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セントバーナードは、体重が数十キロに達する超大型犬です。アルプスの峠で遭難者を救助した犬として知られ、堂々とした体格とは対照的に、穏やかで人なつこく、辛抱強い性格といわれています。家族にはやさしく接し、子どもにもおおらかな子が多い一方で、飼うにはスペース、体力、費用のすべてで大型犬以上の覚悟が必要です。



まずは結論から!くわしい理由は、このあと順番に説明するよ。
- 体重50〜80kg以上の超大型犬で、寿命は8〜10年前後が目安
- 寒冷地の出身で暑さが苦手。日本の夏はエアコンでの温度管理が前提
- 胃捻転は緊急性が高く、食事は回数を分け、食後すぐの運動を避ける
寒い地域の出身なので、日本の高温多湿の夏が苦手なこと、よだれや抜け毛が多いこと、胃捻転など大型犬に多い病気に注意が必要なことも、迎える前に知っておきたいポイントです。このページでは、英国ケネルクラブの犬種標準や犬種紹介サイトなど公開情報をもとに、セントバーナードの性格・大きさ・寿命・お手入れ・しつけ・健康管理、向いている人までを整理しました。


📏 セントバーナードの基本データ|体高・体重・寿命の目安
要点|体高70〜90cm前後で、体重の標準に数値はありません。数字より体型の確認が現実的で、寿命は大型犬よりやや短めです。
| 原産国 | スイス |
|---|---|
| JKCグループ | 2G(使役犬) |
| サイズ | 超大型犬 |
| 体高 | 70〜90cm前後(英国ケネルクラブ標準ではオス75cm以上、メス70cm以上) |
| 体重 | 50〜80kg以上(個体差が大きく、標準に数値の記載はない) |
| 被毛 | 短毛(スムース)と長毛(ラフ)の2タイプ。どちらも密度の高い被毛 |
| 毛色 | 白地にオレンジ、マホガニー・ブリンドル、レッド・ブリンドルの斑 |
| 寿命の目安 | 8〜10年前後 |
体の大きさは、体高よりも体重に驚く人が多いでしょう。英国ケネルクラブの標準には体重の数値はなく、体高が「オス75cm以上、メス70cm以上」とされています。
日本の犬種紹介では、体重の目安を50〜90kg台と幅を持たせて書くものもあります。ここまで大きいと、体重の「適正値」は個体の骨格によって大きく変わります。
数字に振り回されず、肋骨がうっすら触れる程度の体型を保てているかを、獣医師と一緒に確認するのが現実的です。
寿命は8〜10年前後とされていて、大型犬の平均よりやや短めです。大きな体の関節や心臓、内臓への負担、遺伝的な病気などが影響すると考えられています。限られた時間を健康に過ごしてもらうために、体重管理と定期的な健康診断が特に大切です。




📜 セントバーナードの歴史|聖ベルナール峠の救助犬
要点|アルプスの峠の修道院で救助犬として活躍した犬で、救助の逸話には資料によって細部が異なる部分があります。
名前は、イタリアとスイスの国境にあるアルプスの峠「グラン・サン・ベルナール峠」の修道院に由来します。
この修道院は、厳しい山越えの道で遭難者を保護する施設でもあり、そこで飼われていた大型犬が、救助犬として活躍するようになりました。祖先は、古代ローマ時代に連れてこられた大型の番犬(モロシア犬)と考えられています。
特に有名なのが、「バリー」という名の犬です。生涯で数十人を救ったと伝えられ、救助犬の象徴的な存在になりました。ただし、これは逸話として語り継がれている部分も多く、細部は資料によって異なります。その姿は19世紀に絵画で紹介され、ヨーロッパ各地に広まりました。
19世紀にイギリスへ渡った際には、近親交配によって遺伝性の病気が問題になり、ニューファンドランドとの交配で犬種が維持されたと紹介されています。
そのため、現在の姿は、救助犬だった頃から少し変化している部分もあるといわれます。映画『ベートーベン』の主役犬として知られるようになり、日本のアニメでもおなじみですが、大きさゆえに、実際に飼える家庭は限られています。




