犬に嫌われない触り方の基本は、ゆっくり近づいて、まず犬のほうから寄ってくるかを確かめ、肩・胸・首のつけ根などをやさしくなでることです。数回なでたら手を止めて、犬が自分から体を寄せてくるなら続け、離れる・顔をそむけるなら、そこでやめます。



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反対に、寝ているとき・食事中・急な接触、頭の上や足先、しっぽ、口まわりなどの敏感な場所は、嫌がる犬が多いところです。
うなる・身をこわばらせるなどの「やめて」のサインを無視して触り続けると、噛みつきにつながるおそれもあります。この記事では、触り方の手順から、場所、やめどき、急に触られるのを嫌がるようになったときの考え方までを整理します。
運営者は獣医師ではなく、行動の専門家でもありません。一般的な情報としてお読みください。
・犬に嫌われない触り方の手順(「触っていい?」の確かめ方)
・触って喜ばれやすい場所・嫌がられやすい場所
・触ってはいけない場面と、「やめて」のサイン
・急に触られるのを嫌がるようになったときの考え方
クレジット
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🔧 犬に嫌われない触り方の手順|「触っていい?」を確かめる
犬は、触られることが好きな子もいれば、あまり得意でない子もいます。「触ってもいいか」を犬に決めてもらうつもりで、次の順で進めましょう。
- ゆっくり近づく:急に手を伸ばしたり、上から覆いかぶさったりしない。横から、体を低くして近づく
- においを嗅がせる:手を低めに差し出し、犬が嗅ぎに来るか、距離を取るかを見る。犬から寄ってきたら次へ
- 手の動きを見せながら触る:顔の真上からではなく、あごの下や胸、肩など、犬の目に入る位置からそっと触れる
- 2〜3回なでて、手を止める:犬が体を寄せる、手に鼻を押しつけるなら「もっと」の合図。離れる・顔をそむけるなら、そこで終了
- 短く切り上げる:最初は数十秒〜数分で十分。犬がもっとほしがるうちに終える
- おやつやほめ言葉と組み合わせる:触られるのが苦手な子には、触る→おやつ、のセットで良い印象をつくる
手の動きは、毛の流れに沿った、ゆっくりとしたなで方が基本です。速く強いなで方は、犬を興奮させすぎたり、不快にさせたりすることがあります。


犬が触られて喜びやすい場所・嫌がりやすい場所
一般に、肩・胸・首のつけ根は触られるのを好む犬が多いと言われます。あごの下や、しっぽのつけ根が好きな子もいます。一方で、頭の上、鼻先や口まわり、耳、足先、しっぽの先のほうなど、体の先端は嫌がる犬が多いとされています。
自治体の動物愛護センターの案内でも、嫌がる部位は個体差が大きいこと、おやつと組み合わせて慣らす方法があることが紹介されています。
| 分類 | 場所の例 |
|---|---|
| 好まれやすい | 肩、胸、首のつけ根、あごの下、背中。しっぽのつけ根が好きな子もいる |
| 個体差が大きい | 耳(なでられると気持ちよさそうな子もいる)、お腹(犬から見せてきたときだけ)、頬 |
| 嫌がりやすい | 頭の上、鼻先・口まわり・口の中、目のまわり、足先、しっぽ(先のほう)、耳の内側 |
体の先端は神経が集まりやすく、触れられると敏感に感じる犬が多いとされます。犬が避けたり、手を引っこめるような動きをしたら、その部位は苦手だと考えましょう。無意識に触り続けると、犬のストレスの原因になります。
お腹を見せているからといって、触ってほしいとは限りません。犬が自分から転がって見せてきたときだけ、短くやさしくなでて、反応を見てください。
⚠️ 触ってはいけない場面と、やりがちなNGな接し方
触らないほうがよい場面
- ごはんを食べているとき:食べ物を取られないよう、うなったり威嚇したりする犬がいます。食事中は触らず、そっとしておきましょう
- 寝ているとき:突然触ると驚いて反射的に噛むことがあります。起こす必要があるときは、名前を呼ぶなど、先に音で気づかせます
