ミニチュア・シュナウザーってどんな犬？性格としつけ方

ミニチュア・シュナウザーとは、そのボリューミーなおひげが特徴的な犬種です。この犬種はユニークな性格と外見で、犬の愛好家に人気があります。ここでは、ミニチュア・シュナウザーの歴史、性格、寿命、被毛・毛色、病気について説明します。

ミニチュア・シュナウザーってどんな犬種？

ミニチュア・シュナウザーは、一般的に日本では「シュナウザー」といえば、この犬種を指すことが多いです。名前に「ミニチュア」と付く通り、スタンダードサイズのシュナウザーも存在しますが、ミニチュア・シュナウザーが一般的であり、街中でよく見かけます。この犬種はそのアイコニックな外見で一目でわかり、他の犬種とは異なる魅力を持っています。

大きさ

ミニチュア・シュナウザーは、オスとメスともに体高が約30～35cm、体重は約4～8kgほどの小型犬です。彼らは体高と体長がほぼ等しいスクエア形の体型を持ち、頑丈な体つきをしています。

毛色

ミニチュア・シュナウザーの被毛は、彼らを特徴づける要素の一つです。彼らはダブルコートを持っており、柔らかいアンダーコートと硬いオーバーコートがあります。一般的にダブルコートを持つ犬種は換毛期に多くの抜け毛を生じますが、ミニチュア・シュナウザーは比較的抜け毛が少ないのが特徴です。

被毛はブラッシングが欠かせません。抜けない毛は長くなり続けるため、毛玉にならないように注意が必要です。ミニチュア・シュナウザーのオーバーコートは針金のように固く、細かいカールした毛を持つ個体もいます。毛色として公認されているものは「ソルト＆ペッパー」、「ブラック＆シルバー」、「ホワイト」、および「ブラック」の4つです。最も一般的なのは「ソルト＆ペッパー」で、白と黒の毛が混ざり合い、下毛がグレー色である必要があります。他の毛色についても、それぞれの特徴があります。

ミニチュア・シュナウザーのかかりやすい病気・ケガ

食物アレルギー

食物アレルギーは、ミニチュア・シュナウザーが特定の食べ物に反応することで引き起こされます。主な症状はかゆみで、皮膚がかゆくなったり、耳や肢の付け根で皮膚炎が起こることがあります。アレルギーの原因となる食べ物は様々で、牛肉、鶏肉、小麦、卵、大豆、乳製品などが挙げられます。

洞不全症候群

洞不全症候群は、ミニチュア・シュナウザーの心臓に関連する問題です。心臓は正常に拍動するために電気信号が必要ですが、この症候群では電気的な信号がうまくいかず、心臓のリズムが乱れることがあります。これが起こると、犬は失神などの症状を示すことがあります。

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢内に過剰な粘液がたまる病気です。この粘液がたまりすぎると、胆嚢が破裂する可能性があります。症状には元気がなくなり、嘔吐、腹痛が含まれます。

胆石症

胆石症は、胆嚢内に胆石（小さな石のようなもの）ができる病気です。これが胆管に詰まると、食欲不振、嘔吐、腹痛、黄疸（皮膚や白目が黄色くなる）などの症状が現れます。

白内障

白内障は、ミニチュア・シュナウザーの目の問題です。水晶体が白く濁り、視力が低下します。このため、犬はものにつまずいたり、散歩を嫌がったりすることがあります。白内障は年をとるにつれて起こりやすくなります。

乾性角結膜炎

乾性角結膜炎は、ミニチュア・シュナウザーの目に関するもう一つの問題です。涙の量が不足し、目が乾燥します。この状態では、目が痛むことがあり、ドロドロとした目やにが出ることがあります。これは遺伝的な要因に関係している可能性があります。

尿石症

尿石症は、尿の中に結石ができる問題です。これらの結石が膀胱炎を引き起こすことがあります。症状には血尿、頻尿、排尿困難が含まれます。ミニチュア・シュナウザーの雄では、シュウ酸カルシウムと尿酸塩の結石がよく見られます。ストラバイト、シスチン、尿酸塩は内科的に溶かすことができる場合がありますが、シュウ酸カルシウムの結石は通常摘出が必要です。

高脂血症

高脂血症は、中性脂肪やコレステロールが血液中で増加する状態です。ミニチュア・シュナウザーでは、原発性の高脂血症がよく見られます。これは根本的な治療法がないため、食事療法などが重要です。

フォンビレブランド病

フォンビレブランド病は、遺伝的な止血異常を引き起こす疾患です。

特徴

ミニチュアシュナウザーは、まゆ毛やひげのような特徴的な顔面部の毛と、がっしりとした正方形の体格が特徴です。ジャパンケネルクラブ（JKC）の犬種標準では、「小さいことが不利とならないようにスタンダードシュナウザーを縮小したような外貌」とされています。長い間、断尾や断耳を行うことがありましたが、最近ではこれらの処置を行わない個体が増え、本来おだやかで闘争心の少ない性格が評価されています。

