英語表記 Samoyed
サイズ 大型犬
グループ 5G(原始的な犬・スピッツ)
原産国 ロシア
体高 54cm~60cm
体重 16kg~30kg
サモエドは、その大きな体と雪のように白くふわふわとした被毛が特徴的で、非常に魅力的な犬種です。アーモンド形の目と上向きの口角が「サモエド・スマイル」と呼ばれる愛らしい表情を作り出し、親しみやすい印象を与えます。このため、サモエドは家庭犬として非常に向いています。
サモエドの被毛は、その美しさと独特の特徴で知られています。被毛の色は主に以下の三種類です:
- ピュアホワイト: 純白の美しい被毛。
- クリーム: 柔らかなクリーム色の被毛。
- ホワイトにビスケットが入っている毛色: 基本は白色で、ところどころにビスケット色の斑が入っています。
注意点として、薄いブラウンの被毛はサモエドの理想的な色としては認められていません。
サモエドは平均寿命は12歳から14歳されています。
股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節の構造に問題が生じる状態です。この状態では、股関節の骨が正常にかみ合わず、時間とともに関節の摩耗や変形が進行します。これにより、痛みや歩行の困難、さらには関節炎のリスクが高まります。
- 原因: 遺伝的要因が主な原因とされており、成長過程での過度な運動や栄養バランスの乱れも影響します。
- 症状: 足を引きずる、後ろ足の動きがぎこちない、運動を嫌がる、階段の上り下りを避けるなどの行動が見られます。
- 対策: 早期発見が重要であり、定期的な獣医の診察やX線検査が推奨されます。体重管理と適度な運動、栄養バランスの良い食事も予防に役立ちます。
胃捻転
胃捻転は、胃がねじれてガスや液体が溜まる状態です。この状態は緊急性が高く、放置すると命に関わることがあります。胃がねじれることで、食べ物やガスが胃に閉じ込められ、胃が膨張して血流が阻害されます。
- 原因: 大量の食事や水を一度に摂取する、食後すぐに激しい運動をする、深い胸を持つ犬種に多く見られます。
- 症状: 腹部の膨張、頻繁な吐き気や嘔吐(何も出ないことが多い)、落ち着かない、息苦しそうにするなどの症状が現れます。
- 対策: 予防としては、食事を少量ずつ数回に分けて与える、食後すぐの運動を避ける、高さのある食器を使用するなどが有効です。緊急時にはすぐに獣医に連絡し、迅速な治療が必要です。
フレンドリーで人懐っこい性格を持ち、家族とのふれあいを楽しみます。また、非常に社交的で他の犬や動物とも仲良くすることが多いです。その愛らしさと穏やかな性格から、多くの家庭で愛されています。
サモエドの歴史と特徴
サモエドは、その雪のように白くふわふわした被毛と、大きな体が特徴の犬種です。この犬種は、現在のロシアにあたるシベリアのツンドラ地方で、遊牧民族であるサモエド族と共に生活してきました。サモエドという名前はこの民族に由来しています。
サモエド族との共生
サモエド族は、サモエド犬をトナカイの牧畜や警護、猟のパートナーとして使用していました。さらに、荷物やソリを引くなど、多岐にわたる作業を一緒に行うことで、人間と深い絆を築いてきました。これらの役割からもわかるように、サモエドは非常に働き者で、極寒の環境にも適応しています。
スピッツ系の特性
サモエドは、体型や被毛、性質から典型的なスピッツ系に分類されます。興味深いことに、サモエドは狼やキツネなどの近縁種と交雑することなく、原始的な特徴を保持しています。このため、サモエドは「原始からの犬」として知られています。
探検隊での役割
サモエドはその適応能力と作業性から、極寒の地での探検隊に採用されました。特に有名なのが、アムンゼンとスコットの南極探検です。1911年、アムンゼンと共に約50頭のサモエドが南極に足を踏み入れました。これらのサモエドは、その後の探検隊に譲られ、一部はイギリスやヨーロッパに渡りました。
一方、スコット隊のサモエドは全て亡くなったとされていますが、イギリスにサモエドを連れて帰ったのは別の南極探検隊員や動物学者のアーネスト・キルバーン・スコットであり、探検家ロバート・スコットとは異なります。
イギリスでのサモエド
イギリスに到着した当初のサモエドは、白だけでなく黒やブラウンの被毛を持つ犬もいました。しかし、白い毛色が好まれたため、選択繁殖が行われ、徐々に白いサモエドが主流となりました。1909年には最初のスタンダードが作成され、1912年にはイギリスケネルクラブがサモエドを正式な犬種として公認しました。
日本でのサモエド
日本では、サモエドの大きさが住宅事情に合わないため、小型化された「日本スピッツ」が一時期人気を集めました。これは、サモエドにジャーマン・スピッツを交配して作られた犬種です。しかし、ジャーマン・スピッツの騒々しさが問題視され、日本スピッツの人気は低下しました。近年では、より温和で落ち着いた性格を持つサモエドの人気が再び高まっています。
サモエドは、その美しい外見と働き者の性質で、多くの人々に愛される犬種です。厳しい環境に適応し、歴史の中で様々な役割を果たしてきたこの犬種は、今もなお家庭犬として人々に愛され続けています。
しつけ
サモエドは賢く、基本的なトレーニングを習得しやすいです。しかし、独立心が強い一面もあるため、一貫性のあるしつけが重要です。
毎日の散歩が大切!
適度な運動を行い、筋肉を強化し、体重を管理します。ただし、過度な運動は避けるようにしましょう。
シャンプー
定期的なシャンプーが必要です。ただし、過度なシャンプーは皮脂を落としてしまうため注意が必要です。
ブラッシング
サモエドの被毛はダブルコートで、外側は長くてしっかりしたガードヘア、内側は柔らかくて密なアンダーコートから成ります。この被毛は定期的なブラッシングが必要で、特に換毛期には抜け毛が多くなるため、こまめな手入れが欠かせません。
歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想。歯磨きが苦手な場合は歯磨きガムやシートを検討しましょう。
健康管理
豊かな被毛は美しさだけでなく、サモエドの健康にも関わります。被毛が汚れたまま放置されると皮膚トラブルの原因となるため、定期的なチェックと手入れが重要です。また、バランスの取れた食事と適度な運動も、被毛と全体的な健康を維持するために欠かせません
適切なフードを選んで与えよう
犬の成長や健康に合わせて、総合栄養食を与えよう。適切なフードで元気に育ってね。
ペットショップで購入する場合だと、平均51万円〜が相場になります。
里親になる方法もあります。保健所や動物愛護センター、ボランティア団体などで里親募集が行われています。サモエドの里親は人気が高く、すぐに新しい飼い主が見つかることが多いため、定期的に情報を確認しましょう。
サモエドの子犬をブリーダーから購入することが一般的です。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎を訪問できるかどうかや親犬と兄弟犬の健康情報について尋ねましょう。ワクチン接種の情報やアフターケアについても確認し、信頼性のあるブリーダーを選びましょう。
サモエドの子犬はペットショップで入手することもできますが、繁殖頭数が少ないため、店頭での販売はまれです。ペットショップで探す場合、店舗に問い合わせて子犬の入手可能性を確認しましょう。