多頭飼いで気になるのが、留守番中のこと。2頭一緒にしておいて本当に大丈夫なのか、ケンカにならないか。トイレの失敗は誰がしたのかわからなくなるし、どう対策すればいいのか……。



ひとつずつ、やさしく整理していくね。


この記事では、犬のトレーナーや獣医師による解説を読み比べて、多頭飼いの留守番とトイレについて、考え方と具体的な工夫をまとめます。結論から言うと、最初は「分けて留守番」が基本で、2頭の相性が確かめられたら、短い時間から少しずつ一緒に過ごす時間を延ばしていくのが安心です。
🏠 留守番は「まず分ける」が基本
認定ドッグトレーナーのキャシー・マドソン氏は、獣医情報サイト「Preventive Vet」の記事で、人がいる間に2頭が十分にくつろいで過ごせることを確認してから、留守番中に一緒にするよう述べています。人がいるときは問題がなくても、人がいないときは見守る目がありません。
特に子犬と先住犬の組み合わせでは、同記事は、留守中は子犬を専用のスペースに入れておくことで、先住犬が子犬から離れて休めるようにするとよいと紹介しています。獣医師の片川優子氏も、現代ビジネスの記事で、子犬と先住犬の運動量に差があると先住犬が休めずに体調を崩すことがあるので、先住犬専用の休める場所を確保し、留守中は子犬をケージに入れるなどの配慮を勧めています。
分け方には、次のような選択肢があります。
- それぞれ別のクレートやケージに入れる
- サークルで区切って、隣り合わせにする(姿は見えて、触れ合えない)
- ベビーゲートや扉で別の部屋にする
隣り合わせにすれば、気配を感じながらも安全を保てるので、「寂しがらせたくない」という気持ちとも両立しやすい方法です。
🏠 一緒に留守番させてよいかの目安


次のような点を確認してから、短い時間で試すのがおすすめです。1つでも当てはまるなら、分けて留守番にしましょう。
| 分けて留守番にしたい状態 | 理由 |
|---|---|
| 迎えて間もなく、2頭の関係ができていない | 人がいない間にトラブルが起きても止められない |
| 過去にケンカや、本気の唸りがあった | 留守中の興奮が火種になりやすい |
| 食べ物・おもちゃ・寝床を守る行動がある | Preventive Vetでは、守る行動のある犬は、トレーナーの指導で改善するまで他の犬と留守番させないよう述べています |
| 子犬と、休みたいシニア犬の組み合わせ | 先住犬が休めなくなる |
| 片方が体調不良・ケガ・手術後 | ちょっとした接触でも悪化のおそれがある |
守る行動については、多頭飼いのごはん・おもちゃの取り合いで詳しく説明しています。
🏠 2頭で留守番させるときの環境づくり
相性が確かめられ、一緒に留守番をさせる場合の工夫を、Preventive Vetの記事を参考に整理します。
- 短い時間から始める:最初は数分の外出から試し、問題行動やストレスのサインがなければ、少しずつ時間を延ばします。
- 休める場所を複数用意する:ベッドを複数置いておくと、互いに距離を取りやすくなり、場所の取り合いも起きにくくなります。
- おもちゃは安全なものを、同じ種類で複数:食べ物や、取り合いになりやすいガム類は出しっぱなしにしません。
- 首輪やハーネスは外す:留守中に首輪やタグがもう1頭や家具に引っかかる事故を防ぐためです。同記事は、外れやすい首輪を使う方法にも触れています。
- 窓や玄関まわりに近づけないようにする:外の人や物音に2頭で吠え続けると、興奮がお互いに向かうことがあるためです。
- カメラで様子を確かめる:同記事は、外出中の様子をカメラで確認する方法を挙げています。ただしカメラは「見るための道具」で、トラブルを止めてはくれません。映像で問題が見つかったら、分けて留守番に戻しましょう。
問題行動(破壊、吠え、守る行動の増加)が見られたら、再び分けるようにし、必要に応じて資格を持つトレーナーに相談するよう、同記事は勧めています。
🏠 「2頭いれば留守番は平気」とは限らない
「ひとりで留守番させるのがかわいそうだから、もう1頭」という考えもありますが、効果は犬によって違います。
動物行動を専門とする獣医師のウェイラニ・スン氏は、2頭目が不安の強い犬を落ち着かせたり、分離の苦痛を減らしたりすることがあると述べています。
一方、ヴェットストリートの記事は、分離不安がある犬は、もう1頭迎えても改善しないことが多いため、先に獣医師や認定トレーナーに相談するよう述べています。
留守番の時間そのものも見直しましょう。年齢ごとの留守番時間の目安は犬の留守番は何時間まで平気?で整理しています。分離不安が疑われる場合は、犬の分離不安症完全ガイドが参考になります。
多頭飼いのトイレの工夫


