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英語表記 Dalmatian
サイズ 大型犬
グループ 6G(嗅覚ハウンド)
原産国 クロアチア
体高 56cm~61cm
体重 27kg~32kg
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映画『101匹わんちゃん』で有名なダルメシアンは、いつも元気いっぱいで活動的な大型犬です。誕生時には真っ白な被毛を持ち、成長するにつれて斑点模様が現れます。飼い主や家族に非常にフレンドリーで、時にはそのフレンドリーさが過剰になることもありますが、それもまた魅力です。かつては馬車の伴走犬だったことから、持久力と活動量は抜群です。散歩だけでなく、スポーツなどを一緒に楽しむことで、より強い信頼関係を築くことができるでしょう。
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ダルメシアンは白地に、輪郭のはっきりしたコイン大の黒またはレバー色の斑点が特徴です。黒とブラウンやレバーが混じっていないことが理想とされています。
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ダルメシアンの寿命は一般的に10〜13年前後で、大型犬の中では平均的な寿命です。
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難聴
ダルメシアンは遺伝的に耳が聴こえにくくなる傾向があります。
尿路結石症
腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかに結石ができ、炎症や排尿困難を引き起こします。
ワーデンブルグ・クライン症候群
メラニン色素の欠乏によって生じる皮膚病です。
アトピー性皮膚炎
花粉、ほこり、ダニなどのアレルゲンを吸い込むことで、皮膚に炎症が起こります。
白内障
目の水晶体が白く濁り、網膜に光が届かなくなることで視力が低下します。
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ダルメシアンの性格は明るく陽気です。しかし、その反面、警戒心が強く、飼い主以外の人や犬には簡単に気を許しません。
飼い主や家族には非常にフレンドリーですが、非常に活発であるため、子どもと遊ばせる際にはケガをさせないよう注意が必要です。また、頑固な一面もあり、見知らぬ人には神経質になることもあります。
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ダルメシアンの起源と歴史
ダルメシアンの起源については、ヨーロッパの数か所、エジプト、インドなどの説があり、それぞれに記録が残っています。18世紀中頃には、現在のクロアチアにあるダルメシア地方で記録され、この地域名から「ダルメシアン」と呼ばれるようになりました。しかし、14世紀頃からの記録にもダルメシアンに似た犬の存在が確認されており、その正確な出自は不明です。
美術品と書物に登場
16世紀には美術品として、18世紀には書物にダルメシアンの姿が描かれています。ダルメシアンがジプシーや旅商人の犬として各地を移動していたため、広範囲にわたって記録が残っていることが出自の混乱を招いています。ダルメシアンは、馬と共に走り荷物を護衛するだけでなく、番犬、猟犬、ネズミの駆除など多様な役割をこなしていました。
イギリスでの犬種標準
19世紀後半には、イギリスでダルメシアンの犬種標準が定められました。美しい外見から、イギリスやヨーロッパの貴族や富裕層に人気がありました。特に、貴族の四輪馬車の伴走犬としての姿は高い評価を受けました。
20世紀の変遷
20世紀に入ると、自動車の普及によりダルメシアンは馬車の伴走犬としての役割を失い、一時的に人気が低迷しました。しかし、ディズニー映画『101匹わんちゃん』のヒットにより、一般家庭でも広く飼われるようになりました。ただし、この犬種特有の聴覚障害などから、飼育の難しさもあり、一時的なブームに終わりました。
アメリカでの役割
アメリカでは、映画『101匹わんちゃん』以前からダルメシアンは消防署のマスコットとして親しまれていました。これは、かつて消防馬車の伴走犬を務めていた歴史によるものです。
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しつけ
ダルメシアンは人見知りをするため、親しくない来客に対して思わぬ反応を見せることがあります。特に初対面の子どもには注意が必要です。また、家族に対しても気の荒い面を見せることがあるため、子犬の頃からしっかりとしつけや訓練を行い、従順に育てることが大切です。トイレなど室内生活でのしつけは難しいことがあり、根気が求められます。
毎日の散歩が大切!
ダルメシアンは非常にエネルギッシュで活発な犬です。特に走ることが好きで、毎日1~2時間の散歩が必要です。運動能力は高いですが、不器用な面もあり、ドッグスポーツやディスク競技などでは上手にこなせない個体も多いです。
シャンプー
定期的なシャンプーが必要です。ただし、過度なシャンプーは皮脂を落としてしまうため注意が必要です。
ブラッシング
ダルメシアンは短毛種で毛のボリュームが少ないため、ラバーブラシが最適です。ラバーブラシはゴムやシリコンでできており、皮膚を傷つける心配が少なく、毛やホコリを効率的に除去できます。マッサージ効果もありますが、力加減に注意が必要です。必ず自分の手で力加減を確認しながら使用してください。
歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想。歯磨きが苦手な場合は歯磨きガムやシートを検討しましょう。
聴覚障害のある個体
聴覚障害のあるダルメシアンは、耳が聞こえにくいことで状況を把握しづらく、恐怖心が強くなる傾向があります。そのため、吠える、咬むなどの問題行動を起こすことがあります。聴覚障害のある犬と暮らす場合、生活に工夫と努力が必要です。視符(ハンドサイン)などの訓練が求められるため、子どもや老人のいる世帯や初めて犬を飼う世帯には大変難しいとされています。
適切なフードを選んで与えよう
犬の成長や健康に合わせて、総合栄養食を与えよう。適切なフードで元気に育ってね。
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ペットショップで購入する場合だと、平均24万円〜が相場になります。
里親になる方法もあります。保健所や動物愛護センター、ボランティア団体などで里親募集が行われています。ダルメシアンの里親は人気が高く、すぐに新しい飼い主が見つかることが多いため、定期的に情報を確認しましょう。
ダルメシアンの子犬をブリーダーから購入することが一般的です。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎を訪問できるかどうかや親犬と兄弟犬の健康情報について尋ねましょう。ワクチン接種の情報やアフターケアについても確認し、信頼性のあるブリーダーを選びましょう。
ダルメシアンの子犬はペットショップで入手することもできますが、繁殖頭数が少ないため、店頭での販売はまれです。ペットショップで探す場合、店舗に問い合わせて子犬の入手可能性を確認しましょう。