くらいまでとし、生後約50〜60日ごろから子犬用フードなどの普通食に切り替えると案内しています。
MSDマニュアルも、子犬は7〜8週ごろに母犬のもとを離れ、自分で食べられるようになるとしています。生後2か月前後は、まず主食のフードに慣れる時期です。おやつは、その土台ができてからで十分です。
ネットでは「生後3か月から」といった数字を見かけますが、多くは商品の対象月齢の表示や、情報源ごとの目安で、公的な根拠は確認できませんでした。そこで、月齢の代わりに、次の3つを目安にしてみてください。
- 離乳が終わっている:ふやかしやミルク中心の食事から、子犬用フードへ移れている。
- 主食をしっかり食べている:決めた量を完食し、食欲にムラがない。
- 体調が安定している:うんちが形になっていて、環境の変化(お迎え直後など)や、フードの切り替えが重なっていない。
| 子犬の状況 | おやつの扱い | 考え方 |
|---|---|---|
| 離乳前〜離乳の途中 | 与えない | 栄養は母乳・専用ミルク、離乳期・子犬用フードから |
| 3つの条件がそろっている | 少量から検討 | 商品の対象月齢の表示を確認。最初はごく小さく1つ |
| お迎え直後・環境が変わった直後・軟便や下痢がある | 見送る | お腹が揺れやすく、原因の切り分けがしにくくなります |
| しつけを始める頃 | ごほうびとして少量 | フードの一部をごほうびに使う方法もあります |
🍖 おやつの量|5%・10%・20%と資料で幅がある理由と考え方
要点|ASPCA5%、MSD10%未満、環境省20%以内。子犬は上限まで使わず、与えた分フードを調整
環境省のガイドラインでは、おやつ(間食)を、ペットとのコミュニケーションやごほうびのために限られた量を与えるものと位置づけ、欲しがるままに与えると栄養が偏ったりカロリー過多で肥満になったりするので、1日に必要なカロリーの20%以内に抑えるとしています。
MSDマニュアルは、おやつ全体で1日の総カロリーの10%未満とし、ほとんどのおやつは「完全でバランスのとれた食事」ではないと説明しています。ASPCAの案内では、スナックは1日のカロリーの5%以内です。
| 資料 | おやつの上限の目安 |
|---|---|
| ASPCA(安全に分けられる食べ物の案内) | 1日のカロリーの5%以内 |
| MSDマニュアル | 1日の総カロリーの10%未満 |
| 環境省 ペットフード・ガイドライン | 1日に必要なカロリーの20%以内 |
幅があるのは、対象や考え方が違うためと思われます。どれも「おやつは主食の補助で、少なめ」という点は共通です。
成長期の子犬は体重あたりに必要なエネルギーが多く、成犬用フードでは栄養不足になるおそれがあると環境省も述べています。
子犬は主食で栄養をとることが先なので、上限いっぱいまで与える必要はなく、小さな枠から始めるのが無理のない進め方です。
量の考え方(計算の例)
たとえば、1日に食べるフードが200kcalの子犬で、おやつを10%までとするなら、おやつは1日20kcalまでという計算になります(あくまで計算の例で、その子の適量ではありません)。
おやつのカロリーは、パッケージの表示で確認してください。MSDマニュアルによると、米国の表示では、おやつにも1個あたりのカロリーを示す決まりがあります。
ごほうびを与えた分、その回のフードを少し減らして調整する方法も、環境省のガイドラインに載っています。
1日の目安カロリーは犬の1日のカロリー・ごはんの量 計算機でも確認できますが、成長期の子犬は必要量が変わるので、パッケージの表示や獣医師の指示を優先してください。
📏 子犬のおやつの選び方|大きさ・やわらかさ・種類の考え方
要点|小さくやわらかく低カロリーが基本。フードの粒も使える。骨やローハイドは歯が心配
VCAの子犬向けおやつの案内には、低カロリーであること、できるだけ小さくすること、やわらかいものが使いやすいこと、人の食べ物を避けることなどが挙げられています。ここでは、商品名ではなく「種類」で考える手がかりをまとめます。
| 種類 | 子犬での考え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 子犬用フードの粒 | もっとも使いやすい | VCAも、食べ物に意欲のある子にはフードをおやつに使えるとしています。1日の量から差し引きます |
| やわらかいタイプのおやつ(ペーストなど) | 小さくして使いやすい | カロリーと原材料の表示を確認します |
| ビスケット・ボーロなどの焼き菓子タイプ | 小さく割って少量 | くずれて散らばりやすく、食べすぎにも注意 |
| ジャーキー・乾燥肉・魚などの素材タイプ | 子犬用の表示を確認し、ちぎって | かたいものは小さく切る。塩分や添加物の表示も見ます |
| ガム・チュー・歯みがき用 | 慎重に | パッケージの1日の上限を守る。かたすぎるものは歯を傷めることがあります |
| 人の食べ物(野菜・果物など) | 別の記事で確認 | 可否は食材ごとに違います |