トイレは「犬の数」以上に、場所も分ける
犬がトイレを選ぶ理由は、においや場所、トイレの状態などさまざまです。多頭飼いでは、トイレを2頭で共有していると、一方が使いたがらなくなったり、混雑して失敗したりすることがあります。トイレトレーまたはシーツを、頭数分以上用意し、離れた位置に置いてみてください。
子犬は先住犬の「まね」をする
エランコ社のサイトでは、子犬は、先住犬が外に出るタイミングに合わせて出ることで、トイレを覚えやすいと紹介されています。一方でスン氏は、先住犬の飛びつきなどの困った癖も、新入り犬が真似するおそれがあると注意しています。
先住犬のトイレのしつけが安定しているかは、2頭目を迎える前に見直しておきたいポイントです。
失敗の「誰が」を見分ける工夫
失敗があったとき、どちらがしたのかわからないと、対策が立てられません。留守番中を分けていれば、どちらのスペースの失敗か判断できます。
見守れる時間帯は、トイレに行く前後の様子(そわそわ、床のにおいを嗅ぐ)を観察して、食後や寝起きなどの決まった時間に連れて行くようにしましょう。失敗を見つけても叱らず、静かに片付けます。
においが残ると繰り返しやすいため、しっかり掃除してください。
長い留守番のときの工夫
ドッグトレーナーのパット・ミラー氏(Whole Dog Journal、2002年の記事)は、成犬が8時間以上我慢するのは長すぎるとして、室内用のトイレ(人工の粒状トイレや、芝を使った屋外型のトイレ)を使う方法を紹介しています。
ただし古い記事で、商品の状況は変わっている可能性があります。長時間の留守番が避けられない場合は、ペットシッターや家族への依頼も含めて検討してください。
トイレの失敗が急に増えたら
これまで問題なかった成犬が失敗を繰り返す場合は、環境の変化によるストレスのほか、体調の変化が隠れていることもあります。多飲多尿、血尿、排尿のときの痛がる様子などがあれば、早めに動物病院へ相談してください。
原因と対策は成犬になってからトイレを失敗するようになった原因と対策もご覧ください。
よくある質問


- 夜はどうしたらいいですか?
-
夜間は、飼い主が寝ていて見守れないため、留守番と同じ考え方で、最初は別々のクレートやサークルで寝かせるのが安心です。2頭が落ち着いてきたら、近くに並べて置くなど、少しずつ距離を縮めていきます。
- 子犬と先住犬は、いつから一緒に留守番できますか?
-
「何か月たったら」という決まりはありません。人がいる間に2頭が十分にくつろげていること、守る行動やケンカがないこと、先住犬が子犬を受け入れていることが前提です。そのうえで、数分の外出から試し、様子を見ながら延ばします。不安が残るうちは、子犬は専用のスペースで過ごさせましょう。
- 留守番中に2頭がケンカするのが心配です。
-
心配が強いなら、分けて留守番にしておくのが確実です。人がいる間に唸りや取り合いが見られる組み合わせは、特に分けておきましょう。
まとめ
- 留守番は、相性が確かめられるまで「分ける」のが基本。子犬と先住犬は特に慎重に
- 一緒に留守番させる場合は、短い時間から、休める場所と同じおもちゃを複数用意する
- 首輪を外す、窓まわりを遮る、カメラで確認するなど、事故を防ぐ工夫を
- 2頭目を迎えても、分離不安が解決するとは限らない
- トイレは頭数以上に、場所も分ける。失敗は叱らず、急に増えたら体調も確認する
この記事は一般的な情報をまとめたもので、個々の犬の診断や治療に代わるものではありません。
この記事の執筆者
ルーク隊長(犬のまとめ 運営者)
子どもの頃から20年以上、犬との暮らしを続けている犬好き。身内にペットトリマー・ドッグトレーナーがおり、日常的に多くの犬と接する環境にある。

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