英語表記 Bulldog
サイズ 中型犬
グループ 2G(使役犬)
原産国 イギリス
体高 約33~41cm
体重 23kg~25kg
イギリスを代表する国犬として知られる犬種は、どこを見ても個性的で、力強い体格ながらも愛らしい姿が特徴です。目が離れており、上唇があごの上に重く垂れ下がっているため、荒々しく怖そうな印象を与えることがありますが、実際には穏やかな性格で、飼い主に対して非常に誠実です。また、甘えん坊で頑固な一面も持っています。その無愛想に見える顔つきとは裏腹に、全身で喜びを表現する、愛嬌たっぷりの犬種です。
この犬種の毛色には、ブリンドル、レッド、フォーン、ファローの単色や、単色にブラックのマスクとマズルが組み合わさったもの、ホワイトと各色のパイドがあります。単色の毛色は非常に少なく、大部分は単色とホワイトの組み合わせです。意外に思われるかもしれませんが、ブラックの毛色は好ましくないとされています。
ブルドッグの寿命はおよそ8~10歳とされています。これは中型犬の平均寿命である10~14歳に比べると、やや短めです。
膝蓋骨脱臼
ひざのお皿の骨が正常な位置から外れてしまう状態です。
股関節形成不全
股関節の形が先天的に異常である状態です。
鼻腔狭窄
鼻の中の粘膜が炎症で腫れて、鼻の孔が狭くなる状態です。
眼瞼外反症
主に下まぶたが外側にめくれ、炎症などを引き起こす状態です。
尿石症
腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに結石ができ、炎症を起こして排尿が困難になる状態です。
呼吸器疾患
鼻炎などの鼻の病気や気管の変形による炎症で、咳や呼吸困難などの症状を引き起こす状態です。
ブルドッグはおっとりとした性格で、頑固さにも通じる揺るぎない精神的な強さを持っています。飼い主に対しては強い忠誠心と深い愛情を示します。また、陽気な一面もあり、その忠実な振る舞いや見た目とのギャップが笑いを誘います。知らない人には愛想よくしないものの、警戒心は少なく、見た目に反して番犬にはあまり向かない犬種です。
13世紀頃のブルドッグ
13世紀頃のイギリスでは、牛を屠殺する際に犬で痛めつける姿を娯楽とする時代がありました。この見世物は「ブル(牛)・ベイティング(咬み付く)」と呼ばれ、その時に使われていた犬がブルドッグの祖先とされています。
17〜18世紀のブルドッグ
17世紀にその存在が認められ、18世紀には絵画にも描かれるようになりましたが、当時のブルドッグは短足ではなく、余分な皮膚もなく、口先は短いものの、アンダーバイトではありませんでした。
19世紀前半のブルドッグ
19世紀前半には、ブル・ベイティングは庶民の娯楽となり、選択交配が進むことで、短足で余分な皮膚を持ち、アンダーバイトで口先の短い、現在のブルドッグに近いスタイルに変化していきました。
ブル・ベイティングの禁止と絶滅の危機
1835年には動物愛護の観点からブル・ベイティングが禁止され、ブルドッグは繁殖が減少し、絶滅の危機に瀕しました。
改良と家庭犬としての人気
一部の愛好家たちの努力により、ブルドッグは改良され、闘争心や攻撃性を排除することに成功しました。これにより、見た目は怖そうでも優しい性格を持つブルドッグは家庭犬として人気を博すようになりました。さらに、ユーモラスさを強調するために、ずんぐりして頭が大きい姿への選択交配が進み、現在のブルドッグの形になりました。
ブルドッグの象徴的役割
攻撃性を排除した後も、頑固で忠実な気質は残り、ブルドッグはイギリスを象徴する国犬となりました。また、フレンチ・ブルドッグやブルテリアなどの犬種作出にも使用されました。イギリスでは海軍のマスコット、アメリカではニューヨーク州のレスキューのシンボルマークとして、勇気と不屈の精神を象徴するブルドッグが使われています。
日本でのブルドッグのシンボルマーク
日本では大正末期にソースのシンボルマークとして採用されましたが、これはソース発祥の地であるイギリスでブルドッグが家庭犬として人気を博していたことに由来しています。
しつけ
ブルドッグは頑固でしつけや訓練が難しいことがありますが、性格は優しく温和です。室内トイレなどのしつけには根気が必要ですが、諦めずに続けることが大切です。
毎日の散歩が大切!
ブルドッグはあまり走ったり遊んだりすることはありませんが、飼い主と一緒に活動するのを好みます。体重管理が重要なので、朝晩の涼しい時間に毎日30分から1時間程度のゆっくりとした散歩を行うようにしましょう。
シャンプー
定期的なシャンプーが必要です。ただし、過度なシャンプーは皮脂を落としてしまうため注意が必要です。
ブラッシング
ブルドッグの被毛は短毛で厚みがありますが、手入れは比較的楽です。ただし、皮膚の手入れが重要で、特にしわの間に汚れがたまらないように、こまめに拭き取ることが必要です。
歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想。歯磨きが苦手な場合は歯磨きガムやシートを検討しましょう。
健康管理
日本の高温多湿の夏はブルドッグにとって非常に厳しい季節ですので、無理に外出するのは避けましょう。特に関東以南では、冷房のない部屋での飼育は難しいです。
適切なフードを選んで与えよう
犬の成長や健康に合わせて、総合栄養食を与えよう。適切なフードで元気に育ってね。
ペットショップで購入する場合だと平均30万円〜が相場です。
里親になる方法もあります。保健所や動物愛護センター、ボランティア団体などで里親募集が行われています。ブルドッグの里親は人気が高く、すぐに新しい飼い主が見つかることが多いため、定期的に情報を確認しましょう。
ブルドッグの子犬をブリーダーから購入することが一般的です。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎を訪問できるかどうかや親犬と兄弟犬の健康情報について尋ねましょう。ワクチン接種の情報やアフターケアについても確認し、信頼性のあるブリーダーを選びましょう。
ブルドッグの子犬はペットショップで入手することもできますが、繁殖頭数が少ないため、店頭での販売はまれです。ペットショップで探す場合、店舗に問い合わせて子犬の入手可能性を確認しましょう。