🐕 同じサイズ(大型・超大型犬)のほかの犬種
ワイマラナーは、銀色がかった灰色の短い毛と、琥珀色のやさしい目が印象的な大型の猟犬です。英語では「グレイ・ゴースト(灰色の幽霊)」とも呼ばれます。落ち着いた雰囲気に見えますが、本来は野山や水辺を一日中動き回るために作られた犬種で、運動量は非常に多く、人と離れることが苦手な傾向があります。



迷ったら、最後のまとめを見てね。ポイントをまとめてあるよ。
- 運動量が非常に多く、人と離れるのが苦手な大型猟犬
- FCI標準で体重はオス約30〜40kg、メス約25〜35kg
- 分離不安への備えが最大のテーマ


見た目の優雅さだけで選ぶと、日々の暮らしとのギャップに苦労しやすい犬種です。ここでは、国際畜犬連盟(FCI)の犬種標準や、犬種に詳しい団体・動物病院の公開情報をもとに、大きさ・性格・寿命・運動量・留守番・かかりやすい病気・向いている人まで順番に整理します。
📏 ワイマラナーの基本データ|大きさ・体重・寿命の目安
要点|体高と体重はFCI標準の数値で、寿命は10〜12歳程度(資料により10〜14年)と幅があります。
FCIの標準では、ワイマラナーは「中型から大型の猟犬」とされています。体高はオスで59〜70cm、メスで57〜65cm、体重はオスが約30〜40kg、メスが約25〜35kgです。
ラブラドール・レトリーバーよりもすらりとして脚が長く、一般的な大型犬と同じく、成犬になれば人間の大人に近い力と存在感があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 英語表記 | Weimaraner(ワイマラナー・ポインティング・ドッグ) |
| 原産国 | ドイツ |
| グループ・用途 | FCI・JKCとも第7グループ(ポインター・セター)/万能の猟犬 |
| 体高 | オス59〜70cm、メス57〜65cm(FCI標準) |
| 体重 | オス約30〜40kg、メス約25〜35kg(FCI標準) |
| 寿命の目安 | 10〜12歳程度(ロイヤルカナン)。資料により10〜14年と幅がある |
| 被毛 | ショートヘア(短毛)が一般的。ロングヘア(長毛)もまれにいる |
| 毛色 | シルバー、ノロジカ色(ロー)、マウスグレーと、その濃淡 |
| 性格の傾向 | 忠実で賢く、嗅覚がすぐれている。人と離れるのが苦手 |
寿命は、ロイヤルカナンが10〜12歳としており、そのほかの解説では10〜14年程度と、情報源により幅があります。大型犬としては標準的ですが、胃や関節のトラブル、肥満などで大きく左右されると言われます。
日本の保険会社の統計でワイマラナー単独の寿命が公表されている例は多くないため、「目安」として受け取ってください。
被毛は短毛が主流ですが、FCIの標準には長毛のタイプも記載されています。毛色はシルバー・ノロジカ色(赤みを帯びたグレー)・マウスグレーの濃淡で、胸や指先の小さな白斑は認められます。
青みのあるグレー(ブルー)は標準では欠点とされ、いわゆる「ブルーワイマラナー」を売りにする情報もありますが、標準にかなう色ではない点には注意が必要です。
📜 ワイマラナーの歴史|ワイマール宮廷で愛された万能猟犬
要点|ワイマール宮廷で飼われた万能猟犬で、体力や嗅覚、人と協力する力にすぐれます。
FCIの標準によると、ワイマラナーの起源には多くの説があります。確かなのは、昔の猟犬「ライム・ハウンド」の血を多く引く犬が、19世紀の前半にはドイツ中部のワイマール宮廷で飼われていたことです。
19世紀の中ごろには、ワイマールやテューリンゲン周辺のプロのハンターや猟場管理人たちが、主に繁殖を担っていたと記されています。


その後、ライム・ハウンドが姿を消していくなかで、「ヒューナーフント」と呼ばれる猟犬との交配が行われ、1890年ごろから計画的な繁殖と血統登録が始まりました。20世紀に入るころには長毛の個体も現れ、血統登録後は他の犬種との交配が少なく、およそ100年にわたって純血が守られてきたことから、ドイツで最も古いポインティング犬種のひとつと考えられています。


「ポインティング」とは、獲物を見つけると立ち止まって方向を示す猟の方法のことです。ワイマラナーは、陸だけでなく水辺でも獲物を探し、撃たれたあとの回収まで担う万能な猟犬として育てられました。そのため、体力、持久力、嗅覚、そして人と協力する力にすぐれています。


🐾 ワイマラナーの性格|忠実で賢いが、孤独が苦手
要点|忠実で賢く家族とのつながりが強い反面、家に誰もいない時間が長いと不安になりやすいです。
FCIの標準では、気質は「多才で、訓練しやすく、落ち着きがあり、情熱的な猟犬。粘り強く探すが、活発すぎない。嗅覚が抜群で、よい番犬になるが攻撃的ではない」と説明されています。
ロイヤルカナンでも、落ち着いていて、忠実で、見知らぬ人に警戒心を持つ番犬向きの性格と紹介されています。
人と一緒に作業することを前提に作られたため、家族とのつながりがとても強い犬種です。いつも誰かのそばにいたがり、「影のようについて回る」と表現されることもあります。
この性質は魅力であると同時に、家に誰もいない時間が長いと不安になりやすい、という課題にもつながります。