VCAは、骨、ブリースティック、豚の耳、ローハイド(牛皮のガム)のような非常にかたいものは、歯が折れるおそれがあり、細菌の心配もあるとして避けるよう勧めています。
環境省のガイドラインは、ジャーキーや魚肉ソーセージなどの練り加工品、ガム、ビスケットなど、おやつにはさまざまな種類があると説明しています。商品を選ぶときは、原材料や成分の表示を見る習慣をつけましょう。
ほかの食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表にまとめています。
🍖 与え方|しつけ・留守番・歯の生え変わり期の使い方
要点|ごほうびは小さく。知育おもちゃにはフードの一部を。生え変わり期はかたさに注意
しつけのごほうびに使う
VCAは、おやつはトイレトレーニングや「おすわり」などの練習、クレートで落ち着かせるときに役立つとしています。
ごほうびは、できるだけ小さく、すぐ食べ終わるものにすると、子犬が飼い主さんに集中しやすく、カロリーも抑えられます。上手にできた直後に与えると、何がよかったのかが伝わりやすくなります。しつけの進め方は子犬のしつけ完全ガイドにまとめています。
知育おもちゃに入れる
VCAは、おもちゃにおやつやフードを詰めて、留守番やクレートの時間を過ごしやすくする方法も紹介しています。おやつではなく、1日のフードの一部を詰めると、カロリーを増やさずに楽しめます。
歯の生え変わり期は「かたさ」に注意
子犬の時期は、乳歯から永久歯へ生え変わる時期でもあります。口の中がむずがゆくなり、何でもかじりたがりますが、かたすぎるおやつやガムは歯を傷める可能性があります。
歯の生え変わりの目安は子犬の乳歯の生え変わり時期で整理しています。歯が欠けたときは、早めに動物病院へ相談してください。
⚠️ 子犬ならではの注意|与えすぎ・丸のみ・家族間のルール
要点|おやつで満腹になり主食が入らない、丸のみ、家族ごとの与えすぎに注意
- おやつでお腹がいっぱいになる:子犬は1回に食べられる量が少なく、環境省は4回程度に分けるよう案内しています。おやつが多いと、肝心の食事の量が入らなくなります。環境省は、おやつを「別腹」と考えてしまう点にも注意を促しています。
- 丸のみとのどのつまり:環境省は、食事を1日1回にまとめると慌てて飲み込んでのどに詰まらせることがあると述べています。大きいおやつは小さく割り、食べ終えるまで見守りましょう。
- 家族それぞれがあげてしまう:かわいくて、家族の全員が少しずつあげると、合計が増えがちです。その日あげたおやつを紙に書く、おやつの入れ物を決めておくなどで、家族でそろえます。
- 味の強いおやつで主食を食べなくなる:環境省のガイドラインは、人の食事や味の強いおやつを与えていると、フードに飽きる原因になることがあると指摘しています。
- 人の食べ物は犬用ではない:VCAも、人の食べ物は犬に不向きなものが多く、ねだりやつまみ食いの習慣にもつながると注意しています。
🏥 食べすぎ・合わないサインと動物病院へ行く目安
要点|ゆるいうんちは中止して観察。繰り返す嘔吐下痢、むせ込み、歯の欠けは早めに連絡
合わないサイン・食べすぎのサイン
| 見られる様子 | 考えられること(可能性) | 対応の目安 |
|---|---|---|
| うんちがやわらかい、回数が増える | 量が多い、原材料が合わない可能性 | そのおやつを中止し、元気と食欲を見ながら経過を観察 |
| 体や口まわりをかゆがる、赤くなる | 食べ物が合わない可能性 | 与えるのをやめ、続く場合は病院へ相談 |
| 主食を食べたがらない | おやつでお腹がいっぱい、体調の変化など | おやつをやめ、主食の食べ具合を確認 |
| 体重が急に増える | おやつのカロリーが多い可能性 | 量を見直し、かかりつけで体重の経過を相談 |
様子見でよいことが多いケース
- 新しいおやつのあとに、1回だけ少しやわらかいうんちが出たが、元気・食欲があり、水も飲んでいる。
- 初めてのおやつを食べ慣れず、吐き出したりこぼしたりしたが、そのあとはいつも通り。
早めに動物病院へ連絡したいサイン
- 嘔吐や下痢が何度も続く、血が混じる、水のような下痢が出る。
- ぐったりして元気がない、呼びかけへの反応が鈍い。
- むせて苦しそう、えずき続ける、のどに何か詰まったような様子がある。
- 顔やまぶたの腫れ、全身のかゆみ、息が荒いなど、食べ物が合わないときのような様子がある。
- かたいガムやおやつの破片を飲み込んだ可能性があり、吐く、お腹を痛がる、うんちが出ない。
- おやつをかんで歯が欠けた、口から血が出る。
子犬は体が小さく、体調が変わりやすいといわれます。迷う場合は様子を見すぎず、かかりつけの動物病院に電話で相談するほうが安心です。夜間や休日は、救急対応の動物病院を探しておくと慌てずにすみます。
無理に吐かせようとするのはやめましょう。ほかの症状の見分け方は犬の症状から探すも参考にしてください。
よくある質問
- 離乳食とおやつは何が違いますか?