寿命

ミニチュアシュナウザーの平均寿命は約12歳から15歳です。これは、人間で言うと50代後半から80歳前後に相当します。彼らは成犬に成長するのが早く、8ヶ月から10ヶ月ほどで成犬の体格に達します。

寿命に大きな差はありませんが、メス犬は生後5～6ヶ月で初めての発情期を迎えます。ミニチュアシュナウザーは小型犬であるため、性成熟も早いです。

最高齢記録として、18歳のミニチュアシュナウザーがギネス記録に挑戦しています。しかし、老化に伴い活動量が減少し、足腰が弱くなることがあります。老年期には休息を大切にしましょう。

ミニチュア・シュナウザーの性格

ミニチュアシュナウザーは陽気で活発な性格を持つ小型犬です。以下にその性格の特徴を紹介します。

従順で学習能力が高い

しつけがしやすく、吠え癖や噛み癖、トイレのしつけも効果的に行えます。

愛情深い

家族との絆を大切にし、飼い主に対して忠実で愛情深いです。

好奇心旺盛

好奇心が旺盛で、物事に興味津々です。新しい経験を楽しむことが好きです。

警戒心がある

見知らぬ人や状況に対して警戒心を持ち、家族を守る姿勢があります。

ミニチュアシュナウザーは賢く、飼い主との信頼関係を築きながら積極的にしつけを行うことが大切です。怒るよりもポジティブな強化を使ったしつけが効果的です。また、社会化期には多くの人や他の犬と触れ合わせ、さまざまな経験をさせましょう。

ミニチュア・シュナウザーの歴史

ミニチュアシュナウザーはドイツが原産国の小型犬で、もともと中型犬のシュナウザーから派生しました。その名前はドイツ語で「シュナウツ（口ひげ）」に由来し、特徴的なあごひげのある顔つきから名付けられました。

シュナウザーは、農場や家庭で使役犬として利用され、主に害虫駆除や番犬として活躍していました。シュナウザーはその頭の良さ、勇気、忠誠心から一般の家庭で非常に人気がありました。

ミニチュアシュナウザーは、シュナウザーを小型化して改良した犬種です。1899年のドッグショーで初めて公式に紹介され、公認犬種となりました。ミニチュアシュナウザーはシュナウザーの特徴を受け継ぎつつ、小型犬として可愛らしい姿勢を持っています。

ミニチュアシュナウザーは現在でも飼い主に忠実で活発な性格を持ち、家庭犬として親しまれています。その陽気で好奇心旺盛な性格は、多くの飼い主に愛されています。

ミニチュア・シュナウザーの飼い方

しつけ

ミニチュア・シュナウザーは活発で勇敢、かつ警戒心が強い性格を持っています。一部の個体は攻撃的になることがありますが、従順であり、適切なしつけを行うことで吠え癖などの問題行動は予防できるとされています。信頼関係を築くことが大切で、日常のふれあいを通じて飼い主との絆を強化しましょう。

食事

ミニチュアシュナウザーは太りやすい犬種です。食事の管理が必要です。1歳頃の体重が成犬の平均体重とされており、肥満は健康問題を引き起こすことがあります。食事量を調整しましょう。

運動・ストレス

ミニチュア・シュナウザーは好奇心旺盛で繊細な一面も持っており、不安を感じると吠えたりうなったりすることがあります。ストレスの原因としては、運動不足も挙げられます。1日2回、30分ずつのお散歩が必要で、飼い主は常に平常心で接するようにしましょう。

お手入れ

毛質はダブルコートなので、週に数回のコーミングやブラッシングが必要です。トリミングも重要で、毛の手入れ方法にはクリッピングとストリッピングがあります。

ミニチュア・シュナウザーの買い方と価格

ミニチュア・シュナウザーの価格相場

ミニチュア・シュナウザーを迎えるための初期費用は、ペットショップやブリーダーによって異なりますが、おおよそ30万円から40万円程度です。年間の飼育費用は約33万円とされており、病気やケガの際には追加の医療費がかかることを考慮する必要があります。

まとめ

ミニチュアシュナウザーは小さいけれど、明るくて賢い犬種です。飼い主と楽しい生活を送るために、愛情としつけ、運動、社会化が必要です。

ミニチュア・シュナウザーはその可愛らしい外見だけでなく、活発で明るい性格を持つ犬種です。彼らはいつも家族を楽しませてくれるでしょう。彼らのデリケートな皮膚を適切にケアし、病気予防に努力することで、幸せな共同生活を楽しむことができます。ミニチュア・シュナウザーを家族に迎えると、あなたの生活に活気と愛情をもたらしてくれることでしょう。