成長期(思春期)の付き合い方
海外の犬種解説では、生後6か月から2歳ごろまでの思春期は、エネルギーが有り余り、頑固さや反抗が出やすい時期と言われます。この時期に運動と学びの機会が足りないと、物を壊す、穴を掘る、家具をかじるといった行動が増えがちです。
子犬の頃から、運動と頭を使う遊びをセットで用意しておきましょう。


小動物や猫との相性
猟犬としての性質から、小動物を追いかける本能(獲物への興味)が強く出る個体がいます。猫や小型犬、ウサギなどと暮らす場合は、子犬の頃から慣らし、普段は目を離さないなどの配慮が必要です。


🏃 運動量と散歩の目安|1日1〜2時間以上の運動が前提
要点|他の大型犬と比べても運動量は多い部類で、不足すると問題行動につながりやすいです。
ワイマラナーに必要な運動量は、他の大型犬と比べても多い部類です。「毎日1時間程度」と説明する資料もあれば、走る、泳ぐ、ハイキングなど、より長い時間を前提とする資料もあります。
共通しているのは、運動が足りないと落ち着きをなくし、ストレスから問題行動につながりやすい点です。年齢・体調・季節により必要量は変わるため、あくまで目安として、愛犬の様子を見て調整してください。


- 散歩:朝晩の2回、1回30〜60分以上を基本に、速足や軽いジョグを取り入れる
- 広い場所での運動:安全に囲われたドッグランや、リードを延ばせる公園で走らせる
- 頭を使う遊び:においを探す遊び、持ってこい、基本のトレーニングの復習
- 水遊び:水が得意な犬種。ただし、水温や体調に注意する
成長期の子犬は、骨や関節がまだ未発達です。長距離のランニングや、ジャンプを繰り返す運動は控えめにし、成犬になってから徐々に運動量を増やしましょう。また、食事の直前・直後の激しい運動は避けます。


集合住宅での飼育を考える場合は、運動の確保に加え、吠え声や足音などの騒音対策も必要です。海外の犬種解説でも、庭のある家庭が向くとされており、住環境は慎重に検討しましょう。


🎓 留守番としつけ|分離不安への備えが最大のテーマ
要点|クレートの日課化や短時間からの練習など、落ち着いて過ごせる習慣づくりが基本です。
ワイマラナーで特によく話題になるのが、分離不安です。米国のワイマラナークラブの資料では、分離不安がこの犬種によく見られる問題として挙げられ、原因は遺伝・育ち方・退屈・ストレスなど複数あるとされています。
そして、原因を探すより、落ち着いて過ごせる習慣を作ることが大切だと説明されています。
- クレートを日課にする:留守のときだけでなく、在宅中にも使い、安心できる居場所にする(犬のクレートトレーニング完全ガイド)
- 出かける前に運動:留守番の前に十分に体と頭を使わせると、落ち着きやすい
- 別れ・再会を大げさにしない:出発時も帰宅時も、淡々と接する
- 短い時間から練習:1分、5分、15分と少しずつ延ばす


留守中に破壊行動、吠え、よだれ、嘔吐や下痢などが続く場合は、分離不安の可能性があります。叱るのではなく、動物病院や行動に詳しいトレーナーに相談しましょう。詳しい考え方は犬の分離不安症完全ガイドにもまとめています。


しつけの基本
賢く、学ぶことが好きなので、基本の指示(おすわり、待て、呼び戻し)は覚えが早い犬種です。ただし、独立心があり、気が向かないと頑固になる面もあります。
ごほうびを使った短い練習を毎日続け、力で押さえつけない指導が向いています。社会化は、子犬の時期に人・犬・音・場所に慣らすことが欠かせません。


✂️ 被毛・お手入れ|短毛だけど抜け毛はある
要点|短毛で手間は少なめですが、週1〜2回のブラッシングが目安で、寒さには弱い傾向です。
短毛のワイマラナーは、お手入れの手間は少なめです。FCIの標準でも、短毛タイプは下毛がほとんどないか、あっても非常に少ないとされています。週に1〜2回のブラッシングで抜け毛を取り、汚れたときだけシャンプーする程度で十分です。


- ブラッシング:ゴム製のブラシやグローブで週1〜2回。長毛タイプはもう少し頻繁に
- 寒さ・暑さ対策:下毛が少ないため、寒さには弱い傾向。冬は服や暖房で調整し、夏は涼しい時間帯に運動を
- 垂れ耳のケア:週1回、におい・赤み・耳垢を確認する
- 爪切り・歯みがき:運動量が多くても爪は伸びるため、月1〜2回確認。歯みがきは毎日が理想