🐾 セントバーナードの性格|穏やかで辛抱強い、やさしい巨人
要点|穏やかで友好的、辛抱強い性格といわれます。体が大きいため、子どもと過ごすときは大人が見守ります。
英国ケネルクラブの標準では、セントバーナードの気質を「穏やかで友好的、聡明で勇敢、頼りがいがあり、やさしい」と表現しています。動きはゆっくりで、反応がやや遅く見えることもありますが、それが「おっとり」とした印象につながっています。
家族に対しては深い愛情を示し、辛抱強く接することから、子どもと暮らす家庭でも人気があります。ただし、体が大きいので、子犬のうちは無邪気な動きでも、小さな子どもを倒してしまうことがあります。成犬になっても、子どもと一緒に過ごすときは必ず大人が見守りましょう。
犬種紹介では、警戒心を持ち合わせているという説明も見られます。表情があまり豊かでないため、警戒しているのか、ただ見ているだけなのかが分かりにくいことがあります。目線や耳、体の向き、しっぽの位置など、全身の様子から気持ちを読み取る習慣をつけましょう。
活発さは、成長期や若い時期にはかなりあるといわれます。体力があり、力も強いため、リードを引っ張られると大人でも転ぶことがあります。小さいうちからの散歩トレーニングが大切です。




🐾 見た目の特徴とお手入れ|被毛・よだれ・ブラッシング
要点|短毛と長毛の2タイプで抜け毛とよだれが多く、週3回以上、できれば毎日のブラッシングが目安です。
2つの被毛タイプと毛色
セントバーナードには、被毛が密で滑らかな「短毛」と、豊かな飾り毛をもつ「長毛」の2タイプがあります。
毛色は、白地にオレンジ、マホガニー・ブリンドル、レッド・ブリンドルの斑が入ったもので、顔の黒っぽい陰影や、鼻先の白い筋、胸元の白い襟のような模様が特徴です。どちらのタイプも密度の高い被毛を持っています。
ブラッシングと抜け毛
抜け毛は多く、特に換毛期は大量になります。週に3回以上、できれば毎日ブラッシングをして、毛の通り道を作ってあげると、蒸れや皮膚トラブルの予防にもなります。
体が大きいので、ブラッシングだけで時間がかかる点も、あらかじめ想定しておきましょう。季節の抜け毛への対応は、犬の換毛期とブラッシングの頻度も参考にしてください。
よだれ・顔のしわ・シャンプー
口の周りの皮膚が垂れているため、よだれが多く、飲み水を飲んだあとにも口の周りや床が濡れます。口元や目の周りは、こまめに拭くと清潔を保ちやすくなります。シャンプーは月に1回前後を目安に、皮膚の状態を見て調整します。
体が大きいため、自宅でのシャンプーは負担が大きく、トリミングサロンを利用する人も多いようです。洗った後は、厚い被毛の根元までしっかり乾かしてください。
歯みがきと爪切り
歯みがきは毎日が理想ですが、大型犬は慣れさせるのに時間がかかります。子犬のうちから口を触る練習を始めましょう。爪は大きく太いので、伸びすぎる前に、こまめに整えます。