- トイレのとき:落ち着いて済ませたい場面です。見つめたり触ったりせず、終わってからほめます
- 何かに夢中になっているとき・興奮しているとき:集中しているときに触ると、驚いたり嫌がったりします
- 体調が悪そうなとき:後述するように、痛みが隠れていることがあります
やりがちなNGな接し方
- 正面から近づく・じっと見つめる:犬の世界では、真正面から見つめるのは緊張を高める行動になりがちです。斜めから近づき、視線は外し気味に
- 急に手を出す・上から触る:頭の真上から手を出すと、威圧感を与えることがあります
- 抱っこやハグ:足が床から離れるのが不安な犬もいます。抱くときは、横から胸の下に手を入れて支え、もう一方の手で体を支えて安定させます
- 大きな声でしかる・怒鳴る:犬は驚きや恐怖を感じます。穏やかな声で接するほうが、信頼関係を築きやすくなります
- 強い香り:犬は人よりも嗅覚がずっと鋭いと言われます。香水や柔軟剤、タバコのにおいが強いと、不快に感じる犬もいます。触る前に、においの強いものは控えめにしておくと安心です
引っぱりっこなどの遊びでも、いつも人間が勝ってしまうと、犬が達成感を得にくくなります。ときどきは犬に「勝たせる」ことで、遊びの満足度が上がります。


「触らないで」のサイン|犬のボディランゲージの見方
犬は言葉の代わりに、体の動きで「やめてほしい」を伝えています。
ASPCA(米国動物虐待防止協会)の資料などでも、触れられるのを避けようとする様子として、体を低くしてそむける、しっぽを下げる、耳を後ろに倒す、体をこわばらせる、白目が見えるといったサインが挙げられています。
次のような様子が見えたら、いったん手を止めて距離をとってあげましょう。
初期のサイン(まだ余裕がある)
- 顔をそむける、目をそらす、その場を離れようとする
- あくびをする、鼻や口のまわりをなめる
- 特に痒くないのに体をかく
- 足を片方持ち上げる
強まったサイン(早めにやめる)
- 耳が後ろに倒れる、しっぽが下がる、体を低くして固まる
- 白目が見える
- 手を見つめる、手をなめる(やめてほしいという合図のことがある)
- 低くうなる、歯を見せる、噛もうとする
しっぽを振っていても、必ずしも喜んでいるとは限りません。小さく速い振り方や、体が固いときは緊張のサインのこともあります。耳の向き、体の力み、目の動きを含めて、全身で判断しましょう。
噛みつきを防ぐ考え方は、犬の噛みつきから守る対処法と予防策も参考にしてください。
💡 触られるのを嫌がる理由|急に嫌がるようになったら
触られるのを嫌がる背景には、いくつかの理由が考えられます。
- 痛みや体の不調:関節や皮膚、歯、お腹などに痛みがあると、その近くを触られるのを嫌がります。高齢の犬では特に多いと言われます
- 過去の嫌な経験:以前に痛い思いや怖い思いをした部位や場面を、触られると思い出して緊張することがあります
- 慣れていない・社会化の不足:子犬期にさまざまな人や触られ方に慣れる機会が少なかった場合、触れられること自体に不安を感じやすくなります
- 環境のストレス:落ち着けない場所や、知らない人・音が多い場面では、普段は平気でも嫌がることがあります
こんな変化があれば動物病院へ
これまで平気だったのに、特定の場所を触ると嫌がる・鳴く・うなるようになった場合は、痛みが隠れている可能性もあります。次のような様子があれば、動物病院に相談してください。
- 触ると鳴く、体をびくっとさせる
- 足を引きずる、歩き方がおかしい、立ち上がるのをためらう
- 食欲や元気がない
- 皮膚に腫れ・できもの・赤みがある
- 抱っこや持ち上げを急に嫌がる
受診の際は、「いつから」「どこを触ると」「どんな反応をするか」をメモしておくと、説明しやすくなります。高齢で変化が出てきたと感じたときは老犬介護完全ガイドも参考にしてください。
✂️ 苦手な部位に少しずつ慣らす練習|お手入れにもつながる