📏 かかりやすい病気と食事の考え方|胃のトラブルと体重管理
要点|胃拡張・胃捻転など緊急性の高い状態に注意し、気になる様子があれば動物病院へ。
ワイマラナーのかかりやすい病気について、日本語の公的な統計は少ないため、海外の犬種解説や動物病院の情報から、知られている主なものをまとめます。いずれも「必ず起きる」わけではありませんが、知っておくと早く異変に気づけます。
気になる様子があれば、自己判断せず動物病院に相談してください。
- 胃拡張・胃捻転:胸の深い大型犬で知られる緊急性の高い状態。お腹が急に張る、吐きそうで吐けない、ぐったりしているときは、すぐに受診を
- 股関節形成不全:成長期の体重管理と運動管理が大切とされます
- 甲状腺や心臓の病気:海外の解説では、検査しておきたい遺伝性疾患として挙げられています
- 尿路結石:体質(高尿酸尿症)が関係する場合があると紹介されています(犬の尿路結石完全ガイド)
- 目の病気:まぶたの異常(内反・外反)や角膜の病気などが挙げられています
- けが:活動的なため、骨折や切り傷、誤飲による手術なども起こりえます


日常でできる予防
- 食事は1日2回以上に分け、早食いしにくい工夫をする
- 食事の前後1時間程度は安静にする
- 肥満を避ける。体重が増えると、股関節や膝への負担が大きくなる
- 年1回以上の健康診断を受け、シニアになったら半年に1回を目安に


食事と体重管理
運動量の多い犬種ですが、運動量に合わせて食べさせすぎると太ってしまいます。年齢に合った大型犬向けの総合栄養食を基本に、体型を見ながら量を調整します。
肋骨に軽く触れられ、横から見てお腹が引き締まっていれば、適正に近い状態です。量の見方は犬のフードの量はどれくらい?が参考になります。


✅ 向いている人・向いていない人|お迎え前のチェックリスト
要点|毎日1〜2時間の運動と、犬と過ごす時間を確保できるかが大切な条件です。
向いている人
- 毎日1〜2時間、犬と一緒に体を動かす時間を確保できる人
- 在宅時間が長く、犬と過ごす時間を確保できる人
- ドッグスポーツやアウトドアなど、犬と活動的な趣味がある人
- 犬の行動について学び、必要ならトレーナーの力を借りられる人
向いていないかもしれない人
- 留守が長く、犬が1日の多くをひとりで過ごす生活の人
- 運動時間が毎日取れない人
- 近隣への騒音や、安全に走れる場所の確保が難しい環境の人
お迎え前のチェックリスト
- 走らせる場所(ドッグランや広い公園)が通える範囲にあるか
- 高い塀やフェンスなど、脱走・ジャンプへの対策ができるか
- 大型犬のフード・医療・ペットホテルなどの費用を試算したか
- 親犬の健康状態(股関節・心臓など)をブリーダーに確認できるか
同じ猟犬グループで比べたいときは、イングリッシュポインターのページもあわせてご覧ください。ほかの犬種は犬種図鑑からも探せます。
よくある質問
- ワイマラナーは初心者でも飼えますか?
-
賢く覚えは早い一方、運動量が多く、分離不安や頑固さへの対応も必要です。初めて犬を飼う人には負担が大きいと言われます。飼う場合は、事前の勉強、子犬の頃からの社会化、トレーナーの助けを前提に考えると安心です。
- ワイマラナーは吠えますか?
-
番犬に向く性格で、来客や物音に反応して吠える個体もいます。特に、運動不足やひとり時間が長いと吠えが増えやすくなります。十分な運動と、静かにできたらほめる練習が基本です。
- ワイマラナーは留守番できますか?
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家族との結びつきが強く、長時間の留守番は得意でない傾向があります。分離不安が起きやすい犬種と言われるため、短い時間から慣らし、出かける前に十分運動させ、クレートを安心できる場所にしておきましょう。
- ワイマラナーの寿命は何年くらいですか?
-
ロイヤルカナンでは10〜12歳程度とされ、資料により10〜14年と幅があります。肥満の予防、胃のトラブルへの備え、定期的な健康診断が、健康な期間を長く保つために大切です。
まとめ|ワイマラナーと暮らすために
- 体高57〜70cm、体重25〜40kg(FCI標準)の大型猟犬。第7グループ
- 性格は忠実で賢く、嗅覚がすぐれる。家族と離れるのが苦手
- 運動量は非常に多く、毎日しっかり体と頭を使う必要がある
- 分離不安への備え(クレート・段階的な留守番・出かける前の運動)が大切
- 胃のトラブルや股関節、肥満に注意し、定期的に健康診断を
- 寿命の目安は10〜12歳程度(ロイヤルカナン)。費用と時間を見越して迎える
ワイマラナーは、時間と情熱を注げる人にとって、これ以上ないパートナーになる犬です。見た目だけでなく、暮らし方まで含めて、じっくり検討してください。
📚 犬種データの出典
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)|ワイマラナー
体高・体重の標準 - 国際畜犬連盟(FCI)|FCI-Standard N°99 Weimaraner
体高・体重・グループ・歴史
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。







