英語表記 Rough Collie
サイズ 大型犬
グループ 1G(牧羊犬・牧畜犬)
原産国 イギリス
体高 56cm~61cm
体重 20kg~34kg
ラフ・コリーは、長い美しい被毛とスマートな外見、そして気品に満ちた犬です。その穏やかな性格から、コンパニオン・ドッグとして非常に人気があります。長毛種と短毛種の2つのタイプが存在し、特に首周りや足元の飾り毛が非常にゴージャスです。社交的な性格を持つラフ・コリーは、体が大きくても小型犬とも上手に付き合うことができます。また、非常に賢い犬種で、さまざまなことを覚えさせることができ、家庭犬として理想的です。
ラフコリーの公認カラーには、セーブル&ホワイト(茶白)、トライカラー(黒白茶)、ブルーマール(灰白黒茶の大理石模様)の3種類があります。加えて、全体が白く、頭部や体の一部にこれらの色が入るホワイトコリーも存在しますが、ドッグショーでは認められないことが多いようです。
ラフ・コリーの平均寿命は13~15年です。大型犬の中では比較的長寿な犬種とされています。
股関節形成不全
股関節形成不全は、ラフコリーに見られる先天的な疾患で、股関節の形が異常であるために関節が正しく機能しません。この状態は関節炎や痛みを引き起こし、犬の活動性に影響を与えることがあります。遺伝的な要因が強く関与しているため、繁殖時には注意が必要です。
コリー眼異常
ラフコリーには、「コリー眼異常」と呼ばれる遺伝性の目の異常もよく見られます。この疾患は、軽度の視力障害から眼内出血、さらには網膜剥離を引き起こし、最終的には失明に至ることもあります。コリー眼異常は、網膜や脈絡膜の形成不全や異常な血管の発生が特徴です。早期発見と適切な管理が必要です。
まつげの発育異常
ラフコリーはまつげの発育異常(ディストキア)にも注意が必要です。この状態では、まつげが異常な位置や方向に生え、眼球に刺激を与えて炎症や角膜潰瘍を引き起こす可能性があります。まつげの異常な成長は、定期的な目のチェックと適切な獣医の処置で管理することが重要です。
ラフ・コリーは穏やかで、誰に対しても優しく接する性格を持っています。また、非常に賢く物覚えが早いため、しつけがしやすい犬種です。しかし、牧羊犬としての本能から、防衛本能が強く現れることがあります。このため、吠えたり攻撃的になったりしないようにしっかりとしつけることが重要です。賢いがゆえに甘やかすと飼い主の言うことを聞かなくなる可能性があるため、幼犬期から一貫したしつけを行い、良い習慣を身につけさせましょう。
起源と進化
ラフコリーの歴史は19世紀頃まで記録がなく、鼻の長い特徴もこの時期の他犬種との交配で強調されました。「コリー」という名前はスコットランド語で「黒い犬」を意味し、当初はトライカラーが多く、ブルーマールも存在していました。
スムースコリーとの関係
ラフコリーと非常に似たスムースコリーは、外見は短毛のラフコリーのようですが、もともと別の犬種とされています。過去に交配が盛んに行われ、現在のように似た外見を持つようになりました。
ビクトリア女王とラフコリー
1860年頃、ビクトリア女王がスムースコリーをスコットランドから連れて帰ったことで、ラフコリーも広く知られるようになりました。1870年代には茶白のセーブルの毛色が人気となり、イギリス国内だけでなくアメリカにも輸出されました。
アメリカでの普及
アメリカに渡ったラフコリーは、大型犬の飼育に適した住宅環境で富裕層に飼われました。映画「名犬ラッシー」の影響で、ラフコリーは一般家庭でも飼いやすい賢く愛らしい犬として広く普及しました。
しつけ
非常に賢く物覚えが良いラフコリーは、しつけが比較的容易です。洞察力が高く、家族の指示や行動を先回りすることもあります。上手に教えれば、ボール以外にも様々な指示された物を持ってくることができます。しかし、欲求不満になると胃腸障害を起こしたり、若い頃にはいたずらが激しくなることがあるため、十分な運動とコミュニケーションが必要です。
毎日の散歩が大切!
ラフコリーは大型の牧羊犬であり、毎日十分な運動が必要です。特に1~2歳の若い頃は、朝晩1時間ずつの散歩でも物足りない場合があります。飼育を考える際には、日々の運動量を確保できるかどうかを検討することが重要です。
シャンプー
定期的なシャンプーが必要です。ただし、過度なシャンプーは皮脂を落としてしまうため注意が必要です。
ブラッシング
ラフコリーは長毛のダブルコートを持ち、抜け毛が多いです。毎日、少なくとも週に3回程度のブラッシングを行い、毛の手入れを怠らないようにしましょう。
歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想。歯磨きが苦手な場合は歯磨きガムやシートを検討しましょう。
社交性と忍耐力
ラフコリーは社交的で辛抱強く、子どもや他のペットとも仲良くすることができます。そのため、家庭犬として非常に適しています。
適切なフードを選んで与えよう
犬の成長や健康に合わせて、総合栄養食を与えよう。適切なフードで元気に育ってね。
ペットショップで購入する場合だと、25万円〜程度が相場です。
里親になる方法もあります。保健所や動物愛護センター、ボランティア団体などで里親募集が行われています。ラフコリーの里親は人気が高く、すぐに新しい飼い主が見つかることが多いため、定期的に情報を確認しましょう。
ラフコリーの子犬をブリーダーから購入することが一般的です。ブリーダーを選ぶ際には、犬舎を訪問できるかどうかや親犬と兄弟犬の健康情報について尋ねましょう。ワクチン接種の情報やアフターケアについても確認し、信頼性のあるブリーダーを選びましょう。
ラフコリーの子犬はペットショップで入手することもできますが、繁殖頭数が少ないため、店頭での販売はまれです。ペットショップで探す場合、店舗に問い合わせて子犬の入手可能性を確認しましょう。