英語表記 English Cocker Spaniel
サイズ 中型犬
グループ 8G
(ポインター・セター以外の鳥猟犬)
原産国 イギリス
体高 38cm~41cm
体重 13kg~15kg
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、自信に満ちた表情と優雅なたたずまい、絹のようになめらかな被毛が特徴的です。やさしさの中にも、優れた猟犬としての聡明さと威厳を感じさせる魅力があります。
その上品な外見とは異なり、人懐っこく明るく陽気な性格は、家庭犬としてだけでなく、多くの愛好家を魅了しています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルには、ブラック、タン、ローン(地色と混ざっていること)、レッド、オレンジ、レモンなどの単色があります。また、これらの色に加えて、バイカラーのバリエーションも存在します。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命は12~15歳です。これは犬全体の平均寿命である14歳とほぼ同じであり、平均的な寿命と言えます。
目の病気
長い毛が目に入りやすく、目のまわりの皮膚がたるんでいるため、以下の目の病気にかかりやすい傾向があります。
- 結膜炎: 結膜(目の粘膜)の炎症で、充血や涙が出る症状が現れます。
- チェリーアイ: 眼球の角膜の一部が脱臼してしまう病気で、特徴的な腫れが見られます。
- 緑内障・白内障: 緑内障は眼圧が高くなり、白内障は水晶体が白く濁る病気で、いずれも視力障害を引き起こします。
皮膚関連の問題
- 脂漏性皮膚炎: 皮脂の過剰分泌による皮膚炎で、かゆみや炎症を引き起こします。
- 外耳炎: 耳道の炎症で、耳のかゆみや赤み、異臭がみられます。耳垢の増加や耳をかく仕草が見られることもあります。
その他の病気
- 中耳炎・内耳炎: 耳の炎症で、中耳炎は中耳内の炎症、内耳炎は内耳の炎症を指します。頭を傾ける、耳をかく、バランスが悪くなるなどの症状が現れます。
- 膝蓋骨脱臼: 膝蓋骨が外れる病気で、歩行時に足を引きずる、脚を持ち上げるなどの症状がみられます。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルはとにかく明るく、しっぽを他の犬の倍以上に振って生活するような性格です。鳥猟犬として高い運動機能を備えているため、遊ぶのも大好きです。しかし、その「攻撃性」については一時期、本格的な調査がされた犬種でもあります。
この犬種は人の要求を素直に受け入れ、ポジティブな反応ができるように、子犬のころから教えていくことが重要です。
起源と祖先
イギリスには古くから土着のスパニエルが存在し、そのうち陸地での猟に使われていた犬たちが、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの祖先と考えられています。特に、ランド・スパニエルとして知られる犬たちがその中核を成していました。
役割と狩猟
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、狩猟においてひそんでいる山鳥を飛び立たせ、撃ち落とされた鳥を回収することが主な役割でした。その活躍は、猟犬としての資質を示すものでした。
犬種の分類とアメリカへの伝播
元々はイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルと同じ犬種とされていましたが、大きさの違いから、1892年にイギリスケネルクラブはこの犬種を別の犬種として分類しました。その後、アメリカにも伝わり、アメリカン・コッカー・スパニエルとして独自の進化を遂げることになりました。
しつけ
この犬種は賢く従順であり、しつけが入りやすい特性があります。訓練性能も高いため、若齢期からの訓練を行うことが重要です。また、激怒症候群(レイジ・シンドローム)の好発犬種であるため、発症時に疾患との区別をつけるためにも、しっかりとした訓練を行っておくことが大切です。
毎日の散歩が大切!
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは猟犬としての性質を持つため、多くの運動が必要です。少なくとも1日に1時間以上の散歩やボール遊びなどのゲーム、ドッグランでの自由運動が良いでしょう。
シャンプー
定期的なシャンプーが必要です。ただし、過度なシャンプーは皮脂を落としてしまうため注意が必要です。
ブラッシング
被毛はダブルコートであり、特に換毛期には抜け毛が増えます。毎日のブラッシングや週に2~3回のブラッシングを心掛けることで、被毛の状態を良好に保つことができます。
歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想。歯磨きが苦手な場合は歯磨きガムやシートを検討しましょう。
健康管理
垂れ耳のため外耳炎が起こりやすいので、子犬の頃から耳に触れることに慣れさせ、定期的な耳掃除も重要です。耳カバー(スヌード)を使用する場合は、食事の際以外は取り外しておくようにしましょう。
適切なフードを選んで与えよう
犬の成長や健康に合わせて、総合栄養食を与えよう。適切なフードで元気に育ってね。
ペットショップで購入する場合だと、平均35万円〜が相場になります。
里親になる方法もあります。保健所や動物愛護センター、ボランティア団体などで里親募集が行われています。イングリッシュ・コッカー・スパニエル里親は人気が高く、すぐに新しい飼い主が見つかることが多いため、定期的に情報を確認しましょう。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの子犬をブリーダーから購入することが一般的です。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎を訪問できるかどうかや親犬と兄弟犬の健康情報について尋ねましょう。ワクチン接種の情報やアフターケアについても確認し、信頼性のあるブリーダーを選びましょう。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの子犬はペットショップで入手することもできますが、繁殖頭数が少ないため、店頭での販売はまれです。ペットショップで探す場合、店舗に問い合わせて子犬の入手可能性を確認しましょう。