ラーメンのスープを少しなめさせたい、味噌汁の具だけならいいのでは、という相談はとても多いものです。結論から言うと、ラーメンのスープや味噌汁は、犬には与えない(×)のが基本です。人の汁物は塩分が高く、さらにねぎ・玉ねぎ・にんにくなどのネギ類が入っていることが多いため、少量でも問題になることがあるからです。



気になるところは、目次からすぐに飛べるよ!


この記事は獣医師ではない犬好きの運営者が、環境省のガイドライン、獣医師が執筆・監修しているPETOKOTOとわんちゃんホンポの記事などを読み比べてまとめたものです。
全体の塩分の考え方は犬の塩分の摂りすぎの記事に書いています。ここでは、ラーメンと味噌汁という具体的な食べ物に絞って整理します。食べてしまったときの判断は、動物病院に任せてください。
ラーメン・味噌汁の可否と早見表
| 食べ物 | 可否 | 主な理由 |
|---|---|---|
| ラーメンのスープ | × | 塩分・脂質が多い。ねぎ・にんにくのエキスの心配 |
| 味噌汁(汁) | × | 塩分。薄めても飲む量が増えれば塩分も増える |
| 味噌汁のねぎ・玉ねぎ・ニラ | ×(絶対NG) | 赤血球を壊して貧血を起こす中毒 |
| ラーメンの麺(スープなし) | △ | ゆでて水洗いした麺を少量なら(詳しくは別記事) |
| チャーシュー・メンマ・煮卵の味付き具材 | × | 塩分・脂質・香辛料 |
| 少しなめた程度 | — | すぐに重い症状が出る可能性は高くないが、ねぎ類の有無を確認 |
ほかの食べ物の可否は犬が食べていいもの・ダメなもの早見表も見てください。
💡 なぜラーメンや味噌汁はダメなのか
理由1:人の汁物は塩分が多すぎる
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」は、犬が1日に摂る食塩の量は人間の3分の1程度でよいといわれており、人が普通に食べている惣菜やハム、ソーセージなどを与えると、知らない間に塩分が過剰になり、心臓や腎臓に負担をかけると説明しています。同じ資料の「塩分を多く含む食品の例」には、味噌汁も挙げられています(人が1日に食べる量を基にした摂取塩分量で1.1〜2.0gの区分)。
獣医師が執筆するPETOKOTOの記事は、味噌は塩分を多く含む食品で、豆みそ100gあたりのナトリウムは4,300mgと示しています(文部科学省の食品成分データベースの値で、味噌汁そのものの数値ではありません)。間違って少しなめた程度なら血圧の急な変化を心配する必要はないとされていますが、日常的に与えると塩中毒の危険があり、血液中のカリウム濃度が高い状態が続くと心疾患や心不全につながるおそれがあるとも説明されています。
獣医師監修のわんちゃんホンポの記事も、「味噌汁は与えない」が基本としています。薄めても、飲む量が増えれば塩分の摂取量も増える可能性があるためです。
ナトリウムの摂りすぎは、口の渇き、嘔吐、下痢につながることがあるとされています。
ラーメンのスープも同じ理由で避けるべきで、スープの味を濃くするために使われる塩やしょうゆ、味噌、調味料に加え、豚骨や背脂のスープでは脂質も多くなります。脂質が多い食事は膵炎が心配です。
理由2:ネギ類は加熱しても、スープに溶けても危険
味噌汁にもラーメンにも、ねぎや玉ねぎ、ニラ、にんにくが使われることがよくあります。
わんちゃんホンポのネギ類の記事(獣医師監修)によると、ネギ類に含まれる有機硫黄化合物が犬の赤血球にダメージを与え、溶血性貧血を起こすとされています。この成分は加熱や乾燥、粉末化をしても分解されません。
ネギを使った味噌汁、すき焼きの汁、コンソメスープなど人用の料理も危険で、乾燥フレークや粉末スープ、ドレッシングなどの加工食品は成分が濃縮されているため、少量でも中毒のおそれがあるとされています。
食べてから6〜24時間ほどで嘔吐や下痢が出ることが多く、重症では1〜5日後に貧血の兆候が出ることがあると、同記事は説明しています。詳しくは犬の玉ねぎ中毒を見てください。
PETOKOTOの味噌汁の記事も、玉ねぎ、長ねぎ、ニラは犬が口にすると中毒を起こす危険な食材としています。ラーメンのスープには、具としてのねぎだけでなく、にんにくや玉ねぎのエキスが使われていることもあります。
理由3:具材にも落とし穴
- チャーシュー・煮卵・メンマ:しょうゆなどの味付けで塩分が高く、チャーシューは脂質も多い食べ物です。
- 油揚げ・豚汁の具:油や、ごぼう・ねぎなどが入っていることがあります。
- のり:ミネラルが多く、尿路結石との関係が指摘されています(犬に海苔・わかめ・昆布は食べていい?)。
- 香辛料:ラー油、唐辛子、胡椒などは胃腸を刺激します。わんちゃんホンポも、味噌ラーメンなどの味噌料理は塩分・脂質が多く、ネギ類や香辛料が使われることがあるとしています。
麺や具だけならどうする?
ラーメンの麺は小麦が原料で、ゆでただけの麺であれば、少量を与えることは可能とされます。ただし、お店のラーメンの麺はスープをまとっているため、塩分が付いています。
どうしても与えたい場合は、スープが付く前の麺を、ゆでて水で洗い、短く切って、ごく少量にとどめます。詳しい考え方は犬にうどん・そうめん・パスタは食べていい?で解説しています。
味噌汁については、わんちゃんホンポの記事が、健康な成犬が風味づけ程度の少量を口にするのは大きな問題にならないとしつつ、栄養目的で積極的に与える必要はなく、「与えない」か「風味づけ程度」にとどめるよう述べています。
だし入り味噌や即席の味噌は避け、ネギ類に触れた汁や器具にも注意が必要とされています。実際のところ、人の味噌汁をあげない、という選択が一番簡単で安全です。
⚠️ 注意が必要な犬・ケース


