赤くて甘い香りのいちごは、人が食べているとつい分けてあげたくなる果物です。犬に与えてよいかというと、ヘタを取って洗い、少量にとどめるなら与えられる果物(◯)とされています。一方で、いちごジャム、いちごチョコ、いちご大福など「いちごを使った加工品」には注意が必要です。
この記事では、獣医師監修のAll About、米国のAKC(ケネルクラブ)、環境省のガイドラインを参考に、ヘタ・量・加工品・食べすぎたときの目安を整理します。運営者は獣医師ではないため、持病や食事制限のある子は、かかりつけの獣医師に確認してください。
いちごの可否と与え方のポイント
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 可否 | ◯ 少量なら与えてよい |
| ヘタ・葉 | 取り除く(毒性は発表されていないが、食べにくく胃腸の負担になりうる) |
| 切り方 | 小さく切る、つぶすなどして丸のみを避ける |
| 加工品 | ジャム・チョコ・大福・市販ヨーグルトなどは避ける |
| 注意点 | 糖分、ほかのバラ科の果物で調子を崩しやすい子、腸の弱い子 |
ヘタは食べても大丈夫?取る理由と、いちごの成分の話
All Aboutの解説(獣医師・丸田香緒里さん監修)では、いちごのヘタについて、成分や毒性は現時点で発表されていないものの、食べにくいため取り除いてから与えるよう勧められています。AKCも、茎や葉は毒性があるわけではないが、おなかの不調につながることがあるとして、取り除くことを勧めています。
「毒ではないなら、うっかり食べても大丈夫」と考えがちですが、そもそもヘタを食べる必然性はありません。取る手間はごくわずかなので、最初から外してしまうのが無難です。表面はよく洗っておきましょう。農薬などが気になるため、水でしっかり洗い流すことは、AKCの解説でも大切な手順として挙げられています。
栄養は期待しすぎない
All Aboutによると、いちごには水分が約90%含まれ、ビタミンCやアントシアニンも含まれます。ただし、同じ解説は、これらの健康効果を明確に示す研究はないとも述べています。犬は体内でビタミンCを作れるため、いちごで補うことが必須というわけでもありません。AKCも、いちごを低カロリーなおやつで、食物繊維やビタミンCなどを含むと紹介しつつ、あくまで適量のおやつという位置づけです。
キシリトールは気にしなくていい?
気にする飼い主さんが多い「キシリトール」については、All Aboutが、いちごにも含まれるものの果物そのものに含まれる量はごく微量で、気にしなくてよいと説明しています。一方で、キシリトール入りのガムなどの食品は別物で、犬にとっては重大な中毒リスクがあります。商品を選ぶときは成分表示をよく確認してください。
量の目安と与え方の工夫
グラム数での決まりは、確認できた出典にはありません。考え方としては、環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」が、間食は1日に必要なカロリーの20%以内に抑えることが大切としています。AKCは10%以内を目安として挙げ、いちごについては「1日1〜3粒程度から始めるのが妥当なことが多く、小型犬はもっと少なく」という例を示しています。体格やふだんの食事で変わるため、あくまで一例として受け取ってください。
- 初めての日は、ほんの一口だけにして様子を見る
- 小さく切る、フォークでつぶす(小型犬は特に)
- 冷凍した小さなかけらは、暑い季節のおやつにもなる(AKCの紹介)
- 与えた日は、そのぶんフードを少し減らす
いちごの糖分が気になる子、肥満気味の子は、頻度も控えめにしましょう。毎日の習慣にせず、「ときどきのごほうび」くらいがちょうどよい位置づけです。ほかのおやつやトッピングも与えている日は、いちごを含めた全体でカロリーを考え、フードの量を調整してください。環境省のガイドラインも、おやつを与えた分はフードを減らすなどの注意が必要としています。
いちごを使った加工品は何がだめ?
生のいちごが大丈夫でも、加工品は別問題です。All Aboutでは、次のように説明されています。
- いちごジャム:糖分が多く、肥満の原因になりうる。レモン由来のソラレンによって、嘔吐・下痢・皮膚炎が起こる可能性があるとして避けるのが安心。
- いちごチョコレート:テオブロミン中毒の危険があるため与えない。ピンク色のホワイトチョコなどに関する情報もあるが、安全は保証されない。
- いちご大福:餅による窒息の危険と糖分の多さから避ける。
- 市販のいちごヨーグルト:砂糖や香料が多く、キシリトール入りは与えてはいけない。無糖のプレーンヨーグルトに刻んだ生のいちごを少し混ぜる程度なら可能。
- ケーキのいちご:ナパージュ(つや出し)、チョコ、リキュールが付いたものは与えない。
AKCも、缶詰やシロップ漬け、味付きのいちご製品は、砂糖や保存料、キシリトールが入っていることがあるため避けるよう述べています。人用に味付けされたものは基本的に与えないと覚えておくと迷いません。
注意が必要な犬と、食べすぎたとき
次のような犬は、与える前に獣医師へ相談しましょう。
- 糖尿病、肥満、胃腸が弱い、下痢をしやすい
- 腎臓や心臓などで食事に制限がある
- 子犬(胃腸が未熟で、食べ慣れていないものは少量から)、シニア犬
- りんご、桃、梨など同じバラ科の果物で調子を崩したことがある(All Aboutは、いちごも避けるのが無難としています)
AKCは、いちごを多く食べすぎると軟便や下痢につながること、アレルギー反応はまれだがかゆみ、腫れ、消化器の変化として現れうることを挙げています。食べすぎてしまったら、まず水を飲ませ、嘔吐・下痢が続く、ぐったりしている、顔が腫れる、呼吸が苦しそうといった様子があれば、すぐ動物病院に連絡してください。ヘタをたくさん食べた場合や、チョコレートが付いたものを食べた場合は、症状がなくても電話で相談しておくと安心です。
よくある質問
Q. いちごの種は食べても平気?
表面のつぶつぶについて、犬に有害だとする記述は確認した出典にはありませんでした。ただし、小さく切ってつぶせば食べやすくなるため、小型犬ではそのほうが安心です。
Q. 冷凍いちごはそのまま与えてもいい?
AKCは、小さく切った冷凍いちごを暑い季節のおやつとして紹介しています。丸ごとの冷凍いちごは硬く、のどに詰まるおそれがあるので、小さく刻んでから与えましょう。
Q. 子犬にあげてもいい?
月齢の基準は、確認できた出典にはありませんでした。まずは子犬用フードを中心にし、与える場合も数ミリ角の小さな一片にとどめ、獣医師に聞いてからにしてください。同じバラ科のりんごを子犬に与える時期の記事も参考になります。
まとめ
- いちごはヘタを取って洗い、少量なら与えてよい(◯)
- キシリトールは果物そのものの量なら心配はいらないとされるが、キシリトール入り製品は別物
- 間食は1日のカロリーの一部まで(環境省は20%以内、AKCは10%以内の目安)
- ジャム・チョコ・大福・市販ヨーグルトなどの加工品は避ける
- 他のバラ科の果物で調子を崩す子、糖分に注意が必要な子は、先に獣医師へ相談する
- 他の果物との違いは犬が食べていいもの・ダメなもの早見表で確認できる。みかんの記事も合わせてどうぞ
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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