-
離乳食は、母乳から固形の食事へ移るための「主食」です。環境省のガイドラインでは、離乳期用または子犬用のフードを、お湯などでふやかして与える方法を紹介しています。おやつは主食ではなく、ごほうびとして限られた量を与えるものです。離乳のうちは、おやつを足す必要はありません。
- 歯みがきガムは、いつから与えてよいですか?
-
月齢を示した公的な基準は確認できませんでした。VCAは、デンタルおやつはかんでいるあいだに歯の汚れをとるが、カロリーが高いものもあるとして、パッケージの1日の上限を守るよう案内しています。商品の対象月齢や大きさの表示を確認し、かたすぎないか、丸のみしないかを見守ってください。心配なら獣医師に相談を。
- おやつをまったく食べない子はどうしますか?
-
無理に食べさせる必要はありません。食べ物への意欲が低い場合は、子犬用フードの粒を使う方法もあります。ただし、いつも食べる子が急に食べなくなった、元気がないなどの場合は、体調の変化も考えられます。主食を食べているか確認し、続くようなら動物病院へ。
- 毎日あげてもいいですか?
-
毎日の習慣にしても構いませんが、量を決めておくことが大切です。1日の目安カロリーの範囲で、ごほうびにとどめ、その分フードを減らします。食べすぎや体重の増えすぎが気になるときは、獣医師と相談しながら見直しましょう。
まとめ
- 「生後○か月から」と示した公的な基準は確認できず、離乳後に子犬用フードが安定し、うんちが整っているかを目安にします。
- おやつの上限の目安は資料により5%・10%・20%と幅があり、子犬は上限まで使わず、少なめで十分です。
- 小さく、やわらかく、低カロリーなものを選び、骨・ローハイドなど非常にかたいものは避けます。
- しつけのごほうびには、フードの一部を使う方法も。家族で与えた量をそろえます。
- 嘔吐や下痢の繰り返し、むせ込み、ぐったり、歯が欠けたときは、早めに動物病院へ。
📚 参考にした情報
- 環境省|飼い主のためのペットフード・ガイドライン(全体版PDF)
間食はごほうびとして限られた量を与えるもので1日必要カロリーの20%以内、与えた分フードを減らす。離乳期は生後約20〜60日、約50〜60日から普通食へ。子犬は4回程度に分ける。人の食事や味の強いおやつがフードに飽きる原因になりうることを確認した。 - MSDマニュアル(獣医学)|Feeding Practices in Small Animals
おやつは1日の総カロリーの10%未満で、ほとんどのおやつは完全でバランスがとれていないという記載を確認した。 - ASPCA|Sharing is Caring: Foods You Can Safely Share with Your Pet
スナックは1日カロリーの5%以内とする記載を確認した。 - VCA Animal Hospitals|How To Choose Puppy Treats
子犬のおやつは低カロリー・小さく・やわらかいものが使いやすく、人の食べ物を避け、骨・ローハイドなど非常にかたいものは歯が折れるおそれがあるため避けること、デンタルおやつはパッケージの上限を守ることを確認した。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。獣医師ではありません。くわしくは編集方針をご覧ください。


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