- 腎臓病・心臓病・高血圧が疑われる犬、シニア犬:塩分とカリウムの影響を受けやすく、少量でも与えません。
- 超小型犬・子犬:体重が軽いほど塩分の影響を受けやすいとされています。
- 大豆アレルギーの既往がある犬:PETOKOTOは、味噌は発酵の過程でアレルゲンの多くが分解されるものの、大豆アレルギーの既往がある犬が口にした場合は獣医師に相談するよう勧めています。
- 膵炎の経験がある犬、脂質制限が必要な犬:こってりしたスープは避けます。
🍖 食べてしまったときの目安


スープや汁を少しなめた程度で、ねぎ類が入っていないことが確認できれば、すぐに重い症状が出る可能性は高くないと考えられます。ただし様子をよく見てください。次のような場合は、動物病院へ連絡して指示を仰ぎましょう。
- ねぎ・玉ねぎ・ニラ・にんにくが入っていた、またはエキスが使われていた可能性がある(症状がなくても相談を。わんちゃんホンポも、食べた可能性があれば直ちに連絡することを推奨しています)
- 水をやたらほしがる、落ち着きがない、嘔吐や下痢がある
- ぐったりしている、呼吸が早い、ふらつく、歯ぐきや舌が白っぽい
- 赤茶色〜濃い茶色のおしっこが出ている
- 汁を大量に飲んだ、またはどんぶり一杯を食べてしまった
わんちゃんホンポのネギ類の記事は、自宅で塩やオイルを使って吐かせることは危険なので行わないよう強く警告しています。相談の際は、食べたもの、具材、量、時間と、犬の体重・様子を伝えてください。ラーメンの店名や商品の原材料がわかれば、あわせて控えておきましょう。
よくある質問


- 汁を水で薄めたら、飲ませても大丈夫ですか?
-
薄めても、ねぎ類のエキスや塩分は残ります。わんちゃんホンポの記事も、薄めても飲む量が増えれば塩分が増える可能性があるとして、味噌汁は与えない考え方を示しています。
- 犬用の「味噌汁風」「ラーメン風」のフードならいいですか?
-
犬用に作られた商品は、塩分やネギ類を避けて作られています。原材料の表示と給与量を確認し、おやつ全体で1日に必要なカロリーの10〜20%以内(10%は獣医師執筆メディア、20%は環境省の例)を超えないようにしてください。
- カップラーメンの麺やスープ、袋麺の粉末スープはどうですか?
-
粉末スープは塩分や調味料が濃縮されており、ねぎ類のパウダーが使われていることもあります。麺にも調味料が含まれることがあるため、与えないでください。袋や容器を舐めた場合は、動物病院に原材料を伝えて相談しましょう。
まとめ
- ラーメンのスープ、味噌汁は犬に与えない(×)。塩分が多く、ねぎ類の中毒のおそれがある。
- ねぎ・玉ねぎ・ニラ・にんにくは、加熱しても、スープに溶けても危険。食べた可能性があれば症状がなくても動物病院へ相談。
- 少しなめた程度なら重症化の可能性は高くないが、具材と体調をよく確認する。
- 麺だけを与えるなら、スープが付く前に取り分け、ゆでて水洗いし、短く切って少量に。
- 腎臓・心臓の持病がある犬、シニア犬、超小型犬は特に避ける。
- 自宅で塩やオイルを使って吐かせない。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



コメント