英語表記 Pug
サイズ 小型犬
グループ 9G(愛玩犬)
原産国 中国
体高 25cm~28cm
体重 6kg~9kg
パグは、鼻ぺチャでしわの多い顔、大きな瞳が特徴で、愛嬌たっぷりの犬種です。独特の思慮深げな表情で歩く姿が非常に魅力的です。犬種名の「パグ」はラテン語で「握りこぶし」を意味し、丸くて小さな頭部が握りこぶしのように見えることが由来となっています。
パグの被毛の色はシルバー、アプリコット、フォーン、ブラックなどがあり、バリエーションが豊富です。特にマズルやマスク、耳などは黒い方が理想とされています。被毛は短く滑らかで、手触りが良いのが特徴です。
パグの平均寿命は12歳から15歳とされており、比較的長寿な犬種といえます。
皮膚病
パグの顔のしわに汚れがたまりやすく、これが原因で皮膚病を引き起こすことがあります。しわの間を定期的に清潔に保つことが重要です。
鼻腔狭窄
パグは鼻の穴が狭くなり、呼吸がしづらくなる「鼻腔狭窄」にかかりやすいです。これは特にパグに多い問題です。
壊死性髄膜脳炎/パグ脳炎
パグ特有のけいれん発作である「壊死性髄膜脳炎」または「パグ脳炎」と呼ばれる病気があります。
軟口蓋過長症
あごの軟口蓋がのどの入り口をふさぎ、呼吸が困難になる「軟口蓋過長症」もパグに多い問題です。
膝蓋骨脱臼
足を引きずったり、ピョコッと上げて歩く「膝蓋骨脱臼」が見られることがあります。
気管虚脱
つぶれたような声のセキをする「気管虚脱」にも注意が必要です。
熱中症
パグは暑さに弱いため、特に夏場には「熱中症」に注意が必要です。
心臓疾患
呼吸器の疾患がきっかけで「心臓疾患」が起こりやすくなります。
股関節形成不全
大型犬に多い「股関節形成不全」もパグに見られることがあります。
パグは明るく陽気で、素直で落ち着いた性格を持ち、まさに「良い子」の典型といえます。しかし、頑固でマイペースな一面もあり、嫉妬深くなることがあります。甘やかしすぎるとわがままになることもあります。
番犬としての適性
パグは警戒心が少なく、無駄吠えもほとんどしないため、番犬には向いていません。
パグの起源と歴史
パグは最も古い犬種の一つで、紀元前2000年頃の古代アジアに祖先がいたとされています。当初は大型犬だったと推定され、チベットの僧院で飼育されていました。チベタン・スパニエルやペキニーズとの交配により小型化が進みました。
中国での歴史
その後、仏教を通じて中国に渡り、魔よけとして中国の皇室で大切にされました。最初の記録は紀元前600年頃に遡り、中国の美術品や文献にパグの容姿が見られます。この頃には現在のパグに近い姿になっていたと考えられています。
ヨーロッパへの伝来
中国国内で長く飼われていたパグがヨーロッパに渡ったのは、オランダ連合東インド会社によるとされています。オランダに渡ったパグは王室や貴族に愛され、とりわけオランダ王室とは深い関係を持ちました。王室で繁殖され、絵画に描かれ、墓標に刻まれるなどして、長く愛されました。やがて、王室や貴族以外にも官僚や軍人、資産家にまで飼われるようになりました。
ヨーロッパでの普及
17世紀、オランダのスペイン侵攻に伴い、オランダ軍人によってパグがヨーロッパ全土に広まりました。イギリスにも渡り、王室や貴族の愛玩犬として人気を博しました。18世紀にはフランスのナポレオン皇帝の妻ジョセフィーヌの愛犬としても知られ、彼女の危機を何度も救ったという逸話があります。
アメリカと日本への伝来
パグがアメリカに伝わったのは19世紀で、1885年にはアメリカンケネルクラブに公認されました。20世紀に入り、戦中から戦後にかけて、日本にも愛玩犬としてパグが紹介されました。
しつけ
パグは明るく人懐こい性格で、比較的飼いやすい犬種です。しかし、甘やかしすぎると頑固な一面が強くなり、わがままになることがあります。パグはいつも考え事をしているような表情をしていますが、特別に賢いわけではありません。しつけは根気よく行うことが大切です。
毎日の散歩が大切!
パグは活発ではなく太りやすい犬種のため、適度な運動が必要です。健康な個体であれば、1日に30分程度の散歩や室内での遊びを取り入れましょう。ただし、暑さや寒さに非常に弱いため、特に夏場は熱中症に注意が必要です。暑い時期には涼しい室内で運動させ、栄養管理にも気を配りましょう。
シャンプー
定期的なシャンプーが必要です。ただし、過度なシャンプーは皮脂を落としてしまうため注意が必要です。
ブラッシング
パグの被毛は短毛で、滑らかなトップコートを持つダブルコートです。そのため、換毛期には抜け毛が多くなります。暑さ対策や皮膚病対策のため、定期的にブラッシングを行いましょう。においは少ない傾向がありますが、シャンプーは1カ月に1度程度で十分です。ただし、顔や体のしわには汚れがたまりやすく、においや皮膚病の原因になるため、こまめに拭き取ることが重要です。
歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想。歯磨きが苦手な場合は歯磨きガムやシートを検討しましょう。
適切なフードを選んで与えよう
犬の成長や健康に合わせて、総合栄養食を与えよう。適切なフードで元気に育ってね。
ペットショップで購入する場合だと、平均35万円〜が相場になります。
里親になる方法もあります。保健所や動物愛護センター、ボランティア団体などで里親募集が行われています。パグの里親は人気が高く、すぐに新しい飼い主が見つかることが多いため、定期的に情報を確認しましょう。
パグの子犬をブリーダーから購入することが一般的です。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎を訪問できるかどうかや親犬と兄弟犬の健康情報について尋ねましょう。ワクチン接種の情報やアフターケアについても確認し、信頼性のあるブリーダーを選びましょう。
パグの子犬はペットショップで入手することもできますが、繁殖頭数が少ないため、店頭での販売はまれです。ペットショップで探す場合、店舗に問い合わせて子犬の入手可能性を確認しましょう。