🏃 運動量と散歩の目安|暑さ対策がいちばんの課題
要点|運動量は中程度で1日合計1時間程度が目安です。暑さが大の苦手なので、散歩は早朝や夜遅くにします。
セントバーナードの運動量は「中程度」と紹介されることが多く、毎日の散歩と、庭やドッグランでの遊びで十分とされています。目安として、1日に合計1時間程度の散歩が勧められることがありますが、成長期や高齢期は無理をさせないことが大切です。
特に子犬の時期は、骨や関節が未熟なうちに階段の上り下りや激しい運動を繰り返すと、負担がかかるといわれます。成長期は、散歩を無理のない範囲にとどめ、床が滑らないように環境を整えましょう。
寒冷地の出身なので、暑さが大の苦手です。日本の夏は、気温が高く湿度も高いため、エアコンの効いた室内で過ごすことが前提になります。散歩は、早朝や夜遅く、気温が下がった時間帯に。
散歩中に舌を出して激しく息をしていたり、動かなくなったりしたときは、すぐに日陰で休ませ、必要に応じて動物病院に連絡してください。夏の外遊びの注意点は、熱中症リスクに注意!夏のドッグランでの楽しい遊び方も参考になります。




🎓 セントバーナードのしつけで気をつけたいこと
要点|しつけは入りやすい一方、子犬のうちは許したことが成犬では危険になります。引っ張りと社会化を早めに練習します。
賢く、飼い主に従順で、しつけは入りやすい犬種といわれています。ただし、体が大きく力が強いため、「子犬のうちは許していたことが、成犬になると危険になる」点が最大の注意です。
飛びつき、リードの引っ張り、人への体当たりなどは、小さいうちから教えておきましょう。基本の流れは子犬のしつけ完全ガイドにまとめています。
リードと散歩のマナー
大人の力でも制御できなくなる前に、リードを引っ張らずに歩く練習を始めましょう。歩く速度を合わせ、並んで歩けたらごほうびをあげる方法が向いています。
社会化
おっとりした性格でも、慣れていない場面では怖がることがあります。子犬の頃から、人、他の犬、車、音など、さまざまな経験を少しずつ重ねましょう。大きな犬が突然怖がると、扱いに困る場面が出てくるため、成犬になる前の社会化が特に重要です。
トイレ・留守番
トイレのしつけは、成功した直後に褒める基本を徹底します。留守番は、家族と過ごす時間が長いほど落ち着く傾向があるため、短い時間から慣らしましょう。




🏥 かかりやすい病気と健康管理|胃捻転・関節・心臓と食事
要点|胃捻転は短時間で命にかかわることがあり、関節や心臓にも注意が必要です。様子があれば動物病院へ。
以下は、セントバーナードを含む大型犬で知られている健康面の注意点です。必ず起きるわけではなく、個体差があります。気になる様子があれば、自己判断せずに動物病院に相談してください。
胃捻転(胃拡張・胃捻転症候群)
胃にガスがたまってふくらみ、ねじれてしまう状態で、短時間で命にかかわる緊急事態になることがあります。胸が深い大型犬に多いことが知られ、セントバーナードもその一つとされています。
予防のポイントとして、1回の食事量を減らして回数を増やす、早食いを防ぐ、食後すぐの運動を避けるといった点が紹介されています。
お腹がふくらむ、吐こうとしても吐けない、よだれが急に増えて落ち着かない、といった様子があれば、すぐに動物病院へ連絡してください。
関節の病気(股関節・肘関節)
股関節形成不全や肘関節の異常などが、大型犬では知られています。歩き方に違和感がある、立ち上がるのをためらう、片足をかばうといった様子が見られたら、早めに相談しましょう。体重を適正に保つことが予防の基本です。
心臓の病気
心臓の筋肉が弱くなる拡張型心筋症が、他の犬種より多いと紹介されることがあります。疲れやすい、咳が続く、といった変化に気づけるよう、定期的な健康診断を受けましょう。
目・皮膚のトラブル
目の周りの皮膚がたるんでいるため、目やにや炎症が見られる子もいます。白内障が出ることもあります。皮膚は、しわや口の周りが蒸れやすいので、拭き取りと乾燥を習慣にしましょう。