触られるのを嫌がる部位を、無理に克服させる必要はありません。ただ、足先や口まわり、耳などは、爪切り・歯磨き・耳のチェックなど、将来のお手入れで触る場面がどうしても出てきます。そのため、おやつを使って、短い時間から少しずつ慣らしておくと、あとが楽になります。
- 犬が落ち着いている、リラックスしたタイミングを選ぶ
- 苦手な部位に手を近づけただけで、おやつをあげる
- ほんの1秒触れて、すぐにおやつをあげる
- 触れる時間を、少しずつ延ばす
- 嫌がる様子(サイン)が出たら、前の段階に戻る
練習は1回数分以内で、犬が楽しいうちに終えます。歯磨きの慣らし方は犬が歯磨きを嫌がる原因と慣らし方、耳のケアは子犬の耳掃除はいつから?で紹介しています。
身内のペットトリマーも、トリミング中に足先や耳を嫌がる子は多いが、無理に押さえつけず休憩を挟みながら慣らすのが結局は一番早いと話していたとのことです(本文末の専門家コメント参照)。
知らない犬や子どもが触るときのルール
咬傷事故の多くは、知らない犬を触ろうとした場面で起きるとも言われます。外出先やお子さんには、次のルールを伝えておきましょう。
- 飼い主さんが一緒にいる犬でも、必ず先に「触ってもいいですか?」と確認する
- 正面からではなく横から、体を低くしてゆっくり近づく
- 顔を犬の顔に近づけたり、じっと目を見つめたりしない
- リードなしで近づいてくる知らない犬には、目を合わせず、腕を組んでその場でじっとしている
- 寝ている犬、食事中の犬には近づかない
子犬のうちから触られることに慣らしたい方は、子犬のしつけ完全ガイドの社会化の項目も参考になります。
よくある質問
- 触られるのが嫌いな犬は、一生慣れませんか?
-
犬の性格や過去の経験で個体差があります。無理に触らず、おやつを使って「触られるといいことがある」と少しずつ結びつけると、慣れてくる犬もいます。痛みが原因の場合は、まず原因を確認するのが先です。焦らず、犬のペースに合わせましょう。
- 家族の中で、特定の人だけ触らせてくれません。
-
相手との関係や、触り方・声の大きさ・においなどが影響することがあります。その人がおやつを与える役から始めて、犬のほうから近づいてくるのを待つ方法があります。急に触らず、犬に選ばせる形にしましょう。
- 寝ている犬を触っても大丈夫ですか?
-
突然触ると、驚いて反射的に噛んでしまうことがあります。特に子どもには「寝ている犬はそっとしておく」ことを教えておくと安心です。起こす必要があるときは、名前を呼ぶなど、音で先に気づかせましょう。
- しっぽを振っているのに、手を引っこめるのはなぜ?
-
しっぽを振っていても、必ず喜んでいるとは限りません。小さく速く振っていたり、体が硬かったりするときは、緊張しているサインのこともあります。耳の向き、体の力み、目の動きをあわせて観察してください。
まとめ|触る前に「いい?」と犬に聞く気持ちで
- ゆっくり近づき、においを嗅がせ、犬から寄ってくるのを待つ
- 2〜3回なでて手を止め、犬が体を寄せるなら続け、離れるならやめる
- 肩・胸・首のつけ根は好まれやすい。頭の上、口まわり、足先、しっぽは嫌がる子が多い
- 食事中・寝ているとき・トイレ中・夢中のときは触らない
- 顔をそむける、あくび、白目、うなりは「やめて」のサイン。うなりを叱らない
- 急に嫌がるようになったら、痛みの可能性があるので動物病院へ
触り方は、犬との信頼関係をつくる大切なコミュニケーションです。「この子はどう感じているか」を毎回確かめながら、犬のペースに合わせて接してあげてください。
専門家に確認しました
身内のペットトリマーに確認したところ、「トリミング中に足先や耳を嫌がる子は多いが、無理に押さえつけず、休憩を挟みながら少しずつ慣らすのが結局は一番早い」とのことでした。触られることへの苦手意識は、焦らず時間をかけてケアすることが大切だと聞いています。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。



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