保護犬を家族に迎えたいと考えたとき、「譲渡費用はいくら?」「無料でもらえるの?」「迎えたあとにどんなお金がかかるの?」と気になる方は多いはずです。結論として、自治体の施設から譲渡を受ける場合は0円から1万円台程度の手数料が目立ちますが、地域や団体によって条件は大きく違います。また、譲渡費用が安くても、迎えたあとの医療費や用品代は他の犬と同じようにかかります。



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この記事では、環境省がまとめた手数料の一覧と、自治体の公式ページに書かれている譲渡の条件をもとに、保護犬を迎えるときの費用の考え方を整理します。個別の保護団体や譲渡会をすすめるものではありません。
💰 自治体の施設から譲渡を受ける場合の費用
環境省が「犬・猫の引取り等手数料及び不妊・去勢手術助成金」として、令和7年3月31日現在の自治体ごとの手数料を一覧にしています。この表には、犬の「譲渡手数料」の欄があります。
読み取れる範囲では、北海道、札幌市、岩手県、宮城県、仙台市、青森市、八戸市などが0円となっている一方、青森県のように3,000円としている自治体もあります。
実際に自治体の公式ページで確認できた例は次のとおりです。
- 長野県動物愛護センター:犬1頭につき13,000円。県内の保健福祉事務所で引き取った犬は、譲渡前に不妊・去勢手術、病気等の検査、ワクチン接種、マイクロチップの装着を済ませたうえで譲渡する、と案内されています。
- 福島県:犬1頭につき4,000円(県の収入証紙で納付)。不妊・去勢手術については、譲り受けた人が受けさせられることが条件に挙げられています。
同じ「自治体の譲渡」でも、手数料に含まれる内容(手術やワクチンが済んでいるかどうか)が違うことがわかります。金額だけでなく、何が含まれているかを確認することが大切です。
譲渡の条件とあわせて必要になる「時間」
自治体の譲渡には、費用以外にもいくつかの条件があります。公式ページに書かれていた内容を整理します。
- 成人であること(長野県は県内在住の18歳以上)
- 家族全員の賛成があること(長野県、福島県)
- 終生飼養できること(長野県、福島県)
- 集合住宅や借家の場合は、動物の飼育が禁止されていないこと(長野県では管理者の同意書が必要)
- 飼い方についての講習を受けること(長野県は飼い方教室とパピー教室、福島県は譲渡前講習、山梨県は犬の譲渡前講習会)
- 一人暮らし、または60歳以上のみの世帯の場合は、60歳未満の支援者を決めておくこと(福島県)
- 譲渡後に、誓約書や報告書を提出すること
山梨県の犬の譲渡前講習会は、無料で、事前の電話申し込みが必要とされています。講習の日程が決まっているため、平日に参加できるか、遠方から通えるかも、事前に確認しておきたいところです。
✅ 民間の保護団体から迎える場合の費用
民間の保護団体や個人ボランティアが譲渡する場合は、団体ごとに費用の考え方が違います。保護した犬の医療費(ワクチン、不妊去勢手術、検査など)や預かり中の飼育費の一部を、譲渡費用や協力金として負担してもらう団体もあります。
ただし、公的な統一の基準はなく、金額はまちまちです。私が調べた範囲では、全国的な相場を示した信頼できる統計は見つかりませんでした。
団体を選ぶときは、次の点を確認すると安心です。
- 譲渡費用に何が含まれているか(ワクチン、不妊去勢手術、マイクロチップ、検査、駆虫など)
- 費用の内訳や使い道が説明されているか
- 犬の健康状態や性格、過去の情報を、わかる範囲で正直に開示してもらえるか
- 譲渡後の相談窓口や、トライアル期間(お試し期間)があるか
- 飼えなくなった場合の対応
説明に不安を感じたら、その場で決めず、いったん持ち帰って家族と相談してください。
💰 迎えたあとにかかる費用の目安


譲渡費用が安く見えても、迎えたあとに次のような費用がかかります。手続きや用品の基本は犬を迎える初期費用はいくら?手続き・病院・用品の目安を整理で紹介しています。
譲渡時に済んでいない処置の費用
日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査」(令和3年実施、令和5年9月公表)では、麻酔料を除いた不妊・去勢手術の料金が次のように分布しています。
- 犬の去勢手術:15,000円〜20,000円未満が26.1%、20,000円〜25,000円未満が22.3%
- 犬の避妊手術(卵巣子宮切除):30,000円〜40,000円未満が31.0%、25,000円〜30,000円未満が25.3%
麻酔料は別にかかります。体重によって料金が違う病院もあり、事前に見積もりを取ることが大切です。
健康診断とワクチン
保護犬は過去の健康情報がわからないことがあります。迎えたあと、早めに動物病院で健康診断を受けておくと安心です。
調査では1日ドックの料金の中央値が16,250円、混合ワクチンは5,000円〜10,000円未満の施設が多くを占めました。詳しい時期は犬のワクチン完全ガイドを参考にしてください。
マイクロチップの登録情報の変更も必要になる場合があります(犬のマイクロチップ完全ガイド)。
保険や、将来の医療費
ペット保険は、年齢や既往症によって加入できない、または条件が変わることがあります。保護犬の場合、正確な年齢や生い立ちがわからないこともあるため、加入前に条件を確認してください。保険の見方はペット保険は必要?入る前に知りたい考え方と比べる視点で整理しています。
💰 費用面で後悔しないための準備
保護犬を迎える場合も、費用の準備は他の犬と同じです。譲渡の申し込みをする前に、次の3点を確認しておくと安心です。
- 譲渡費用と、迎えた直後の医療費を合わせた額を、すぐ用意できるか。
- 毎月の支出(フード、予防、消耗品)を、犬の大きさに合わせて見積もれているか。
- 病気やけがが分かったときに、治療を続けられる貯金や保険の見通しがあるか。
保護犬は、年齢や性格、健康状態に個体差が大きく、迎えてみて初めてわかることも多くあります。費用に余裕をもって準備しておくことが、犬にも飼い主さんにも安心につながります。
よくある質問


- 保護犬は無料でもらえますか?
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自治体によっては譲渡手数料が0円のところもありますが、講習の受講や、不妊・去勢手術、ワクチン、マイクロチップなどの費用が別にかかる場合があります。無料かどうかだけでなく、迎えたあとの総額で考えるのが現実的です。
- 保護犬のほうが医療費は高くなりますか?
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一概にはいえません。年齢や過去の生活環境がわからないことがあり、迎えた直後に検査や治療が必要になる場合もあれば、すぐに問題なく暮らせる場合もあります。生涯費用の目安は、同じカテゴリの「犬の生涯費用はいくら?」で紹介しています。
- 一人暮らしでも保護犬を迎えられますか?
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自治体や団体によって条件が違います。福島県のように、一人暮らしの場合は60歳未満の支援者を決めることを条件にしているところもあります。条件は必ず公式ページや担当窓口で確認してください。
まとめ


- 環境省の一覧では、自治体の犬の譲渡手数料は0円から数千円の例があり、長野県13,000円、福島県4,000円など自治体で差がある。
- 手数料に、手術・ワクチン・マイクロチップなどが含まれているかを確認する。
- 譲渡には講習の受講や家族の同意など、費用以外の条件がある。
- 民間団体の費用は統一基準がなく、内訳の説明をよく聞く。
- 迎えたあとの医療費や用品代は、他の犬と同様に必要。総額で考える。
条件や金額は変わることがあります。必ず、各自治体や団体の最新の案内でご確認ください。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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