食事と太りやすさの考え方
体が大きいぶん、食事の量も多くなります。ただし、成長期に急に体重を増やしすぎると、関節に負担がかかるといわれます。子犬用のフードは、大型犬用のものを選び、量はパッケージの目安を基準に調整しましょう。
基本的な量の考え方は、犬のフードの量はどれくらい?に書いています。
胃捻転の予防の観点から、1日の量を2〜3回に分けること、食後すぐに走らせないことを意識してください。特定のフードやサプリが「最適」と断言できるわけではありません。年齢や体質、持病によって適したものは違うため、迷う場合は獣医師に相談してください。




✅ セントバーナードに向いている人・向いていない人
要点|広い居住スペースと年中の温度管理、体力、継続的な費用の負担ができるかが判断材料になります。
向いている人
- 広い居住スペースと、エアコンで一年中適温を保てる環境がある人
- 大型犬のリードを安全に扱える体力と、しつけに根気強く取り組める人
- よだれ、抜け毛、体の大きさによる手間を楽しめる人
- 大型犬の医療費、フード代、トリミング代などを継続して負担できる人
向いていない可能性がある人
- 狭い住環境や、大型犬の飼育が禁止されている集合住宅に住んでいる人
- 夏の温度管理が難しい人
- 体力に不安があり、大型犬の介助や移動が難しい人
お迎え前のチェックリスト
- 成犬になったときの体重と、車や階段での移動を想定したか
- 動物病院、トリミング、ホテルなど、大型犬を受け入れる先があるか
- 8〜10年にわたる飼育費・医療費を、家族で話し合ったか
- 同じ大型の山岳系犬種であるバーニーズ・マウンテン・ドッグとも比べたか
迎え方はブリーダー、里親などがあります。頭数が多くないため、ブリーダーから迎えるのが一般的です。親犬の関節や心臓の検査結果、飼育環境を確認できる繁殖者を選びましょう。ほかの犬種との比較は犬種図鑑から探せます。


よくある質問
- セントバーナードは初心者でも飼える?
-
性格は穏やかで、しつけも入りやすいといわれますが、体の大きさ、力、暑さ対策、費用などの面で、初めて犬を飼う人には難しい面が多い犬種です。大型犬の飼育経験がない場合は、事前にブリーダーや経験者に相談してください。
- セントバーナードはよだれが多い?
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口の周りの皮膚が垂れているため、よだれが多い犬種です。食事や水を飲んだあとは特に多く、口の周りや床をこまめに拭く必要があります。
- セントバーナードは吠える?
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落ち着いた犬種で、よく吠えるタイプではないといわれます。ただし、体が大きいため、吠え声が大きく響きます。警戒心から吠える子もいるため、子犬の頃から社会化を行いましょう。
- セントバーナードの寿命は?
-
8〜10年前後が目安で、大型犬としてもやや短めです。体重管理、胃捻転の予防、定期的な健康診断が、元気に過ごすうえで大切です。
まとめ|セントバーナードと暮らすために
- セントバーナードは超大型犬で、穏やかで辛抱強く、家族にやさしい性格といわれる
- 寿命は8〜10年前後が目安。体重管理と健康診断が大切
- 暑さが大の苦手で、日本の夏はエアコンでの温度管理が前提
- よだれ・抜け毛・ブラッシングなどの手間が大きい
- 胃捻転は緊急性が高い。食事回数や食後の運動に気を配る
- 成長期の骨や関節に負担をかけず、子犬のうちにしつけと社会化を
📚 犬種データの出典
- 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)|犬種紹介 セント・バーナード(FCI犬種標準)
体高(牡70〜90cm・牝65〜80cm)と原産国の裏づけ。 - 一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)|グループ別犬種一覧(FCI10グループ)
第2グループ所属の裏づけ。 - 英国ケネルクラブ(Royal Kennel Club・登録団体)|St Bernard breed standard
英国標準の最低体高75cm/70cmの裏づけ。 - 英国PDSA(獣医療チャリティ)|Saint Bernard breed information
平均体重54〜81kg・寿命10年未満の参考。
※上記の公的・専門機関の情報をもとに、当サイトの言葉でまとめています。内容は獣医師の診察・診断の代わりにはなりません。







