今回は、愛犬がごはんを食べているときに手を出すと唸られたり噛まれそうになる問題についてお話ししましょう。ごはんの時間が楽しくなる犬のしつけ方法をご紹介します。
・食事中の心理
・食事の注意点
・人が手を出したときに噛んだり唸ったりする理由と対策
昔は「飼い主が先に食べる」考え方があったのか?


昔、わんちゃんとの食事は「飼い主が先に食べ、わんちゃんはその後に」という考え方が一般的でした。これは、犬が群れの中で食べる順番が厳格に決まっているオオカミの習性に由来しています。そのため、飼い主が食べることで、家族の中での序列をわかりやすくしようという考え方でした。
また、昔のわんちゃんは番犬として飼われ、人の食事の残り物を食べていたこともありました。しかし、時代が進むにつれて、わんちゃんは家族の一員として扱われ、飼い主との関係が変わってきたのです。
わんちゃんの食事中の心理


犬が咥えているものは犬のもの
犬は口にしたものを自分のものと認識します。食べ物は犬にとって重要な物であり、それを奪おうとする行為は犬にとっては理不尽で無礼なものとなります。
犬の執着を引き起こす危険性
個体差によっては食べ物に執着のない子もいますが、執着のある子に対してからかうことは避けるべきです。無知な飼い主が冗談のつもりで行う構いは、犬にとってはストレスや不安を引き起こし、食べ物への執着を増大させる可能性があります。
古い考え方
古い専門家が「犬に主従関係を叩き込むために食べているものを奪い取り、ボスを分からせましょう」と言うことがありますが、これはやめておくべきです。このような行為は犬にとっては理解できず、余計なストレスをかけてしまいます。
フードアグレッションを引き起こす可能性
食べ物を奪おうとすると、犬にフードアグレッション(食べ物に対する攻撃的な行動)を引き起こす危険性があります。また、食事中に近づく者全てに対して咬みつくようになる可能性も考えられます。
人もわんちゃんも、「これだけは譲れない!」というものがありますよね。愛犬たちも同様で、「これだけは守りたい!」というものが生活の中に存在しています。ごはんは生きるためにとても大切なもので、特に食いしん坊のわんちゃんは食事に執着が強くなりがちです。
食事の注意点!


人間の食べ物を上げるのはNG!
人の食べ物はわんちゃんには合わないことがあります。また、おすそ分けの習慣が盗み食いの誘因になることも。注意しましょう!
外食でのマナーを守ろう!
外食時はわんちゃんも一緒に楽しむことが増えましたが、要求吠えや興奮には気をつけて、マナーを守りましょう。
「まて」「よし」は控えめに!
食いしん坊なわんちゃんには、早食いを防ぐために道具などを使って食事を楽しませると良いですね。
人が手を出したときに噛んだり唸ったりする理由と対策


愛犬が手を出されると唸ったり噛んだりする理由はいくつかあります。例えば、犬種によって物欲が強い傾向があったり、子犬のころに病気をした経験があったり、手に対して警戒心がある場合があります。これらは本能的な行動であり、理解してあげることが大切です。
食事をあたえる場所や食器を変える
毎日違う場所や新しい食器を使うことで、わんちゃんが食事に執着しすぎないようにしましょう。
食事に対する執着をなくす練習をする
新しい食器を使って、「よし」という声かけと共に、手でごはんを入れてみるレッスンを行います。これにより、手に対する警戒心が薄れていきます。
与えるおやつを見直す
大きすぎるおやつを与えないようにし、食べ物を取り上げる経験を減らすことで、手や人に対する警戒心を軽減します。
子どものいる家庭は特に注意。専門家に相談すべきサイン
フードアグレッション(食べ物に対する攻撃的な行動)は、単なる「困った癖」では済まないことがあります。犬の尖った歯で本気噛みされると、縫合が必要になるほどの大ケガにつながる可能性があり、特に子どものいる家庭では要注意です。子どもは犬の食事中に無邪気に近づいてしまうことが多く、思わぬ事故につながりやすいため、食事中は子どもを犬に近づけないルールを徹底しましょう。
以下のような様子が見られる場合は、飼い主だけで対処しようとせず、早めにドッグトレーナーや行動診療の専門家に相談することをおすすめします。
- 唸るだけでなく、実際に歯を当てる・咬みつく行動が見られる
- 食事中以外の場面でも、物を守るために攻撃的になることが増えてきた
- 自己流の対処を試しても改善せず、むしろ悪化している
無理に近づいたり取り上げたりする自己流のトレーニングは、かえって症状を悪化させることがあります。安全を最優先に、専門家の力を借りることも大切な選択肢です。
まとめ


犬が食事中に構われることは、彼らにとってはいじめと同じような気持ちにさせること。可愛いからといって、無理に食べ物を奪ったりからかったりすることは絶対にやめてください。犬との共生は理解と尊重が基本です。
時代とともに変わるわんちゃんとの関係性。食事の順番よりも、お互いが心地よく過ごせる大切なポイントです。これからもわんちゃんとのコミュニケーションを大切にし、楽しい食事の時間を共有していきましょうね!
よくある質問
Q. 保護犬を迎えたばかりで、食事中にすごく唸ります。どうすればいいですか?
A. 保護犬は過去の食糧不足の経験からフードアグレッションが出やすい傾向があります。無理に距離を詰めず、まずは犬が安心して食事できる環境(静かな場所、決まった時間)を整え、焦らず信頼関係を築くことを優先しましょう。改善しない場合は専門家に相談してください。
Q. 多頭飼いだと、食事中の唸りが起きやすいですか?
A. はい、多頭飼いでは他の犬に食べ物を取られる不安から、食事中の唸りや威嚇が起きやすくなります。食器を離す、別々の部屋で食べさせるなど、それぞれが安心して食事できる環境を作ることが効果的です。
Q. 子犬のうちから食事中に構っておけば、将来のフードアグレッションを防げますか?
A. 頻繁に食べ物を取り上げる「構い」はむしろ逆効果になることがあります。それよりも、食事中に飼い主が近づくと良いことが起きる(おやつを追加してもらえるなど)とポジティブに学習させる方法が効果的とされています。
専門家に確認しました
身内のドッグトレーナーに確認したところ、「食事中に手を出して大丈夫か試す飼い主さんが多いが、これは犬にとってストレステストになってしまう」とのことでした。信頼関係は食事以外の遊びやお世話の時間でコツコツ築くのが近道だとアドバイスをもらいました。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。


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