地震や台風などの災害に備えて、愛犬のための防災グッズや備蓄をそろえておきたい。でも、「何をどこまでそろえればいいの?」「お金はどれくらいかかる?」と迷う方は多いと思います。結論から言うと、犬の防災備蓄は普段使っているフードやシーツを少し多めに持つ「ローリングストック」の考え方で、無理なく始められます。高価な防災セットを一度に買わなくても、優先順位をつければ、費用を抑えながら備えられます。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。


この記事では、自治体や東京都が公表している備蓄の目安と、ペットフード協会の調査などの数字をもとに、費用の見通しを整理します。特定の防災グッズの商品をすすめるものではありません。
避難方法やしつけの詳細は、犬のための防災対策|地震・台風に備える防災グッズと避難時のしつけで解説しています。
🍖 備蓄の目安は「フードと水を5日分以上」


環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」にもとづき、多くの自治体が、ペットのフードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上を備蓄するよう案内しています。秋田市の公式ページでも、この目安が紹介されています。
東京都も2025年2月に公表したアンケート結果の中で、指定避難所などにペット用の救援物資が届くまで時間がかかることがあるため、少なくとも5日分(できれば7日分以上)を持ち出せるように用意しておく、と説明しています。
同じ東京都のアンケート(ペットを飼っている78人が回答)では、実際の準備状況は次のとおりでした。
- ペット用のフードや水の備蓄:57.7%
- ケージやキャリーバッグ:53.8%
- ペットシーツや猫砂などトイレ用品の備蓄:41.0%
- 特に準備していない:24.4%
回答者が少ない調査ですが、「備蓄をしている人でも、トイレ用品までそろっている人は半数以下」ということがうかがえます。
備える物を優先順位で整理する
秋田市の公式ページでは、ペットの備蓄品が優先順位別に整理されています。費用を考える前に、まず何が必要かを確認しましょう。
優先順位1:健康や命に関わるもの
- 療法食、薬(必要な場合)
- フードと水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)
- キャリーバッグ、クレート、ケージ
- 予備の首輪とリード
- ペットシーツ、排泄物の処理用具
- 食器
優先順位2:情報
- 飼い主と緊急連絡先、預け先などの情報
- ペットの写真(スマートフォンに保存)
- ワクチンの接種状況、既往歴、投薬情報
- 愛犬手帳
優先順位3:あると便利なもの
タオル、ブラシ、ウェットタオル、ビニール袋、おもちゃなどです。また、徒歩で避難する場合に備えて、犬用の靴下やバンテージ(がれきによるけが防止)も挙げられています。
首輪と迷子札、鑑札と狂犬病予防注射済票、マイクロチップの登録なども、所有者を明示するために大切です。マイクロチップは犬のマイクロチップ完全ガイドをご覧ください。
療法食や薬が必要な犬は、備蓄量や保管の方法をかかりつけの獣医師に相談してください。
💰 備蓄にかかる費用の目安


費用は、普段の買い物の延長でどこまでまかなえるかによって変わります。
フード代
ペットフード協会の「令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査」では、市販の主食用ドッグフードの1か月の支出は、平均4,646円、中央値3,000円です。
これを30日で割ると、1日あたり約100円〜155円(私の単純計算)なので、7日分でおよそ700円〜1,100円が目安です。普段のフードを1週間分ほど多めに買い置きするだけなので、追加の負担は小さく済みます。
用品代
アットホームが2022年に公開した解説による目安は、サークル・ケージが5,000円程度から10万円以上、食器が500円〜3,000円ほど、リードが1,500円〜3,000円ほど、使い捨てのトイレシーツが1枚100円程度です。すでに家にあるクレートやリードを避難用にも使えば、新たに買う必要はありません。
これらを私が単純に足し合わせると、フード7日分(約700円)、予備のリード(約1,500円)、食器(約500円)、持ち運べるキャリー(約5,000円)で低めに見積もって約8,000円前後です。シーツや水、情報をまとめるファイル類などを加え、犬の大きさに合うキャリーを選ぶと、実際には1万円台から数万円になることもあります。
無理なく続ける3つの工夫
1. ローリングストックで買い置きを回す
普段のフードを、いつもより1袋多く買っておき、古いものから使って、使った分を買い足す方法です。賞味期限切れの無駄を防げます。保存の仕方は、袋を開けたあとの扱いも含めて確認しておきましょう。
2. 水に慣らしておく
秋田市の案内では、備蓄の水(ペットボトル)に慣れさせておくこと、マグネシウムやカルシウムを多く含む硬水は犬や猫の飲み水に向いていないことが紹介されています。普段から試しておくと、避難時に飲まないという事態を減らせます。
3. 家庭の防災用品に「ペット枠」を足す
人用の非常用持ち出し袋と一緒に、ペット用の袋を作り、年に1〜2回、中身と賞味期限を点検します。点検の日を決めておくと、続けやすくなります。たとえば、犬の誕生日や、フードの買い替えの時期に合わせると、忘れにくくなります。
💰 忘れがちな費用|預け先、多頭飼いの場合


秋田市の案内では、避難所では飼い主とペットが同室では避難できず、ペットは指定されたスペースで飼い主が世話をすることになっています。
また、多頭飼育の場合、同行避難できる頭数に限りがあるため、平常時から考えておく必要があると指摘されています。親戚や友人など、複数の一時預け先を探しておくことも勧められています。
多頭飼いでは、備蓄の量も頭数分増えます。費用の増え方の目安は犬の多頭飼いの費用は何倍?1頭との違いと家計の考え方で整理しています。
よくある質問
- 備蓄は最低どれくらいの量から始めればよいですか?
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まずは5日分のフードと、トイレ用品、予備のリードを目標にするとよいでしょう。慣れてきたら、7日分以上を目指して少しずつ増やします。
- 防災グッズをまとめた専用セットを買うべきですか?
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必須ではありません。家にあるものを活用し、足りないものだけを買い足す方法でも十分に備えられます。セットを買う場合も、中身が愛犬の大きさや体質に合っているかを確認してください。
- 費用を抑えるために、人間用の備蓄食をあげてもよいですか?
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人用の食品は、犬に適さない食材や塩分が含まれていることがあります。普段食べ慣れているフードを備蓄するのが基本です。
まとめ
- ペットのフードと水は、少なくとも5日分、できれば7日分以上が自治体や東京都の案内する目安。
- 主食用フードの月の支出(平均4,646円・中央値3,000円)から、7日分は約700円〜1,100円と試算できる。
- 優先順位1(フード、水、キャリー、リード、トイレ用品など)から順にそろえ、低めに見積もれば約1万円前後から始められる。
- ローリングストックで買い置きを回し、年に1〜2回は中身と賞味期限を点検する。
- 避難所での生活や預け先、多頭飼いの場合の頭数の制限なども、事前に考えておく。
避難所の対応や備蓄の目安は、お住まいの自治体によって異なる場合があります。最新の情報は、自治体の公式サイトでご確認ください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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